では本編をどうぞ。
※10月15日《モンスター索敵》を《生物索敵》に変更。
□王都アルテア冒険者ギルド・訓練場 【
あれから、俺達は冒険者ギルドのジョブクリスタルでようやく初の転職をして、今は訓練場でアイラさんの講義を聞いている。
「では、お二人が就いたジョブの事についてお話します。まず、ミカさんが就いた【
なるほど、【戦士】はその名の通り近接系のジョブらしい、
「そして、レントさんが就いた【狩人】は主に中遠距離での戦闘を得意としています。主なスキルは【狩人】系統のジョブスキルである
ふむふむ、その名の通りに狩猟で使える技術を覚えられる感じか。
「さて、お二人には自分たちのジョブで使う武器の訓練をしてもらいます。ミカさんは<エンブリオ>と同じ
へえ、アイラさんそんなに強かったのか……よし、それじゃあ訓練を始めますか。
◇◇◇
□冒険者ギルド訓練場 【戦士】ミカ
そんなわけで今、私はアイラさんとの模擬戦で叩きのめされ訓練場の隅で座りこんでいます。
いや、最初の武器の訓練は普通に指導してくれたんですよ。私は棍棒の素振りをして悪いところを直してもらったり、お兄ちゃんは弓や投擲で的当てをしたり短剣の素振りをしていましたし。
風向きが変わったのは、しばらく時間が経ったあとにアイラさんが「二人共だいぶスジがいいですね。そろそろ軽い模擬戦で戦いの立ち回りを教えて起きましょうか。ああ、ミカさんはご自分の<エンブリオ>を使っても構いませんよ」と言ってからです。
それから私は<エンブリオ>を使って模擬戦をしたのですが……「武器の振り方が大振り過ぎますね、<エンブリオ>が重さを感じないとはいえ、それではあたりませんよ」とか「ずいぶん勘が良いようですが技術を磨かなければ戦いはできませんよ」と言われながらボコボコにされました(その割にHPが全く減っていなかったので、そういうスキルでも使っていたのかな?)。
まあ、戦う前からアイラさんが強いことは
で、今はお兄ちゃんがアイラさんと模擬戦を……「ぬわ──ーっ‼︎」あ、お兄ちゃんが吹っ飛んだ。
「二人共本当にスジがいいですね、おかげで少し本気を出してしまいました」
と、息一つ乱していないアイラさんが声をかけてきた。やっぱり300もレベル差があって、技術にも圧倒的な違いがあるとどうしようもないね。
「そうですね……少し休憩したら
…………実戦訓練?
◇
「さて、休憩も終わりましたし実戦訓練に移ります」
実戦訓練と言っても、何と戦うんだろう?
「はーい、実戦訓練ってモンスターと戦ったりするんですか?」
「いい質問ですねミカさん、その通り、モンスターと戦ってもらいます。ただし、戦うのはこの【ジュエル】の中のモンスターですが」
そう言って、アイラさんは右手を掲げ、そこについた薄い宝石のようなものを私達に見せた。
「この【ジュエル】は所有するモンスターを仕舞うことができるアイテムです。今回はこの中にいる訓練用に作られた“インスタントモンスター”と戦ってもらいます。ああ、訓練用に作られたものなので【ジュエル】から出したら十五分程度で死んでしまいます。なので倒してしまっても構いません」
ふーん、モンスターを作ったりとかもできるんだ……。
「それではお二人とも武器を構えてください…………行きますよ……
そう言ったアイラさんの【ジュエル】から出てきたモンスターは……SFものの映画に出てきそうなグロいクリーチャーだった。
「ってか、グロ過ぎないか?」
「人によってはトラウマものだよね〜これ……っっ! 来るよ‼︎お兄ちゃん‼︎」
そうして私達の、この世界に来て初めてのモンスターとの戦闘が始まった。
◇◇◇
□冒険者ギルド訓練場 【
(ふむ……やはり<マスター>という存在は、不死身である事以外にもいろいろと規格外ですね)
そう考える彼女の目の前では、
まず、飛び掛かってきた【クリーチャー】をミカが自身の
(ミカさんの<エンブリオ>、
命が一つしかないティアンにとって、レベルを上げることは非常に困難を極める。
また、獲得経験値を増量させるスキルも、彼女自身がメインジョブにしている【教導官】や【
そう考えている間にも、棍棒の一撃に耐えた【クリーチャー】が腕を振りかぶり攻撃を仕掛けるが、ミカは
(ミカさんのあの動き……先読みしているというより
先程の模擬戦でも手加減していたとはいえ、合計レベルが300以上あって技量にも差がある自身の攻撃ミカは直撃だけは避けていたし、レントもこちらの動きがある程度は見えていたようだ。おかげで最後の方は少しだけ本気を出してしまった。
(彼らの話からすると……これらのことは<エンブリオ>によらないセンススキルと見るべきでしょうね。ティアンでもその手のものを持っている人はいますし……やはり、<エンブリオ>や不死性以外の技術などについては<マスター>もティアンと同じく個人差があるようですね。……まあ、この事については今後増える<マスター>達を見ればわかるでしょう)
そう思っていると、二人の連携に追い詰められている【クリーチャー】が見えた。
(あの【チュートリアル・クリーチャー】は
目の前ではレントの放った矢が【クリーチャー】の足に突き刺さり、その隙にミカの大上段に振りかぶられたメイスがその頭に叩き落とされ、そのまま光の塵となっていった。
(あの見た目の相手にも躊躇なく向かって行けたのは、お二人の精神性によるものか<マスター>の不死性に起因するものか判断が難しいですが……その事も今後<マスター>達を観察することで判断していきましょう)
そうして彼女は戦いを終えた二人に声をかけようと歩きだした。
◇◇◇
□冒険者ギルド訓練場 【狩人】レント
あれから初戦闘を終えた俺達は、しばらくの休憩の後にアイラさんから冒険者としてやっていく為のルールや注意事項、他のギルドの事、王都にある各種施設の事、王国にある主な都市や場所の事、王都周辺のモンスターの情報などを教えてもらって初心者講習を終えた。
「はい、お二人とも初心者講習お疲れさまでした。クエストの報酬、及び講習終了時に渡されるアイテムは今のお二人にあった装備と街の外での行動に必要な各種アイテム、それといくつかのポーションになります」
「はい、わかりました」
そう言って、俺達はクエスト達成の報酬と各種初心者用アイテムを受け取った。
「それと最後に、お二人は<マスター>なので余計な言葉でしょうが……どうか生きてまた
「「はいっ! ありがとうございました‼︎」」
◇
そうして、俺達の初心者講習は終わった。
最初に冒険者ギルドに来た時に受けたクエストの報酬として貰った装備は、ミカが【ライオット】シリーズという軽鎧を中心としたセット装備で《HP増加》と《ダメージ軽減》のスキルが付与されていた。そして俺が貰ったのは【ハンターアロー】という弓と何十本かの矢、投げナイフと短剣、スキルは付いていないものの初期装備よりはマシな皮鎧、コート、ブーツ、グローブである。
「それでお兄ちゃん、これからどうする? 冒険者ギルドのクエスト受ける?」
そうしてもいいが…………ン? これは…………。
「その前に一回ログアウトだ。さっきから空腹と尿意のアナウンスが来ている」
「解った、じゃあ一回ログアウトするねー」
そうして俺達は一旦
あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説
妹:天災児
・今回チート直感系センススキル持ちと判明。
兄:元弓道部
・兄より優れた妹は結構いると思っている。
《狩人の流儀》:ドロップアイテム上昇スキル
・
・現在の仕様により効果が変更された。
アイラさん:実はスパルタ
・【チュートリアル・クリーチャー】の見た目は彼女の要望。
・曰く「この程度で怯む様では戦いに行っても死ぬだけです」とのこと。
【チュートリアル・クリーチャー】:別名“グロいサンドバッグ”又は“初心者潰し”
・その外見で結構な数の初心者に戦う道を諦めさせてきた。
・近くの最もレベルの低い者を襲うように設定されている。
・そのためギルド内でも一部の者にしか使用許可はでない。
・正直、ギルド内でも
【
・他者を鍛えることに特化している。
・主なスキルは、指導対象の獲得経験値を増量させる《教導》、相手にダメージを与えずに衝撃のみを通す《模擬戦闘》などがある。
・武器技能スキルは主なものは全て取得できるが、戦闘用のアクティブスキルは取得できない。
・ステータスはMP以外はバランスよく伸びる。
・アイラ・ローランの現在のメインジョブ。
・彼女は受付嬢になってから教官系統のジョブを取得した。
【ハンターアロー】:兄が貰った弓
・特にスキルはないが初心者にも扱い易い弓。
次回、ようやく冒険に。