インフィニット・ストラトス ~とある青年の夢~   作:filidh

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第十九話 パーティー

俺と一夏が穴埋めを終えた後、俺が先に教室に戻るとなにやらクラスの女子生徒たちが一箇所に集まっていた。

何をしているんだ?と思い近づくとこちらに気が付かない。声をかけてみるか。

 

「なにしてるの?」

「!?何だ、風音くんか……驚かさないでよ。」

「え?なんか悪い事した!?」

 

とおどけてみせる、反応からしてみるにそれほど大事な話をしているわけでもあるまい。

まぁ関係ないようならこのままなぁなぁで済ますか……

と思うとこちらに話しかけてくる女子が数人居た。確か相川清香と岸原理子…だったかな?

 

「ねぇねぇ、風音君。…風音君って料理作れる。」

「一応、それなりには……何やるの?」

「あのさ、織斑君のクラス代表就任祝いでパーティーをしようって考えてたんだけどさ。ちょっと問題があってさ。」

「料理の作り手が少なかった…と。」

「そういうこと。頼めない?織斑君には内緒で。」

 

なるほど、つまり一夏には秘密でクラス会をやろうと考えている訳か。

まぁクラス内交流、つまり親睦会にもなるし問題はなさそうだな。

 

「どれくらいのもの作ればいいの?」

「え~っと…何作れるの風音君は?」

「どちらかと言ったら洋のほうがレパートリーは多いな……パーティー向けだと7~8種類は硬いかな?」

「じゃあ5種類頼んでもいい。」

「了解。開催日と場所、あと材料費は?」

「4日後の食堂を借りてる。材料費の方はもう集めてあるから頼めば買って来るよ。」

「じゃあ今日中に必要なもの頼むよ。あと一口いくら?」

「えっと……あんま決まってないかな?」

 

と話している間にも周りがどんどん騒いでいる。

うむ、こんな騒ぎをやるのはこっちの世界じゃはじめてだな。やれる限りやりますか。

そう思い俺は財布から3万円を取り出す。

 

「これで一口お願い。」

「ちょっと!?流石に多いって!!」

「いいから、こういうときにお金を使うタイプなんだ、僕。後ほかの人どんな料理作るかわかる?」

 

そう言ってとりあえずそれを無理やり渡す。

まあ実際そういうタイプなのは本当だし、ここでけちけちしても仕方がない。

しばらくすると一夏が戻って来たのでその場はお開き。

俺は必要な材料を紙に書き、後でこっそり相川に渡した。

 

 

 

 

 

4日後の放課後俺は自身の部屋で料理を作っていた。

っと言ってもたいしたものじゃない。

サンドウィッチ、クラッカー&チーズ、スライスしたローストポークと薄切りのオニオン、カットフルーツなどの簡単につまめるものと

あとはアクアパッツアというイタリア風の魚介の煮込み料理だ。これはなべのままで持っていくとしよう。

から揚げやサラダなどのポピュラーなものは他の方で作ってくれているし、まぁこんなものでいいだろう。むしろ余るんじゃないか?

仕込みなどは昨日からやっていた上に、授業終了後にすぐ取り掛かったのだが、既に開始予定30分前だ。

予想より時間がかかったな…まぁ約30人分作るなんて経験したことはないがそれなりに早く仕上げられたのでは?

と一人自己満足に浸っているとドアがなった。

まさか一夏か?いや、一夏の足止めは箒とセシリアに任せている。来るとしても俺に連絡が来ていないのはおかしい。

そう思いドアをあけるとそこにいたのは更識簪だった。

 

「あの……今大丈夫でしょうか…。」

「簪ちゃんか…入って入って。」

 

と部屋の中に入れる。あまり変な噂をながされても面白くない。

 

「大丈夫だけどどうしたの?」

「…いえ…栗城さんに必要なデータをもらいたいと思って風音君に連絡しようと思ったんですが。…文章で説明できなかったので直接言おうかと。」

「それなら電話すればよかったのに。」

「……電話番号わからなくって。」

「「……」」

 

なんだろ、この俺がいじめてるって感じの雰囲気。

気にしたら負けだ。俺は気が付かないように話し始める。

 

「そっか、それじゃあ仕方ないか。……おっさんのことまだ信用できない?」

「………」

「ま、しゃあないか。詳しくは聞いてないから俺もわからんことだし。ただあのおっさん何時でも連絡くれって言ってたよ。」

「本当に…あなたは違うんですか?」

「お姉さんの事?あの後会ったよ。」

「!?じゃあ!!」

「んでなんかわけわからない質問されたから適当に答えてた。」

「え?」

「その後いろいろ話したけど特にIS開発云々はいわれなかったね。」

「……お姉ちゃんと…会ったんですか?」

「なんか話しちゃまずかった?」

「…私がお姉ちゃんと仲が悪い事知ってますか。」

「うん、何でかは知らないけど。」

「……じゃあおねえちゃんについては?」

「この学校の生徒会長で学園内でIS最強ってだけ。」

「……おねえちゃんのISについては?」

「一切解りません。強いの?」

「…栗城さん……怒ってましたか?」

「むしろ情けないって自分のことを嘆いてた。」

「そう…ですか……」

「他に質問は?」

 

とニコニコしながら話しかける。彼女方はと言うと沈黙している。

多分彼女は本当に俺について解らないのだろう。

まあ本当の事もあれば嘘もついているが彼女にはどれが嘘でどれが本当だかは解らないだろう。

いろいろと信用できるか悩んでいるように見えた。

まあ俺のことをすぐ信用するはずもないしまぁここは疑ってもらいましょう。

実際なぜ喧嘩したのかの原因や悪化した理由なんて俺知らないから聞かれても答えられないし。

そんな時突然ドアが開き、気の抜けた声がする。

 

「あ~かんちゃんとソー。なにしてるの~。」

「お、のほほんさん。準備できたの?」

「うん。料理取りに来たよ~。」

 

と言って来たのはのほほんさんもとい本音と谷本&夜竹の三人組だった。

この三人良く一緒にいるよな…仲が良いんだろうか。

 

「ちょっと簪ちゃん待ってちょうだい。」

「は、ハイ。」

 

そう言ってとりあえず三人にサンドイッチとローストポークを渡す。

鍋の方にも火をかけ暖めなおす。

 

「いい香りするけどそっちは?」

「一回暖めなおしてからかな?あとクラッカー&チーズとカットフルーツも有るからそれも後で取りに来て、もう三人いれば2回でいけるかも。」

「了解、じゃまたすぐ来るから。」

「よろしくね。」

 

と言って彼女たちは料理を運ぶ。

簪は何がなんだかわからないんだろう、こちらに聞きたそうにして見ている。

まぁ説明しても問題は無いだろう。

 

「いやね、クラスで今日親睦会やるってことになっててさ。それの料理作ってたんだ。」

「料理できるんですね…。」

「僕よく食べるから自分で作ったほうが安上がりなんだよ。」

「……親睦会をやるなら今日説明するのは止めておきます…」

「かんちゃんもくればいいじゃ~ん。」

 

とまたもや気の抜けた声。

本音がさらに数人連れて部屋にやってきた。

この短い時間で、しかもさっきまで本音が持っていた料理を持っていないって事は恐らく近くに始めから数人スタンバイしてたんだろう。

 

「わぁ…いい香り、風音君これなんて料理?」

「アクアパッツアっていうイタリアの魚介の煮込み、日本語に直訳すると『水狂い』。鍋ごと持っていくから鍋敷きも持っていこう。」

「ここがカザネ君の部屋……他とあまり変わらないわね。」

「そりゃ寮だもん、違うはず無いでしょ。」

「うわぁ何このフルーツ、どうやって切ったの?」

「ちょっとコツがあるんだ、あとそこの君たち!?早く持っていこうよ!?なんで僕の部屋視察してるの!?」

 

普段は広く感じる部屋も最低でも8人も入れば狭く感じる。

って言うか絶対それ以上の人数いるよね。何、皆やる気満々なの?

とりあえず適当に近くにいた人に料理を渡す。簪にもわざと手伝わせた。

食堂に着くと一角に結構な人数が集まっていた。

あれ?クラスの親睦会みたいなものじゃなかったけ?2~3年生の姿も見えるぞ?

まあこんだけ人が居れば簪が居ることもばれないだろう。

しかしあの『織斑一夏クラス代表就任パーティー』の看板は必要だったのだろうか……まぁいいか。

 

「ほら、メインの料理のお通りだよ。なんとシェフも顔を出してくれた。」

「ちょっと、勘弁してよ!?」

 

この空間で持ち上げられるのは流石に恥ずかしい。

なんたって周りは女性しかいないのだ。

こんな空間を原作の一夏は味わっていたのか……まぁこっちの一夏には関係ない話か。

周りから声がする。

 

『え!?このフルーツとか風音君がやったの?』     『なにこの鍋?』  ザワ

  ザワ『へー料理とかできるんだ。』     『そういえば織斑君も家事得意なんだっけ。』

『ねーねー主役はまだ?』     『水狂いって料理だっけ?』      ガヤ

   ザワ 『フルーツを切るだけって言ってもかなり細かく切ってるわね…』

   『そういえば一番出資したのは風音君なんだっけ。』  ガヤ  『オリムーおそーい。』

 

(一夏……早く来てくれ…)

 

一人女性に囲まれながら一夏の到着を待つのだった。

 

 

 

 

 

「というわけでっ! 織斑くんクラス代表決定おめでとう!」

 

<―パァン―> <―パァン―> <―パァン―> <―パァン―>

 

と鳴り響くクラッカー。

一夏が来て何も説明されないままパーティーは始まった。

一夏も一夏で状況が判断できずポカーンとしている。

そしてもう一人ポカーンとしている人物が、ここに居る簪である。

 

「なんで私、こんなところにいるの?」

「まーまーかんちゃんも楽しもうよ。」

「いや~巻き込んじゃったね。じゃあ楽しんでて~」

「ちょ、ちょっと!?」

 

と言って簪は本音に任せ俺は一夏の方に行く。

あの状況で友達の本音もいるんだ、とりあえず一組メンバー数人とは仲良くなれるだろう。

問題はあの主役だ。未だに混乱してポカーンとしているので声をかける。

 

「一夏、クラス代表決定おめでとう!!」

「………奏…これ一体なんだ?」

「お前のクラス代表決定の祝いという名のクラス親睦会。」

「……そうか、お前は知ってたのか?」

「料理を作らせていただきました。お味はいかが?」

「お、おう…」

 

まだ混乱してるよ。まぁそのうち楽しみだすだろう。

隣を見るとセシリアは他の女子と話しているが箒は鼻を鳴らしてお茶を飲んでいる。

声をかけておくか。

 

「(箒、何怒ってるんだ。)」

「(怒ってなどいない。)」

 

それにしては声、めっちゃ不機嫌ですがな。

まぁ箒の不機嫌な理由なんて横の唐変木についてぐらいだろう。

機嫌ぐらい取っておくか。

 

「(箒、一つ言っておくがこの騒ぎの中、一夏の好感度を上げられるのは親しい人物じゃないと無理だぞ?)」

「(!?…どういう意味だ。)」

「(いや、あいつの今の顔見ろよ。何がなんだかわからなくてポカーンとしてる。)」

「(ああ。確かにそんな顔をしている。)」

「(あんな状態であの一夏が良く解らない人がいろいろ言っても通用するっていうか覚えられると思うか?)」

「(……無理だな。いつも以上に言葉の歪曲がすごい事になりそうだ。)」

「(だったら一緒に一夏と楽しめ。その方があいつも喜ぶだろうよ。)」

「(……そうだな。)」

 

そう言うと箒の機嫌も少しは良くなったようだ。

ふう……これでしばらくは問題は起きなさそうだな。

とりあえず飯でも食うか、と思うと女子の集団に囲まれる。

えっと…相川、鏡、鷹月、岸原、田嶋…だったかな?

 

「お疲れ様、風音君。悪かったわね、いろいろ作らせちゃって。」

「いやいや、こっちも久しぶりに料理を作って楽しかったよ。」

「この魚料理なんていったけ?すごくおいしい。」

「そう言ってもらえれば幸いさ。それでどうしたの?」

「いえ、お金がちょっとだけ余っちゃって、だったら一番渡してくれた風音くんに渡そうって話になったの。」

「そう…いくらくらい?」

「千円とちょっとね。」

「だったら飲み物でも買って来るよ。それとも君たちが行く?」

「それで良いの?……そうね。だったら私たちで買ってくるわ。あ、風音君の料理残しておいてよ?」

「もうほとんど無いわよ?」

「ねえねえ風音君!!本当にフランスとかイタリアとかで暮してたの?」

「いや、そんなに楽しい話じゃないよ!?大体はテレビの方が詳しく説明してたんじゃない?」

「だって一部テレビだとあなたギャングみたいな扱いだったのよ、知らない?」

「え、僕が!!なにそれ!?初耳!?」

「え?だってテレビだと~~~」

 

しばらくそんな風にクラスの女子と話していた。

しかし話すほうが忙しく口に物を運ぶ暇がない……どうしましょう。

ちらりと簪の方を見てみると本音と共にいろいろと楽しんではいるようだった。

一夏は箒とセシリアに引っ張られながらも何とかやっている。

そんな時声を上げる女性が居た。

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生、織斑一夏君に特別インタビューをしに来ました~!」

「えぇ!?俺!?」

「一夏君カッコイイ!!」

「奏!?てめぇ!!」

 

俺の掛け声でどっと笑いが起きる。

 

「あ、私は二年の黛 薫子。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。はいこれ名刺。」

「は、はぁ…」

「ではではずばり織斑君! クラス代表になった感想を、どうぞ!」

「えーっと……まあ、なんというか、がんばります。」

「えー。もっといいコメントちょうだいよ~。俺に触るとヤケドするぜ、とか!」

 

はは、むちゃくちゃ言うな、あの人。

一夏も助けてくれと言った視線をこちらに向けている。

貸しにしといてやるか。

 

「あまりうちのクラス代表いじめないでやってくださいよ。」

「あ、君はもう一人の男性IS操縦者、いろいろな噂が飛び交ってる風音奏君だね?」

「どんな噂かはしりませんが……たとえばどんな噂が?」

「一番有名なのは『生身でISに勝った』とか。」

「ははは、そんなはずないじゃないですか。」

 

そういうと一夏、箒、セシリア辺りがジト目で見てくるが気にしない。

 

「そうよね。流石にふざけすぎよね。」

「そうですよね。あと一夏に関してですが『寡黙な性格だが内に熱いものがあり』、とでも書いといてください。」

「え~でもそれじゃあ書くことが出来る量が少なすぎて……」

「そこは『一週間の修行での異常な成長速度』とか『修行内容はまさかの剣道のみ』などいろいろ書く事は困らないのでは?」

「なにそれ!?君、面白い情報もち!?」

「そこを探すのは記者さんの腕の見せ所でしょう。」

 

と笑顔で言う。

黛と名乗る彼女はムムムっと言った感じだ。

だがただじゃ情報は渡せないな…どうする?

 

「そこを説明してくれない?」

「僕も人の又聞きなもので。詳しくは解りませんよ。」

「そんなはず無いんじゃないの?織斑君の親友のあなたなら。」

「僕は同時にライバルでも有りましたしね…詳しく知ってるはずが無いでしょ?」

 

セシリアと箒は『こいつ、どこからそんな言葉が出てくるんだ』と言いたげにこっちを見ている。

 

「じゃ、仕方ないか。でも今度聞くときには話してもらうからね。」

「気が向いたらそうさせてもらいます。」

「まったく…たっちゃんの言うとおりね。」

「なんと言ってました彼女。」

「するりするりと捕まえられない掴み所の無い人間。」

「僕は霞かなんかですか?」

「そこら辺は彼女に聞いて。じゃあ最後に一組の専用機持ちで写真撮影ね。」

 

と言われセシリアは嬉々として一夏に駆け寄り箒はムッとしている。

そしてクラスメイトはこそこそ話して何かしている。

一夏を中心に右に俺、左にセシリアと言った感じだ。

黛さんがカメラを構え声をかける

 

「じゃあ撮るよ~1+1は?」

「「「「「「「「「「「2!!」」」」」」」」」」」」」」

「のわ!?」

「おぉい!?」

 

とクラスメイト全員が写真の中に無理やり写りこんでしまった。

ちなみに俺と一夏は後ろから押されてしまって写真を撮った後にこけた。

 

「ちょ、ちょっと!?みなさん!!」

「セシリアだけ抜け駆けは禁止だよ!?」

 

怒るセシリアとちゃっかり俺と一夏の間に入り込むように写真に写れたのだろう、うれしそうな箒。

そしてこけて床に座り込んだままの俺たち。

 

「黛先輩~写真焼き増しって出来ますか?」

「もちろん。」

「あ~だったらもっとかわいい服着てくればよかった。」

「私目つぶっちゃたかも。」

 

こけたまんま俺は一夏と目を合わせてお互いのマヌケな顔を見て噴出してしまった。

このパーティーは結局千冬先生に怒られるまで続いた。

 

 

 

 

 

 

自分で自分を楽しませるすべを知っている人間ほど強い

                         ~シャーリー・マクレーン~




ということでクラス内のパーティーでした~
料理は基本的に自身が仲間内で飲む時に作るものですwwww
面白いもので騒ぎながら食べる飯はいつも以上にうまく感じます。
ということで読んでいただきありがとうございますwww
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