女子寮生活は難儀です   作:as☆know

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人から貰ったもんは割と大事にするタイプ

 最近の俺は、CPルームにいる間もう一生ギターを握って何かしら聞いている気がする。おかげ様で人力BGMとか本田に言われる始末だ。ちゃんと〆ておいた。

 

 理由は単純というか、単に手持ち無沙汰なんですよね。

 のんびりスマホを触るのはいつでもできるし、かといってみんながいるのにイヤホンつけて音楽聞くなんて初期の李衣菜みたいなことも出来ないし、とは言えガールズトークに入るなんて自殺行為も出来ないし。

 そうなると、選択肢としては無心で鼻歌歌いながら延々とギター弾いてコード覚えるかコードを手になじませるしかないんだよね。これのせいでハチャメチャに空で歌える曲が増えた。ありがたいね!

 

 

「凛ちゃんそのピアス新しいのでしょ!」

「わっ、本当です!」

「私やしまむーでも気が付かない変化に気付くとは……やはりカリスマギャルの血は争えない……!」

「へっへーん! アタシだって、みんなの事よーく見てんだからね☆」

「ただピアス変えただけだよ……」

 

 

 そうしてこうして最近はベースよりもギター触ってる時間の方が長いんじゃねぇのかなってなってきたわけではあるんだけど、やっぱり楽器って触ってる時間に比例して上手くなっていくもんなんだね。

 新しくエレキを買ったってのもあるんだろうけど、もう随分ギターの感覚が手に馴染んできているよ。エレキとアコギって似て結構奏法とか非なるところあるけどさ。

 

 

「凛ちゃんって、結構おしゃれなところあるよね」

「ピアスの穴っていつ開けたのー? やっぱり、おしゃれだから!?」

「中学生の時、かな。ピアスに興味があったって言うのもあるけど、光が開けるって言うから」

「あー、そういやそうだった。懐かしい」

「そういえば、光くんもピアス開けてるにゃ。全然付けてるとこ見たことないけど」

「付けてるには付けてるだろ。ほら、これ」

「透明じゃほとんど意味がないにゃ!」

 

 

 凛の場合は髪が長いから耳元も隠れてピアスバレないかもしれんけど、俺の場合は短髪だからバレるんだよ。学校でも透明の奴を付けて穴だけ塞がないようにしてる。

 まぁ、基本的に俺って積極的に外出とかするわけではないから、結局ちゃんとしたピアスはあんまり付けないんだけどな。アクセサリー類好きなんだけど、何つけたら似合うかわかんねーんだよ。この前の水着のそれで美嘉さん見て勉強になったのはそれもある。

 

 確か中二の夏休みだったんだよな。俺がピアス開けよっかなーって気まぐれで言ったら、想像以上に凛が食いついて気まぐれで適当言ってたのに一緒に開けることになったんだよな。

 だから発案は俺なんだけど、実際開けるって実行に移したのは凛だし。なんなら俺は凛がピアス開けるって言うのに、バチバチ反対だったからな。そんな綺麗な顔してるのに傷つけちゃいけません! って。大げさって却下されたけど。

 

 

「やっぱり、ピアスの穴をあける時って痛いもんなの?」

「ピアスの穴ってどうやって開けるんですか?」

「そりゃあ、しまむー。画鋲とか安全ピンで耳たぶをぷすっと!」

「ひぇぇっ!?」

 

 

 お前、いつの時代の話をしてるんだ。そんなん昭和とか平成初期の話だろ。素人がそんな不衛生なもんでピアスの穴開けるもんじゃねぇよ。せめて、やるならピアッサーとかだな。でもあれも素人がバチンってやるのこえーよ。突起物だぜ? 刺さったらシンプルに怪我だわ。

 

 

「いや全然。ないない。変なこと卯月に教えるなよ本田」

「病院でやったんだけど、全然痛みはなかったよ」

「いいなー。アタシも早くお姉ちゃんとか二人みたいにピアス開けたーい! ノンホールじゃなんかやだー!」

「気持ちはわかるぞー」

 

 

 今どきの技術の進歩ってすげーんだもんな。マジで当時はびっくりしちゃった。

 近くに会った皮膚科に予約取って二人で行ったんだけど、普通にパチンとやって、『えっ、もう終わりすか?』って感じであっけなく終わったもん。切れ味と手際が良すぎて、自分が捌かれていることに気が付いていない魚みたいだったもん。

 

 学校がピアスOKだったらな。俺も毎日ピアス選んでウキウキで通学してるんだろうけど、うちは勿論ダメだからな。

 奏とかもピアス開けてるけど、あいつは仕事上付けるとか言って通してるらしいし。凛も今ならその理論で通るんだろう。加蓮とかもピアス開けてたけど、上手い事隠してるよな。髪が長い奴ら羨まし。

 

 

「でも、凛ちゃんってピアスは色んな種類付けてますけど、ネックレスはいつも同じ物を付けてきますよね!」

「確かに、いっつも凛ちゃんネックレスはその丸いシンプルな奴付けて来てるにゃ」

「……まぁ、シンプルだし。制服にも合うから」

 

 

 卯月はよく人の事を見てるなぁ。言われてみれば凛って大体ここに来る時ってそのシンプルな丸いブレスレットか、花柄の奴のどっちかだもんな。花柄の奴とかもう付けなくてもいいのに、律儀な奴。

 

 

「その反応、もしかして! 光くんから貰ったネックレスとか!」

「」

「うわー、ものの見事に図星そうだね……」

「アレ、まっさんが上げたの?」

「うん、誕プレ。あいつ、素材が良いからアクセとかシンプルなのが良いかなって……多分、凛が中一の時くらいにあげた奴じゃねぇかな。俺はあんまり覚えてないけど」

 

 

 あのネックレスが初めて凛にあげた誕生日プレゼントだったんだよな。翌年にも似たようなネックレス、しかも花柄のワンポイントが入った奴をあげて、そういや去年もネックレスあげたじゃねぇか! ってなったのは恥ずかしいから秘密な。

 

 あっちの方は私服とか着てる時に良く付けてるんだよな。マジで律儀な奴。

 俺、服とかアクセのセンスがマジでないから、プレゼントとか本当にシンプルな物しかあげてないんだよな。おかげで渡した側はどんなの渡したっけって覚えてないオチね。

 

 

「ち、中一からとは筋金入りにゃ……いったい奴のどこが……」

「さっすが、アタシ! 見破る力はピカイチだもんね☆」

「よく当てたなー。偉いぞー、飴しかないがいる?」

「やったー!」

 

 

 流石はカリスマギャルの卵などと自称しているだけはある。普段はみりあちゃんと走り回って走り回って、ひたすらに走り回っている印象しかないが、やはり血は争えないのか。

 

 美嘉さんの妹って比較をするのはお門違いというか、ナンセンスというか、でも莉嘉の場合は美嘉さんを目標にやってるからむしろ正しいのかもしれんが。まぁよくわからないことになっているが、観察眼や着目点は流石だ。

 少なくとも俺よりも凄い。俺を比較対象にした瞬間に、なんか褒めてるかわからなくなるの悲しくなるな。

 

 

「いやー、汎用性高い奴をあげておいて良かったよな。中二の時の俺ナイスだ。年重ねても腐りにくいし、簡単に代用品もあるだろうし」

「汎用性とか代用品とか、そういう問題じゃないと思うけど……」

「どうして?」

「そういう時だけ馬鹿みたいに鈍くなるのやめるにゃー!」

 

 

 実際、長い事使ってもらえる分にはこっちもあげてよかったとなるから嬉しいよね。毎日つけて来てるとは知らなかったけど。

 

 鈍いも何もそういうことだろ、大体凛なんて祝日以外は制服でここに来てるんだから、凛が制服に合うと思ってつけてるネックレスの打率が高いのは必然だし。

 あれ? でも私服の時も付けて来てるのか? そこまで見てないからわかんねーや。

 

 

「凛ちゃん可愛いです!」

「しぶりんにも、意外とそういうところはあるんですなー」

「そういうの、ちょっとロックで良いと思うよ」

「ま、社内でのそれは禁止されてないし、純愛ならみくは良いと思うにゃ」

「いや、ちが……」

「俺ぁ嬉しいよ。お前、物持ちが良いタイプだったんだな」

「────-っ!」

「痛い痛い痛い!」

 

 

 お前っ、ちょっとからかわれただけでそんなにポカポカ殴ってくんなよ! クールな渋谷凛だろお前!

 そういうのキャラ崩壊って言うんだぞ。俺が割とキレる時は普通にキレたみたいなキャラ崩壊だからそれ。こういうのって、割としっかり黒歴史に残るからな。俺は前川と菜々さんが心配だよ。なんでだろうな。ちょっとよくわかんないけど。

 

 

「ねーねー! 光くんって、ネックレス以外は凛ちゃんに何をプレゼントしたの?」

「えーとだな、中一の時にネックレスで、去年もネックレスで……あれ? 凛が二年の時って、俺なに渡したっけ?」

「これ」

「あぁ、イヤホンか。完全に忘れてた。イヤホンってそんなに長持ちするっけ」

「多分、長持ちしてるんじゃなくて、させてるんだにゃ……」

「折角もらった物だし、大事に使うのはおかしくないでしょ」

「偉い」

 

 

 当たり前のようにすっと鞄からイヤホン出てくるやん。ちょっとだけ高めのイヤホンね。イヤホンって本当に値段で世界変わるから。良いもん使ってほしいわけよ。ましてやプレゼントだし。布教布教。

 

 本当に物持ちが良いんだなお前。俺、イヤホンとか大体1~2年でぶっ壊れるぞ。大体接続部分が断線する。

 しかも、このi〇honeのライトニング端子の変換するやつ、すぐに断線するんだよ。しまいにゃブチギレて最初っからライトニング端子になってるやつ買ったけど、それですら断線したからな。

 もう諦めてBluetoothのイヤホン使ってるわ。無線最高! 音質さえ気にしない出先だったらもうこれ一択! 有線は家で使ってその間に充電すればいいし、マジで神だね!(ステマ)

 

 

 

「ネックレスは、なんで二回あげたんですか?」

「ネックレス渡したことあるの忘れてたの……」

「あわわっ……! ごめんなさいっ、そういう意味じゃなくてっ……!」

「大丈夫だよ、卯月。人に渡したプレゼントの内容忘れてるこいつが悪いんだから」

 

 

 本当に忘れてたよね。なんならそれに気が付いたの確か誕生日終わってからしばらくしてだもんね。

 こいつもこいつだよ。貰った時に前も貰ったけどとか、そういうこと言ってくれればこっちも飯の一つや二つ奢りに連れてったのに、こいつ普通に受け取って普通に付けてるんだもん。気が付かんやんそれは。

 

 

「それにしても、なんかネックレスにイヤホンって、なんだか形に残るものばっかりだね」

「いや、残った方がなんか良いかなって。わからんけど」

「渡す人が光クンで、貰う側が凛チャンとするんだったら、一番それが最適解だと思うにゃ」

 

 

 凛が物持ちが良いってのは事実だしな。って言うか、じゃあ他に誕プレってなに渡すんだよ。困っちゃうだろ。

 俺なんてプレゼントで一番最初に出てくるのは指輪しかねぇんだぞ。普通に最近おしゃれとして興味あるから。でも異性に指輪を渡すって、それはもう別の意味になるやんね。そういう意味でそこは死ぬし、じゃあどうすんだよって話よ。難しいね。

 

 

「逆に、凛ちゃんは光くんに何かあげたんですか?」

「今年はでけぇ抱き枕貰った」

「抱き……え、なんで?」

「抱き枕欲しいって言ってたから」

「いやー、ピンズト。助かるわー」

「みくはもうこの男の事が分かんないにゃ」

 

 

 別に男が女に抱き枕貰ったって良いだろ! って言うか凛も自分に買えばいいのにな。俺の部屋に来たら大体それ抱いて寝てたりするし。自分で買いなよ。っていうか、俺が今年凛に抱き枕プレゼントすればいいのか。来月だしな。それは有りだわ。

 

 

「って言うか、今年は誕プレ何が欲しい?」

「なんでもいいよ」

「この返答一番困らん?」

「この言葉の意味を恐らくはき違えているであろう事実に一番みくは頭を抱えているにゃ」

「なんでも貸します近〇産興?」

「その地方の人にしかわからないボケやめるにゃ。みくでもわかんないにゃ」

 

 

 俺にもわかんねぇけど、なんか俺の親父がたまに口ずさんでたから覚えちまったんだよな。この歌何なんだよ。マジで意味わかんねぇ歌詞だし、これで調べたらガッビガビのCM出てきたんだよな。そんなことある?

 

 

「じゃあ抱き枕でいいか」

「それは抜きで」

「うーん、ピアスは?」

「ピアスは多分、そればっかり付ける様になるから要注意にゃ」

「任せろ、今の俺には奏や周子さんや美嘉さんやアーニャと言った最強のオシャレ集団がいるから何とでもなる」

「お姉ちゃんに任せておけば、間違いないんだから!」

「あー……多分、光が自分で選んだ方が良いかも……」

 

 

 なんだよ。今年からは最強のオシャレ頼れる集団がいるから誕生日プレゼントも困らねぇぜ、ってなったんだけどな。

 目には目を、歯には歯を、女の子が喜ぶものを選ぶときには女の子を……みたいな感じで。しかもこのメンバーは俺が知る限り最強のメンバーだからな。

 ここに飛鳥を入れるか10分悩んだけど、とんでもないもんを持ってくる可能性が無きにしも非ずだったから外した。飛鳥なら、場合によってふざけたりふざけなかったりするからな。あのスイッチの切り替えはいったい何なんだ。

 

 これが男相手だったら適当でいいんだよ。俺、去年今西には缶ジュースぶん投げただけだし。ただ相手が凛だと、なーんかそういうのもなぁ。

 

 

「別に……わざわざ用意しなくても良いって」

「でも貰えたら嬉しいだろ?」

「…………まぁ」

「じゃあ任せてろって」

「……ん」

「今、なんか根底のそれを見た気がしたにゃ」

「私もだよ。前川くん」

「た、多分私も……」

「何やってんだお前ら」

 

 

 本田と前川が揃うと、なんだかろくでもないことになる気がする。卯月は無理して合わせなくていいんだぞ。あと、李衣菜もな。合わせようとする素振り見せてるけど、絶対に理解してないだろ。俺も何のことかわかんないけど。

 

 どーすっかなー。毎年なんだかんだ悩むんだよなー、この時期。8月10日は凛の誕生日。そっから半年は普段から舐めてる凛の態度がさらに加速するからな。同い年だ、とか言って。普段と変わんねぇやんって話だけど。

 今年はブレスレットとかかなぁ。アクセにこだわらなくても、形に残るなら何でもありか。うーむ、迷われる話だね。こうやってプレゼントできる相手がいるだけでありがたいことかもしれんけど。

 

 とりあえず、李衣菜に言われちゃあ仕方ないから、人に頼るのは無しだな。今年も例年通り、自分でなに渡すかまた少し考えることにしますか。

読者層気になるので知りたいアンケ

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