女子寮生活は難儀です   作:as☆know

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オールとはつまり翌日の死

 男子高校生とは、ある程度のゲームを大体プレイできるものである。理由は簡単、男子高校生とは基本的に暇な時間を持て余しており、更にはクラスメイトとか言う最大にして最強の敵を打ち倒すためである。

 

 まぁ、勿論人によってある程度出来るゲームが違う人はいるんだけどね。出来る人はマジで何でもできるし、別の人はマジでこいつイカれてるんじゃないかってくらい一つのゲームが上手かったりする。

 というか、たいていの場合一つのゲームの上手さが極まってるやつは、大体何のゲームやっても上手い。なんなんだろうね、あの法則。こんなところでも才能発揮する分野があるとか恐ろしいよね。浜田くんマジ許すまじ。

 

 

「はい、勝ち卍」

「だぁーっ! それずるいにゃーっ!」

「光、出番来る度にずっと勝ってない?」

「うむむ……三人がかりでもなんで……」

「光くん強いですぅ……」

 

 

 おまんら、ウ〇フの下スマの強さ知らんな? なんも考えずに突っ込んでくるなら同士討ちさせるまでよ。

 というか大乱闘で3人がかりとかただの虐めだからね? これがクラス内でのスマブラだったら確実に俺泣くからね。もうそれは男子高校生とは思えない泣き方するからね。

 

 それにしてもやっぱりパーティゲームは大人数でやるのが楽しいね。学校でやる用で持ってきてて良かった。ドックは寮から取ってきたけど。

 やっぱ大画面でやるゲームって良いね。迫力がちげーよ。感覚もちょっと違うけど。

 

 

「光って普段何してるかあんまりイメージ付かなかったけど、ゲーム持ち歩くくらいにはゲーマーなんだね」

「学校でやるからな」

「うちの学校って校則でゲームとか持ち込んで良かったの?」

「いや?」

「なんでそんなことするんだにゃー! 復帰できないでしょー!」

 

 

 ダメに決まってんだろそんなの。お前はいったい何を言っているんだ。

 普通ゲーム持ち込みOKな学校なんて存在しないぞ、多分。あったとしてもそれは都市伝説か、化け物並みに頭が良くて校則がほぼ存在しないくらいにゆるっゆるな高校のどちらかだ。

 

 俺達生徒諸君は数々の方法を駆使して、如何に教師からバレずに放課中にゲームをできるかのデッドヒートを繰り広げているんだ。

 時には教室でFPSバリの遮蔽意識で存在を隠し、無数のデコイを配置して本体を隠したり、そもそも教室内ではなく、他の場所でやることで教師の行動範囲から外れたり等々……普段から我々生徒は数々の名勝負を繰り広げているのだ。

 この技術がこの先の人生において活きることはおそらくない。

 

 

「光、こんなにゲーム上手かったっけ」

「一年の時にクラスで流行ってたからそん時やりこんでたんだよ」

「未央チャンそれみくにゃー!」

「みくにゃんごめーん!」

「はわわわっ! 落ちるっ! 落ちますー!」

 

 

 いや、まぁ俺が強いというよりも周りが弱いってだけな気がする。卯月に関しては完全初心者だからね。俺なんもしてないからね。

 

 本田と前川に関してはシンプルに普通かつノーマル。

 多分大乱闘は何かの機会で触ったことがある程度なんだろう。操作や基本の基本は出来ているが、普段から学校でゲームをやりこんでいる俺の敵ではない。複数人相手でも俺が負ける確率、0%!(キリッ)

 

 

「あれあれー? みんなでゲームしてるのー?」

「きらりん! 撮影終わったんだね!」

「あれ、スマ〇ラじゃん。ここ、ゲーム置いてあったんだね」

「光が持ってたの。学校でいっつもやってるんだって」

 

 

 遅れて出てきてこんにちわ。そんな感じでCPルームに来たのはみんな大好きシンプル良い人諸星きらりと、もう見慣れてきたセカンドバックスタイルで抱えられてる堕落大妖精双葉杏。

 確か、今日は撮影のお手伝いに行ってたんだっけな。キグルミ着て帰ってこなくて本当に良かった。

 

 

「きらりちゃんもやりますか?」

「きらりはそんなにゲームは得意じゃないからだいじょーぶ! でもでもぉ、杏ちゃんはゲームすーっごく! 得意だにぃ♪」

「ほえー」

「まー、そんなにだよ。人並み人並み」

「やる?」

「相手して欲しいって言うんだったら、相手になってあげないこともないよ?」

 

 

 意外に乗り気じゃない。普段だったら、ダルいからパスでなんて言いそうなシチュエーションだけど。

 割とノリノリでソファーに座って本田からコントローラーを受け取る姿はまさに自信満々。普段のぐーたら脱力ウーマンとは到底思えない。胡坐をかいて膝上でコントーラーを握る姿も、どこか様になっているように見える。

 

 

「どうせなら一対一でやってみてよ! そっちの方が面白そうだし、それに杏ちゃんの実力もわかるし!」

「俺は良いけど、そっちは大丈夫?」

「愚問だね。やればわかるよ」

 

 

 本当に自信満々だな。その鼻、バチボコにへし折ってやろう。そもそもプ〇ンなんて半分ネタキャラ使っている時点で俺の勝ちはもう見えている。

 ネタキャラの風船と強キャラの狼の格の違いってやつ、しっかりと見せてしんぜよう。接待はするが女子供だろうと容赦しないがモットー。いざ尋常に、勝負。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「だーっ! 勝てねぇ! 強すぎんだろ!」

「何度でも杏は相手してあげるよ~。ま、何度やっても結果は見えてるけどね」

「ド畜生……良い煽りしやがる……」

 

 

 場所は変わって寮の僕の部屋になりました。色々経緯があったんですよ、マジで聞いてください許して。

 

 あれから2時間ほど経ったでしょうか。自信満々に杏の使うプ〇ンに対して詰めむき出しで飛び掛かったところ、ハチャメチャに上手い立ち回りで簡単にいなされ、うたうを入れるまでもなく空中コンボで眠るをぶち込まれてものの見事に完敗しました。

 いや、マジで本当に強い。ネットでたまーに当たる超絶上手い人くらいには上手い。少なくとも、俺のクラスメイトの5倍は上手い。まーじで歯が立たない。

 

 

「マジで上手すぎんだろ……なんでそんなにつええんだ……」

「カジュアル勢に負けるほど、杏の腕はなまっちゃいないのよ」

 

 

 杏の圧倒的すぎるキャラコンを前にコテンパンにされた俺は無事に涙目敗走……しようとしたところ、杏からの鶴の一声。

 

 

『いやー、流石に杏には勝てないよねぇ。どーしてもっていうなら、寮で付き合ってあげるけど?』

 

 

 そーんな圧倒的宣戦布告を食らった暁には、いっぱしの漢としては逃げるわけにはいかんのよ。やってやろうじゃねえかこの野郎!

 ……と、言う感じでまさかの珍しすぎるアクティブ杏を前に引くわけにもいかず、無事に部屋に招き入れることになりましたとさ。

 

 

「杏ちゃん強いわね。それに比べてこっちの狼君と言ったら」

「やれやれーっ! フルボッコだー!」

 

 

 で、なんでこの二人がいるんだっていう説明ですね。はい。

 

 片っぽの青髪ショートカット永遠の年齢詐称疑惑JKの方は、双葉を連れて寮に帰っていたところを見つかって、見張り役とか言って付いてきた。

 ゲームもやるとかいうけど本当にやれるのか? 絶対にやらなさそうじゃん。

 

 もう片っぽの昼間っから酒を飲みあかす20歳ピチピチの天然畜生名誉終身キャカス美女こと姫川さんの方は、べろべろに酔っていたので気が付きゃ最後まで付いてきた。本当に意味が分からない。

 その酔っている状態で本当にゲームとかできるのかよ。絶対に反対方向に走って奈落の底に真っ逆さまじゃん。

 

 

「俺の部屋が女の子で一杯だわ……」

「いい経験したじゃん」

「初めてじゃないしまともなのが杏しかいないんだよ」

「両方とも先輩なんだから返しにくいこと言うのやめな」

 

 

 杏って割とそういうところちゃんと気にするのな。そういうところ常識人なのに仕事は全面的にぶっちしようとするのは何なんだよ。常識あるのかないのかのラインがわかんねぇな。

 

 ちなみだけど、今の部屋の構図は物凄いことになってる。

 俺の普段使っているPCの置いてある机に座ってる奏。足を組むのをやめてほしい、目のやりどころに困る。まぁ基本画面見てるから良いんだけど。

 テレビを正面に空き缶が詰まれた机を挟んでガチガチにベッドに座ってスマ〇ラをする俺と杏。なんかもう兄弟みたいな構築になってる。

 机の前にめっちゃビール缶とチータラとサラミを持ち込んで観戦をつまみにしてる酔っ払い。この人に関しては今日プロ野球の試合が無いからここに来たんだろうな。今日月曜日だもんな。移動日だもんな。

 

 

「ねー、マ〇カ無いの、〇リカ。あたし、マリ〇めっちゃ得意なんだよね!」

「ありますよ。でも本当に得意なんですか?」

「グランプリとか毎回一位なんだから!」

 

 

 なるほど、全て理解した。わかった! 今こそ我は全知の松井なり。

 グランプリとはCPU相手に行われる大会みたいなもんである。要するに相手はCPUしかいなく、一番強いCPUでもたかが知れている。つまりはそういうことですね。

 姫川さん、さてはガッチガチのガチの対人戦を知らんな? ちびるぞ? マジで鬼だからな。

 

 

「奏はどうすっぺ?」

「良いわよ。スマ〇ラに比べれば杏ちゃんに勝ち目もあると思うしね」

「ふっふっふっ、舐めてもらっては困りますよ? 杏は意外とオールラウンダーなのだー!」

「コントローラー足りないから俺らはジョイコン縛りで行こうなー」

 

 

 流石にカジュアル勢にプロコン譲るくらいはしないとね。スマブラの時もそうだったし、別にジョイコンでも全然出来ないことはないからね。

 問題はあまりにもジョイコンが小さすぎるということだけど。杏がジョイコンもあんまり苦にしてなかったのは単純に上手いからなのか、それとも手が小さいからシンプル手になじむのか。なんか両方臭いな。

 

 

「周子からプロコン借りればいいじゃない」

「絶対に一緒にやるって言いだすんでアカン。これ最大四人だから」

「杏たちはジョイコンでも大丈夫ですよー」

「ゲームなら絶対に負けねーからな」

「舐められたものね。後でプロコン返してなんて言っても返してあげないわよ」

「全員まとめてかかってこーい!」

 

 

 こちとらクラス内チキチキ理不尽負けた奴がジュース奢り地獄の200㏄マ〇カを定期的に開催している身やぞ。ちなみに類似企画としてスマ〇ラや桃〇なんかもある。

 大体パーティゲームってこういうのもあってワイワイ出来るから良いよね。人生ゲームなんかでも似たようなこと出来るし、なによりもジュース奢りってラインも丁度良い。そんなに財布にダメージ行かないからね。

 

 

「よーし、やるぞヨッ〇ー! あっちのヨッ〇ーは全然活躍してないけど」

「一々誰か刺すのやめない? メジャーに行きたくて言ったんだから泣いちゃうよ」

「なんの話してんのさ……」

 

 

 いやごめんね? 他国にない文化を持つ元ハマのヨッ〇ーについて話してただけなんだ。結局ヨッ〇ーっていうあだ名、向こうで定着してたのかな。

 Show Timeの方がよっぽど定着してそうだけど、それは比べる相手が悪いか。やれるだけやりたいんだろうけど、王そろそろ戻ってきてもいいんじゃないのかなぁって思っちゃうな。頑張ってほしいぜ。

 

 

「よっしゃー! 朝までやるぞー!」

「明日学校あるんで無理です。そもそもあなた方帰らなきゃダメでしょう」

「あたしは一人暮らしだし!」

「杏も一人暮らしだから。オールには強いし」

「今日は美嘉の家に泊まるって言ってきたから」

 

 

 融通がハチャメチャ利く一人暮らしの二人はまだわかるけど、なんで観戦目的の奏がガッツリ泊まるための根回ししとんねん。寝る場所ねぇぞ狭いんだから。そもそも泊めるつもりなんか無いからな! 周子さんの所に入れて貰えよ。

 

 っていうか双葉さん一人暮らしってマジか。寮生活でもなく一人暮らしなのか。高校生なのに。なんか憧れるような憧れないような。

 それよりも、双葉杏という人間が果たして一人で生きていくことが出来ているのかがとっても心配になる。今ここにいるってことは生活できてはいるんだろうけど。毎日出前生活とかしてんのかな。

 

 

「言っとくけど、泊めませんよ。特に奏」

「酷いわね。志希の事は泊めてた癖に」

「あれは泊めてたに入らん。気が付いたらいたんだよ、マジで俺なんかやらかしたかと心配になったんだぞ」

「よくわかんないけど、光も案外大変な目に遭ってるよねぇ」

「周子さんに頼みなさい。隣の部屋だから」

「オールすれば泊めたという概念にはならないじゃない?」

 

 

 屁理屈だけうまくなりやがって此畜生……元から上手かったわ。すげぇ口回るもんな。

 

 俺はアニメとかでよく見るやれやれ系主人公みたいに懐広く「はぁ……仕方ねえから泊めてやるか」なーんてことは言わねぇからな! ダメなもんはダメ! よそはよそ! うちはうち! DSは買いません!

 ライン大事、絶対大事。相手が相手だから本当に大事。エリア51よりも危険。絶対に捕られるし、取られたらレーザービーム飛んでくるからね。

 

 

「よっしゃー! 今日はオールだー! ゲーム遊びつくすぞー!」

「おー!」

「ナチュラルに缶開けるやん」

「楽しい夜になりそうね」

 

 

 明日学校なんだけどなー、普通に今日月曜日なんだよなー。まぁでも一日くらいオールしたって大丈夫か! なんとかなるやろ!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……んぁ」

 

 

 日の眩しさと心地よい温かさに襲われながら目が覚める。

 

 寝起きのモヤモヤ感のまま目を少しずつ開くと、上にはまだまだ見慣れない天井。

 変な体勢で寝落ちをしたせいか、バッキバキになった体を起こしてぐいーっと一伸び。目の前にある机の上には食べかけのお菓子やジュースの痕が散乱。そしてつけっぱなしのテレビのモニターには桃〇の画面。

 

 

「……なにこれ」

 

 

 更に右手を上げれば、何故かジョイコンがガッシリと握られてる。なんなんだ? 俺は夢の中でゲームでもしてたのか? いやこれ現実よな。

 意識がどんどんと鮮明になっていくにつれ、頭の中もすっきりしてくる。そんなわけで更に更に周りを見渡してみよう。

 

 

「……なんこれ」

「ぐへへ……その横スマは安直だぞぉ……」

「岡〇のスリーランだけで3本は空けられるね……」

 

 

 両隣りには未成年がいるのにビールの空き缶をそこらじゅうに撒き散らす野球バカと、まるで同学年とは思えない妖精ボディをした半ニート。そして、一部分だけ綺麗になったところに、ちょこんと置かれたメモ帳。

 

 

「……なんぞや」

 

『ぐっすり眠っているみたいだったからおこさないでおいたわよ。遅刻しないように気をつけてね♡』

 

「『かなで』……ってはぁあああああああああああっ!!!!!」

「うるさいなぁ……杏はまだ眠いんだよぉ……」

 

 

 ご丁寧にハートマークまで付けられた綺麗な字をした書き置きと、机の上に置かれた電子時計で状況を完全に把握する。もうおめめパッチリやわ。相変わらずもみやでってしか読めねぇよあの女!

 畜生、あのもみやで野郎なんで起こさなかったんだよ! 確実にこうなることわかっていやがったな!

 

 隣でモゾモゾと妖精(半ニート)がなにかほざいてるが、そんなことは知ったことではない。即行で風呂場に制服を持って向かい一瞬で着替える。

 朝飯とか食ってる時間もねぇ! そんなわけで鍵もかけずに自分の部屋から勢いよく飛び出す。

 

 

「いってきまあああああす!!!」

 

 

 どうせユッキは二日酔いで寝てるだろうし杏は酔ってなくても寝てるだろうし。あの二人がいる限り部屋は開けっぱでもいいだろう。寮だし窃盗なんて起きることはないしな。エロ本とかも隠してないしな。隠す勇気なんてさらさらないし、なんなら持ち込めなさそうだけど。

 

 そんなことより学校だ! 時間がやべえ! 今から走ればワンチャンくらい!

 廊下を全力疾走してると先の方に見慣れた超背の高いシルエットが見える。てかあれきらりだな。紛うことなききらりだな。

 

 

「あーっ! 光くんおっすおっすー☆」

「うっす! 杏は俺の部屋で寝てっから!」

「ありがとぉー☆」

 

 

 うむ、俺の予想通り杏を迎えに来てたんだな。多分きらりは優しいから酔いつぶれてるユッキさんのことも何とかしてくれるだろう。最悪ちひろさんも呼べばいいし。

 

 

 いやー、なんでこんなに忙しいんだろうなー! 今日月曜日、違う火曜日だったわ。

 なんでなんだろうなー! なーんでこんなことになっちまったんだろうなド畜生ォーッ!

読者層気になるので知りたいアンケ

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