女子寮生活は難儀です   作:as☆know

8 / 35
この前日間ランキングに乗ったらお気に入りが一日で200ちょい増えました。鬼すぎる。もう片方の小説でもやった事ないのに! ありがとうみんな!

どうでもいいけどこの前久々にすき焼きを食べたのですが、下手な和牛よりも輸入のお肉の方が舌に合ってビックリしました。肉は正義、それ一番言われてるから。


なんか 京都美人、来た。

 

 

「お疲れさんでした〜」

「ゴブウンヲオイノリイタシマスー」

 

 

 段ボール5箱分くらいの荷物とその他ベースを置くスタンドやら俺の部屋に置いてあった棚やら、それらを全部わざわざ運んできてくれた引越し業者でもなんでも無い、普通に346プロの若い社員さん達を見送りながら途方に暮れる。

 

 なんで俺の知らないところで勝手に話が進んでいやがるんだ。大人の世界怖い。

 プロデューサーさんが言うには両親からも俺の入寮に関しては了承済みで、荷物も全て親が全部選んでここに既に送ってもらっている、ってあまりにもことがうまく進みすぎてる。母親に抗議の電話をかけたら『元気にハーレム生活送れよクソガキ』って言われたし、どういう頭してんだあのクソババア。

 

 ていうかスタッフさん最後に変なこと言ったな。なんだよ、ご武運をお祈りいたしますって。俺は戦地に向かう武士か。戦場って点はあながち間違ってはなかったわ。

 

 それにしてもだね。

 マジかー。いやー、マジかー。

 

 

「ッスゥー……マジかー」

「いやはや、中々大変そうやねぇ」

「まぁそれなりに」

 

 

 おかげさまでなかなか大変でございますよ。本当に人生何が起きるかわかったもんじゃない。

 あらあら、わざわざダンボールまで開けてもらって荷物出してもらって悪いですねぇ。そんな今日初めて顔を見る人に荷出しを手伝ってもらうわけには……わけには……ん? 

 

 

「ところで、あんた誰ですか?」

「あたし?」

「この部屋には私とあんたしかおらんでしょう」

「言われてみればそうだねぇ。おっ、Switchあるじゃーん」

 

 

 輝くような短い白髪。服から覗くすらっとした手足に綺麗な素肌。例によって整った美人寄りの顔立ち。耳からちろっとかかるピアス。

 

 ここまで来ればもうお分かりだろう。この人、アイドルだわ。

 

 

「自己紹介したほうがいい系?」

「あっ、俺からした方がいい系?」

「そうして欲しい系」

「あっ、そう」

 

 

 なんなんだこの人。ペースを握ろうとしても簡単に乗られるんだけど。この人そういう系の人か? それともめちゃくちゃ適当系か? さっきから〇〇系って使いすぎな系だなこれ。

 

 

「どうも、なんと男子な17歳。松井光でごわす」

「どーもどーも、なんと女性な18歳。塩見周子どすえ〜」

 

 

 バチバチTOKYOの大学生みたいな格好からの京都弁とか違和感マックスのはずなのに、やけに馴染む。なんというか、よく聞くエセどすえじゃなくて本家っぽいきがする。気のせいかもしれんけど。

 

 

「で、そんな塩見さんはなぜここに」

「シューコちゃんでいいよ」

「いや、初対面の人を下の名前で呼ぶとかハードル高s」

「いやー、部屋でのんびりしてたらあたしのPから昨日話した男の子の荷出しくらい手伝ってやれよって言われちゃってね」

「話聞けよ」

「そんで面白そうだから、なんとなく来ちゃった☆」

「さいですか……」

 

 

 

 とはいいつつも他の荷物には目もくれず、Switchとスマ○ラだけを箱から持ち出して着々とゲームする準備をしているように見えるのは僕だけですかね。

 

 この人あれだ。あまりにも暇すぎたところに面白そうなのが飛び込んできたから、とりあえずこの波にはノっておかねぇと損だ! とか思ってここに来たタイプだ。というか、そんなことを遠回しに言ってた。

 俺にはわかるぞ。この適当さ、多分同族だ。

 

 

「それで? Switchの方はどうですか」

「んー、もうちょいかかるかなぁ」

「言っとくけど、プロコンは俺の分しかないですぜ」

「シューコちゃんの部屋に二個くらいあるはずだから、あとで取りに行って来てよ」

「アイドルさん、危機管理って知ってる?」

 

 

 この人、色々と本当に大丈夫なのだろうか。というかやっぱりSwitchする気満々やし。

 まぁ、ええわ。正直こんな事態に急に巻き込まれた側としては、はいそうですかと荷出ししてぐっすりスヤァなんてできるはずがない。最悪荷出ししなくてもベットはデフォルトの敷布団と掛け布団もあるし枕もある。抱き枕がないのだけがギルティだが。

 

 時刻はもう5時を回ろうとしているではないか。むしろここは夜になるまでSwitchを堪能してそのまま周子さんを追い出し、そして疲れ切った頭でぐっすり寝て明日の事は明日に考えるのが正解ではないのだろうか。

 今日は金曜日、明日はみんな大好き休日だ。千川さんからもプロデューサーさんからも、土日ははなにも予定がないので女子寮の方々と親交を深めてくださいと言われている。

 

 嫌だね。そう簡単に地雷なんぞ踏んでたまるか。俺は飛んで火に入る夏の虫じゃないんだ。明日は部屋にこもって荷出しして完璧な一人暮らしの体制を整えた末にニート生活を満喫してやる。

 

 よし、完璧なプランじゃあないか。そうと決まれば、早速行動開始だ。

 

 

「周子さん。Switchの設定、俺がやっとくから先にプロコン取ってきてくださいよ」

「しゃーないなぁ。わかったわ、譲ってあげる」

「なんか負けた気がする」

「気のせいだって」

 

 

 ご機嫌な鼻歌を歌いながら出て行く周子さんを尻目にゲス笑いを浮かべる。

 計画は完璧。これでワシの計画は崩れるまい。

 

 とりあえず千川さんは一週間体験で入寮って言ったんだ。それならここで一週間。なんとか他のアイドルとの接触を最大限に減らして乗り切り、変態の称号を消し去ってから346プロに貢献させていただこうではないか。

 

 

「取ってきたで〜」

「はやっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作戦決行から一時間。周子さんのことをうまいこと取り込むことに成功した光、

 そんな彼は現在。

 

 

「お先失礼しますえ〜」

「あー! 紗枝はん速いー! って痛っ!? 誰ぇ! 今赤甲羅投げたん!」

「俺だよぉ! おっさきー!」

「絶対許さん!」

「周子はん、そない言葉遣いはあきまへんでー」

 

 

 周子さんと謎の着物美少女と3人でめちゃくちゃマ○オカートをしていた。超楽しい。

 

 ところで今周子さんの隣にいる少女。

 デフォルトから着こなしてる服は、今は祭りや年末でない限り絶滅危惧種となったKIMONO。俺どころか、周子さんから見ても明らかに可愛らしいサイズな身長。そして腰まで届くかというような長くて綺麗な黒髪。そしてびっくりするほどのコテコテの京都弁。舞子さんかと最初勘違いしたわ。

 簡単に言うならば、京都をそのまんま美少女化したような少女。

 

 この謎の着物美少女、名を小早川紗枝というらしいの。例によってアイドルらしい。

 誰だチミは! って話を振ったら、周子さんと違って懇切丁寧にちゃんと自己紹介してくれた。ありがたい。

 

 

 

「んー! もっかい! 二人とももっかい!」

「しゃーないなぁ」

「構わん、続けろ」

 

 

 手伝ってくれるのはありがたいんだけど、なんで紗枝ちゃんがここにいるのって話だよね。

 

 これには深い理由なんて何もなくて、単にサボってるであろう周子はんの分を手伝いにわざわざ来てくれただけなんだけど。

 そんな紗枝ちゃんもミイラ取りがミイラになってしもうたわけですけどね。マ〇オカート is GOD はっきりわかんだね。

 

 

「それにしても、まさかここに男の人が来るなんてなぁ」

「どーせちひろさんに言いくるめられたんでしょ。それに、シューコちゃんみたいな可愛いアイドルとひとつ屋根の下で暮らすチャンスをみすみす逃す人もいないしね〜」

 

 

 言われてみれば、それもそう。

 けど俺はクラスにいるドルオタみたいにアイドルのことを知っている訳では無い。それこそ知っている人といえば、凛とリーゼントのギターの人と李衣菜と高垣楓と輿水幸子くらいだ。

 あとはテレビで見かけたことはあれど、ガッツリ名前は覚えちゃいない。李衣菜もそのタイプだったしな。

 

 

「まぁ、今日直接会うまで周子さんの顔も名前も知らんかったですけどね」

「勿体ないことしてんね〜。もっとテレビ見いや」

「YouTubeしか見ないしなぁ」

「YouTubeにも転載動画あるやろ」

「アイドルにそんな興味ないんで」

 

 

 実際、アイドルには興味の欠片もない。というか某A〇Bのとかジャ〇ーズのおかげで昨今のアイドルという文化に自体あんまりいいイメージがなかった

 なんなら、どーせ口パク集団なんちゃうの? 音楽番組で枠取りまくりやがって、他のを見たいんじゃって思うまであった。真実は如何程かはわからんが。

 

 

「ほな、なんで光さんはここに来なさったん?」

「それらは俺が聞きたいなぁ()」

「女の子嫌いなん?」

「まさか」

「変態やな。こわーい」

「おかしい、こんなことは許されない」

 

 

 極論は酷い。それで何度凛にやられたことか。

 ていうか、今のところ馴染めているのが怖い。向こうがあわせてくれてるんだろうけど。なんなら最初っから俺がここに来るってわかってたような……ん? 

 

 

「二人とも、俺がここに来るの知ってたん?」

「お話は先週からぷろでゅーさーはんに聞かされてましたから」

「私もー。てか、部屋が近い人はみんな知ってるんじゃないかな?」

 

 

 ほーん。なんかの条件が当てはまる人にだけ、早い段階でそういうのが来るかもねって話をしてたんだろうか。それなら前川が俺が女子寮に入るって話の時にあのリアクションをしたのも納得が行く。いや全員に話しとけよって話なんだけど。

 

 

「あれ? でも俺がこの話を聞いたのは今日……」

「そういや光はん、晩ご飯はどうする予定なんどすか?」

「抜こうかなと」

 

 

 だって冷蔵庫にはなんもなかったし。買い出し行こうにも明日まで金もないし。食堂に行く勇気なんてさらさらないし。

 2日くらい飯を抜いても平気だろう。うん、死にゃしねぇよ。大人しく寝てりゃ充分持つ。

 

 

「食堂行けばええやん。お金かからんで?」

「いやいやいや、無理よ。そもそも俺がここにいるって知ってるのは部屋が近い人だけでしょ? ただでさえアウェーなのになんで男の人がいるの……的な目で見られるとか死ねる」

「そうなん? みんな気にしんと思うよ?」

「そんなことは無いから安心してな。てか周子さんと紗枝はんって部屋どこなん?」

「シューコちゃんはここの隣」

「うちはその隣どすえ」

「近っ」

 

 

 道理でねぇ。周子さんプロコン取りに行って速攻で帰ってこれた理由がわかったわ。てことは、俺がここに来るって話をされた人は、ここの部屋に近い人なんだろうか。うーん、わかんね。

 てかこの人が隣人かぁ……なんか心配だなぁ……(失礼)

 

 

「でも晩御飯を食べないのは体に悪いしなぁ……響子はんに頼んでなんか作ってもらいましょか?」

「んー、その子に面倒かけるのも悪いし。大丈夫、俺男だから丈夫だし。知らんけど」

「そんなこと言ってもあたしお腹空いたーん!」

「それは知らんがな。食堂行ってきなさいよ」

「みんなで食べなさみしいやーん?」

 

 

 そんなこと言われたってなぁ……冷蔵庫に何も無いんじゃあなぁ……。

 

 

「ほんなら、ここで作ればええんやないか? うちも多少なら料理できるし、そこの周子はんやって、和菓子店の看板娘はんなんやで?」

「マジかよ」

「まぁ、店で試食品食べてサボってただけなんだけどね」

「いいのかそれで」

 

 

 なんかすっげぇ想像つくわ。それに看板娘ってのも。

 正直周子さんって超がつくほどの美人だし、店はさぞかし儲かったんだろうなぁと簡単に想像がつくな。

 

 

「でもあいにく冷蔵庫が空なのよ……」

「食堂から持ってこればいいじゃん」

「えっ、そんなことできるの」

 

 

 意外な突破口が開かれる。てかここの食材勝手に使っても大丈夫なんだろうか。自由が過ぎないですかね……

 

 

「まぁまぁ、ここは寮のセンパイに任せておきなって。何が欲しいだけ教えてくれたら持ってきて見せよう」

「おぉ、頼もしや。じゃあ俺が料理は作るよ、全部やってもらうの嫌だし」

「嫌って……光くん料理できるの?」

「こんなんでも一応料理好きなんですよ」

「ほんなら、美味しい晩御飯。期待してますえ〜」

 

 

 なんかやけにプレッシャーかけられた気がするんだけど。

 まぁいいだろう。これでも料理の腕にはそこそこ自信があるんだ。京のはんなり娘と適当姉さんを唸らせてやろうじゃないの。




サブタイトルですが、某番組のパロディでございます。弄ったら語感が悪くなっちゃった()

そんな訳でお気に入りも900突破、総評も1000になりました。
わしは昔から評価と感想をあとがきでオネダリする乞食スタイルなので、皆さん良ければぜひお願いします!

この子が出る話が見たい! って人を教えて下せえ

  • 渋谷凛
  • 速水奏
  • 二宮飛鳥
  • 塩見周子
  • 神谷奈緒

▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。