平民の職業(パーティー)で魔王討伐なんて出来るわけない!   作:炭酸ルウル

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うざ女神再び

 

光が届いてない奥のドアへと入っていった

 

 くっそ…まじで暗いな…、足元すら見えねぇ…。

「なあ…夏夜、本当にこっちで合ってるのか…?」

「そんなんわかんないわよっ‼」

「えぇぇ…、」

 「ちょっと…今、触ったでしょ?」

「はっ…⁈ 触ってねーよ!」

「嘘」

 「ほんとだっ」

「きゃっ‼ 誰か、私のおしり触りました…?」

「僕は触ってないよ?」

「うちも触ってないよ…と…いう事は…遥人…。」

「はるにい…。」

 「いやいやいや!まじで触ってねーって!」

「じゃあ…誰…ですか…。」

「俺以外の誰かだな?」

 「遥人以外の誰かって、うちかしーちゃんしか居ないよ?」

 「僕は本当に触ってないよ…」

「と…いう事は、おばけ?」

「おばけって…がちで言ってんの…?」

 「だって、そうとしか考えられないもん…」

「うーん…、おばけ…なぁ? てか、俺たちはどこに向かってるんだ?」

「スイッチのある場所…?」

「そこどこだよっ‼ この暗闇じゃあ、どこにあるかわかんなぞ…」

 

その時だった…。

 

先頭を歩いていた遥人と夏夜はドスッっとおでこを壁にぶつけた

 

「痛った‼」

「んぐっ…‼」

 

「どうしたんですかっ⁉」

「大丈夫っ⁉」

 

 「あぁ…痛てて…」

 「壁…?」

 

あぁ…なるほど…なんとなく理解した…。なんでこんなに暗いのか、ここは、部屋だ。

窓のない部屋だ…。と、言う事は、この壁沿いをたどれば…電気のスイッチがある!

 

 「この壁沿いをたどろう…」

「そうだね…」

 

四人は遥人を先頭に壁沿いをたどった

 

 スイッチはどこだ~…?

 

 壁に手を当てスタスタと歩いていた。すると…

 

 べちゃ…っと、水溜りを踏んだかのように足元に違和感を感じた…。

 

 「ん…?」

「遥人さん…?どうかしました…?」

「ん、いや…なんか、踏んだのかな…?」

「踏んだ…?」

「ああ、そこら辺、水溜りみたいなもんあるから気を付けてね」

「はーい」

「うん、わかった~」

「わかりました」

 

次の一歩を踏み出した時、遥人の足にゴツっと何かが当たった。

 

 「うっ…⁉」

 

それにつまずいた遥人は前へへと倒れ込んだが壁に頭をぶつけると同時に手元には部屋のスイッチがあった…。

 

 「大丈夫っ⁉」

「あぁ…めちゃくちゃ痛いけど…、でもスイッチあったよ」

「ほんとにっ‼ やった~!」

いったい何に引っかかったんだ…?

 

 パチっと部屋の電気のつけると、遥人の足元には…

 

 「………へ…?」

 

「「「き…きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁあ!!」」」

 

 薬局のオーナーと思われる女性の死体が無惨に転がっていた

 

 「う…嘘だろ…」

足元にはべっとりと血がへばりついていた…

「オ…オーナー…?」

「かやねえ…だめ…完全に亡くなってるよ…」

「そ…そんな…」

 「しかもこれ…普通の死に方してないな…。」

「そうですね…。」

 「見る限りだと…、何者かに食い殺されてる…。」

 

死体は無惨に食い殺されていた。

頬はなくなり、腹部からは腸や器官が垂れ下がり、太股には食い殺した者の歯型がついていた…。

 

 「遥人さん…見てくださいこれ…、」

「歯型…か…?」

「はい、でもこの歯型…完全に人間の歯型ではありません…」

「だな…、でも流石に人間は人間を食べないだろ…」

 「遥人、そうでもないよ…これは聞いた話なんだけど、北国の山に食人族が住んでるって話も聞いたことあるし…」

 「食人…族…?」

なんだよそれ…この世界にはそんな奴が居るのかよ…

「うん、だけど…この歯型は完全に人とは違う形をしているから、人ではない何かもっと強大な力を持つ物って考えた方がいいかもね…」

「そうだな。」

 

 そんな会話をしている時だった…

 

 「グギィィィィィィ!!」と吠え唸る声が天上の隅から聞こえた…

 

 「なんだっ…⁉」

「なっ…なんですか…この生き物…。」

「みんな…見てあいつの口元…血がついてるよ…」

「この女性の血だろうな…、」

「ねえ…遥人…。」

「ん…?」

 「この状況、やばいと思うのうちだけ…?」

 「いや、俺もかなりやばいと思う…」

「遥人さん…戦いますか…?」

遥人は当たりを見まわたした…

 「ここには、汐莉の使える錠剤が山ほどあるな…。戦えなくもないが…奴に勝てる自信が一向にわかない…、なんだろ…なんか奴と俺らには圧倒的な戦力差が見える…」

「僕もそう思う…、あのオーラは以上だよ…。」

「でも逃げるとしたらこの部屋から逃げれると思いますか…?」

「無理…だろうな…、」

くっそ…詰みゲーか…、ここでゲームオーバーするくらいだったら、戦ってゲームオーバーする方がいい…。

 「よし…戦おう…。」

遥人の声は震えていた。

 「遥人っ…本気っ⁈」

「あ…あぁ…、どーせ逃げれねーんだ…。」

「そ…それはそうだけど…。」

 

戦う事を決断したその直後だった…そのモンスターは突然襲い掛かってきた…。

 


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