奴隷少女と料理人   作:特選からあげ

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タラのボンファム2

『よし、だいぶ片付いたかな。』

私は結構なんでもやり出したらとことんやるタイプなので、気づけばかなり熱中して掃除をしてしまってた。

 

時刻は15時。開店まであと3時間となっていた。

 

 

(しまった、こんな時間になってしまってた!とりあえずディーンさんのメニューの字と同じ字を本から探して、それとなく書いておけば大丈夫かな?)

 

私は本来の仕事に急いで、とりかかった。

 

 

 

 

 

 

『あのー、ディーンさん?こんな形でいかがですか?』

 

『おぉー!上手にかけてるじゃないか!やっぱし桜なら良いのが作れると思ってたんだよー。』

 

私の書いたメニューボードにとても喜んでくれたディーンさんだったが、正直に言って客観的に見ても特別上手なものではないと思う。

まぁ求められるハードルがとても低かったからこの反応は予想できたが。

 

 

しかしこれから先の求められるハードルは決して低くない。

ディーンさんはいつでも料理には妥協しない人だから。

 

『あ、あの、ほかに手伝えることってありますか?』

 

『あぁ、もう料理の仕込みは終わってるから大丈夫だよ。桜は今日は料理やドリンクを運んでくれたらいいから、よろしくね。』

 

私は少し気を引き締めて、はいと返事をした。

ディーンさんの大事な料理、運ぶだけとは言え失敗はできない。

一度作業をおさらいしておこう。

 

私が今日のメニューを見返しているとディーンさんが優しく教えてくれた。

『前菜やサラダ、スープなんかはそのまま出せば、お客さんが勝手に食べるだけだから大丈夫だよ。少し説明してほしいのは、メインのところだね。』

 

『メインですか?あぁそおいえばボンファムってどんな料理なんですか?』

 

 

『ボンファムってのは簡単に言うと、魚のダシ汁で作ったクリームソースを舌平目なんかにかけて食べる料理なんだ。うちではもう少し安価に抑えるためにタラを使うけどね。 桜に説明してほしのはそのボンファムのソースの食べ方だよ。』

 

 

『食べかたは、かけてあるのをそのまま食べるわけじゃないんですか?』

 

『いや、もちろんそおして貰うんだけど、あえてこのホワイトソース、少し多めにかけてあるんだ。だから、その余ったホワイトソースを後半は別で出すパスタに絡めて食べてもらいたいんだ。』

 

 

(なにそれ、絶対美味しいやつ!)

私は想像しただけでヨダレが出そうになった。

 

『少しだけタラを残しておいて、ナイフで細かく刻んで、ソースとパスタと絡めるとすっごく美味しいんだ。ただ、説明の仕方次第では汚い食べ方に聞こえるから気をつけてね。』

 

そんなさらりと怖いことを言うなぁ。と内心感じたが、仕方ない。

 

『とりあえず開店までの時間はテーブルなんかを拭きながら美味しそうに聞こえるボンファムの説明を考えといてくれるかな?』

 

『分かりました!』

 

元気な返事をしたものの、内心はディーンさんの料理を下品に感じさせないような言葉選びにかなりドキドキしてきた。

 

 

あぁどうしよう、どうしよう、、、しばらくテーブルを拭きながら考えていたが。

 

 

テーブルけっこう汚いなぁ〜

 

 

 

 

私は夢中で店内の掃除を始めていた。

 

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