どうやら俺は戦士か何かになったらしい。
空を飛び回り、なんか目の前にいる敵を指先から出るビームで蹴散らす。てかこの技黄〇の丸パクリじゃねぇか。
まぁいいや。気分はまさしく海〇無双。春に出る新作が楽しみでしょうがないな。早くやりたいな。おっ、あっちにも敵がいるじゃん。ヒャッハー! 汚物は消d
……ん? 待てよ? あの敵ってどっかで見たことあるような。化け物の形がどんどん変わって人間みたく……あの緑色の服……んー?
「松井さーん……起きてますかー……?」
「っは!?」
「ひゃっ!?」
強烈な悪寒に襲われ一気に意識が覚醒する。いいだろうかかって来いよ。今の俺は〇猿だぞ。ん~、光の速さで蹴られたことはあるかいぃ~?(ねっとり)
「び、びっくりしたぁ……」
「……千川さん?」
「すいません。少し驚かしてしまいましたね?」
少しで済むのだろうか。お互いまさに飛び上がるほど驚いていた気がしなくもないんだけど。
「なんでここにいるんですの?」
「いやー、松井さんにいい報告ができそうでつい」
「……ここ俺の部屋ですよね?」
「早速なんですけど着替えてもらっていいですかね? 別にこのまま話を聞いてもらっても大丈夫なんですけど」
「あっ、そこは触れない方向なんですね」
この人マジで何者なんだろ。てか今何時だ。早朝か? マイスマートフォン! 別にライバー用じゃないスマートフォン!(ネイティブ発言)
てか普通にあったわ。スマートフォン。時刻は現在8時47分! ……昨日寝たのが12時くらいと考えると少し寝すぎた程度だろうか。ぐっすりすやすやであった。
「……てか千川さん。こんなところにいてお仕事は大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ? こう見えても私結構、遣り手なんですから!」
少し自慢げに言う姿がとってもかわいいのが悔しい。もうこの人直々にアイドルやればいいんじゃないのかな。なんかいろいろと裏方にいるには惜しい存在に見えるんだけどな。
「それで松井さん。お着換えなさるんですか?」
「あー……じゃあ着替えてくるんで。適当に待っててもらってもいいですか?」
「はい! 大丈夫ですよ!」
あんまり待たせないように今日は軽装でいいか。そもそも今日まで俺はひきこもり生活の予定だし。
というかなんで今こんな状況なんだろ。俺どこかで突っ込まなきゃいけないタイミングあったはずだよな? 完全にもう引けなくなってるだけじゃね? 泣きそう。泣いたわ。
「それじゃあ! 少し本題に入る前に前置きをさせていただきますね!」
「はぁ」
「今、松井さんが住んでいるここは女子寮になっている……というのはご存じですよね?」
「もちろん」
それはもうここにきてからの2日間で痛いほど学ばせていただいたですわよ(お嬢様)
だって部屋からなるべく出ないように心がけていたのに、死ぬほどアイドルと顔を合わせることになったし(遠い目) なんならド早朝に公園に出ただけでアイドルもいたし(悟り世代)
「実は本来なら女子寮に男性の方が住んでいる、というのはちょっとした問題だったりするんです」
「ちょっとしたで済むんですかそれ」
「済ませるから大丈夫ですよ?」
「あっ……」
なんか今一瞬、社会のとてつもない闇を見た気がする。いや、見たというよりも見えた気がする。
謎の力でもみ消すんですねわかります。いや、嘘ですわからないですだから消さないでくだs
「そんなわけで! 私たち、ちょっと頑張っちゃいました!」
「なにをどす?」
「ちょっとした問題を問題じゃなくしたんです」
「ほう。……ほう?」
問題を問題じゃなくする。つまるところ、女子寮に男性が住んでても問題じゃないようにする……そういうことであろうな。
いや、どうあがいても無理だけどね(白目)
「つまりですね……簡単に言えば、女子寮が女子寮じゃなければいいんですよ!」
「でもここ女子寮じゃないですか」
「いいえ! ここは今日から学生寮です!」
「???」
この人日本語通じるのだろうか。ここは何と言おうと女子寮である。だって実際そうだしね。
てか俺がここに一番最初に入れられそうになった時にちょうど目の前にいる人に言われたもん。『346プロの女子寮』って言われたもん。
漢として人生を生きていく中で女子寮に入れなんて言われるとは思わなかったもんだから二度と忘れないよあのセリフは。
「厳密に言えば、正式にここの名前が学生寮に変わったんですよ! 今日から!」
「……ほう?」
「学生寮なら女子限定なんて一言も書いてありませんから学生なら男性でも寮生活しておっけーです!」
「……ほう」
「それに、名目上学生寮なだけなので別に学生じゃない人でも入居できますし! 完璧な策ですよ!」
「あっ、ふーん……」
なるほど、なんとなーく意味は分かった。つまり男性である俺がここにいても何ら問題はない状況をものの見事に作り出したってことやな? なんちゅーことしてくれるんや。
しかもそんな簡単に変えられるんかい。僕、そういう会社の人事? 管理? もはやどれに該当するわからんようなこと簡単に変え得られるなんて知らなかったよ。
「でもマスコミとかそういうことお構いなしに記事に書くんじゃないですか?」
「名目上の立派なルールを作りましたから! 何一つ問題はありません!」
「あっ」
なんでだろう。千川さんのニコニコスマイルから邪魔する奴は力ずくで叩き潰すという強い意志が感じ取れる。怖い。この人なんでこんなに本気なんだよ。
「でも僕がここにいるって保証がないじゃないですか。そもそも今日までここにいたら実家に帰る気満々だったんですよ?」
「いーや、光さんにはここにいてもらいますよ? 逃がさないですから」
そういうと千川さんは、ふっふっふっ……と不敵な笑みを浮かべながら立ち上がりドアの前で仁王立ちして目を光らせる。
なんでだろう。その行動に関しては何一つ違和感を抱かない。小さい。可愛い(小並感)
「そもそもの話ですけど、なんで俺をここに住まわせたいんですか?」
「質問を質問で返すようですけど、こんなに可愛い女の子たちに囲まれていられる環境で過ごしたくないんですか?」
「ストレスフリーでいられるなら住みたいですけどね」
「なら問題ないじゃないですか! 男性にとっては桃源郷ですよ桃源郷!」
「ワードセンスが地味に古いっすね」
一瞬『は?』って言いかけたが桃源郷のおかげで突っ込みが先に出た。
現在進行形で忍者的戦略的籠城という名のひきこもりでアイドルの人たちと接触しないようにしている二尾のどこがストレスフリーなのか、これがわからない。
でも強いて言うなら? 正直胃が痛いけどみんな顔面がいいおかげで全部目の保養になるとか? まぁまぁまぁまぁそれが目当てというわけではないですけどね決してうんうん(早口)
「ほら、俺も質問に答えたんだからちゃんと俺の質問にも答えてくださいよ」
「ちゃんとしてますね……なかなか手ごわいじゃないですか。いい社会人になれますよ」
「社畜怖い」
社会に出たらそういうスキルも取得しなくちゃいけないのかよ。社会ヤバイな。一生自宅警備員してたい。
「前も言った通り、松井さんを皆さんに深く知ってもらうためですよ」
「……表向きの理由じゃないんですか、それ」
「ギクッ」
その反応マジで裏の理由があったんか。マジか。今滅茶苦茶適当に言ったのに。とっても適当に言ったのに。
いや、だってありがちじゃん? だいたいこういうのって企業がらみで裏に理由隠してたりすることが多いじゃん? 本当にあるのかよ。
「いいでしょう! どちらにせよ、遅かれ早かれ松井さんには伝えなきゃいけないことでしたからね」
……あれ? こんなに簡単にバラしてくれるんかい。
待ってまだ心の準備g
デレアニ(アニメ版デレマス)を見たことがある?
-
1期2期全部見た!
-
どっちかorちょっとだけ見た!
-
見てないわからん!
-
NO MAKEも知ってる!