それでは本編をどうぞ。
※1/2 文章を追加しました。
□王都アルテア・冒険者ギルド レント
「そしてやってきました! 冒険者ギルド‼︎」
「妹よ、いったい誰に話しかけているんだ?」
ヤケにテンションの高い
とりあえずマイシスター、すごく変な目で見られているから騒ぐのはやめなさい。
「さあお兄ちゃん‼︎ まずはお約束のギルド登録だよ‼︎」
「異世界転移系小説見過ぎじゃないか? とりあえずあそこにいる受付の人に話を聞いてみるぞ。あとあんまり騒ぐなよ」
と、テンションの高いミカに注意しておく。あんまり騒ぎすぎるて周りに迷惑になるからな。
「オッケー! すみませーん! この冒険者ギルドはどんなところで何が出来るんですか‼︎」
「あんまり騒ぐなっつってんだろ‼︎」
全然分かったないだろ⁉︎ ほら⁉︎ 受付の女の人ちょっと困惑しているから⁉︎
「はい、当冒険者ギルドは討伐、護衛、収集、雑事などの多岐にわたる依頼の斡旋所です。登録さえしてしまえばジョブによらずに依頼を受注できます。冒険者ギルドへの登録がお望みでしょうか?」
だが、そこは流石にプロなのか、すぐにこちらの質問に応えてくれた…………本当にうちの妹がすみません。
「はいっ‼︎ 冒険者登録お願いします!」
「は〜もういいよ……あっ、いろいろ騒がしくしてすみません、俺も登録をお願いします」
そう言って謝りつつ、ミカと一緒に俺も登録をお願いした。
「はい、かしこまりました。それではお名前をお願いします」
「俺は『レント』でこっちは妹の……」
「『ミカ』です! よろしくお願いします!」
「はい、かしこまりました、レント様とミカ様ですね……はい、登録が終わりました。それでお二人はジョブに就いていないようですが、その場合受注出来る依頼は非戦闘系の雑事となります、よろしいでしょうか」
まあ、ジョブについていないレベル0の人間に討伐や護衛の依頼がまわされるわけがないか。しかしゲームの中で非戦闘系の雑事をやるのもな〜。
「お兄ちゃん、私冒険とか戦闘とかのクエストがしたいんだけど」
「そうだな……あの、俺達今日この世界に来たばかりの<マスター>なのですが、ジョブにはどうすれば就くことができるのでしょうか?」
というか、俺達この世界の事は門番さんに聞いたことぐらいしか知らないんだよなぁ。
「<マスター>⁉︎あの伝説の⁉︎……たしかに
うん、全然知らないです。
「あっはい、ほとんど分かりません」
「そうですか……ではお二人とも一つ
「「
おや? 何か妙な話になってきたぞ? いきなりクエストとか。
「はい、私達冒険者ギルドも<マスター>についてはあまり詳しくなく、貴方たちも以前からこの国にいた<マスター>とは違うようなので、そのあたりの話を詳しく聞きたいのです。また、各種ジョブについての解説と斡旋もそこでしますし、報酬も出します」
ふむ……いきなり<マスター>なんていう異物が現れたせいで、この国のティアンもだいぶ困惑しているみたいだな。
「ねえお兄ちゃん、私この依頼は
「そうだな、俺もそう思う……わかりました、その依頼お受けします」
【クエスト【相談──アイラ・ローラン 難易度:一】が発生しました】
【クエスト詳細はクエスト画面をご確認ください】
「ありがとうございます、それでは立ち話もなんですので個室にご挨拶します、こちらへどうぞ」
そうして、俺達はこのゲームでの初めてのクエストを受けることになった。
◇
「なるほど、やはりこれからこの国に来る<マスター>は、以前からいた<マスター>とはだいぶ違うようですね」
あれから俺達と受付嬢……アイラさんは<マスター>やこの国、この世界のことについて色々なことを話し合った。さっき門番さんと話したこと以外にも、俺達の所持金や装備のことや、この世界にいられる時間、これから現れる<マスター>達のことなどをわかる限り話した。
また、彼女からはこの国やこの世界の様々な常識や物事についてのことを教えてもらった。特に以前からこの国にいた<マスター>であり、
あと、<マスター>同士の争いに関しては、他に被害が出ない限りはティアン側からはノータッチの様だ。まあ不死身の<マスター>を縛るのは難しいだろうからな。だが<マスター>が死んでからこちらの世界に戻ってくるには、セーブポイントを使う必要があるらしく、重大な犯罪を犯した<マスター>に対してはそれを使用不能にすることによって、死んでから戻ってくる場所を“監獄”という隔離された場所にすることができるという。その事についてもミカは『<マスター>専門の
「やはり<マスター>では長時間の護衛任務などは難しいようですね」
まあ、ログアウトのこととかがあるからなぁ。
「そうだねー、でも<マスター>はティアンと違ってどうせ死なないんだし、命の危険が高い依頼とかを押し付けちゃえばいいんじゃないかな〜」
何かミカが物騒な事を言い出したぞ。まあ<マスター>はどうせ死なないんだし別にいいんだが。
「オイオイ……まあ、その手の依頼でも高い報酬をチラつかせれば受ける<マスター>はいるだろうな」
「なるほど、<マスター>は不死であり、ティアンとは行動原理が違うことも考慮して依頼を斡旋する必要がありそうですね」
まあ、これ以上は俺達に出来る事はあまり無いだろうし、これからこの国に来る<マスター>が重大犯罪を犯さないことを祈るしかないかな。
「色々相談に乗っていただきありがとうございます。ではこれからジョブの紹介に移らせていただきますね。お二人は冒険がしたいとの事なので、就くのに条件のない戦闘用下級職を中心としたリストを用意しました。また報酬に関しては、選んだジョブにあった初心者用の装備をこちらから提供いたします。流石にその装備でモンスターと戦うのは難しいので……。あと一人三千リル程で初心者用の講習を受けることができます。冒険に必要な各種アイテムなども貰えるので受ける事をお勧めします」
「「こちらこそ色々ありがとうございました‼︎」」
いや〜アイラさんは超いい人だなぁ。美人だし。
さて、ジョブのリストはっと……ふむふむ……【
「ちょっ‼︎お兄ちゃん‼︎左手の<エンブリオ>が光ってるんだけど⁉︎」
「ああ! 俺もだ‼︎ひょっとして<エンブリオ>が孵化するのか⁈」
ジョブのリストを見ていると突然左手の第ゼロ形態の<エンブリオ>が輝き出したのだ…………まさか、このタイミングで同時に⁉︎
「おお〜<エンブリオ>がすごい光ってる〜〜‼︎バッ……バ○ス‼︎」
「いやそんなに光ってないからな。てか、ラピ○タや巨○兵みたいなのが出てきたらどうする」
アホな事を言っているミカは置いておこう…………さて、俺達の<エンブリオ>はいったいどんなものなのだろうか……。
あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説
兄:尚、祈りは届かなかった模様。
妹:サブカルは広く浅く、テンションが上がるとネットで拾ったネタが出る。
受付嬢:本名 アイラ・ローラン
・前話で登場したリヒトさんの娘さん、長女。
・美人で頭もキレる人気受付嬢。
・実は元冒険者で合計レベルは300を超えている。
・受付嬢になった理由は、とあるクエストで新人冒険者を死なせてしまったから。
・現在はその後悔をバネに冒険者を支援する名受付嬢として活躍中。
・当然《看破》《鑑定眼》《真偽判定》は取得済み。
・兄妹の報酬には少し色をつけた。
・二人から聞いた話を元に他のギルド員達と<マスター>の事について話し合い、今後のギルドの方針を考えるべきではないかと思っている。
トム・キャット:いったいナニモノなんだ……。
次回ついに兄妹の<エンブリオ>が公開‼︎