逃亡アイドルの辿り着く場所   作:スタプレ

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黒澤秋桜さん評価☆9サンシャイン〜

今回は気持ち少なめです。許して


4話 裏切らない

「駅員さん!娘が2人いなくなって......あの子たちに何かあったらどうしよう!!」

 

今日も変わらず静かな夜を過ごす予定だった。お父さんが休みを取っていたので、代わりの駅員さんと3人で談笑をしていた時だった。

 

突然男女2人が窓口に駆け込んでは慌てた様子で自分の子供がいなくなったことを伝える。

 

「なんだって?寺間!警察に連絡するんだ!」

 

「分かりました!」

 

「セイヤ!俺と一緒に探しに行くぞ!」

 

まだ小学生の俺だが、お父さんは信用して連れて行ってくれる。

 

この近くにキャンプ場があるからそこから来たのだろう。キャンプ場と言っても、テントを張れる草原があるだけで管理人なんていない。

 

だから近くの明かりを探して葡萄川駅に来たのだろう。携帯なんてこんな山奥で繋がるわけがない。

 

 

「セイヤ。お子さんたちはどこにいると思う?」

 

「多分あそこかも。場所が開けているし、景色が綺麗だから。」

 

 

そしてその場所に行ってみると、2人の小さな女の子がいた。

 

その場所は星近ヶ丘。その名の通り、星が近くで見れて綺麗なんだ。

 

両親は涙を浮かべながら抱き締める。怒り口調だが、どんだけ心配してたか分かる。

 

一方女の子たちの方は、姉らしき女の子は目を輝かせながら歌を歌っており、妹らしき女の子はべそをかいていた。

流石お姉ちゃん?その子は何を歌っていたか忘れてたが、キレイな声だったことは今でも鮮明に覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん......?」

 

ついポカポカ陽気に負けて居眠りをしてしまったようだ。今日も1日暇なんだなこれ。

 

 

実は眠くなった理由はそれだけじゃない。

2階から歌声が聞こえるのだ。彩ちゃんが歌っている。曲はJPOPやアニソン、ボカロが多い。仮にもアイドルだから歌も上手い。

 

多分音が漏れていること知らないだろうな。でも周りに家がいないからいくら騒いでも問題ない。

 

 

 

それにしても懐かしいな。

 

キャンプ場は完全閉鎖になってしまったが、星近ヶ丘は今でも行くことが出来る。あの子たちは元気なのかな?

 

その少女の1人が彩ちゃんだったら凄い奇跡だ。しかし鮮明に覚えている歌声とは少し違う。そんな小説みたいな奇跡は簡単に起こらないみたいだ。

 

 

 

「さぁ、残りも頑張りますか。」

 

頑張ることは1つもないけど...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば彩ちゃんがここにいること、誰も知らないよね?」

 

「知らないよ。知らせてなもん。」

 

「いいのか?俺も誘拐でパクられそうだけど...」

 

「どうせ誰も気にしてないよ。」

 

夜ご飯を食べてる最中。ふと気になったから少し聞いてみた。

 

彩ちゃんはぶっきらぼうに答える。

 

「誰も気にしてないは言い過ぎじゃない?」

 

「そんなことないよ。最近親とも仲がよくないし、事務所もいなくなったこと隠している。」

 

「そうかなぁ...?」

 

「ネットでパスパレと検索したら分かるよ。」

 

俺はスマホでネットを開いて調べてみる。

 

 

『炎上アイドル、早速お蔵入りか?‪w‪w‪w‪w』

 

『パスパレ初ライブ早々休止でワロタ‪w‪w‪w』

 

 

「あんまり気持ちのいいこと書いてないな。」

 

「でも私がいなくなったことの話題はないでしょ?」

 

スクロールしても、確かにその話題はない。

 

「そういえばニュースにもなってないな。行方不明になりましたなんて聞いてないもんな。」

 

「そういうことよ。」

 

よく言えば騒がれていないから助かる。悪く言えば、全体で彩ちゃんを無視しているわけか。

 

「学校の友達はどうなの?」

 

「......」

 

「さすがにいないこと分かったら慌てるよ。携帯に着信来てないの?」

 

「携帯は家に置いてきた。」

 

「お、そっか...」

 

とても心配しているんだろうなぁ...

 

「ここにいることは伝えたほうが...」

 

「そんなことしたら絶対迎えに来る!」

 

そりゃそうだよな。いくら田舎とはいえ、ネットで調べてば行き方はすぐに分かる。グー〇ル先生とか。

 

「でも私は居候させてもらってる身です。十里さんが迷惑だと思うなら、連絡しても構いません。その時は私は帰ります。」

 

と言ったくせに彼女は震えている。

 

覚悟も準備もまた出来てないのによく言えたもんだぜ。

 

「俺はそんなことはしないよ。」

 

「え?いいんですか?」

 

「彩ちゃんのことは彩ちゃんが決めることだ。俺の指図で帰らせるのは違うよ。」

 

「十里さん!」

 

「それに誰かを呼んだら俺まで裏切り者になる。全人類彩ちゃんを裏切った。その全人類の1人になるのはゴメンだね。」

 

「何か起きて後悔しても知りませんよ?」

 

「後悔するならとっくの昔に帰しとるよ。」

 

また2人だけの食卓に笑いが充満した。俺もこの雰囲気は捨てたくない。

 

「それにまだ彩ちゃんの歌聞きたいし。」

 

「え!?聞こえてました?」

 

「ダダ漏れだよ。」

 

「うぅ...恥ずかしい...」

 

これから歌っていくんじゃないのか?

 

「そういえばどうやって音源出しているの?」

 

「部屋のテレビで動画サイト見れるので、それでカラオケ音源流して歌っています。」

 

「なるほどね。」

 

ずっとこの時間が続くことを心から祈っている。

 

でもね彩ちゃん。いつか、いつでもいい。いつでもいいから君をアイドルとして応援したいな。正真正銘ファン第1号としてね。




少し過去の話を入れてみました。ほとんどの方はもう気づいたでしょうか?
もちろん知らない方もご安心を。そのうち出てきます。

今回は繋ぎで書いたので少し内容が薄いです。しかしこの話を入れないと10話行かないことが分かり、物語のちょっとした伏線も入れたかったので、内容が濃くないことを承知で書きました。

次回新しいオリキャラを登場させます。と言ってもそんな重要人物ではありません。
それでは次回もお楽しみ
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