では本編をどうぞ。
※10月15日 あとがきのエルザ・ウインドベルの身長を165cmから160cmに変更。
□王都アルテア冒険者ギルド 【
あの後、ログアウトして食事などの所用を済ませてから、再び<Infinite Dendrogram>にログインした。
今は冒険者ギルドで初心者用の
「いっぱいあるねー、どれがいいかな? お兄ちゃん」
「アイラさんは、東門を出てすぐの<イースター平原>でのモンスター討伐依頼が初心者にはオススメだと言ってたな……このあたりの【リトルゴブリン】【パシラビット】【ワイルドキャット】の討伐依頼あたりがいいんじゃないか?」
どのモンスターも、下級職一つ目の初心者でも討伐出来るモンスターだと言っていたな。
「【グリーンスライム】の討伐なんかもあるよ、これも受けない?」
「スライムって物理攻撃無効とかじゃなかったか?」
…………俺達は二人とも、まだ物理攻撃しか出来ないが……。
「私の【ギガース】の
「ああそれがあったな、じゃあ受けるか」
そうして俺達は<イースター平原>に向かった。
◇
ドガアッッッッ‼︎
そして今、俺の目の前では一体の【リトルゴブリン】がミンチにされ光の塵となった。
「ハアッハハハハ! もっとだ、もっと(経験値とドロップアイテムを)よこせ〜〜!」
「いや、おまえ完全に
なぜ、こんな事になっているのかというと……簡単に言えば
最初に遭遇した【パシラビット】の群れは、ミカの一撃で吹き飛び瀕死になったところを俺が弓矢と投げナイフで倒した。
次の【リトルゴブリン】の群れは俺が弓矢で牽制しつつ、ミカが習得したアクティブスキルも駆使して一体ずつ潰していった。
途中、【ワイルドキャット】が死角からミカに襲いかかってくる事もあったが、振り向きざまのアクティブスキルで倒されていた。
そして、【グリーンスライム】に至っては蠢いているところを潰すだけの作業だった(物理攻撃が効かないので俺は見ているだけだった)。
「まあ、【ライオット】の
そう言って、はしゃいでいるミカを正気に戻す。
「はーい……いや〜鈍器を振り回すのって結構楽しいね!」
「その発言はいろいろ不安になるんだが……まあいい、クエストは達成したから王都に戻るぞ」
なんか不安になってきたから、一旦戦闘から離れよう。
「ほーい…………ところでお兄ちゃんレベルは幾つになった? 私は10」
「俺は16だな…………主に
「やっぱ<エンブリオ>ってチートだよね〜……ん?」
ミカの目が虚空を……
「どうした、何か感じたのか?」
「うん……あっち……どうする?」
ミカは少し
「行ったほうがいいんだろう? ……それに
「うん……こっちだよ、行こうお兄ちゃん!」
そうして、俺達は<イースター平原>を走って行った。
◇◇◇
□<イースター平原> 【
私達は予感があった場所へ走っていった。すると……「キャア〜〜〜〜ッ‼︎」おお! 悲鳴が聞こえた。
「お兄ちゃん! 美少女の悲鳴だよ! イベントの気配だよ!」
「だからなろうの小説を読みすぎだろ……とりあえず行くぞ」
走って行くと金髪の少女……左手に
「《看破》してみたがレベル0か……成る程」
「お兄ちゃん、そろそろヤバそうだから私行くよ、援護よろしく」
そう言って、私はすぐに少女の元に駆け出した。
「わかった……《
お兄ちゃんが投げた青白く輝く投げナイフが、少女を襲おうとしていた【リトルゴブリン】の
「さすがはお兄ちゃんいい狙いだね。……じゃあこれで終わりね《スマッシュ》」
そして、もう一体も私のアクティブスキルによって倒された。
「ふう、これで片付いたね。あっ私はミカ、あっちはお兄ちゃんのレント、あなたと同じ<マスター>だよ、大丈夫?」
「え……? あ、はい、だっ大丈夫です……」
…………ちょっとショックを受けているみたいだけど、大丈夫そうだね。
「まだちょっと動揺してるかな? ほら〜お兄ちゃんが目の前で【リトルゴブリン】の頭を吹き飛ばしたから〜」
「目の前でミンチ作ったおまえが言うな」
そうやって敢えて馬鹿話をしていると、この少女も落ち着いてきたみたい。
「助けていただいてありがとうございます。私はエルザ・ウインドベルと申します」
「ふ〜ん、エルザちゃんか。ところで、あそこで何してたの? このゲーム、ジョブレベル制だからレベル0で外は危ないよ?」
と、落ち着いた様子の彼女に聞いてみる。
「お恥ずかしながら…………このゲームのリアリティに感動してしまって……つい、外を走り回ってしまって…………」
「あ〜わかるよ〜このゲームのリアリティ凄いもんね!」
現実のネットでも、そんな理由でデスペナになって「二十四時間ログイン出来なくなった〜(泣)」とか書いていた人がいたっけ。
「じゃあ、私達これから王都に戻るところだからついでに送っていってあげるよ〜。いいよね? お兄ちゃん」
「ああ…………冒険者ギルドまで案内すればあとはなんとかなるだろう」
「ええっ……あっ……かっ重ね重ねありがとうございます。よろしくお願いします」
こうして、私達はエルザちゃんを連れて王都に戻っていった。
◇◇◇
□<ノズ森林> 【
あの後、エルザちゃんを王都の冒険者ギルドまで送り届けた俺達は、そのままクエストの達成を報告した。
アイラさんからは「達成が早すぎますね、これが<マスター>ですか」と言われながらも報酬を受け取り、今のレベルにあった【ティール・ウルフ】の討伐クエストを受け、次の狩場である<ノズ森林>で戦っている。
「さ〜て、お兄ちゃん索敵よろしく!」
「ハイハイ、《生物索敵》…………五匹、こっちに向かってくるな」
「オッケー……それじゃあいくよ‼︎」
すると五匹の【ティール・ウルフ】が飛び出してきた。
まず、先頭の一体に狙いをつけ【狩人】のアクティブスキル《ハンティングアロー》で頭を射る。その隙にミカが二番目の相手に飛びかかり……。
「キミがこの群れのリーダーだよね? 《スマッシュ》!」
そう言って相手を叩き潰した。
そして、俺はリーダーがやられ動きが乱れた【ティール・ウルフ】達に次々と矢を浴びせ掛け、ダメージを与えると共に動きを鈍らせていく。
「さて、あとは烏合の集だね! ……《スマッシュ》! ……《スマッシュ》! ……《スマッシュ》‼︎」
そうして、残りの三体も倒された。
◇
「ふう……終わったか……だがコイツら妙に必死そうだったな、まるで何かか逃げてきたような……」
そう言っていると、
「お兄ちゃん……来るよ」
「…………はあ、気のせいなら良かったんだが……」
ミカの視線の先から現れたのは……1頭の全長五メートルぐらいの巨大な赤い熊だった。その頭上には……
「【
アイラさんの講義に出てきた亜竜級……“下級職六人のパーティー、もしくは上級職一人”に相当する戦力を持つモンスター……!
「さてどうする? 逃げるか?」
「んー、逃してはくれなさそうだし……ここで放置したら
…………なるほど、ミカがそう言うならどうにかしないとな。
「じゃあ戦うか。……なに、俺達は<マスター>だ、諦めるのは死んでからでも遅くはない」
「そうだね、じゃあやろーか」
そうして、俺達のボスモンスターとの戦いがはじまった。
あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説
妹:視点は現実視
・ふざけた発言の半分くらいはワザと。
兄:視点は現実視
・妹の発言がワザとなのはわかって受け入れている。
《バーリアブレイカー》:【激災棍 ギガース】のスキル
・【スライム】や【スピリット】も物理攻撃で倒せるようになる。
・相手の強さや、防御スキルの強度によっては減衰効果はレジストされる事もある。
・防御スキルの効果は0に出来るが、マイナスにはならない。
【ワイルドキャット】:<イースター平原>のモンスター
・某管理AIの猫は関係ない。
・小型の身体を活かして気配を消し死角から襲いかかって来る。
・あまり攻撃力は高くない。
【グリーンスライム】:<イースター平原>のモンスター
・基本的に草食性のスライム。
・だが数が増えすぎると人間や他のモンスターを襲いはじめる。
・なので定期的に駆除依頼がある。
・物理攻撃が効かないので報酬はそこそこ高め。
エルザ・ウインドベル:デンドロ初日組、オリキャラ。
・アバターは160cmぐらいの金髪緑眼の少女。
・視点は現実視、グロには耐性あり。
・冒険者ギルドでは兄妹に勧められて初心者講習を受けた。
・今度リアルの友人も誘ってみようと考えている。
《ハンティングスロー》、《ハンティングアロー》:【狩人】のスキル
・それぞれ投擲と弓矢用のアクティブスキル。
・威力が高く射程も長いが、クールタイムも長め。
《スマッシュ》:【戦士】のスキル
・打撃系武器で使えるアクティブスキル。
・威力は高くないが、SP消費が少なくクールタイムも短い。
【
・詳細は次回。
・序盤で亜竜級モンスターと戦うのはデンドロ主人公の嗜み。
《教導官の教え》:【
・指導対象に指導終了後、行った指導に応じた時間の間“獲得経験値増量”と“スキル成長効率上昇”の効果を与える。
・1時間程度の指導でも1日程度は効果が持続する。
・兄妹のレベルアップが早いのはこのスキルのおかげでもある。
次回、ボスモンスターとの戦い、そして第1章終了予定。