平民の職業(パーティー)で魔王討伐なんて出来るわけない! 作:炭酸ルウル
「じゃあ、この白金貨30枚(300万)は武器を作るための資金にしよう!」
「しーちゃん‼ いいの⁉」
「うん!こんだけお金があればいい武器の素材が色々揃うでしょ?」
「まあ…でも汐莉…本当にいいのか?」
「うん!その代わり、僕の錠剤も買ってね?」
「当たり前だよ!」
「汐莉さん‼ ありがとうございます‼」
「じゃあ、素材を集めて来よう!!」
「でもどこで素材を集めるんですか…?」
「それならうちに任せて!いい場所知ってる!」
「さすがっ‼ 鍛冶屋!」
四人は鍛冶屋を出て夏夜の後を歩いた
「なあ夏夜、本当にこの道で合ってるのか…?」
「あってるよ、こっちの方が近道なの」
「ならいいんだけど…」
人気のない薄暗い路地裏を四人はトコトコと歩き進んだ
「あとちょっとでつくよ」
いい場所を知ってるって言ってたが素材屋とかなのか…?
「ついた!ここ!」
「ここ…?」
「夏夜さん…本当にここで合ってるんですか…?」
「人いるのかな…?」
「もぉ‼ 信じてよぉ‼ 本当にここなんだって‼」
夏夜がついたっと言って見せたのは、窓ガラスはバリバリに割れて壁にはびっしりとコケが付着し今にも崩れ落ちそうな荒廃した家だった…
「じゃあ、入ろうか?」
「お…おう…」
「は…はい…」
「う…うん…」
夏夜がドアノブに手をかけた瞬間、ドアノブがバキッと取れた。
「あ」
「あ、じゃねーよ‼ え…?どうするの?入れないよね?」
「ううん…ここは強行突破する…」
「強行突破って…まさか…ドラマとかでよく見るタックルか…⁈」
「かやねえ…気をつけてね…?」
「当たり前…‼」
「私たちは少し後ろに下がってますね?」
「うん‼ じゃあ行くよ… 3 2 1 !」
ドアに向かって夏夜がタックルをしようとした時だった…
ガチャっとドアが開きよぼよぼのおばあちゃんが顔を出した。
「何か用かい?」
少しキレ気味の口調で言った
「夏夜さん‼ 止まってー!」
「夏夜!STOP!!」
「かやねえ…‼ 危ない‼」
「えっ…⁉ うぅぅぅ…‼ ううぅ…っと…」
おばあちゃんスレスレでギリギリ止まった
「ふぅ…、あっぶない!何してるのよ!」
「いや…こっちのセリフじゃよ…」
「あ、にゃーのおばあちゃん、」
「「「にゃーのおばあちゃん…?」」」
「えっと、うちが三人を連れてきたかった場所はこの家なの、このおばあちゃんに用があって来たのよ」
「あ、初めまして、遥人って言います。よろしくお願いします」
「私は琴乃花です」
「僕は汐莉って言います!」
「ほほう…そこの男の子…遥人って言ったかの……」
「はい、そうです」
「遥人は…夏夜の彼氏なのか…?」
「えっ…‼??」
「ちょっと…‼ にゃーのおばあちゃん‼ 違うって!仲間だよ‼ 仲間‼」
「はい、彼氏的な感じですね?」
「おいっ!!」
琴乃花と夏夜に頭をぶっ叩かれる遥人を横目に少し引き気味な汐莉がいた
「まあ、こんな夏夜だが…よろしく頼むよ…」
「にゃーのおばあちゃーん…」
「は…はい……」
「まあ…入りなさい…用があって来たんじゃろ…?」
「そうちょっとほしい素材があってね?」
「また何か作るのか…?」
「まあね?」
ボロボロの家の中には本当に何もなく、あるのは朽ち果てた木の椅子とカビだらけな木馬だけだった…。
「なあ…琴乃花…本当にこんなところに素材なんてあるのかな…?」
「見た感じだと無さそうですよね…」
「んな…」
「一瞬だけ眩しいぞ…注意しておくれ…」
「え・・・?」
にゃーのおばあちゃんが杖で床をコツンと叩くと、瞬く間に眩しい光が一瞬だけひかり目を開くと…そこにはさっきとは全く違った部屋が見えていた。
「「「…っ!?」」」
遥人、琴乃花、汐莉の三人は驚きに表情を隠せなかった
「なんだよこれ…」
「どうなっているの…」
「わぁ…」
「まあ…落ち着きなさい…ここに座りながら話そう…」
「にゃーのおばあちゃんは不可視化の魔法使いなの」
「不可視化?なんだそれ?」
「不可視化ってのは人間などの動物が直接目で見ることができない事象の事を言うの、まあ言えば、透明魔法?的な感じかな…?」
「まあ、透明魔法ではないんじゃがな…」
「なる…ほど…。」
「魔法を使えるって事は戦闘系の職業なんですか…?」
「えぇ…そうだとも…まあ…昔の話になるんじゃが…わしは元勇者様のパーティーに居てな…?魔王討伐をしていたのだよ…」
「えっ…⁉ そうだったの⁉ 聞いてないよ!」
「だって言ってないもん…」
「えぇ…まじかぁ……」
「…っえ⁈ 魔王討伐っ⁉」
「あぁ…そうじゃとも…」
「魔王は討伐できたのですか?」
「ええや…無理じゃった…想像以上に強くて、退散したのじゃよ…そっからは一歩も魔王城には足を踏み入れてない…」
「なんで行かなかったのですか…?」
「元勇者が怖気づいていけなかったのじゃよ…」
「ええ…元勇者も今勇者も…魔王に怖気づいて手出し出せないのかよ…」
「そんなに魔王は怖いのですか?」
「いや、見た目はわしたちとほとんど変わらんよ…」
「うん、全然変わらないよ?」
「ああ…そうか、夏夜は一回魔王の姿を見たことがあるんだっけか?」
「うん、ある」
「じゃあ、勇者たちは魔王の強さに怖気づいてるのか…?」
「そういうことじゃ、あれはこの世界に居てはいけない存在なのじゃよ…」
「僕たち…本当にそんな魔王を倒せるのかな…?」
「あんたら、魔王を倒そうとしているのか…っ⁈」
「まあ、倒せたらいいな?って感じです」
「甘ったれるなぁぁぁ…‼ ごほっごほっ…」
「え…」
「魔王を倒そうとするのなら本気でやりな…本気で修行し、本気でレベルアップしな…
そうじゃないと…あんたら…秒で死ぬよ…」