仮面絶唱シンフォギアX:Zi-O 平成ライダーユニバース   作:ジュンチェ

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オーマジオウ/XV.after

『喜べ、今日からコイツが…【仮面ライダーガングニール】だ!』

 

 

『…ゥゥ』

 

 

アナザーガングニール…。もし、立花響が仮面ライダーに成ったとしたらという可能性を奪い取り産まれたアナザーライダー。恐らく、響がウォッチに触れなければ、その可能性が権現することは無かっただろう。異形なる仮面の戦乙女、かつて自分が纏うシンフォギアを歪めたような姿と変貌してしまった奏に響は恐怖と絶望で打ちのめされそうになっていた。

 

そこへ、オメガビルドがそっと優しく声をかける。

 

 

 

『何も怖がることはないよ? 君の怖かったこと、辛かったこと、全部が無かったことになる。これで君は神殺しでも何でもない普通の女の子に戻れるんだ。』

 

 

頬を絹に触れるように撫で、怯えた少女の表情に仮面の下で笑む。悪魔のような行いをしながら、天使をさながら気取るように……

 

 

「テメェ!!」

 

 

その時、殴りかかるクローズ。しかし、アナザーガングニールの背中から伸びた翼らしき触腕がその拳を防ぐ。かつて、響がサンジェルマンから託されたアマルガムと酷似しつつも、拳を握らず敵を凪ぎ払うことに特化したソレは簡単にクローズを振りはらうと地面へと叩きつける!

 

『ぐはっ』と竜の仮面から息が洩れるが、アナザーガングニールは容赦せず地面にグイグイと捻りこんでいく。そんな様をオメガビルドは嗤う。

 

 

『なんてザマだ、仮面ライダークローズ! それでエボルトの半身とは…まあ、ここで君は消えてもらおうかな。今後のためにもね…』

 

「なにぃ!?」

 

 

迫りくるまた片方の触腕… 爪先が戦槍の如く尖り、狙うはクローズの頭蓋が

 

 

「やめてください、奏さん!!」

 

 

 

しかし、寸前で響がアナザーガングニールに組み付き止める。触腕は逸れたが、今度は響へと注意が向いてしまう…それでも彼女は逃げようとしない。かつて、悲劇運命の日に自らの命と夢を引き替えにしてまで助けてくれた優しさを持つ彼女なら止まってくれはず!

 

されど、虚ろな眼は一瞥すると振り払い、響はオメガビルドの胸の中へ抱き止められる。

 

 

『無駄だよ、無駄。君の声では、彼女の願いを捩じ伏せることは出来ない…。さあ、やれ!! アナザーガングニール!!!』

 

 

オメガビルドに従い、触腕でクローズを持ちあげるアナザーガングニール。ゆっくりと構える右手で貫くつもりだろう…クローズも抗うが、圧倒的に力負けしてもがくことすらままならない。ビルドもまだ復帰していない…万事休す、そのまま心臓が穿たれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでにしておけ、異聞のビルド。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……突然、空気が重くなる。

 

 

 

アナザーガングニールすら不意に全身へ押しかかるプレッシャーに獲物を離し、片膝をつく。オメガビルドも仮面の下で思わず顔をしかめると、響を開放するとこちらへ歩いてくる青年へと睨みを向けた。

 

 

『やあ、『魔王』。邪魔をしないでもらえるかなぁ…?』

 

「黙れ、タイムジャッカー……いや、癌<キャンサー>。いくら敗者の足掻きにしても、お前のそれは醜過ぎる。」

 

『…ッ!!』

 

 

エボルドライバーのレバーを怒りを滲ませ、回す。一気にエネルギーが充填されオメガビルドの指先にエネルギーが収束され青年を狙う。

 

 

【フィーバーッ!! エボルタンクフィニッシュ!!!】

 

 

 

戦車の砲撃、まさにそれなるエネルギー弾が放たれた。それを、身動きひとつせずに直撃を受ける青年…。

 

直後、凄まじい爆発と炎が起き、この場にいる殆どの者が彼の死を悟る。四肢どころか、もう肉の欠片ぐらいしか残っていないだろうと……

 

 

「愚かな。」

 

 

しかし、そんな予想とは真逆。確かに彼は立っていた

……金色と黒を纏う、禍々しさはまさしく『魔王』として。眼にあたる部分には『ライダー』と刻まれた顔に、随所にあしらわれた時計のような意匠。その存在はこの世界には存在しないはずの平成の仮面英雄の終着点にして、歴史そのもの…

 

 

 

【 最 高 最 善…… 最 大 最 強……

 

 

…… 仮 面 ラ イ ダ ー オ ー マ ジ オ ウ !!!!】

 

 

 

 

仮面ライダーオーマジオウ、最低最悪にして最高最善の魔王…平成の終着点。今、平成ライダーの歴史無き、シンフォギアの世界に君臨した瞬間であった。

 

そして、彼の魔王は手を翳すと衝撃波でオメガビルドとアナザーガングニールを弾きとばし…響へとゆっくり歩み寄る。

 

 

「激槍の少女よ、先刻の礼をさせてもらうぞ。」

 

「…え?」

 

 

魔王はピッと指先を動かすと、コンパクトに畳まれた薄い包装紙を取り出す…丁度、コンビニの肉まんとかを包むやつ…。見覚えがある…そういえば!この時になって、響はようやく気がつく。

 

 

「もしかして、昨日の!?」

 

 

肉まんを分け与えたあの青年。変わった人とは思ったがまさかの予想の斜め上をぶち抜いている。驚くばかりの彼女だったが、まだこんなものは序の口だ…魔王の力はここからである。

 

 

【鎧武!!】

 

 

「…フンッ。」

 

ライドウォッチを起動すると、空間がチャックを開けるように避け…そこから、無数の武器が射出されアナザーガングニールを襲う! 触腕を盾代わりに庇うが、刃物の武器は突き刺さり痛々しく血を流す…。されど、魔王に容赦などありはしない。

 

 

【アギト!!】

 

 

「はあっ!」

 

 

次に召喚され、彼の手におさまるのは神に遣える天使すら斬り裂いた焔の刀…フレイムカリバー。怯んだアナザーガングニールに間髪いれず一撃、二撃…傷口は炎が燃え上がり異形の呻きの中に少女の悲鳴が混じる。それでも、オーマジオウは気にも留めない。

 

 

『流石、魔王! 神殺しの力にあえて神の力で挑むとは!! だが、僕のような異聞のライダーに平成の力は通じない!』

 

「…少し黙っていろ。」

 

 

【龍騎!!】

 

 

その勢いを称えるオメガビルドに軽く苛立ちながら、竜の業火を操り彼を呑み込む。倒しきれはしないだろうが、足留めぐらいにはなる… 今はアナザーガングニールの撃破が最優先だ。

 

 

「撃槍の少女よ!! そのウォッチを寄越せ!」

 

「え…」

 

「はやくしろ! コイツを止められるのはそれだけだ!!」

 

 

オーマジオウの声に圧されてウォッチを差し出す響…すると、ウォッチはふわりと浮いて吸い寄せられるようにオーマジオウの掌におさまり、『ライダー』と刻まれた特有の顔面が浮かぶガングニールウォッチへと変貌する。

 

 

「これで、終わりだ。」

 

 

【ガングニール!! タイムブレェーーーイク!!!】

 

 

 

発動する必殺技。右腕の拳に宿る煌めく太陽のごとき輝き…。世界に迫った多くの危機を討ち祓い、ついには神殺しすらやってのけた撃槍の力がとうとう時を統べる魔王に受け継がれた瞬間である…いや、今回は奪ったというほうが最適か…。

それが貫こうとしているのはその槍のかつての所持者かつ、歪みながらも同じ力のアナザーライダーとはなんとも皮肉なことだ…

アナザーガングニールは咄嗟に防御の姿勢をとろうとするが、岩山と石ころのような存在感の差…防ぎきれることはないだろう。

 

 

「消えろ、異聞のアナザーライダーよ。無に還るがいい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★ ★★ ★★ ★★

 

 

 

 

 

 

 

 

…爆風。衝撃。 嵐のど真ん中に突っ込まれたようだった。

 

 

目は開けていられず、吹き飛ばされないように地面にしがみつくばかり。ほんの数秒だったが、這いつくばる間は実に長く感じた…

 

 

「…っ」

 

 

やがて、全てがおさまり視界が晴れていく… そして、見たものは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……な…にっ!?」

 

 

 

背部から貫かれていたのはなんと、オーマジオウだった。アナザーガングニールは健在で、新たに乱入した第三者が光の剣で魔王の胸を抉っていたのだ。それは、ジオウ系の緑と金の仮面ライダー…忘れるわけもない…

 

 

「…貴様は!? バールクス!!」

 

「…」

 

 

仮面ライダーバールクス…平成という歴史を否定し、時の管理者を謳う者。

彼は剣を引き抜くと、ガングニールウォッチをオーマジオウから奪い取り自らのジクウドライバーの空いているスロットに装着。そのまま、ドライバーを一回転させる。

 

 

【ガングニーール!! タァイム・ブレェーーーク!!!】

 

 

「全ては廻り、振り出しに戻る…。常盤ソウゴ、お前は俺の運命の中で永遠に廻り続けるが良い。」

 

掲げられる右手はギロチンの刃のように… 掌に罪人を裁かんとする光が灯ると死刑執行と振り下ろされた。

 

 

神殺しの光は魔王の鎧をたやすく砕き、肉体を紡がれていた歴史の力ごと裂く。…おぞましき断末魔が一帯に響かせながら、ウォッチたちが弾けるように四方八方へと散っていき彼の魔王は残っていた僅かな力すら失う。

 

 

こうして、完全に玉座から引きずりおろされたオーマジオウ。その途端、時空が激しく歪んでまたしても響は気を失うのであった…

 

 

 






我が魔王、実はある理由から弱体化しています。


そして、さらに弱体化しています。(我が魔王スペックだと一瞬で話が終わってしまう)

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