とある兄妹のデンドロ記録(旧)   作:貴司崎

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前回のあらすじ():ゼクスライム「ふふふ、この私がやって来ましたよシュ…グワー」キマイラ『何コイツマズっ』ニーサン『……さて、戦いますか』


それでは本編をどうぞ。


神を砕くモノ

 □クリラ村 【戦棍姫(メイス・プリンセス)】ミカ

 

 さて、私の<エンブリオ>【激災棍 ギガース】のモチーフはギリシャ神話において神々に戦いを挑んだ巨人達の事である(初日のログアウト時にwikiで調べた)…………これは私が『自身に直感という形で降り掛かる神々(理不尽)を打ち破る力が欲しい』というパーソナルに由来するモノだろう。

 それ故に【ギガース】の能力特性は『理不尽を打ち破る為の力』であり、その為の手段として高い物理ステータス補正と防御効果減衰の《バーリアブレイカー》が与えられているのだと思う…………多分。

 そして必殺スキル《神砕刑崩(ギガース)》には発動条件として『自身よりも敵の方が強い』必要があり、更にこの条件は相対評価だから私が強くなるほど条件が厳しくなる…………が、今回の相手は古代伝説級<UBM(ユニーク・ボス・モンスター)>だからこちらも条件を満たしているね。

 …………では、肝心の効果はと言うと……。

 

『GAAAAAAAAAA!!!』

「ふっ!」

 

 封印から脱してこちらに突っ込んできた【ギガキマイラ】は、そのまま鋭い爪が生えた前足を振り下ろし…………私は音速の五倍で振るわれたそれを()()()()()()()()

 …………向こうは五万を超えるSTRな上に全長10メートルを超える大質量だから、受け止めた反動で私の足元の地面に小型のクレーターが出来たが、()()私の身体には何の影響も無かった。

 しかし、ヤツは狂化している所為か自身の攻撃が受け止められても構わずこちらを喰らおうと牙を剥いて来た。

 

「《不治呪瘴》《インパクト・ストライク》!」

『GYAAAAAA⁉︎』

 

 だが、その喰らいこうとしていた狼の頭部を、私は【ブラックォーツ】のスキルを使った上でもう片方の手に持っていた【ギガース】でブン殴る事で()()()砕き、その余波でヤツを吹き飛ばした…………これが私の必殺スキル《神砕刑崩》の効果『自身のHP基本ステータスを基準とした自己強化』である。

 具体的には『装備・スキルによる補正を除く自身のHP最大値の半分をSTRに、四分の一をENDとAGIにそれぞれ加算する』スキルになる。そして【戦棍姫】のステータスはSTRが最も伸びるが前衛系超級職として相応にHPも伸びる為、今の私のHP基本ステータスはAランクのステータス補正込みで二十万程であり、それによってSTRは十万、END・AGIは五万程上昇しているのだ。

 …………まあ、これだけのスキルには当然デメリットもある訳でして……。

 

「あ、言い忘れたけどこのスキルの制限時間は()()()だけで、その後私は死ぬからそんな感じでよろしく。…………じゃ!」

「『え?』」

 

 とりあえず伝え忘れていた事を封竜王さんとフォルテスラさんに話してから、私は吹き飛ばされた【ギガキマイラ】を追撃する為に駆けていった…………そう、この必殺スキルには維持コストとして()()H()P()()()()()()()()()()()()()デメリットがある。

 …………当然、削られた最大HPはデスペナか闘技場の結界でも無ければ元に戻らない上、このスキルは()()()()()()()()なので発動から百秒後に必ずHPがゼロになってしまうのだ。

 更にHPがゼロになってからのデメリットもあるため、使い勝手が非常に悪いスキルになっている…………だが……。

 

「だからこそ、この百秒間だけは私が“物理最強”だよ!」

『…………!』

 

 そういう訳であまり時間の無い私は、吹き飛ばされながらも態勢を立て直している【ギガキマイラ】に向かって音速の五倍に達する速度で突撃した…………ヤツの狼の頭部はグチャグチャに潰されており、再生阻害の効果もあって治っていないので今の内に接近し……否。

 

『……GUAAAAAA!』

「なんか生えた!」

 

 再生していない狼の頭部のすぐ横、ヤツの肩の辺りから熊の頭部が新たに生えて来たのだ…………そして、その熊は()()()()()()こちらを向いて大口を開けていた。

 これは砲撃だと直感した私は【ギガース】を振りかぶり……。

 

『GUAAAAAA!!!』

「《エフェクトバニッシュ》!」

 

 その直後、熊の口から放射状に雷撃が放たれた…………が、それを先読みしていた私は雷撃を【ギガース】で殴る事によってかき消し、そのままの速度でヤツを殴れる距離まで肉薄した。

 だが、ヤツは既に何かオーラの様なモノ(多分、封竜王さんが言っていた《竜王気》)を展開し、更に背中の翼を巨大化させた上で金属化させ、自身の身体を覆う事で防御の姿勢をとった。

 

「でも無駄ァ! 《インフェルノ・ストライク》!」

『GUAAAAAAA!?』

 

 しかし、私が放った豪炎を纏う【ギガース】による一撃は、それらの防御をまるで紙切れか何かの様に粉砕した上でヤツの身体に叩き込まれた…………まあ、今の十五万に迫る私のSTRと自身の攻撃力に応じて防御・身代わり・ENDバフといった『身を守るスキル効果』を減衰する《バーリアブレイカー》を組み合わせればこうなるよね。

 私のその攻撃を受けたヤツは直撃した片翼と熊の頭部、そして片方の前足を焼き潰されながら吹き飛ばされていった…………うーむ、STRが高くなりすぎてるね。吹き飛ばされたヤツを追うのに時間をロスしてしまう。

 …………正直、私はミュウちゃんやお兄ちゃん程の技術が無いから、ステータスが上がり過ぎると制御が難しいな……。

 

『GAA!?』

「え? ()?」

 

 そんな事を考えていると、吹き飛ばされた【ギガキマイラ】がその先にあった紫色の水晶の壁にぶつかっているのが見えた…………あれは封竜王さんが出したヤツかな? 

 …………そう思って周りを見てみると、いつのまにか村の周りに高さ数十メートルもある円周上の水晶の壁が展開されている所だった。

 

『時間が無いのなら戦闘領域が限定した方がいいだろう。ついでにこの中ではヤツにデバフが掛かる様にもしてある』

「ありがとう! 封竜王さん!」

 

 疑問に思って後方に居た封竜王さんを見てみると、彼はその様に説明してくれた…………これでヤツの移動範囲が狭くなるから正面からの殴り合いに持ち込めるね!

 …………そう思ってヤツに向き合うとその狼の頭部は再生されており、更に熊の頭部があったのと反対側の肩から鳥の頭が生えた。

 そして、その頭部が甲高い鳴き声を上げると、ヤツの身体が炎に包まれた上で背中の翼が大型化してその身体を宙に舞わせ、その翼から無数の炎弾をこちらに放ってきた。

 

『KEEEE!』

「って、逃がさないよ! 《竜尾剣》!」

 

 流石に今の私でも空を飛ぶのは無理なので、降りかかる炎弾を上昇しているEND任せで無視して《竜尾剣》を音速の十倍でヤツに向けて射出し、そのSTR十万以上の攻撃力で右翼を貫き爆砕した…………本当は胴体を狙ったんだけど速度が高すぎて外してしまったので、次からは少し速度を落とすべきかな。

 そして片翼を破壊されたからか、ヤツは空中でバランスを崩し……。

 

『空を飛ばれると厄介だから落ちて貰うぞ……《飛行封印》』

『⁉︎ KEEEEEE!!』

 

 封竜王さんのその声と共に空を飛ぶ事が出来なくなって、そのまま地上に墜落していった…………スキル名から考えると『飛行』という行動を封印する効果かな? 封竜王さん自身も今は地面に立ってるし、この空間全体に効果を発揮するタイプみたいだね。

 …………さて、ヤツが飛行を封じられている間に接近しますか。

 

『KEEEEEE!』

『GAAAAAAAAAA!!』

『GUUUUU!』

「って、そう簡単には行かないか!」

 

 だが、ヤツの方もただやられているままな訳ではなく、狼の頭と鳥の頭、そして再生を終えた熊の頭が一斉に咆哮すると共に、その身体に雷と炎を纏わせてこちらに突っ込んできた…………うーん【ブラックォーツ】の再生阻害は向こうの再生能力が高すぎるのか、それとも逸話級と古代伝説級の格の差か、それこそ耐性でも獲得したのかあんまり効果は無いみたい。

 

「《ストライクブラスト》!」

『GAAA!』

 

 とりあえず牽制の為に【ギガース】を振って衝撃波を発生させるがヤツは咄嗟に横に飛んで躱した為、残っていてもう片方の左翼を破壊するだけに終わった…………だが、ヤツは破壊された翼の代わりに()()()()()()()()を生やし、その先端についている金属化させたハサミをこちらに振るって来たのだ。

 

『GAAAAAAAAAA!』

「ええい! ビックリ箱か何かか!」

 

 まず、ヤツは私から見て左側の腕を()()()()()()()()こちらに刺突を放って来た…………が、私は直感によって未来位置を割り出した上で、そこに被せる様に振るった【ギガース】でそのハサミを破壊する。

 しかし、ヤツが纏う雷と炎は防ぐ事は出来ず、特にENDでの減衰を望めない雷によるダメージが私を襲った…………が、その雷と炎は私の身体にいつの間にか()()()()()()()()によって、そのエネルギーを減衰させられてしまった。

 

『私の《竜王気》を貸そう、余波はそれでどうにかなるだろうから存分に暴れるといい』

「本当にありがとう! 封竜王さんっと!」

『GAAAAAAAAAA!!!』

 

 どうやら、そのオーラの正体は封竜王さんが私に纏わせてくれた《竜王気》だった様だ…………そう確認をしつつ私はヤツが振るって来たもう片方のハサミを【ギガース】で弾き飛ばし、そこから更に踏み込んで来たヤツが振り下ろして来た前足の爪を【ギガース】の持ち手部分で受け止めた。

 …………だが、ヤツはこちらの両手が塞がっている隙に蠍の尾を伸長させて、それに付いている針でガラ空きの胴体を串刺しにしようとして来た。

 

『GAAAA!』

「甘いっ! 《竜尾剣》!」

 

 しかし、直感でそれを先読みしていた私は《竜尾剣》を使って(速度はAGI五万ぐらいに落とした)その蠍の尾を斬り飛ばした…………のだが、よく見ると《竜尾剣》に僅かにヒビが入っている様だった。

 …………流石にSTR十五万近く、AGI最大十万で振るう事は装備への負担が大きいみたいだね。多分【ギガース】も《アンブレイカブルメイス》による強度上昇が無かったら早々に砕けていたと思うし。

 そのまま私はヤツの前足を跳ね上げて、その懐に潜り込もうとするが……。

 

『GUUUUU!』

『KEEEEEE!』

「あーもう! ろくろ首か! 《サンダーインパクト》!」

 

 その両肩にある熊と鳥の頭が伸長してこちらに嚙みつこうとして来たので、止む終えず一旦足を止めて雷を纏った【ギガース】でその双頭を打ち砕いた…………が、次の瞬間には距離を取られた上で再生された蠍の腕がこちらに襲いかかって来た。

 てゆーか、コイツ再生能力が高すぎる! 封竜王さんとクリラさんが倒さず封印した理由が分かったよ。

 

『GUGYAAAA!!』

『SYAAAAA!』

「また生えた!』

 

 私が再生されて襲い掛かって来た蠍の腕と尾を破壊していると、先程砕いた鳥と熊の頭部があった場所から新たにサメとドラゴンの頭部が生えて来た…………STRが三倍近く上回っていても砕いた所を片端から再生されるんじゃジリ貧だよ。

 それに向こうの身体が大きい上に手足を伸ばしたりして来るからリーチで負けているのも問題だね、お陰で相手の懐に潜り込んで必殺の一撃を打ち込むのも難しい。

 

『GAAAAAAAAAA!』

『GUGYAAAA!』

『SYAAAAA!』

「これじゃあ近寄れないんだけど!」

 

 その上、ヤツは狂化している所為で痛みや恐怖を感じていないのか、手足が吹き飛んでも関係無く高速再生させた上で攻撃を繰り出して来る…………AGIにはそこまで大きな差は無いし、今の私のENDでも直撃を食らえば無傷とは言えない上に蠍の腕と尾には毒もあるから防御しない訳にも行かないし。

 更にこっちは【ギガース】一本と強度に不安がある《竜尾剣》しか攻撃手段が無いのに、向こうは複数の手足と蠍の尾で攻撃して来るから手数でも圧倒的に負けている。

 …………一応、ステータスで上回っていれば、直感で攻撃を先読み出来る以上防御と回避には支障は無いんだけど……。

 

「逆に言えば、()()()()()()()()って事何だよね!」

『GAAAAAAAAAA!』

 

 …………そう、私の“近い勘”はあくまでも自身に降りかかる危険を事前に感知出来ると言うモノでしかなく、故にこの様なクロスレンジでの攻防で、尚且つ早急に相手を仕留める必要がある状況だとイマイチ役に立たないのだ。

 これがミュウちゃんやお兄ちゃんなら『相手の攻撃を先読みさえ出来れば一方的に殴り倒せる』とか出来そうだけど、私は良くも悪くもステータスによるごり押しが基本戦術だからなぁ。正直、大幅に上がり過ぎたステータスを持て余しているし。

 それに……。

 

「コイツ! なんか()()()()()()()()()()()()()()()!?」

『GAAAAAAAAAA!!!』

『GUGYAAAAAA!!!』

『SYAAAAAAAAA!!!』

 

 そう、この短時間の間にコイツの速度が徐々にではあるが上がっているのだ…………と言うか、肉体の再生速度や変形速度に関しては戦闘開始時を比べて大幅に伸びているみたいだし……。

 封竜王さんのデバフ結界や私の再生阻害も効果が薄いみたいだし、これは“耐性の獲得”とかもスキルにあるかな? 

 

 

 ◇

 

 

 …………尚、これはミカや封竜王も知らない事だが、この【ギガキマイラ】がここまでデタラメな再生能力を持っているのは【アークブレイン】による融合改造が上手くいき“過ぎた”事、及び<UBM>化によってスキル《キメラアビリティ》が強化…………否、“狂化”された事が原因である。

 

 …………元々【アークブレイン】によって想定されていた《キメラアビリティ》はスキル使用時に肉体を変形させる程度のモノで、それの応用で傷痍系状態異常の回復が出来るぐらいの性能だった…………だが、現在は再生・変化能力共に古代伝説級<UBM>としてもあり得ない程の性能と化しており、更に僅かずつであるが継続的なステータス上昇と受けた攻撃やスキル効果に対し肉体構造を変異させる事による耐性獲得効果まで備わってしまっているのだ。

 

 ただし、それだけの性能を実現する為に現在の《キメラアビリティ》にはデメリットとして()()()()()()()()()寿()()()()()事が課せられており、更に()()()()()()()()()()()()()ので【ギガキマイラ】に残されている寿命は半年も無い状態にある…………最も常時狂化していて痛みも恐怖も感じない【ギガキマイラ】にとっては特に問題があるモノでは無く、その生命が尽きる時まで狂気と本能のままに暴れ続けるだけだが。

 

 …………とはいえ、この【ギガキマイラ】最大の凶スキル《キメラアビリティ》の本領は状況に対応する為の肉体変化である事には変わり無く……。

 

 

 ◇

 

 

『GOOOOOOO!!!』

「クッ!?」

 

 どうにか直感による先読みで【ギガキマイラ】の攻撃を躱して懐に潜り込もうとしていた私は、ヤツの()()()()()()()()()()()に殴り飛ばされた…………直撃だけは【ギガース】を盾にして防いだけど、お陰でまた距離を取られてしまった。

 …………そして、その僅かな時間でヤツは更に肉体を変形させた。

 

『GAAAAAAAAAA!!!』

『GUGYAAAAAA!!!』

『GOOOOOOO!!!』

「……第二形態とか勘弁してほしいんだけど」

 

 変形したヤツの姿はまずサメの頭部の代わりにゴリラの頭が生え、更に前足がゴリラの手の様に変形した上で二足歩行の巨大な狼男の様なモノであった…………加えて、背中からは伸長した蠍の腕四本と尾が二本生えていると言う異形の姿になっていた。多分、リーチと手数の差を活かすための姿に変化したらしいね。

 

(さて、必殺スキルを使ってから三十秒は経ったから、残りは一分弱ってところかな)

 

 異形の姿に変化したヤツと向き合いながら、私は()()()()()()()()()()()()()()()を見てそんな事を考えていた…………このヒビは必殺スキルを使ってからできてきたモノで、恐らくコストとして削られた最大HPが原因だと思われる。

 …………まあ、HPの上限が削られるのているのに肉体に何の影響も無いとはいかなかったのだろう。幸い肉体の動作に影響は無いが痛覚をオンにしたら酷い事になりそうだ。

 

(以前、試練の時に使った際には速攻で終わらせた上で結界の効果で元に戻ったから気づかなかったよ。やっぱりスキルは事前に検証して置くべきだね。…………さて、コイツの再生能力だと普通に攻撃しても意味は無いみたいだし、やっぱり【戦棍姫】の()()を使うしかないか)

 

 …………そんな事を考えつつ、私は【ギガキマイラ】との戦闘を続行するのだった。




あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説

妹:超超音速による濃密な三十秒間
・“物理最強”と言ったのは『今の“時期”なら言っても問題ない気がした!』からだそうで。
・奥義の詳細は次回。

神砕刑崩(ギガース)》:【撃災棍 ギガース】の必殺スキル
・アームズ系統の<エンブリオ>なので、発動条件に『【ギガース】の装備』もある。
・発動条件である『自身より強い相手』の判定条件は彼我のリソース量で決まり、現在の妹のジョブレベルと到達形態だと伝説級<UBM>や準<超級>以上ぐらい。
・このリソース量の判定に装備品は含まれない。
・デメリットの詳細は次回。

《サンダーインパクト》:【戦棍鬼】のスキル
・メイスに雷を纏わせて攻撃するスキルで、【麻痺】の状態異常を与える追加効果がある。

フォルテスラ&ネイリング:現在は後方待機しながら状況を見ている

【封竜王 ドラグシール】:超優秀なサポーター
・戦闘経験はほぼ全て従魔として戦って来たものなので人間と協力する事に長けている。
・《飛行封印》を始めとした各種行動を制限したりスキルを使用不能にするなどの各種封印術をかつての主人から学んでおり、それらの術の練度は超級職のモノにも匹敵する。
・更にそれらの術を《竜王気》や《竜気結晶》に付与したり、結界を張ったり《竜王気》を他者に纏わせる、AGIを補う為の《高速思考》スキルを習得しているなど応用技術も高い。
・だが、五百年ぐらい村に引きこもっていた所為で戦闘勘は相応に鈍っている(自覚済み)ので、それとステータス不足もあって後方支援に徹している。
・ちなみに五百年前【ギガキマイラ】を封印出来たのは、まともに戦うのは不可能と判断した上で村に作成した陣地に引き込んでから初手で最終奥義を使ったから。

【十狂混沌 ギガキマイラ】:生命が尽きるまで戦い続ける戦闘兵器として作られてしまったキメラ
・《キメラアビリティ》によるステータス上昇はリソースを効率的に取得出来る《餓狼暴食》と組み合わせると上昇率が大幅に上がるので、大体後半月ぐらい捕食を繰り返せば神話級まで進化出来る。
・尚、理性を失っているのにスキルをここまで運用出来るのは、中核になった【ハイエンド・グラトニー・ウルフ】のセンスが本能だけでスキルをある程度使いこなせる程に図抜けていたから。
・なので、肉体を制御する為に他の部位が変化しても狼の頭部だけは固定で、そこだけは再生に少し時間がかかる(ただし、狼の頭部を潰されただけではスキルの制御が甘くなるぐらいで行動には支障は無い)
・コイツを倒すには単純に肉体を再生出来なくなるレベルまで一気に破壊するか、寿命切れを待つしかない。


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