とある都市伝説を実行したら大変なことになりました   作:砂岩改(やや復活)

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第6話

 

「ご苦労じゃったのぉ!」

 

「はい…怖かったです…」

 

 海軍本部まで連れていかれた瑞鶴は着くや否や赤犬ことサカズキと面会させられ顔合わせが行われた。よほど彼女にやられたのが頭にきているようで殺気が漏れていた。

 

「瑞鶴、お主はハッキリ言って強い。どうじゃ、ワシの下で働く気はないか!」

 

「ガープ中将の下でですか?」

 

「あぁ、お主は面白いからのぉ!」

 

 ガープの部屋にお邪魔していた瑞鶴はせんべいを食べながら話す姿を見ながら静かに頷く。

 

(海軍に入れれば江風たちの情報も集められるかも…)

 

 巨大な組織の情報網はなにも手立てがないこちらとしてはかなり貴重だ。この提案は喉から手が出るほどの要求だった。

 

「センゴクもお主の力に興味を持っておったからのぉ。ちょうどいい、ワシの部下になれば良い」

 

「ガープ中将がよろしければ。この瑞鶴、尽力させていただきます」

 

 こうして瑞鶴は海軍に編入されることになったのだった。

 

ーーーー

 

「見事だ…」

 

「カワイイ…」

 

「可憐だぁ」

 

 うって変わって西の海。モリアと会合した二人は先日までの逃亡生活から様変わりし優雅に舞台鑑賞に浸っていた。

 

「しかしすまねぇな」

 

「気にするな。一宿一飯の礼だ」

 

 欧州、木曾、アブサロムの三人は並んで舞台鑑賞をしていたのは理由があった。

 

「で、目的の人物は居たのか?」

 

「あぁ、アイツだ」

 

 アブロサムが視線だけを移し木曽たちに目的の人物を教える。当然ながら木曽と欧州は変装済みだ。モリアが居た屋敷の衣装ダンスから適当に服を選んで着てきただけだが。

 

「あれが天才医師か…」

 

「あぁ、名前はドクトル・ホグバック。金さえ払えばいくらでも治療してくれるらしい。アイツならモリアさまの治療を…」

 

「ナルホド…」

 

 こうして舞台鑑賞をしている理由はその鑑賞に来ているホグバックであった。彼は基本的に一人になることはない。他人の目を気にしなければならない立場である以上、接触するならこの舞台での場が最適であった。

 

「にしてもあのビクトリアって娘。綺麗だなぁ!」

 

「さっきからそればっかだな」

 

「ワカル…」

 

「おい!」

 

「風呂…覗こうかな」

 

「オイコラ…」

 

 黒いスーツ姿の木曾は腰に吊るしたサーベルの鯉口を切る。その様子を見てアブサロムは顔が真っ青になり静かに座り直す。

 それを横で見ていた顔すらシスター姿の欧州は顔も薄い布で隠していたがその奥では同じく青ざめていた。

 

「でも、俺スケスケの実が…」

 

「……」

 

「ごめんなさい」

 

「全く…」

 

 アブサロムを黙らせた木曾は視線を舞台に戻そうとした時。何人か怪しい人物を見かける。

 

(舞台鑑賞じゃねぇな…)

 

 この世界の治安は決していいレベルではない。今、舞台に立っているビクトリア・シンドリーのような女性が狙われるのは必然とも言えるかもしれない。

 

「きゃあ!」

 

 周りを警戒していると舞台から悲鳴が上がる。それと同時に観客からも悲鳴が上がる。主演であるビクトリアが舞台に設置された高台から落ちたのだ。

 

「まずい!」

 

「キソ!?」

 

「な、なにを!?」

 

 急に抜刀した木曾に驚く二人を無視してそのまま彼女はサーベルを全力で投てき。高速で飛来したサーベルはそのままシンドリーのドレスのスカートに突き刺さり壁に縫い付ける。

 

「え、え!?」

 

 壁に逆さまで吊るされた状態になったシンドリーは訳が分からずにそのままぶら下がっていた。

 

「生きてるか?」

 

「は、はい…」

 

「なら結構」

 

 サーベルを引き抜きシンドリーを回収した木曾は今だに放心状態の彼女を降ろすとすぐに場から離れるのだった。

 

ーー

 

 騒ぎが発生し会場から脱出した三人。その中でアブサロムは怒っていた。

 

「なんて勿体ないことしたんだ!あれはこのままワンナイトラブの流れだろうがぁ!」

 

「うるせぇ、このエロサロム!あれだけ目立ったら逃げるしかねぇだろ!だいたいお前になんのメリットがある!」

 

 実にくだらない理由で…

 

「俺は横で見るんだよ!」

 

「俺は今は女だ!」

 

「なお美味しいわ!」

 

「やかましいわ!」

 

「ホゲブッ!」

 

 彼の言動に怒りの頂点に達した木曾はサーベルの鞘でアブサロムを殴り飛ばす。

 

「ナカヨクナッタナ…」

 

 石垣を破壊しながら吹き飛んだアブサロムを見ながら欧州は密かに呟くのだった。

 

ーー

 

「oh…おじいちゃんネー」

 

 シャンクスが去っていった後。ちょうど入れ替わるようにルフィのおじいちゃんであるガープがやって来た。

 

「この馬鹿もんがぁ!」

 

「いってぇぇ!」

 

 吹き飛ばされるルフィを見て言葉を失う金剛。

 

「あ…金剛」

 

「え…」

 

 その時であった。瑞鶴と金剛が再開を果たしたのは。

 

「瑞鶴!?」

 

「やっぱり、金剛!?」

 

「なんじゃ、お前ら知り合いか?」

 

「こんごうの友達か!」

 

 ガープの付き添いに来ていた瑞鶴と遭遇した金剛は思わず叫ぶのだった。

 

ーー

 

「oh、海軍准尉ネー」

 

「海軍は世界政府の軍だ。情報が入りやすいと思ったからな」

 

 瑞鶴の思惑もあったが一番の原因はガープが気に入ったこと。そしてセンゴクが瑞鶴という一個人の戦力を脅威に思ったからだ。

 

「一理あるネー」

 

 正直、他のメンバーのこと少し忘れてた金剛は一生懸命探していた瑞鶴に対して申し訳ない気持ちになる。

 

「それよりその金剛口調なんなんだよ」

 

「なんか真似してたら馴染んじゃったネ。こればかりは仕方ないネ」

 

「嘘だろ?前はもっとこう…なんだっけ?」

 

「…そう言えば瑞鶴」

 

「なんだ?」

 

 瑞鶴の反応と金剛自身の記憶から彼女はひとつの質問を出す。

 

「瑞鶴の本当の名前ってなんネ?」

 

「おいおい、忘れてたのか金剛になりきり過ぎるんたよ。俺の名前は…えっと……あれ?」

 

「私も自分の本当の名前が分からないデス」

 

「嘘だろ…」

 

 そう言えばずっと他の奴等の事を名前ではなく艦娘名で呼んでいた。普通はおかしい、でもそれが自然すぎて分からなかった。

 

「じゃあ、それだと俺たちはなんなんだよ!」

 

「分からないデス」

 

 焦る瑞鶴に金剛はあくまでも冷静にマキノの入れた紅茶を嗜む。

 

「でももし何か理由があるなら…」

 

「あるなら?」

 

「私たちが艦娘で現れた理由。この世界に来た理由かあるはずデス」

 

「まさか、この世界に深海棲艦が?」

 

「それは分からないデス」

 

 意味などないかもしれないだがそれを笑って済ませるほどの理由もないのも事実であった。

 

 

 

 

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