あとがきではお知らせもあります。
「十里さんこんにちは〜!!」
「彩ちゃんこんにちは!今日はよろしくね〜。」
「こちらこそお願いします!」
ここは明備中央駅。なんで葡萄川駅じゃないって?それは本日蒸気機関車を運転するからだ。
じゃあなんで彩ちゃんがいるか?それは数ヶ月前まで遡る。
25時間テレビの件から何ヶ月か経ったある日。またまた部長から電話がかかる。
『おっす十里くん。お願いがあるんだが。』
「部長のお願いにろくなものがない気がしますが、一応聞きます。」
『扱い酷くない?まぁいいや。実は7月の第3木曜日は『滝と星の泉伝説列車II』の点検日で運休だろ?』
「そう言えばそうでしたね。」
実はあれからかなりの観光客が来た。これは嬉しい悲鳴であり、何よりも車両が足りない。
そこで新しく、明備中央から葡萄川までの観光特急『うたどり』と、さっきの列車を新たに運転し始めた。
そして定期的に検査をするのだが、鱒角に行ける列車が限られているため、どうしても本数が減ってしまう。
「それで何かSLの方で企画をやると。」
『そうそう。その時の運転を君に任せてもいいかね?』
「いいですけどなぜ?人手不足とか?」
『違うよ。実は丸山彩ちゃんを呼んで、ミニライブを列車でやろうと。せっかく恋人が来るんだから近くにいた方がいいだろ?』
ただでさえ距離が遠いのに、お互い忙しいから、あれから一度も会えていない。
「分かりました。運転やります。」
『じゃあ決まりだね。』
そして本日に至る。
本日は『SLせせらぎ号まん丸お山に彩り列車』という名前で運転する。ヘッドマークも特別に作られたんだ。
「じゃあ他の人から聞いていると思うが、まずは車掌室に行って、アテンダントが案内するからそこで待機していてね。」
「十里さんはライブ観ないんですか?」
「残念だけど運転しないといけないんだ...ゴメンな...」
「仕方ないですよ!お仕事頑張ってください!」
「彩ちゃんもね。MC噛まないように。」
「うぅ...ついに十里さんからも言われた...」
平日だが、世間は夏休み。彩ちゃん目当てで乗る人も少なくない。これで自由席なんてものを設けたら大変なことになっていたな。
「前方よし!出発進行!」
力強い汽笛が今日も響く。『SLせせらぎ号まん丸お山に彩り列車』は定刻通りの出発しました!
そしてしばらくしたら彩ちゃんのミニライブが始まる。
『皆さんこんにちは〜!まん丸お山に彩りを!パステルパレットふわふわピンク担当の丸山彩で〜す!』
ちなみに運転席にはステージ近くに取り付けられたマイクでライブを聴くことが出来る。
『今日は明備鉄道の制服を着てみたよ。どうかな?似合う?』
「ちょー似合ってるよ〜!!」
「十里さんうるさい。」
「あ、すんません...」
運転席にはもう1人。彼は主に石炭を入れる役目をしている。
『短い間ですが、ライブ楽しんで下さい!まずは一曲目!しゅわりんどり〜みん!』
あぁ...やっぱり彼女の歌声はキレイだ。何もかも癒してくれる。
「十里さん随分ニヤついてますね〜」
「そりゃ彼女の歌声が聴けますから〜」
「気持ちは分かりますよ。でも気は抜かないで下さいよ。」
「もちろん!彩ちゃんに怪我をさせてはいけないから!」
「お客さんも入れてあげようよ...」
葡萄川駅到着までライブは開かれた。
「彩ちゃんおつかれ!今日は泊まりだったよね?」
「お疲れ様です!明日に帰る予定なので...」
「なら旅館でゆっくりして。温泉も気持ちいいよ〜。」
イベント列車は片道だけ。なので彩ちゃんの仕事はここで終了。
「十里さんも今日は終わりですか?」
「いや、まだ復路のSLを運転するよ。」
「そんな〜もっと一緒にいたいのに〜」
そうだよな...でも仕事は決まったことなので外せれない。
......そうだ!
「なら一緒に運転席に入らない?」
「いいんですか?」
「いいよ。その代わり物凄く暑いから我慢してね〜」
こうして彩ちゃんが運転席に行くことになった。出発前に汚れてもいいように、作業服を貸して乗り込む。
「うぅ...暑い...」
「だから言ったのに...まだまだ時間はあるよ。」
「耐えられない...」
なんかわがままになってないか?
「じゃあここの棒を掴んで、こんな感じに身を乗り出してみて。」
「うわぁ〜涼しい〜」
「ほどほどにな。あとトンネルもあるからその時は引っ込んでね。」
「は〜い!」
そして無事に葡萄川に着く。
「十里くんお疲れ様。彩ちゃんも今日はありがとね。」
「イベントも大成功みたいだったし、じゃあ僕は帰りますね。」
「なんなら今から検車明けの列車が葡萄川まで運ぶからそれに乗ったらどうだ?」
「いいんですか?」
「二人きりの方がいいだろ?せっかくのデートならな!」
「デートって...まぁお言葉に甘えて。」
『滝と星の泉伝説列車II』はディーゼル列車を魔改造したやつ。普段は賑わうのだが、当然回送列車だから誰もいない。
オレンジに燃える街を背に、静かに手を重ね合わせ、肩を寄せ合う。
「彩ちゃん。本当に今日はありがとね。それに会えて嬉しいよ。」
「私もです。十里さんに会うために来たようなもんです。」
彼女は笑う。
彼女はやっぱり可愛い。アイドルではない。しばらく生活したからじゃない。
自分は1人の女性として丸山彩に惹かれたんだ。
「彩ちゃん。好きだよ。」
「私も、十里さんのこと、大好きです。」
そして唇をそっと重ねる。甘すぎて味覚が狂いそうだよ。
数十秒ぐらいの時間で二人は離れる。夕焼けに反射する彼女の顔は、美しさを一層増す。
「あ〜あ、葡萄川なんて一生着かなきゃいいのに...」
「ど、どうしてですか?」
「だってずっとこの時間を過ごしたいから。」
「でもまだ時間はまだまだあります!夜はいっぱい楽しみましょ!」
「.........」
「え?私変なこと言いました?」
「だって、アイドルがそんなこと言っていいかと思うと...ップ」
「十里さん笑った!ひどいよぉ...せっかく励ましたのに!」
「ごめんごめん。だから肩を叩くのやめて...」
間もなくゴール地点でもあり、スタート地点でもある葡萄川駅に到着する。
「逃亡アイドルの辿り着く場所の番外編を読んでいただきありがとうございます!作者のスタプレです。ここではお知らせをしたいと思います。今回はゲストを呼んでいます。どうぞ〜」
「パステルパレット、ベース担当の白鷺千聖です。」
「なんで千聖さんなの?ここは普通ヒロインの彩ちゃんでしょ!」
「いいじゃない別に。本編では扱い酷かったし。」
「まぁいいや。早速本題に入っていきます。実はこの作品は完結した今でもお気に入りやUAが伸びています。」
「結構人気があるのね。投稿時は山吹色をもっと濃くよりも読まれないと思っていたのにね。」
「そうなんですよ。この調子で誰か推薦書いてくれないかな〜」チラチラ
「何思い上がってるのよ。お説教が必要かしら?」
「すいませんでしたァ!それで生の声でも、この話が一番良いって言って貰えたんですよ。確かにそのような声が多いなって。」
「それがどうかしたの?」
「最終話である理論出したでしょ?それで、『これ全てオリジナルでやったらどうなるかな?』って思ったんですよ。だから全てオリジナルバージョンも書こうかと。」
「随分思い切ったわね。でもあなた出来るの?」
「頑張ればな。ただし、今連載の『鉄道教師が単純にガルパのみんなとハーレムになれるわけなかった』を集中したいので、時間がかなり空きます。さらに、需要がわからないので、この話にアンケートをぶち込んで、少なかったらこの話はなかったことにします。」
「特に読みたい人がいても、得票でボツになってしますのね...」
「それはまた別に検討します。『鉄ガル』が20話ぐらいまで進めたいので、締切が12月31日までとします。それにもう1つ。」
「まだあるのね。」
「前から言ってたストーリー系も準備したいと思います。これも年始から始めたいですね。」
「つまり、逃亡アイドルのオリジナルがパスされたらそっちの方をメインでやると言う事ね。逆にオリジナルが出たらまた遅くなると。」
「その通りです。それを踏まえての投票をお願いします。ちなみに新作は簡単に言うと、この話を真逆にした感じからのスタートです。タイトルは『笑顔を育むトランペッター』題名通りのヒロインが出てきます。」
「確かにこの子がメインのストーリーは、あまりお目にかからないかも...」
「でしょ?実は別のヒロインを考えていましたが、その子のメインが多すぎてどうしようかと思った時にこのネタがパッと浮かびました。」
「ある意味凄いわねそれ。」
「それでは皆さまのご意見お待ちしております。また好評でしたら別の番外編も出そうかと思います。」
「評価、感想、お気に入りをしてくださると、作者のモチベーションが上がりますので、そちらもお願いします。どうかこのダメダメな作者をよろしくお願いします。」
「ダメダメは結構キツいよ...それじゃ締めよっか!」
「そうね。本編の半分ぐらいの字数はあるわよ。」
「メタイな...それじゃあここまで読んでいただき...」
「「ありがとうございました!!」」
※たくさんの投票ありがとうございました。投票結果では、オリジナル版を出すことにしました。投稿までしばらくお待ち下さい。
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