仮面絶唱シンフォギアX:Zi-O 平成ライダーユニバース   作:ジュンチェ

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Are you ready?/招かねざる者 Ⅱ

……天羽奏、初代ガングニールのシンフォギア適合者。かつての風鳴翼の相方であり、既に故人なのは装者全員が知っている。

 

 

そして、死んだはずの彼女が壊れたはずの激槍を扱って仮面ライダーと呼ばれる戦士たちと戦いを繰り広げていた。

 

 

「奏さん…なんで……」

 

 

響の頭は混乱状態だった……どうして、彼女が生きているのか。何故、封印凍結されたはずのガングニールが彼女の手にあるのか。

 

そんな彼女に目もくれず、戦い続ける奏。そんな彼女の相手をするのは紅い兎のアーマーの戦士『仮面ライダービルド ラビットラビットフォーム』に焔の龍の戦士『仮面ライダークローズ マグマ』。彼等は一体何処から現れたのだろう…

 

 

「畜生、女の姿晒して…やりずれぇな!!」

 

「ごちゃごちゃ言うな。誰にせよ、こいつもエボルト関連だろ。容赦する理由は無い。」

 

 

クローズはぼやくも、ビルドは冷静に向き合っていた。今までの前例は無いが、間違いなく自分たちの因縁の敵が関わっているのは間違いないと踏んでいた。実際、自分たちを誘ったのは『奴』…そこで待ち受けていた激槍の彼女。

 

…で、一方の怨敵。惣一は少女たちの影で死角になりやすい位置から様子を窺っている。

 

 

(確かあの娘は先代ガングニールの装者…で、纏っているのは盗まれたシンフォギアの1つか。確か死んだと聞いていたが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よっ!』

 

 

 

 

 

背後! 忌々しい声に、振り向けばブラッドスタークがへらへらと手を振っている。これだけで、事態がコイツが原因で引き起こされているのは見るに明らかだった…。怒りが込み上げてくる装者たちに、ブラッドスタークは『やれやれ、そんな顔をしないでくれよ?』と肩を下げる…

 

 

『今日は立花響、お前に昨日の答を聞きにきたんだ。覚えてるだろ? 自分の普通の人生を生け贄してまで救った世界…どう思うかだ。どうだ?』

 

「うるさい! …あれは、……あの奏さんとガングニールは一体、何なんだ!?」

 

 

しかし、響にとって重要なのはそんなことより、目の前で動いている奏と纏うガングニールが何なのか。フィーネやシェム・ハの転生とは違う完成な生前の姿などありえない…彼女の肉体は塵ひとつ残っていないはず。対して、ブラッドスタークは不敵に笑う。

 

 

『あれは俺の力の一部だ。死者を蘇らせることも、保管庫からガングニールを盗み出すことも造作もないことさ。』

 

「嘘だ、だってガングニールは……!」

 

『バーニングエクスドライブでぶっ壊れた。だが、直していたんだよ……国連の連中は裏でこっそりと、いつ来るかもしれない次の世界の危機のために。だから、あのエルフナインとかいうガキは連れていかれたんだろ?』

 

「……そん…なっ……!?」

 

 

奏はブラッドスタークが行きかえらせたもので、纏うガングニールも他ならない響が使っていたシンフォギア。加え、エルフナインもそれに協力させられていたとなれば……

憤る響…そんな彼女に歩みより、再び問う邪悪に怪人は囁く。

 

 

『こんな世界、クソみてぇだろ? なんで自分ばっかりがこんな目にあうんだ… シンフォギアもごちゃごちゃも要らない、ただ平凡な女の子で生きれれば良い。そう思ったことはないか…?』

 

「おい、バカ! コイツの言葉に耳を貸すな!!」

 

『外野な黙ってもらおうか。』

 

 

クリスが叫ぶも、ブラッドスタークがパチンッと指を鳴らせば響以外の動きが止まる…まるで、時間そのものを止められたように。ビルドとクローズも気がついたが、奏のガングニールの前に近づくことすらままならない。

 

さあ、あとはもう一押し…

 

 

『お前には過去も世界も変えられない…だが、未来を変えることは出来る。そのための力ならここにある。』

 

 

惑う少女に差し出すのは無機質な鋼色のストップウォッチのようなアイテム。それは、仮面ライダーの歴史と力を封じ込めるブランクライドウォッチ…持つべき者が持てば、大いなる力を発揮するカギ。知る由は無いが、惹き付けられる何かに惑わされる手は怯えたまま…

 

それでも、あと少し… あと少し…

 

 

 

 

バァン!!

 

「響から離れなさい!!」

 

 

しかし、突然の銃声にブランクライドウォッチは、弾かれ足許に。それは、半壊したG3を纏ったマリアからの銃撃だった。

仮面は既に壊れたのかしておらず、スーツも亀裂や火花が走ったりと破損が随所に痛々しく目立つ。だが、闘志は衰えず、鋭い眼光が惑わす悪魔を睨む。

 

すると、ブラッドスタークはゆらりと彼女の方向を向いてスチームブレードを構えた。

 

 

『チッ…矮小な人間風情が…邪魔をするなァァ!!』

 

 

一気に距離を詰めると、荒ぶるままマリアを斬り刻む。G3の装甲は更に捲れあがり、砕け…彼女の顔にはズビュッ!!と紅い一閃が。G3のバッテリーは当に切れているため、ろくな反抗は出来ない…それでも、執拗な斬撃が止むことはなく襲いかかる! ついには、立っていれなくなり後ろによろけるが、容赦なく襟首を掴まれ持ち上げられた。

 

 

『なあ、本当にそんな鉄屑で勝てるとでも思ったか…「この僕に、ほんのチョイと敵うとでも…奇跡が起こるとでも思ったか!! これが、無慈悲な現実だ。」

 

「…くっ!?」

 

 

怒りを帯びるブラッドスタークの声…その色は徐々に、ダンディーさからまるで、少年のような声へと変わっていく。

ビルドもその異様さに気がついたが、この隙を突かれて奏のガングニールが当たり壁に叩きつけられてしまう。最早、助けは絶望的だった。クルリとスチームブレードがブラッドスタークの手元で回り、マリアの顔面ど真ん中へ狙いをつける。

 

 

「死ぬといいよ。君のような正義の味方気取りはねぇ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その時、響はブランクウォッチを拾いあげ駆け出していた。大切な人を傷つけられた憤怒は、今まで枷となっていた恐怖や迷いの全てを吹き飛ばし、右の掌に握った空の器のブランクウォッチに懐かしい山吹色の光を帯びていく。確かに、それは失われた撃槍の光…再び少女の手の中で甦ろうとしていた…

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

 

 

突き出される輝く右の拳。流星のような輝きはブラッドスタークの左頬に吸い込まれ直撃。首をガクリと曲げさせる…

 

 

しかし、何事も無かったのように動じないブラッドスタークはマリアを離すと何処からか、新しいブランクウォッチを響の眼前に晒す…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 ガ ン グ ニ ー ル 】

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

澱んだ音声と共に、ブラッドスタークのブランクウォッチは禍々しい血の涙を流す髑髏の異形が映しだされるアナザーウォッチへと変貌する。

悪寒を感じたが、もう遅い…響は振り払われ、マリアは蹴っ飛ばされアスファルトを転がる。そして、ブラッドスタークは変身を解いて高らかに笑った。

 

 

「あははははははははは!!!!! おめでとう、立花響!!! 君は運命から救われる!!!!!」

 

 

異形の素顔はマリアと歳近いであろう長い白髪の青年…顔は中性的で、ベージュの汚れたロングコートを着ている。それは、何処と無く原典のビルドの変身者を思わせ、戦いの刹那に見ていたクローズも驚いた。

 

 

「エボルトじゃない!? なんだ、お前…!?」

 

 

「それじゃあ、改めて自己紹介といこうか。」

 

 

【 オーバー・ザ・エボリューション!! 】

 

 

青年は取り出したのはエボルドライバー… ビルドドライバーのオリジナルであり、地球外生命体エボルトでしか使えない代物。そして、その力を繋げるエボルトリガーも既に備えつけられている。

そして、更に取り出したのは黒い戦車と歯車のエボルボトル…

 

 

【 タンク×ライダーシステム!! エボリューション!!! 】

 

ふたつのボトルを接続して、レバーを廻す青年。その周囲には黒い歯車のような模様と淡い青の邪悪な光が漏れだしていた…

 

軽快な電子音のような駆動音と共に高まるエネルギー。そして、ドライバーは告げる…

 

 

 

 

 

【 Are you ready? 】

 

 

「超血。」

 

 

 

【 ブラックホール!! ブラックホール!! エボリューション! フハハハハハハハ…!!!! 】

 

 

 

「「「「!」」」」

 

 

一瞬、歯車が青年に重なると同時にその姿は『仮面ライダービルドと酷似した黒と金のライダー』に変身した。ビルドと違うのは金の装飾と西洋の甲冑のような外見に、黒い戦車の両眼。メタルビルドと呼ばれる存在が近しいように見えるが醸し出す邪悪さは全くの別物。

 

 

…その名は

 

 

 

『僕は…ネオタイムジャッカーの一角、オメガ。そして、異聞のビルド。

 

 

 

 

……怪人・オメガビルド!!!!』

 

 

 

 

 

異形、と呼ぶにはあまりにも戦士らしい姿で自らを『怪人』と名乗る者。復帰したビルドもクローズも、眼を見開き驚愕していた…。ビルドであるが、ビルドではなく、そうあってはならない存在…それが今、自分たちの前にいる。

 

ネオタイムジャッカーの『オメガ』、彼が変身する『オメガビルド』…理解は完全に周囲は追いつかない。しかし、急展開はまだ終わらない。

 

 

『さあ、救済の刻だ…立花響。』

 

「なに…を……」

 

 

オメガビルドは踞る響に聖母のように微笑みながら、奏を呼び寄せて自分の隣へ膝をつかせる。そのまま、形成したアナザーウォッチを彼女へと埋め込む…

 

 

「ぐ…あああああああああああ!!!!!」

 

 

【ガングニール…!!】

 

 

苦悶する奏の声が響き、やがて少女の身体は戦乙女を彷彿させつつも禍々しい異形の姿へと変貌していく。

 

 

 

…特徴的な撃槍がごとき、鋭い爪のガンドレット。しかし、あまりの大きさに拳が握ることは叶わない

 

 

…背中の翼。まるで掌のようだが、結晶が固まったようでこちらも拳を握るのを邪魔する爪の羽

 

 

…胸にあるのは、希望の歌ではない。復讐に燃える心を表すような骸骨の炎

 

 

 

…頭はヴェールを被る双角の髑髏。かつて、戦乙女に倒されたフィーネやシェム・ハを思わせるシルエットだが、眼と口から血涙と吐血のようなラインが描かれている。

 

 

 

『喜べ、今日からコイツが…【仮面ライダーガングニール】だ!』

 

 

仮面ライダーガングニール…このままいけば、立花響が至るかもしれなかった可能性を奪い取り、産まれたアナザーライダー…仮面の資格無き者。

 

 

『アナザーガングニール』…異端の仮面撃槍が誕生した瞬間であった。

 

 

 

 




設定解説


★オメガビルド

変身者 ネオタイムジャッカー・オメガ

別名、異聞のビルドなる謎の存在。言わば、メタビルドのブラックホール版といったところだが戦闘能力は未知数。また、タイムジャッカーの能力を有しており、時間停止や力・歴史の剥奪、アナザーライダーを生み出す能力を持つ。何故か、響に執着しているようだが…?



★アナザーガングニール

変身者 天羽 奏

ブラッドスターク(オメガ)の力により蘇生した奏が、響から戦姫絶唱シンフォギアの歴史と力を奪って誕生したアナザーライダー。無印からXVまでの敵の意匠が散見出来る。
本来、戦姫絶唱シンフォギアはXVで完結を迎えたため、仮面ライダーが産まれる余地などなかった。しかし、オメガにより強引に産み出されかけた仮面ライダーガングニール。この力を奪い取ることによりアナザーウォッチが形成された。
本編完結後に産まれた(はずだった)仮面ライダーのアナザーライダー…いわば、バグキャラのバグキャラである。


右腕は金、左腕は銀のガンドレット。しかし、左肩には結晶のような隆起がある。

また、ベルトには年号の代わりに『G』『GX』『AXZ』『XV』と刻まれている。


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