スカートは翻さずに?そんなの知らない。リリアン女学園2年生花守 司は今日も頭領だと思って歩くのだ。
世界中探してもここにしかセーラー服をきてマリア様に祈る頭領はいないと思うけど。
会計部に割り当てられた教室に将軍の気持ちで突入する。さっきまで頭領だった気がするけれど細かいことはいい。肝心なのは気持ちだ。
「ブツブツと誰と話しておられるのですかお姉様。」
誰もいないと思っていたら先客がいたようだ。色素の薄い長い髪に「だから全部声に出ています。」
「あんまりにも沙織が可愛いから見惚れてたわ。」
選択肢間違えたか。
ゴホン。気を取り直して。
「ごめんなさい。沙織。」
愛しの我が妹(スール)はお気に召したようで。
「分かれば良いのです。」
これでは、どちらが姉だか分かりゃしない。
さて、お姉様。めったにないお仕事ですのできを引き締めていきましょう。
これでは、本当にどちらが姉だか、わからない。
「まだ、5月なのに大変ね。」
「他人事のようにおっしゃらないで下さい。口より手を動かしてください。」
可愛くない妹である。
会計部は、リリアン女学園の生徒会的存在である山百合会がメインだとしたらサブである。というか、モブ?
認知度はそれ程でなく、山百合会のように別棟がある訳でもなく、他の部活と同じように校舎の教室の一部を与えられている。
仕事内容は山百合会から回ってきた事案の予算提案、確認、承認、後処理である。
仕事だけ見ればたいそう大変そうだが、山百合会からこの仕事が回ってくることは少ない。
つまり、ほとんど仕事はない。
だから、教室の一部を借りることで済むのである。
やっぱりモブである。
「お姉様。手を動かしてくださいますか。これでは終わるものも終わらなくなります。」
はいはい。承認、承認。手は動かしてますよ。
「ちゃんと、内容を見てください!」
「大丈夫よ。山百合会の人達だし。」
我慢できないという様子の沙織。珍しく机にあたっていた。
やはり、私は姉に向いていないらしい。
呑気に考えながら、チャイムと同時にドアを思い切りしめ出ていく沙織を呆然と見ることしか出来なかった。
しばらくして、授業にでなくてはいけないと思った。
「ごきげんよう。司、なんだか元気がないね。」
「ごきげんよう。聖、そうみえる?」
そんなに分かりやすいだろうか。バレてしまえば素直に言ってしまった方がいい。特に聖あいてには。
「ふーん。なるほどね。つまり、仕事を中途半端にして妹君に愛想を尽かされたんだ。」
「そのようにハッキリ言わなくてもいいではありませんか…」
改めて事実を再確認して泣きそうになる。しかも自分が原因だとわかっているからなおさらだ。
「どうしよう」
もう、授業なんて耳には入らない。思い浮かべるのは沙織だけ。
「司、1人で迷走しないで、」
いきなり頬を挟まれる。
「どうすればいいとおもう?」
「それ、わたしにきくの?」
藁にもすがるおもいですから。
「悪いけど姉妹喧嘩には付き合ってらんない。」
頼みの綱が切られてしまった。
藁じゃ強度が足りなかったみたい。