【未完】被らない帽子と抜かない刀【ワンピース】 作:千葉 仁史
(どうして、こんなことになっちゃったんだろ?)
おそらく、隣りを歩くウソップも同じことを考えているに違いない。そんな彼に助けを求める訳にもいかず、背後から殺気にも似た気配を受け止めながら、ナミは後者に分からない程度に溜め息を吐いた。数歩後ろからは、市場で賑わう街の中を歩いているにも関わらず、いつもとは一つ少ない、二本の刀のぶつかり合う音が定期的に自分の耳に届いてくる。ナミは、もう一度、溜め息を吐こうとしたが、隣りから溜め息が聞こえてきたのでやめることにした。やっぱり、狙撃主も同じことを考えていたのだった。
フォリー・ベルジェール島に上陸するため、港町から離れた、岩に囲まれた入り江に船を泊めたのが、つい判刻前。 錨(イカリ)を降ろし終える前に、船長は「サンジ、何処だーーっ!?」と叫びながら、話し掛ける間もなく、街に走り去ってしまった。残ったのは、航海士と狙撃主、船医に考古学者……そして、すこぶる機嫌の悪い剣士の、計五名。
勝手に飛び出して行った船長は放っておいて、誰が船番するか、と話していると、何も言わずにゾロまでもが降りてしまった。本格的に行き始める前に、ナミが問いただすと「鍛冶屋に行く」とのこと。二本の刀を触れながら、脇目も振らずに、街とは逆方向に歩き出す剣士を慌てて狙撃主は呼び止めた。これでは間違いなく"迷子"になるのがオチ、と悟った船員(クルー)らは、チョッパーとロビンを船番に、ナミとウソップがゾロに随行することにした。無論、彼は威圧的な視線を向け、抗議した。しかし、見知らぬ広い島で、上陸早々、ハプニングを起こしたくない残り四人によって却下され、鍛冶屋からは一人で好きに行動しても良い、という条件で案内させることにしたのである。
(……失敗したわ)
その時のやり取りを思い出しながら、ナミは一人ごちた。こういう奴に扱い慣れているロビンに任せるべきだった、とつくづく思う。ゾロの機嫌は並大抵ではなく、もはや、キレる寸前まで来ていたのだ。冗談抜きで、本当に人を斬りかねない。
なんて、運が悪いのだろう。
なくした刀が、一番大切な刀で、しかも、持っていったのが、いつも喧嘩ばかりしているサンジ君だなんて。もし、サンジ君以外の船員(クルー)なら、心配こそすれど、機嫌が悪くなることはないだろし、違う刀であったならば、機嫌も幾分マシだっただろう。
機嫌が酷く悪かろうが、仲間なんだから、大丈夫だと思っていたが……。
駄目だ、感情に嘘は付けない。
――マジで怖い。
その証拠に、舟を降りてから、ナミは一度足りともゾロに話し掛けていない。ウソップも同じことでであり、人斬りの雰囲気を漂わせた剣士を後ろにして、ナミとウソップは二人同士でも話す事すらも憚(ハバカ)られていたのだった。
当然のごとく、こんなあからさまに殺気を放つ男に話し掛ける町民はいない。
でも、二人は剣士を鍛冶屋まで案内しなくてはならないのだ。
(誰でも良いから、取っ捕まえて、鍛冶屋の場所までの道程を訊かなきゃ。でないと、私の身が持たない!)
そう覚悟したナミは、通りすがる人に話しかけようとした、その時だった――男性の助けを求める声が聞こえたのは。
「なに、さっきのは?」
この街に着いてから初めて、ナミは発言した。
「向こうから聞こえたぞ」
同じようにして、声を出すきっかけを与えられたウソップが家々の向こう側に視線を向ける。行ってみよう、と言うことなしに、二人は、家々の間にある、反対側の大通りに通じる路地に入った。ゾロも黙ってついてくるのが、気配でわかった。
普段なら、迷惑事は御免、とばかりに避けていたのだが、この時ばかりは仲間通しの異様な閉塞感に耐えられなかった。人が二人も並んで通れない、日の差さない路地を、ナミ・ウソップ・ゾロの順で駆け抜けて行く。
――明るい。
最初に路地を抜けたナミの感想が、それだった。次第に慣れてきた目で、正面を見やると、ナミは眼(マナコ)を見開いた。続いて、ウソップも野次馬の仲間入りを果たした。
そこには、五人のガラの悪そうな大男が一つの出店を襲い、店主と思われる男を締め上げている光景が広がっていた。想像するに、ゴロツキが出店を出していた男にいちゃもんを付けているのだろう。回りにいる人々は驚いてこそいるが、自分は関係ない、と言わんばかりに何も口出さない。散らばっている、品物だった葡萄をゴロツキが踏み付けたせいか、状況にそぐわない甘酸っぱい香りが漂っていた。
(大変な場面に出くわしちゃった……)
……ようね、とナミは心の中で言葉の続きを綴るのをやめた。
――ぞくり。
急に、冷たい銃口が後頭部に当てられたかのような気に陥った。無論、そんなことはない。 後ろに控えている男が持っているのは銃ではなくて、刀なのだから。
――ゾロだ。
ヤバイ、と瞬間的に察した。後ろから発される殺気が、まるで一触即発の銃のように感じられた。
後は、引き金を引けば良い。
後は、踏み込んで、抜刀(バットウ)すれば良い。
暴れる口実が出来たのだ。
怒りの矛先を向けても良い相手が出来たのだ。
……人助け、という素敵な理由の元で。
きっと、ウソップも感じているのだろう。自分より僅か後ろに居る狙撃主の顔が見えない。もっとも、見れる位置に居たとしても、視線を向けられなかっただろうけど。
――やばい、ヤバイ、ヤバい。
ナミの頭の中で警鐘が鳴り響く。惨状が安易に想像できる。
とうとう、海賊狩りが動き出す気配がした。
「"コレ"、預かってて」
後方からした、凛とした声に空気が震えた。
その声に弾(ハジ)かれたように、ウソップとナミが振り返ると、一人の人物がゾロに、細長い麻の袋に入った金属音のする物を押し付けているのが見えた。すっと、何も言えないウソップとナミの合間を縫うように、その声の持ち主は通っていく。その際に、ヒュン・ヒュン、とナミがタクトを回す時に生じる音と似たような音が聞こえた。ゾロも、ナミも、ウソップも、一言も言わなかった。
その人物はゴロツキと被害者の男性がいる舞台(場面)へと躍り出た。
「Guten tag(グーテン・タック)!」(ドイツ語で"こんにちは")
新緑の季節の太陽に、その人物の長い金髪がチカリと光る。その人物――少女が、あの凛とした声で言った。
なんとも軽快な挨拶台詞だったが、その口調は決して軽くはなく、強気を帯びたものだった。背格好も年齢も、ナミと同じぐらいかと思われた。片手には、彼女の身長程の槍が握られていた。先程の音は、この槍を回した音だったのか、とナミは一人納得する。首を巻くようにして、ピンクの布で胸を覆い、動きやすいように、大きくギザギザの入った、群青(ぐんじょう)色のスカートを穿(ハ)きこなしている。独特なディティール(細部模様)が入った、木で出来たリングを二の腕にし、肘から手首まで、袖にも似たピンクの布を巻いていた。緑色のブーツを履いていて、大きなフワフワとした物を二つ、足首より上にしている。はっきり言って、奇妙である。そして、その何よりも目に入ったのが頭から突き出た、幾つかの棒飾りだった。
なに、あの子? とナミが思ってると、
「クラウンが来たぞ!」
「リチアちゃんだ!!」
「待っていたわ!」
「リチアちゃん、早く、アイツらをブチのめしてくれ!!」
俄(ニワ)かに、野次馬群勢が活気付いた。さっきまで、怯えていたのが嘘のような騒ぎ様だった。
「クラウン? リチアちゃん?」
少女の事を指しているであろう言葉に、ナミが反応した。
「おいおい、一体、何なんだよ?」
困惑したウソップの呟きに「あら、お前さんたち、旅人かい?」と両手を挙げて喜んでいた太った中年女性が訊いてきた。
「あ……ああ、そんなところだ」
若干、吃(ドモ)りながら、ウソップが嘘で受け答える。
「じゃあ、知らないのも仕方ないねぇ」
おばさんが言葉を続けた。
「クラウン(clown)というのは、海軍の代わりに、この街を守る傭兵の事だよ」
クラウン
clown
道化師
ピエロ……
だから、あんな格好をしているのか、とウソップはぼんやりと名前の由来を考えていた。
「海軍の代わりに?」
ナミが会話に参入する。
「ああ、そうさ」
おばさんはナミに回答した。
「この街には海軍がいないからね、だから、代わりに傭兵である"クラウン"が守ってくれてんだよ」
「海軍がいないっ!?」
その事実に、航海士と狙撃主が顔を見合わした。
「そして、あの娘が『リチア』ちゃん」
そんな二人にお構いなしに、ゴロツキと対峙する少女を指差しながら、おばさんは二つ目の単語"リチア"について話し始めた。
「クラウンの中でも、五本の指に入る傭兵さ」
誇らしげに語る中年女性から、ナミとウソップは視線を"リチア"と移した。
ドサッ、と人を落とす音がした。急に現れた少女に対象を代えたのか、ゴロツキが男を掴んでいた手を放したのだった。
「なんだぁ、嬢ちゃん?」
「"クラウン"だか知らねぇが、俺たちを止めようってか?」
ニタニタしながら、ゴロツキ達が少女に歩み寄る。少女の前にゴロツキ共が立ち塞がると、あからさますぎる程に、身長と体格の差がはっきりとされた。
「よく分かってるじゃない」
強気な姿勢を崩すことなく、リチアが続けて言う。
「牢獄"アルカトラズ"にぶち込まれたくなかったら、素直に詫びた方が身の為ね」
("アルカトラズ"っていうのは、悪人を閉じ込める、この島の牢獄の事よ)
さっきのおばさんが、ウソップにそう耳打ちした。
「嫌だ、と言ったら?」
「実力行使」
ゴロツキの質問に、リチアは四文字熟語で即答すると、槍をヒュンと一回だけ回した。
「もしかして、嬢ちゃん一人で俺たちを倒すつもりか?」
「あら、不服だったかしら?」
少女の台詞にゴロツキ共は、さも可笑気に笑い出した。
「うひゃひゃひゃ、こりゃあ、傑作だ!」
「お嬢ちゃん、冗談なら服だけにしときな」
「土下座すりゃあ、なかった事にしてやんぜ」
「男相手だから、負けても仕方ないもんなぁ!」
「全くだ、だぁっはっはっはっ!」
好き勝手に言い出す男共を相手に、少女は何も言い出さなかった。だが、それは落ち込んでいる訳でも、悔しい訳でもない。それどころか、全く持って、今までの態度を変えなかったのである。
「アナタたちも良かったじゃない? アタシが"女"で」
少女が話し始めると、男共が嗤うのをやめた。
「仮に、負けても、『相手が"女"だったんで、油断して負けちゃいました』って素敵な言い訳が出来るでしょ?」
リチアが片端の唇を引き、不敵に笑う。ゴロツキ共を怒らすには、充分すぎる程の台詞だった。
「この女(アマ)ァ、おとなしくしてりゃあ付け上がりやがって!!」
「怒鳴り散らせば良いってもんじゃないよ、この冷凍マグロ!」
大声をあげたゴロツキの一人を、あの凛とした声でピシャリと言い返した。
「れ、冷凍マグロだとぉ~~っ!」
「だって、アナタたち、ただ"デカい"だけじゃないの」
リチアの言い回しに、野次馬からクスクスと笑い声が漏れた。
「こンの~~っ。ええい!黙りやがれっ!!」
段々と顔を赤くする男たちとは対称的に、リチアは感情を出すことなく、冷静にことを見ている。その行動がますます、男を怒らせた。
「この女(アマ)め! 叩きのめしてくれるっ!!」
とうとう、堪忍袋の切れたゴロツキたちがリチアに襲いかかる。傭兵である少女は、ひゅうっと息を吐くと、得物を構えた。
「五名様、牢獄"アルカトラズ"にご案内致します。」
少女の郡青(グンジョウ)色の瞳が、戦士の瞳へと変わった。
一人目の男がパンチを仕掛けてくる。リチアがその攻撃をサラリと躱(カワ)した。その際に、長い金髪がたなびき、観衆の目を引き寄せる。
「地面との接吻(セップン)は如何(イカガ)かしら?」
柄の刃のない方を男の首の後ろに当てるように狙いすまし、リチアは勢い良く槍を回した。ゴッ、と風を切る音と槍の柄が男の首の後ろに当たる音がしたかと思うと、男は正面から地面に顔を叩き付けられていた。呻(ウメ)く暇すらも与えない、一瞬の出来事だった。
「まずは一名様」
リチアが事務的に事を言った。仲間の一人である男が一撃で沈められた事に、ゴロツキ共に動揺が走ったが、
「……所詮、女は女よ」
二人目の男が自身に言い聞かせるようにぼやき、腰に帯びた剣を抜いた。リチアの瞳が次の犠牲者を捕らえる。声をあげながら、男は少女に向かって、剣を無茶苦茶に振り回した。リチアは剣を槍で受け止めず、避けてばかりいた。それが更に男を刺激した。
「この女(アマ)ァっ!」
男が剣を両手で構え、振り上げた。
「ガラ空きよ」
剣が振り下ろされる前に、リチアが男の腹を槍の刃の付いている先とは逆の先端で突いた。ぐっ、と呻き、男の動きが止まった。リチアはそのまま槍の刃の逆の先端を下げ、一気に下から上に動かした。その衝撃で一度、宙に浮いた男に、また一気に上げられた槍を下げた。その勢いで男が後ろへと吹っ飛び、観衆が作った(避けた)道を通り、壁に見事、激突した。
「残り、三名様」
髪を揺らしながら、リチアが呟いた。そんな少女に唖然としたのは、なにもナミたちだけでない。ゴロツキ共も同様であった。
「アナタたち、これでも、まだヤル気?」
変わらない凛とした声で、少女が問い掛ける。残されたゴロツキたちは何かを決めたのか、隠し持っていた武器を手に持った。三人目は戦斧(センブ)、四人目は鉄球、五人目はハンマーだった。
「いくら、テメェが強くても」
「三対一じゃ、敵わねぇだろ?」
「覚悟しやがれってんだ!」
今度は三人揃って、襲いかかってきた。
「覚悟するのは、アタシじゃない」
驚きの表情を浮かべることなく言うと、少女は前に腕を伸ばして、槍をバトンのように、クルクル回した。
「……アナタたちの方よ」
槍を回すのをやめると、リチアは前に出した右足に重心を掛けた。ゴロツキ共が少女の技のリーチに入った瞬間――。
「"みだれ髪"!!」
リチアが疾風(ハヤテ)の如く、男共に突っ込んだ。少女が通り過ぎた時、後ろにいるハズの男共がいなかった。ただ在るは、宙に舞ったゴロツキたちの姿だけ。リチアが足を止めると同時に、彼女のみだれた髪は背中に、男たちは地面に落ちた。ゴロツキたちは、ぐぅの音(ネ)も出なくなっていた。
「どうせ、アタシに喧嘩を売るなら」
リチアが振り向きざまに、言葉を放った。
「魂の奥底から揺さぶりかけるような闘い方をしてごらん!」
そんなシビれるような台詞に、回りにいた人々から歓声が上がった。
傭兵・クラウンの少女、リチアの勝利だった。
「あ、あれが傭兵(クラウン)……」
ナミが夢から醒めたように呟いた。ウソップは今だにぽかんとして、勝利者と敗北者を見つめている。
「センパ~イ」
数人の声がしたかと思うと、カラフルで奇妙な――それでいて、動きやすい服装をした少年少女たちが人を押し退けながら、騒ぎの中心地であるリチアの前までやって来た。
「あら、アナタたち、何処に行ってたの?」
同じクラウン仲間の後輩に気付いたリチアが話し掛ける。
「何処に行ってたの? じゃありませんよ、センパイ」
「そうですよ」
「悲鳴を聞くなり、センパイがさっさと行っちゃったからじゃないですか」
後輩から、次々と言われる言葉を聞くと、リチアは「あはは、ごめんね。」と力なく謝った。
「このゴロツキ共はどうしますか?」
「ん~、アタシ、"相方"から"頼まれた事"をしなくちゃならないから、アナタたちが"アルカトラズ"にしょっぴいてくれない?」
後輩の質問に、リチアが"お願い"で頼んで来た。
「センパイだけ、おいしいとこ、もらって、ズルイですよ~」
「後で奢(オゴ)るからさ」
後輩のぼやきに、リチアがそう返した。
「……その約束、忘れないで下さいね」
その交換条件に気を良くした後輩が確認を掛ける。
「アタシ、守らない約束はしないタチなの」
リチアの返事を聞くと、後輩たちは縄を取り出し、気絶しているゴロツキ共を縛り上げ始めた。リチアはその光景を横目で見ながら、すっ、とゾロの目の前に立った。ゾロは相変わらずの仏頂面で、リチアから渡された麻の細長い袋を抱えている。
「ありがとう、預かってくれて」
凛とした、柔らかい口調でリチアがお礼を述べた。袋を渡そうと手を伸ばしたゾロに、袋を受け取ろうと手を伸ばしたリチア。今まで、沈黙を守っていた剣士の口が開いた。
「俺を鍛冶屋まで案内してくれねぇか?」
急な台詞に、リチアも、ナミもウソップも、後輩も回りにいた人々も固まる。一番早くに硬直が溶けたのは、リチアだった。
「あははっ、良いよ。アタシも鍛冶屋に用があったんだ。案内するよ」
袋を受け取りながら、気軽に言うと、リチアは先立って歩き始めた。
「……そういうことだ。ナミ、ウソップ、後は俺一人で行動させてもらうぜ」
金髪少女の後ろを、ゾロがついていく。未だに、観衆はポカンとしていた。
「なぁ、アレって……」
魔法から解けたように、ウソップが呟き始めた。
「どっから、どう見ても……」
硬直が解除された、ナミも喋り出す。次の台詞で二人は顔を見合わせながら、同時に言った。
「……"ナンパ"だよね(な)。」
背中を向け、雑踏の中に紛れ込んでいく剣士に、その言葉が届くことはなかった。
案内傭兵と迷子剣士の姿が完全に見えなくなる時には、全ての硬直が解け、それぞれ――後輩なら、ゴロツキ共をしょっぴいていき、店の人は商売を始め、人々は気ままな買い物に戻っていた。ゾロたちが行った方向とは逆に歩きだそうとした時、ナミが「あ」と微かな悲鳴をあげた。
「どうした?」
再び硬直するナミにウソップが尋ねる。
「ゾロにお金を渡すのを忘れちゃった……」
「あ」
ナミが作ってしまった問題を知った途端、ウソップも似たような悲鳴をあげて硬直してしまった。
「アタシの名前は"リチア"っていうの。アナタの名前は?」
緑髪の男がついてきている事を確認しながら、金髪の少女は話し掛けた。無言という男の返事に、リチアは気分を害することなく、「どうせ、名前が知られたら困るご身分なんでしょ? 名前がないのも不便だから、好きに呼ばせてもらうね」と勝手に、ほとんど当たっている解釈をした。
二人は真っ直ぐに鍛冶屋に向かって行った。
つづく
オリジナルキャラ
◇リチア(女性)(18歳)
傭兵クラウンの少女。得意武器は槍。
ビジュアル(モデル)はPSゲーム「聖剣伝説Legend of MANA」の女主人公。