ソードアート・オンライン 黒竜の剣士と焔の巫女   作:初めての

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 ご無沙汰しておりますm(_ _)m
 初めてのですm(_ _)m

 何とか九月中に投稿できました。
 今回は長めです。

 前書きも後書きもネタが無くなり、書くことが出来なくなって来ました。
 後書きに関しては前回からですね。申し訳ありませんm(_ _)m
 
 いつもの様に誤字・脱字はご容赦下さい。

 では(^-^)ノシ

 あ、タグ更新しました。


心 花 そして犯罪者

 

???「あたしを・・・一人に・・・しないでよ・・・」

 

 目の前で空色の羽を抱き締めなが泣いている女の子。

 ついさっき複数のMobに囲まれて居るところを、私とキリトで助けたんだ。・・・でも彼女の大切な戦友(ともだち)を私達は助けられなかった。

 

ロゼ「お姉ちゃん、大丈夫?(もっと早く助けられたら!?)」

 

キリト「済まない、君の友達・・・助けられなかった」

 

 キリトの声に自分に対する怒りが込められている、私達もビーストテイマーなんだ相棒が死ぬ何て嫌に決まってる。

 

???「・・・いいえ・・・・あたしが・・馬鹿だったんです・・自分一人で・・・抜けられるって・・高を括って・・・。有り難う御座います・・・助けてくれて・・・・。」

 

 嗚咽を堪え重たいはずの口で、お礼をする彼女を見て、驚いているとキリトが彼女に近付いてしゃがみ。

 

キリト「・・・その羽なんだけど、アイテム名あるか?」

 

 言われた事を直ぐ飲み込めず、キリトを見上げてキョトンとする彼女、そして恐る恐る羽をタップすると、震える声で。

 

???「・・・《ピナの・ここ・・・ろ》・・・ッ!!」

 

 アイテム名を見てまた泣きそうになる彼女に、キリトが待ったをかけた。

 

キリト「待った待った!! 心アイテムが有れば、まだ蘇生の可能性が有る」

 

ロゼ「うん!!」

 

 私も大きく頷き彼女の頭を撫でて落ち着かせる。そしてわざと見た目道理の幼い少女を演じる。

 

ロゼ「あんまりね、知られてないんだけどね。うんと四十七層にね、《思い出の丘》って言うのが有ってね、そこにねお友達を助けるアイテムが有るんだって」

 

 今度は、私を見つめてキョトンとしている彼女に。

 

キリト「この子の言っている事は本当だ、四十七層に使い魔蘇生用アイテムが有る」

 

 大きな眼をさらに大きく見開いて、また直ぐ俯いてしまう。

 

ロゼ「お姉ちゃん??」

 

???「・・・四十七層・・・」

 

 もしかしてレベル的に難しいのかな? でも四十七層程度ならキリト一人でも問題無いし・・・何て今回は言ってられ無いんだけどね。

 すると彼女は、何かを決意した様にパッと顔を上げ。

 

???「情報有り難う御座います、レベルを上げていつかきっと・・・」

 

ロゼ「だ、ダメ!!」

 

 突然至近距離で声を上げた私に驚いて彼女が、少し仰け反った。しかし私の言葉を否定と思った様で、彼女が私の肩を思いっきり掴みながら。

 

???「ダメってピナを生き返らすのがダメってことなの!!」

 

 すごい剣幕で迫って来た。私は恐れる演技をしながら、泣きそうな声を出して。

 

ロゼ「ち、違うの。あ、あのね・・ひっく・お友達をね・生き・うぅ・・返らすのね・うっく・・・死んじゃっ・てから・・うぅ・三日までなの。だから、ううぅ・・怒らないでよ、ひっく・お姉ちゃん」

 

 幼い振りって大変だよ。

 

 其れを聞いた彼女の顔にまた暗い影が掛かる。

 

???「・・・そんな・・・たった三日しか・・無い・・ゴメンね・・・怒ってゴメンね」

 

 私を抱き締め大声で泣いている彼女を抱き返しながら私も泣き声を上げる。勿論フリだけどね。

 しばらくして落ち着きを取り戻した彼女に、キリトが話しかけながらトレード画面を出して、彼女が使えるで有ろう装備を渡していく。

 

キリト「この装備でレベル五・六は分位底上げ出来る。俺達も一緒に行けば大丈夫だよ」

 

ロゼ「うん!! お姉ちゃんのお友達助ける!!」

 

 高レベルの装備品を渡され困惑しなからも警戒心が強くなる。まぁ当たり前かな、このアインクラットは、"甘い話には裏"が常だし、何より相手は一様男勘ぐるのも無理は無いと思う。

 

???「何で・・・其処までしてくれるんですか?」

 

 その質問にキリトは片手で顔を隠しながら。

 

キリト「・・・笑わないって約束するなら、言う」

 

???「笑いません!!」

 

 真剣な顔でそう言われキリトが折れた。そして・・・。

 

キリト「君が妹に・・・似てるから」

 

 その答えに又してもキョトンとした顔をして直ぐ。

 

???「ぷっ!! あはははは」

 

 彼女が笑った。

 

ロゼ「変なの」

 

 キリトのばつの悪そうな顔を見ながら、二人して楽しそうに笑い会う。

 

キリト「笑わないって言ったのに」

 

ロゼ「お兄ちゃん、偉い偉い」

 

 拗ねた口調で、キリトが真っ赤に成った顔を、片手で隠しながら肩を落とす。すると彼女が漸く立ち直った様で。

 

???「有り難う御座います。助けてもらったのに、その上こんなことまで。あの、これ全然足らないと思うんですけど・・・」

 

 トレード画面に金額を入力しようとしていた彼女を、キリトが止め。

 

キリト「お金はいいよ。どうせ余ってた物だし、俺達がここに来たの目的とも、被らないでもないから」

 

???「すみません、何から何まで・・・あの、あたし、[シリカ]って言います」

 

 自己紹介の後、少し何かを期待する様な雰囲気があったけど、直ぐ表情を暗くして、そして強い光を眼に宿した。

 

キリト「俺はキリトだ、宜しく」

 

ロゼ「はい! はい! は~い! ロゼだよ!! シリカお姉ちゃん」

 

 両手を上げながら、跳びはねて名前を言う。本当に幼い子の振りは大変だよ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 街に戻った私達はシリカちゃん目当てのプレイヤー達をやり過ごし今日の宿を探していた。

 

シリカ「おの、キリトさんとロゼちゃんホームはどこに・・・」

 

キリト「ああ、いつもは五十層何だけど・・・」

ロゼ「ヤッ!! シリカお姉ちゃんと一緒がいい!!」

 

 そう言いながらキリトのコートをぎゅうぎゅうと引っ張る

 

キリト「分かったからコートを放しなさい」

 

ロゼ「本当??」

 

キリト「ああ、本当だ」

 

ロゼ「やったー! 行こう! シリカお姉ちゃん!」

 

 勿論演技だけど何だか楽しくなって来た私は、シリカちゃんの手を取って踊り出した。すると・・・。

 

???「な~んだ、シリカじゃない。無事に帰って来れたんだ」

 

 舌を舐めずる様な気持ちの悪い声がした。その声がしたとたんシリカちゃんの表情が曇る。そして声のした方に向く。

 

シリカ「ロ、ロザリアさん」

 

 複数の男性プレイヤーを従えた、女王様の様な女性プレイヤーが居て、直ぐ誰にも悟られない様にキリトとアイコンタクトする。

 

ロゼ「(ターゲットだよね)」

 

キリト「(ああ、間違えない)」

 

 シリカちゃんに近付き舐め回す様に見た後、わざとらしい口調で。

 

ロザリア「あら? あのトカゲ」

 

ロゼ(ムカッ!!)

 

ロザリア「どうしちゃったの?」

 

 唇を噛みしめ攻め苦に耐えるシリカちゃん。

 確実にわざとやっているのが分かる程、白々しい態度で薄笑いまで浮かべて人を見下しながら言葉を続けるオバ・・・私達のターゲット。

 

ロザリア「あらら、もしかして・・・」

 

シリカ「死にました・・・でも・・・」

 

 シリカちゃんは強い光の灯った眼で、ロザリアをにらみ返した。

 

シリカ「ピナは、絶対に生き返らせます」

 

 そう言って瞬間ロザリアの口が嫌らしく歪んだのを、ハッキリと見た。そして・・・。

 

ロザリア「へぇ、てことは、《思い出の丘》に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略出来るの?」

 

キリト「出来るさ」

 

 シリカちゃんの前にキリトが立ち、コートでシリカちゃんを庇う。

 

キリト「そんなに難易度の高いダンジョンじゃ無い」

 

 あからさまにキリトを値踏みするように、眺め回したロザリアが嘲る様な笑みを浮かべて。

 

ロザリア「あんたもその子にたらしこまれた口? 見たトコそんなに強そうじゃ無いけど」

 

ロゼ(かっち~ん)

 

 その言葉を聞いて私の中の何かがキレた。

 

ロゼ(ゴメンね、シリカちゃん)

 

 心の中でシリカちゃんに謝りながら、俯いているシリカちゃんの裾を"クイクイ"と引っ張り。

 

ロゼ「ねぇねぇシリカお姉ちゃん。この"オバサン"だ~れ??」

 

 と、爆弾投下♪

 

 その瞬間凍りついたかの様にロザリアは動きを止める。

 

ロゼ(は~、スッキリ)

 

 口許を痙攣させ額に大量の青筋走らせ手に持つ槍がカタカタと音を立てる。

 

キリト「こらロゼ!! 駄目じゃないか!!」

 

 何故かキリトに起こられた。

 

 解せぬ。・・・はっ、いけない、いけない。動揺して変な口調になっていた。

 

 

キリト「本当の事を言うと、傷つく人が居るんだから」

 

 おお、ナイス援護。さすがキリト大好きだよ♪。

 キリトの言葉にトドメを刺されたのか真っ白になって動かないオバサンに。

 

キリト「すみません。俺達はこれで。行こうか」

 

ロゼ「は~い」

 

シリカ「あ、待って下さい」

 

 そう言って真っ白になって居るロザリアを放置して、シリカちゃんが紹介してくれた宿に向かう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キリト「先ずは食事にしよう」

 

 シリカちゃん御用達の宿《風見鶏亭》に入った私達は、一階レストランで夕食にする事にした。少し奥まった席に着いて少ししたらNPCが、湯気が立っているカップを三つ持ってくる。

 

シリカ「あの、これは?」

 

 一口飲んで驚いた顔をしたシリカちゃんが、難しい顔をして聞いてくる。

 

キリト「NPCの店はボトルの持ち込みも出来るんだ、これは《ルビー・イコール》って言って、何とカップ一杯で敏捷が一上がるんだ」

 

 ニヤリと得意気に笑いながら、悪戯が成功した子供の様にウキウキと説明するキリト。

 私も《ルビー・イコール》を一口飲んでみる。すると、口の中に広がるスパイスの香りと、甘酸っぱい味が見事な調和果たし絶妙なハーモニーを奏でいる。

 

シリカ「そんな貴重な物」

 

 シリカちゃんが申し訳なさそうな顔をして俯いてしまった。

 

ロゼ「皆で飲んだ方が美味しいよ!!」

 

キリト「そうだな。それに酒をアイテム欄に寝かせていても味が良くなる訳じゃないしな。どうせなら、ぱ~っとな」

 

 それを聞いて顔を開けたシリカちゃんは、カップの中身を少し飲んで、少しづつ穏やかな表情になって、飲み終わったカップを胸に抱いている。

 

シリカ「なんで、あんな意地悪言うのかな??」

 

キリト「君MMOは、SAOが・・・」

 

シリカ「はい。初めてです」

 

 キリトが真剣な表情になってカップを机に置く。

 

キリト「そうか、・・・どんなオンラインゲームでも、キャラクターにのめり込んで人格が変わるプレイヤーは多い。善人になる奴、悪人になる奴・・・そんなロールプレイ楽しむのもMMOの醍醐味なんだけど。でも俺はこのSAOの場合は違うと思う。ここで悪事を働く奴は現実世界でも腐りきった奴なんだと思ってる」

 

 キリトが話し終わった後気まずい沈黙が降りてきた。っとそこで。

 

 

 ぐぅぅぅ。

 

 

ロゼ「えへへ」

 

 私のお腹が空腹を訴える。ここに来るまで迷いの森を走り回っていたから、ご飯を食べる余裕も無くてもうペコペコ。でも、空気を変える切っ掛けになったみたい。

 

キリト「食事にしようって言ったのに、つい話しに夢中になってゴメンな。すいませ~ん」

 

 私の頭を優しく撫でながら、MPCの店員を呼ぶ。そして。

 

シリカ「あ、ここチーズケーキが結構いけるんですよ」

 

ロゼ「本当!? シリカお姉ちゃん!?」

 

 美味しいケーキが有ると聞いてシリカちゃんの方に乗り出しながら眼を輝かせている私。

 

シリカ「本当だよ」

 

MPC店員「ご注文はお決まりですか??」

 

 その後少し賑やかな食事をして、シリカちゃんと別れて宿の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 勿論チーズケーキは美味しく頂きました♪。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 部屋に戻って私はベッドにダイブして。

 

ロゼ「ふにゅ~、疲れた」

 

キリト「お疲れさん」

 

ロゼ「エト姉は何時もこんな事してるんだね」

 

 今日の大変な一日を思い出していた。そして何時も仮面を着けているエト姉凄さが改めて分かった気がした。

 

ロゼ「それで」

 

キリト「ああ、アレがターゲットのリーダーだな」

 

ロゼ「う~ん、やっぱり全員捕まえた方が良いよね?」

 

キリト「そうだな、その為の回廊結晶だ」

 

 キリトが依頼人から預かった回廊結晶をポーチから出して確認していると。コンコンとノックされた。取り合えず警戒しながらキリトが扉を開けると。

 

キリト「あれ? どうかしたの?」

 

 扉の外に居たのはシリカちゃんだった。

 

シリカ「あの・・・ええと・・その・・・よ、四十七層の事、聞いておきたいと思って!」

 

 恥ずかしそうに懸命に言い訳を絞り出したシリカちゃん、でもキリトはあげないよ。

 

キリト「ああ、良いよ。っと部屋でいいかな?」

 

シリカ「はい!」

 

 そして部屋に入って来たシリカちゃんに向かって眼を擦りながら。

 

ロゼ「あれぇ、シリカお姉ちゃんだ」

 

キリト「明日の事を聞きたいんだってさ」

 

ロゼ「それなら、これだね!」

 

 そう言って机の上に小さな箱を置いて操作する。

 

シリカ「あの、これは」

 

 某猫型ロボットのBGMを頭の中で再生しながら。

 

ロゼ「《ミラ~ジュ・スフィア~》」

 

キリト「って言うアイテムだよ」

 

ロゼ「えい!」

 

 設定が終わり最後にOKボタンを押して起動させると。箱の上に立体的な半透明の地図を映し出す。この《ミラージュ・スフィア》は一つの層の地図を丸々映すレアアイテムで、物珍しげに映し出された地図を眺めているシリカちゃん。

 

キリト「ここが主街区だよ。で、こっちに、思い出の丘。この道を通るんだけど、この辺りにちょっと厄介なモンスターが・・・」

 

 地図に書き込みをしながら説明していくキリト。すると。

 

キリト「この橋を渡ると、もう丘が見え・・・」

 

 不意にキリトの声が途切れ、扉を凝視する。そして。

 

キリト「誰だ!」

 

 素早く扉を開け放ち外に出る。すると"どたどたと"逃げる様な音が聞こえて来てキリトが扉を閉める。

 

キリト「聞かれて居たな」

 

シリカ「で、でも、ドア越しじゃあ声は聞こえないんじゃ・・・」

 

キリト「聞き耳スキルを持っているとその限りじゃ無くなる。そんなの、上げてる奴は・・・中々居ないけど・・・」

 

 そう言いながらベッドに腰掛け。

 

キリト「ちょっとメッセージ打つから、待っててくれ」

 

 そう言って依頼人にメッセージを打つキリト、その間にベッドに腰掛けて居たシリカちゃんが寝てしまい、限界が近かった私もシリカちゃんの隣で眠ってしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 心地好いカノンのメロディーが聞こえて私は目を覚ました。そして隣でスヤスヤと安らかに寝ているシリカちゃんを起こさない様にベッドを降りて、床で寝ているキリトの隣に座り寝顔を覗き込む。

 

ロゼ(何時もキツイ眼のせいで分かりずらいけど、こうして見ると結構幼く見えるから不思議だね)

 

 そう思いながらキリトの寝顔に夢中になって居るとベッドの方から物音がして、シリカちゃんが起き上がった。

 

ロゼ「おはよう。シリカお姉ちゃん」

 

 笑顔で挨拶した私を見てまだ寝ぼけているのかポカンとしたまま数秒固まった後、驚いた顔をして両手で口を押さえて。そのままおろおろしてハッしたら徐々にに顔が真っ赤になっていって頭から湯気が出てくる。

 

ロゼ「おはよう」

 

 落ち着いたのを見計らってもう一度声を掛ける。

 

シリカ「お、おはようロゼちゃん。そっかあたし寝ちゃったんだ」

 

 シリカちゃんも起きたことだしそろそろキリトも起こそうかな。とキリトに向かってタックルの容量で飛び付く。

 

キリト「ぐぉ?!」

 

ロゼ「朝だよ♪、お兄ちゃん♪」

 

シリカ「ロ、ロゼちゃん!?」

 

 抱きついた拍子に倒れ込んだけどそのまま思いっきり頬擦りする。

 うりうりとキリトの感触を確める様にこれでもかと頬擦りして満足した所でキリトを解放してあげた。

 

ロゼ(うん、心の必須栄養素、キリトリウム満タン♪)

 

キリト「お、おはよう」

 

 私の頬擦りで少し目を回しながら目を覚まし欠伸をしながら、凝りを解すように首をゴキゴキと鳴す。

 

シリカ「お、おはようございます。すみませんでした、勝手にベッドを使ってしまって」

 

キリト「いや、良いよ。この世界ならどんな格好でも寝違えたりしないから」

 

 その後朝御飯を食べて転移門から四十七層《フローリア》に転移して《思い出の丘》の有るダンジョンを進む私達。その途中で。

 

シリカ「あのキリトさん。あたしの事妹さんに似てるって言ったじゃないですか? でもあたしとロゼちゃんそんなに似てないと思うんですけど・・・」

 

キリト「ロゼの事じゃないよ」

 

シリカ「えっ!? そうなんですか?!」

 

 シリカちゃんの質問にキリトは現実の自分の事を少し話してくれた。自分の境遇、妹さんとの関係、そして他人との距離感のズレ。辛そうな顔でまるで今までの事を後悔するように。

 そんな姿を見かねた私は。

 

ロゼ「ロゼは優しいお兄ちゃんの事、大好きだよ」

 

 キリトの右手を私の両手で優しく包み込む。するとキリトは安心した様に私の頭を空いている左手で撫でながら。

 

キリト「ありがとロゼ」

 

 するとシリカちゃんが。

 

シリカ「妹さんキリトさんの事、恨んでなんかいなかったと思います。何でも好きじゃ無いのに頑張れる事なんかありませんよ。きっと、剣道、ほんとに好きなんですよ」

 

 私とキリトがキョトンとした顔でシリカちゃんを見つめて、ふとキリトが。

 

キリト「・・・そうか・・・そうだといいな」

 

 穏やかな表情で空を見上げるキリト。そこに。

 

シリカ「きゃああああああ」

 

 いきなりシリカちゃんの悲鳴が響く。何事かと振り向くとシリカちゃんが植物系のMobの蔦に捕まって逆さまに吊るされて居た。吊るされたシリカちゃんはスカートを押さえながら短剣を振り回して居るけど、片手が塞がっていて上手く蔦に当てられない。

 

シリカ「キリトさん。た、助けて! 見ないで助けて!!」

 

キリト「無茶言わないでくれ」

 

ロゼ「ねぇキリト」

 

キリト「どうし・・・た」

 

 振り向いたキリトの顔が強張り心なしか震えている様に見える。おかしいな、今の私は笑顔の筈なんだけど。

 

ロゼ「見た」

 

キリト「見てません!!」

 

 即時即答とはまさにこの事。ビシッと敬礼をしながら首を振って自分の無罪を主張するキリト。

 

ロゼ「分かった(今回は許してあげる)」

 

 キリトに無罪判決を言い渡してシリカちゃんを助けに行こうとしたら、丁度Mobの破裂音が聞こえてシリカちゃんの周りにポリゴン片がキラキラと舞っている。

 

ロゼ(へぇ~、思ったより出来るじゃん)

 

 純粋にシリカちゃんのプレイヤースキルの高さに感心しつつ。

 

ロゼ「シリカお姉ちゃんすご~い!」

 

 座り込んでいるシリカちゃんに抱きついてはしゃいでいると。

 

シリカ「助けて下さい!!」

 

 抱きついた私を引き剥がしながら頬を膨らましてキリトに抗議するシリカちゃん、でもそれは。

 

キリト「見ないで助けるのは、流石に無理だよ」

 

 うん私もそう思うよ、だって下手をしたらシリカちゃんに攻撃が当たる可能性も有るんだから。

 

シリカ「うぅ~」

 

 余り納得してない顔で唸って居るシリカちゃんに私は。

 

ロゼ「凄い! 凄いよ!! シリカお姉ちゃん。お花お化け倒しちゃった」

 

 すると嬉しそうな顔でシリカちゃんが私の頭を優しく撫でながら。

 

シリカ「ありがとロゼちゃん」

 

 何だか最近頭を撫でられる頻度が高い気がするけどやっぱり見た目の問題なのかな。

 思考に耽りながら植物系のMob(この程度なら鼻歌を歌いながら相手ができる)を倒しダンジョンを進んで行くと、小高い丘の上に白い石の台座が表れた。

 

シリカ「ここに、その花が・・・」

 

キリト「あぁ、この台座の中心に・・・」

 

 キリトの言葉が終わる前に駆け出して台座を覗き込むシリカちゃんが。

 

シリカ「えっ・・・な、い。ないよ、キリトさん!」

 

 振り向いたシリカちゃんは眼に涙を湛え、今にも泣き出しそうに震えている。

 

キリト「そんなはず・・・いや、シリカ良く見てごらん」

 

シリカ「あ・・・」

 

 シリカちゃんが台座に視線を戻して直ぐに台座の中心から柔らかな芽が出てそのまま大きく育って行く。

 ビデオの早送りの様にたちまち白い蕾を付けそしてはぜる、七枚の花弁が白く輝きキラキラと雫をたらす。そんな幻想的な花が台座に"三輪"咲き誇る。

 私達はそれぞれ一輪ずつ手に取ると茎の真ん中位から折れて私達の手の中に納まり、《プネウマの花》と言うネームウィンドウが開いた。

 

シリカ「これでピナを・・・」

 

キリト「ああ、心アイテムにその花に溜まっている雫を振りかければいい」

 

ロゼ「シリカお姉ちゃん、街で生き返らせてあげよう」

 

キリト「そうだな、ここは強いモンスターが多いからその方がいいだろうな」

 

シリカ「はい!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 来た道を戻り後小一時間位で街に戻れそうな所で。

 

ルリ「キュ!?」

 

 髪の毛中に隠れて居るルリがプレイヤーを見つけた。チラリとキリトの方を見るとシリカちゃんの肩に手を置いて前方を睨んでいた。

 

キリト「そこに隠れてる奴、出てこいよ!!」

 

シリカ「え!」

 

 不意にガサリと音がしてプレイヤーを示すカーソルが表示される。現れたのがプレイヤーでなおかつグリーンなのを見て安心しているシリカちゃんしかし直ぐに驚きの表情に変わり。

 

シリカ「ロ、ロザリアさん・・・何でこんなところに?!」

 

 シリカちゃんに目もくれず唇の片方を吊り上げ笑うオバサンことロザリア。

 

ロザリア「私の隠蔽を見破るなんて、中々高い索敵スキルね、剣士さん。侮ってたかしら」

 

 漸くシリカちゃんを見て。

 

ロザリア「その様子だと、《プネウマの花》をゲット出来たみたいね。おめでと、シリカちゃん」

 

 心の込もってい無い空っぽの言葉とあのオバサンの真意が掴めずに後退りするシリカちゃん。そしてお約束のセリフを言ってくる。

 

ロザリア「じゃ、早速その花を渡してちょうだい」

 

 その言葉に見えない様にタメ息をついてアイテムストレージから《プネウマの花》を取りだしオバサンの所に行き。

 

ロゼ「はい、大事に使って下さい・・・・・・・・犯罪者(オレンジ)ギルド[タイタンズ・ハンド]のリーダーさん」

 

ロザリア「なっ!?」

シリカ「えっ?!」

 

 後半仮面を外して素の私の口調に戻す。そして驚いているオバサンを余所に《プネウマの花》をしまう。

 

ロゼ「なんてあげるわけ無いでしょ」

 

 そう言いながら何時もと違う"琥珀"色の装備を暗い赤に戻していく、そして下ろしてある長い髪を三つ編みに治して、ルリを右肩に乗せて完成。

 

ロゼ「ごめんねルリ、窮屈だったよね」

 

ルリ「キュキュ」

 

 すると周りに隠れて居たオバサンの仲間が驚愕しながららわらわと出てくる。そのうちの一人がぶつぶつ言いながらオバサンに近ずいて。

 

オレンジプレイヤー「・・・全身赤で、ビィーストテイマーの幼女!!・・・ヤバイよロザリアさんコイツ、ビーターギルドの[焔の巫女]・・・攻略組だ」

 

シリカ「こ、攻略組?! ロゼちゃんが?」

 

ロザリア「何で攻略組がこんなところに居るのさ!!」

 

 オバサンが半狂乱気味に叫びながら私から距離を取り、槍を構える。

 

キリト「あんたら十日前に三十八層で[シルバーフラグス]っていうギルドを襲ったな」

 

ロザリア「あの貧乏連中か!!」

 

 事態を理解したであろうオバサンにキリトが更に言い募る。

 

キリト「そうだ、生き残ったリーダーに頼まれた。毎日朝から晩まで、最前線の転移門前で泣きながら仇討ちしてくれる奴を探してな」

 

 キリトは一端言葉を切り。

 

キリト「けど、あいつはアンタらを黒鉄宮に入れてくって頼んできた。アンタはあいつの気持ちが分かるか?」

 

ロザリア「はぁ!、分かるわけ無いじゃない。これはゲームなのよ!、現実で死んでる証拠も無いのに、なにムキになってんのよ!!」

 

 そこに私が割り込み。

 

ロゼ「そう・・・なら、一辺死んでみる?」

 

 自分がオレンジになるのも構わずに、一息で間合いを詰めて手にした剣でオバサンの両腕と両脚を切り飛ばし仰向けに倒れたオバサンの喉元に逆手に持った剣を降り下ろす。

 

ロザリア「ひぃ!」

 

 首の皮一枚位の位置でピタリと剣を止める。

 

ロゼ「動かないで。どう、少しは理解出来た?。これでも分からないなら次は無いよ」

 

ロザリア「・・・あぁ・」

 

 キリトが懐から回廊結晶を取り出して。

 

キリト「これは依頼人が有り金をはたいて買った回廊結晶だ。これで黒鉄宮に全員飛んでもらう、更に言うと、もし逃げれば今度はシンがアンタらを追い回す」

 

オレンジプレイヤー「レ、赤(レッド)殺し!?」

 

 キリトが回廊結晶を発動させると[タイタンズ・ハンド]のプレイヤーが結晶の効果で生まれた波紋の中に入って行く。おじいちゃんは効果抜群だ。それから私は喚くオバサンを波紋の中に放り込むと、回廊結晶の効果が切れて波紋が消えて静寂が残った。

 その後キリトがシリカちゃんを街まで送って謝罪とピナの復活を見て来たんだって。私も見たかったって言ったら、街に入れないだろと言われて泣く泣く私達は最前線に戻ってきた。

 

 

 いつもの滝行でカーソルはグリーンに戻すのを忘れない様にしておかなくちゃ。

 

 

 

 

 ~新しい出会いに感謝しながらシリカちゃんがライバルになりません様に~

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