とある兄妹のデンドロ記録(旧)   作:貴司崎

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前回のあらすじ:兄「デンドロには本当にマスクデータが多い……。マジ多い……」


それでは本編をどうぞ。


<キオーラ伯爵領>・海水浴:前編

 □港湾都市キオーラ 【高位付与術師(ハイ・エンチャンター)】レント

 

 あれから、港湾都市キオーラに到着してからしばらくの間、俺達は普通にクエストや観光などを楽しんでいた…………幸いな事に、これまでと違ってその間は特にトラブルは起きなかったしな。

 ちなみに、俺は長く取りっぱなしで放置していた【弓狩人(ボウ・ハンター)】と【毒狩人(ポイズン・ハンター)】をカンストさせて、エンチャント魔法を使い続けていたお陰で条件を満たしていた【高位付与術師】のジョブに就いていた。

 また、少し前からの単独レベリングで亜竜級以下のモンスターがアイテムを落とさなくなったので、どうも《光神の恩寵(エクスペリエンス・ブースター)》はアイテムのリソースを経験値に回しているらしい事が分かってしまった…………なので、今後アイテムが欲しい時はスキルをオフにするか、店や妹達から買い取る事になりそうだ。

 …………と、そんな事を考えていると……。

 

「と、言うわけで海に行こうよ!」

「だから、どういう訳だ」

 

 唐突にミカがそんな事を言い出した…………コイツ(ミカ)は直感で先が読めてしまう所為か、過程をすっ飛ばして結果だけを話す癖があるからなぁ。

 …………とりあえず、ミカの話を詳しく聞くとしようか。

 

「ああ、ごめんごめん。…………実はこの街を観光していた時、近くに海水浴が出来るビーチがあるって話を聞いたからそこに行ってみようって事なんだよ」

「そういう事でしたか。…………でも、この世界での海水浴は命がけになるのでは?」

「そのあたりは大丈夫みたいだよ。何でもモンスターが少ない砂浜に、更にモンスター避けの結界を張っているみたいだし…………その分、少し入場料がかかるみたいだけどね。そもそも、海の強いモンスターは浅瀬にはあまり居ないみたいだし」

 

 詳しく話を聞くと、その海水浴場は前キオーラ伯爵がレジャー施設として作ったものだったが、この世界のティアンが持つアウトドアへの忌避感や結界の維持費がかかる事などから、ほとんど使われる事が無く長い間機能停止の上で閉鎖されていたらしい…………だが、この世界に多くの<マスター>が現れ、更にいくらかの<マスター>達が海でのアウトドア目的でこの領に訪れる様になってからはその評価が一変したようだ。

 …………この領に来た<マスター>達が海でのアウトドアを目的にしていると知った現キオーラ伯爵は閉鎖されていた海水浴場を解放し、更にその<マスター>達に周辺のモンスターの討伐や解放時間中の海水浴場の警護を依頼したのだ。

 

「成る程。まあ、不死身の<マスター>なら危険性はある程度無視出来るからな」

「海水浴場の警護もそんなにガチガチな依頼じゃ無くて、暇な時間は海で遊んでもいいみたいなゆるい依頼らしいから、遊びながら報酬を貰えるって結構人気の依頼みたい」

「…………モンスターの襲撃があった時に、腕っ節のある<マスター>が居ればそれだけで十分な警護になるしな」

「そういう事。…………その分ある程度の実力と信用のある<マスター>じゃないと受けられない依頼みたいだけど」

『それは当然だね。遊んでばかりで依頼をサボる様な人間には任せられないだろうし』

 

 つまり、ミカはその海水浴場に行きたいという事だな…………まあ、ミュウちゃんも海水浴とかを楽しみにしていた様だしな。

 

「分かった。じゃあ水着とかを準備してから、その海水浴場に行こうか」

「そこは大丈夫だよお兄ちゃん! こんな事もあろうかと、この旅行に出る前にターニャちゃんに頼んで三人分の水着を作って貰っていたからね!」

「せっかく作って貰った水着が無駄にならずに済んだのです!」

 

 …………ああ成る程ね、ミュウちゃんが海でのアウトドアを楽しみにしていたのはそれが理由か。

 だが……。

 

「使うか分からない水着は用意して、キャンプ用の調理器具は買い忘れたんだな」

「「…………(汗)」」

 

 俺のその言葉に対し、妹二人は冷や汗を流しつつ目を逸らした…………この街で調理器具は買い揃えたから別にいいんだが、やはりこの二人にもちゃんと料理を覚えてもらうべきかな?

 

「と、とりあえず海水浴場にレッツゴー!」

「お、おー!」

「…………やれやれ」

 

 そういう訳で、俺達は<キオーラ伯爵領>にある海水浴場に向かう事になったのだった。

 

 

 ◇

 

 

「さて! やって来ました海水浴場!」

「おー! 海なのです!」

 

 あれから俺達は<キオーラ伯爵領>にある海水浴場に来て、入場料金(<マスター>前提だからかそこそこ高かった)を払い水着に着替えて(《着衣交換》スキルで一瞬)浜辺に足を踏み入れていた。周りを見てみるとそれなりの数の人が居て、その多くは<マスター>であり結構賑やかな感じだな。海の家みたいな屋台も並んでいるし。

 …………そんな風に周りを見ていると、ミカが来ている水着をで見せびらかしながらこちらに話しかけて来た。

 

「それで? どうかなお兄ちゃん?」

「ああ、二人共その水着がよく似合っているよ。…………ターニャちゃんはいいセンスをしてるよ」

「ありがとうなのです兄様。ターニャさんに作って貰った甲斐があったのです!」

『良かったね、ミュウ』

 

 ちなみにミカの水着は白地に赤い花の模様のビキニとタンクトップ、確かこの組み合わせでタンキニと言うんだったかな? ミュウちゃんはピンク色のフリル付きワンピースタイプの水着だった…………え? 俺? 俺は普通の黒い海パンだが? 男の水着姿など需要が無かろう。

 ちなみにこの水着には《着衣交換》を始めとして《水泳》《潜水》などの装備スキルが付いている無駄にハイスペックな代物であり、そのデザインも他の人が着ている店売りの水着と比べても明らかに手が込んでいた…………ターニャちゃん気合いを入れ過ぎだろう。

 

「それじゃあ早速泳ごうかミュウちゃん!」

「はいなのです! …………兄様はどうしますか?」

「せっかくだし、俺も少し泳ごうかな。…………ああそれと、はしゃぐのは良いが他の人に迷惑をかけない様にな。何かあったら【テレパシーカフス(防水仕様)】で連絡する様に」

「分かってるって。じゃあ行って来まーす!」

 

 そう言って妹二人とフェイは海に駆け出していき、それに続いて俺もゆっくりと海に向かって歩いて行った。

 

 

 ◇

 

 

「プハァ! …………しかしながら、海で泳ぐのなんて随分と久しぶりだな」

 

 それからしばらくの間、俺は姦しく遊んでいる妹達と別れて、色々な事を試しつつ海を泳いでいた。しかし、俺も人並み程度には泳げるのだが、やはり水中だとアバターのステータスを持ってしても動きが大幅に鈍るな。

 試しに【蒼海術師(ハイドロマンサー)】のスキルである《ウォーターブリージング》──水中で息継ぎをせずに長時間行動出来る様になる魔法──や《アンダーウォーター・アクション》──水中での行動に補正が掛かる魔法──なども使ってみたが、それらのスキルを重ね掛けしても水中では亜竜級のモンスターにすら勝つ事は難しいだろう。

 

「やはり、水中戦闘用のジョブも取るべきかな? 水中だとスキル発動宣言も出来ないし」

 

 まあ、水中でのスキル発動宣言が出来る様になる装備やジョブスキルとかもあるみたいだが…………それでもやはり、ジョブスキルで《水泳》や《潜水》は取っておいた方がいいか? 【漁師(フィッシャーマン)】や【海賊(パイレーツ)】とかで。この街には港があるし、それらのジョブに転職出来るクリスタルもあるだろう。

 …………そんな事を考えつつ、更に沖まで泳いでいくと紐で繋がれた沢山のブイの様な物が見えてきた。

 

「…………おっと。これ以上沖には行けないみたいだな」

 

 どうやら、あのブイがモンスター避けの結界装置みたいだな。この海水浴場に入る時に見た看板にも『沖にある結界装置の向こうには絶対に出ないでください! もし出た場合には命の保証はしません』と書かれていたし。

 

「まあ、試したい事は一通り試し終わったし、そろそろ岸まで戻るか」

 

 そうして、俺はさっさとUターンして岸まで泳いで行った。

 

 

 ◇

 

 

 そうしてしばらく泳いで行って、ようやく浜辺が見えてきたのだが……。

 

「ん? アレはウチの妹二人と…………あのチャラ男どもは何だ」

 

 スキル《千里眼》と使って浜辺の方を見てみると、ウチの妹二人が高校生ぐらいのチャラ男二人(左手に紋章がある事から<マスター>の様だ)に話し掛けられているところだった。

 よく見るとチャラ男A・Bは品性に欠ける軽薄な雰囲気(※兄視点です)で、妹二人はやや困った顔をしていた…………ナンパかな?

 

「やれやれ、小学生の妹をナンパとかしないでほしいんだが。…………アバターは中学生ぐらいだが」

 

 まあ、二人のアバターは結構美少女な現実の姿をそのまま中学生ぐらいに成長させたものな上、ターニャちゃん謹製の気合いの入った水着のせいでだいぶ目立つからなぁ。

 

「とはいえ、保護者としては小学生の妹に声を掛ける連中に何もしない訳にも行かないかな。…………公衆の面前だし()()()()()()()()()()済ませてやるか」

 

 少し《看破》してみたところ、あのチャラ男どもは一応合計レベルをカンストはしているみたいだが…………その程度の相手にウチの妹二人が直接どうこうされる事は無いだろうし。

 …………今のミカは装備やスキルが無くてもそこらのカンスト<マスター>ぐらいならミンチに出来るし、ミュウちゃんは対人格闘においては多少のレベル差なんて関係無いだろうし。

 

「…………なんか、別の意味でさっさと止めた方が良い気がして来たな」

 

 …………と言うわけで、俺は急いで浜辺まで泳いで行ったのだった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 □港湾都市キオーラ・海水浴場 【戦棍姫(メイス・プリンセス)】ミカ

 

 あれから、お兄ちゃんが沖まで泳いで行ったのを見送った私達は、とりあえず三人で海の浅い所を泳いだり砂浜でキャッキャウフフと遊んだりしていたのだが…………そこで高校生ぐらいの男の人二人に声を掛けられたのだ。

 

「ねーねー、そこの彼女達! ちょっと俺達と一緒に遊ばなーい!」

「危ない事なんて無いって! 俺らこれでもチョー強いし!」

「えーっと……」

「はぁ……」

 

 うーむ…………これは『ナンパ』というヤツかな? 流石に現実でナンパなんてされた事は無いからちょっと驚いちゃうね。

 …………まあ、現実で小学生の私達をナンパする様な人がいたら、即ポリスメン案件だけどさ。

 

「(どうしましょう姉様。…………一応、悪意や害意の類は無いみたいですが)」

『(どうする? …………焼いちゃう?)』

「(公衆の面前で流石にそれは……。私の直感でも危険性は無いみたいだし、やんわり断るしか無いんじゃないかな)」

 

 それに何というか……こう、すごく背伸びしている感じがするんだよね。多分、実年齢はアバターほど高くないんじゃないかな?

 …………あと、この二人顔や雰囲気がよく似ているから兄弟かな?

 

「えーと、私達一応連れがいるので……」

「大丈夫大丈夫! 俺らこれでもレベルカンストしてるからさ!」

「(レベルにおいて兄様には勝てないと思いますが)」

『(というか、目の前にいるミカちゃんが超級職に就いている気づいていないみたいだけど)』

 

 どうやら、デンドロでカンストして強くなったと思って少し舞い上がっているみたいだね…………流石に公衆の面前でいきなり暴力に訴えるのは気が咎めるし。

 …………それに、どうやらお兄ちゃんが戻って来たみたいだね。

 

「おい、そこのチャラ男A・B、ウチの()()()()妹二人に何の用かな?」

「「チャラ男⁉︎ ってか小学生⁉︎」」

「リアルでは小学生だよ」

「なのです」

 

 と、言うわけでお連れ様のお兄ちゃんが登場です…………まあ、私達へのナンパをどうにかするには、リアルの年齢を明かすのが一番手っ取り早いしねぇ。

 いきなりのカミングアウトにチャラ男さん達(仮)は動揺しだした。

 

「小学生かよ! …………っていうか、あっちの男はひょっとして“万能者”か⁉︎」

「それって<マスター杯>で()()()を倒した……⁉︎」

「…………アンタたち、そこで何をしているんだい?」

 

 何故かお兄ちゃんを見てもの凄く動揺している二人だったが、その後ろから一人の女性が声を掛けた事によってピタリと黙った…………確か彼女は<マスター杯>の一回戦でお兄ちゃんと戦ったアマンダ・ヴァイオレンスさんだったかな。

 …………そのアマンダさんを見たお兄ちゃんが、ニヤリと笑って問いかけた。

 

「おや、アマンダさん。そこのナンパ男二人とは知り合いで?」

「「げっ⁉︎」」

「…………ああ、だいたい分かったよ……べフィ」

『GAU』

「「ぎゃああ⁉︎」」

 

 お兄ちゃんのその言葉を聞いたアマンダさんが、紋章から試合で見たガードナーの<エンブリオ>──確か【ベヒーモス】って言う名前だったかな? ──を出して、その前足に二人を強めに握らせた。

 

「どうやら、ウチのバカどもが迷惑をかけたみたいだね。…………全く、たかがカンストしたぐらいで調子に乗ってナンパとか馬鹿じゃないのかい? そんなんだから決闘で私に一度も勝てないんだよ」

「お前みたいなリアルアマゾネスと一緒にすrぎゃあああ⁉︎」

「リアルでもデンドロでも周りの女子がお前みたいなアマゾネスしかいnぎゃあああ⁉︎」

 

 何か口答えしようとした二人を、アマンダさんは【ベヒーモス】に更に強めに握らせる事で黙らせた…………普段の力関係が目に浮かぶ様だね。

 …………そうしてしばらくの間眺めていると、アマンダさんが謝罪してきた。

 

「レントさん、それに嬢ちゃん達、今回はウチのバカどもが済まなかったね」

「いえ、別に実害も無かったですし」

「特に気にしてはいないのです」

「この二人がそう言っているのなら、俺からは特に何も無いですよ」

「ありがとうね、そう言ってくれると助かるよ。…………さあ! さっさと行くよ!」

 

 そして、そのままアマンダさんとベヒーモスは去って言った…………あの二人はさっきからずっと黙っているけど、多分【気絶】しているね。

 

「多分、あの三人の実年齢は中学生ぐらいかな? …………まあ、私達みたいな美少女を見たら少しはっちゃけちゃうのもしょうがないよね!」

「はいはい。…………それで、ミュウちゃんは大丈夫だったか?」

「悪意とかは無かったので大丈夫でしたよ、兄様」

「私はスルーかお兄ちゃん」

 

 まあ、特に問題無く終わったから良かったけど…………もし、彼等に悪意があったら砂浜にミンチが二つ出来ていたし。

 

「さて、そろそろ昼だな。…………とりあえず腹が減ったし、何か飯でも食べに行くか?」

「そういえば、此処には屋台があるみたいだから行ってみようよ」

「いいですね!」

 

 そういう訳で、私達は気分を切り替えて早めの昼食を取る事にしたのだった。

 

 

 ◇

 

 

「おお、結構いっぱいやってるね」

「焼きそば、焼きトウモロコシ、おでん……と色々な屋台があるのです」

 

 私達が屋台のある場所に行くと、そこには様々な食べ物が売られていた…………どれも海水浴場でありそうなメニューだね。

 ちなみに調理している人の左手には紋章があったから、此処の屋台は全部<マスター>がやっているみたいだね。

 

「とりあえず何か買ってみようか。…………すいませーん! 焼きトウモロコシ三つください!」

「はいよー!」

 

 ちょうど焼きトウモロコシの屋台に客が居なかったので、三つ程買って(海水浴場価格なのか少し高かった)食べてみた。ちなみにフェイちゃんはミュウちゃんのものを分けて貰って食べているよ。

 …………そして、食べてみた感想は……。

 

「…………普通だね」

「…………普通だな」

「…………普通なのです」

『…………普通かな?』

 

 その焼きトウモロコシは特に美味しくも不味くもない普通の味だった…………この世界の料理にはスキルの補正が乗るから、平均的には現実の物より美味しいんだけど。作っている人のジョブを《看破》してみると【高位料理人(ハイ・コック)】だったけど……? 

 …………そんな風に疑問に思っていると、焼きトウモロコシを作っている人が話しかけて来た。

 

「嬢ちゃん、どうやら味が普通な事に疑問を抱いている様だな。…………実は此処の屋台では海水浴場感を出すために、あえて味を普通ぐらいに調整しているのさ!」

「は、はあ……」

「ちなみに食材は良いものを使っているから、料理バフの効果は高いぞ。……いや〜料理バフの効果を維持しつつ、味を普通に留める調整には苦労したぜ」

 

 …………なんか無駄に凝っていて、ある意味すごいけどさ。確かに料理バフも一時間の間HPが自動回復するって言う強力なものだけど……。

 私達がそんな風に考えていると、それを察したのか料理人さんが話しかけてきた。

 

「もし、美味い飯が食べたいんだったら焼きそばの屋台に行くといいぜ。…………実は、今回飛び入り参加してきた()()()()()()()()()()<マスター>がめっちゃ美味い焼きそばを作ってるからな」

「カニの着ぐるみ? ってまさか……」

 

 …………その、海水浴場で着ぐるみを着る様な奇特な<マスター>に、なんか凄い心当たりがあるんだけど……。




あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説

兄:何だかんだ言ってもやっぱりシスコン
・物欲センサーによく引っかかるタイプなので、ドロップアイテムの質が落ちている事に気づくのが少し遅れた。
・最初はしょうがない感じだったが割と海水浴を満喫している。
・《ウォーターブリージング》や《アンダーウォーター・アクション》以外の【蒼海術師】の魔法も周りの迷惑にならないものは一通り試している。

妹:可愛い水着を着れてかなり気分が良い
・もうちょっと露出度が高い水着でも良かったのだが、末妹とエルザに止められた。
・基本的に危険を感じなければ暴力に訴えたりはしない。

末妹:楽しみにしていた海水浴にご満悦
・他者からの悪意や害意を察知可能なリアル《殺気感知》持ち。
・ちなみにフェイは、ナンパ騒ぎの時に《魔法発動隠蔽》と《魔法発動待機》のスキルで《クリムゾン・スフィア》をいつでも放てる様にしていた。

ターニャ:「素材が良いなら張り切るしかないよね!」

アマンダ&チャラ男A・B:リアルでは同じ中学の同級生
・チャラ男A・Bは双子の兄弟。
・三人共近所に住んでいる幼馴染で、それが縁でデンドロでもパーティーを組んでいる。
・チャラ男A・Bは合計レベルがカンストした記念に海水浴に来ていたので大分浮かれていた。
・その後二人はアマンダにこってり絞られた。

屋台の<マスター>達:趣味人の集まり
・食べ物の味を普通にしながら高いバフ効果を掛けるのにはデンドロ内の時間で一カ月ぐらいかかった。
・なので儲けは完全に度外視している。

カニの着ぐるみを着た<マスター>:いったい何ニーサンなんだ……


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