インフィニット・ストラトス ~とある青年の夢~   作:filidh

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第二十話 セカンド幼馴染

パーティーから数日後特に大きな変化は無く俺はIS学園での日常を過していた。

強いて変化が有ったといえば、少しだけだがパーティーの後簪と仲良くなれてことくらいか?

っと言っても未だにかなり警戒はされてるが……だがまあ信用はされてそうだから良しとしよう。

現在俺は一夏と共にクラスに向って歩いている。そういや最近のISの特訓の方はどうなっているんだ?

 

「一夏~最近ISの訓練の方はどうよ?」

「うん?まぁ自由に空は飛べるようになったな。」

「セシリアのおかげか?」

「……どちらかと言えば慣れかもしれない。」

「……セシリアにはそれ言うなよ。」

 

少し考えた後半笑いをしながら言う一夏。

どんな訓練をしているんだ?一度見に行ってみるか……

そう考えながら歩くとクラスに到着した。

席に座るとすぐさま声をかけられる。

 

「織斑君、風音君、おはよー。ねえ、転校生の噂聞いた?」

「この時期に?そんな事ってあるの?」

「なんでも中国の代表候補生なんだってさ。」

「へ~。」

 

と声を上げる一夏。

恐らく他国への牽制なども入っているのかな?

そうなると恐らく今後も転校生が増える可能性もあるな。

……ってこんな時ぐらい現実の記憶を使えよ!?えっと転校生は…中国のセカンド?

なに、エヴァのパイロットかよ。もっとしっかりと思い出せ。

俺が唸りながら考えているとセシリアが近くにやってきた。

 

「一夏さんおはようございます。あら?奏さん、何を唸ってらっしゃるの?」

「ああ、おはようセシリア。奏は…俺にもわからん。そういやセシリア転校生って知ってるか?」

「ええ、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら。」

「このクラスに転入してくるわけではないのだろう? 騒ぐほどのことでもあるまい。」

 

と何時の間にか箒が近くにいた。

こいつ案外寂しがりやなことが最近わかってきた。

あまり話に参加するわけではないのに集まるところには居るといった感じだ。

一方俺は未だにう~んと唸り声を上げながら悩んでいた。

 

「……一夏、奏は一体何をしているのだ?」

「気にするな箒、良くある事だ。」

 

こいつ適当言いやがって。

しかしあと少しのところまできてるんだよな……

中国のセカンド……二番目の幼馴染で…

凰…だっけ?んでパンダみたいな名前…じゃなくて鈴……鈴音だ!!

漢字は思い出せたがどう読むんだったけな……

と考える間にも話はクラス代表戦の話に流れていく。

 

「織斑君!!私たちのためにもがんばってね!!」

「目指せ優勝!!そしてデザート食べ放題。」

「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから、余裕だよ。」

「おう。」

 

と返事をする一夏。

その時クラスの扉の影に誰か居る事に気が付く。

あの顔……昔一夏に見せてもらった写真の子にそっくりだ。

名前は確か……

 

「その情報、古いよ。二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから。」

「…あ!!鳳鈴音(おおとりすずね)!!確かそんな名前だったよな!?な!!一夏!!」

「…誰よ、それ?」

 

えっ!?と言った鈴音(すずね)ちゃん(仮)の反応。

あれ?昔一夏に言われた時はそんな名前じゃなかったけ?

一夏の方を見るとあちゃ~と言った顔をしている。

 

「……奏。ごめん。俺お前の事、からかってそのままにしてたわ。」

「………え?本名は?」

「……(ファン) 鈴音(リンイン)、通称鈴。」

「……鈴さん、盛大に名前を間違ってゴメンナサイ。後、一夏後で絶対しめる。」

 

微妙な雰囲気が流れる中とりあえず鈴に謝りながら一夏をしめる事を決定した。

周りも付いていけずポカーンとしている。

 

「いや、本当にすまん。弾と面白がってそのままにした後放置しちまった…って鈴。なんでお前こんなところに?」

「ここに来たのは宣戦布告、中国代表候補生、(ファン) 鈴音(リンイン)。私が2組の代表としてクラス代表試合出ることになったから。」

 

と胸を張る鈴…正直身長がちっちゃ過ぎてあまりかっこよくない。

一夏もそう感じたのか口に出す。

 

「何格好付けてるんだ? すげえ似合わないぞ。」

「な、何よ!?一夏!!」

 

と口げんかになりそうになる。

しかしこのタイミング(・・・・・・・)での口げんかは止めるべきだ。

 

「え~っと鈴さん?そろそろクラスにもどった方がいいよ?」

「誰だか知らないけど何よ!?」

「鈴、後ろ。」

「なに!?」

「おい」

「だから何よ?」

 

と鈴が振り向く前に頭に出席簿が落ちる。

 

<―パァンッ―>

 

と気持ちいい音と共に現れたのは千冬さんだった。

 

「もうSHR(ショートホームルーム)の時間だ。さっさと自身のクラスにもどれ。」

「ち、千冬さん……」

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入り口を塞ぐな。邪魔だ。」

「す、すみません。」

 

さすが千冬さんのことを知っている相手だ、下手に逆らわずに素直に行動している。

 

「またあとで来るからね! 逃げないでよ、一夏!」

「さっさと戻れ。また喰らいたいか?」

「い、いえ!?失礼しました!!」

 

脱兎のごとく駆けていく鈴。

あ~そうだったある程度思い出したぞ。

彼女と一夏が何だかしらの喧嘩をして試合中にアクシデントが起きるんだったよな。

………どんなアクシデントが起きるんだったか思い出せねぇ…

再び頭を悩ませる俺。

一方一夏は箒とセシリアに詰め寄られていた。

 

「……一夏、今のは誰だ? 知り合いか? えらく親しそうだったな?」

「い、一夏さん!? あの子とはどういう関係で?」

 

そりゃ二人にしてみればいきなり現れた強力なライバルだしな。

しかも一夏とかなり親しそうに見える。まぁ心中穏やかじゃないわな。

そしてそれに便乗するようにして他のクラスメイトも一夏を質問攻めにするがそれは千冬さんによって中断された。

 

<―パァンッ―><―パァンッ―><―パァンッ―><―パァンッ―>

 

「席に着け、馬鹿ども」

 

千冬さんのその一言でクラスメイトたちはしぶしぶ席に付くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「お前のせいだ!」

「あなたのせいですわ!」

 

昼休みになった途端、箒とセシリアがすぐさま一夏に文句を言った。

理由は簡単だ。恐らく鈴と一夏の関係が気になって仕方がないこの二人は午前中、千冬さんにかなり絞られたのであった。

まぁ確かに原因は一夏だが悪いのは君たちだろうに…一応一夏を庇う。

 

「ストップ、ストップ。今回ばかりは一夏は悪くないよ。確かに普段の事の大半はこいつが悪いけど今回ばっかりは悪くないから。」

「……お前、庇ってくれてるの?けなしてるの?」

「両方。」

「なんでだよ……」

 

そこら辺が解らないから一夏は一夏なのである。

一夏は俺の言葉にがっくりとした後すぐに元にもどり提案する。

 

「まあ、話ならメシ食いながら聞くから。とりあえず学食行こうぜ。」

「了解。」

「む……。ま、まあ一夏がそう言うのなら、いいだろう」

「そ、そうですわね。言って差し上げないこともなくってよ」

 

と、とりあえず食堂に行って飯にすることにした。

食堂に着き食券を買うと通路の途中に彼女が居た。

 

「待ってたわよ、一夏!」

「まあ、とりあえずそこどいてくれ。食券出せないし、普通に通行の邪魔だぞ。」

「う、うるさいわね。わかってるわよ」

 

あら、案外素直。

結構箒と同じタイプを連想してたけど結構違うのかな?

とりあえず同じ席で飯を食う事になった。

席に座ると一夏が鈴に話しかける。

 

「それにしても久しぶりだな。ちょうど一年くらいになるのか。元気にしてたか?」

「ふんっ! アンタも相変わらずね。少しは怪我とかしたらどうなの?っていうか私が聞きたいのはそこの奴と何であんたがここにいるかよ。」

「ここに居る理由はISを偶然にも試験会場で動かしちまったからで、奏に関しては鈴、お前にも話しただろ?俺の2年近く前の事件。アレから俺を救ってくれた奴が奏。」

「!?ってことはあんたが話に良く上がった風音奏ね。」

「どんな話かはわからないけどその風音奏です。」

 

一夏、お前俺のことどういう風に説明してたんだ?

まぁこれは後で聞くとして、それよりも既に横の二人が爆発寸前だ。

 

「一夏さん!そろそろどういう関係なのか説明して欲しいですわ!」

「そうだぞ!まさか付き合ってるなんてことはないだろうな!?」

「べ、別に付き合ってるわけじゃ・・・・」

 

おお、爆発した。二人とも一夏との関係が気が気でなかったんだろう。

しかも笑顔で照れる鈴。これを見る限り満更では無い様だし、ポジション的には一夏の友達でそこから恋人を狙うといった感じか。そして既に一夏との仲も良い……

これは下手をすれば鈴の独走になりかねんぞ?

 

「そうだぞ、なんでそんな話になるんだ?ただの幼馴染だよ。」

「……」

「え~っと鈴さん?自己紹介お願いしても良い?僕らまだ君から直接聞いてないしさ。」

 

相手が一夏で無ければの話だが。

俺は一応この雰囲気を入れ替えるために自己紹介を促す。

ここまで好意を寄せられて気が付かないとか……もはや病気かなんかなんじゃないの?

むしろ女には興味は無い!!って感じなの?……それは無いよな…

ちょっと身の危険を覚えながらも話は進む。

鈴はアレだな、一夏の事は好きだけど面と向っては言えないって感じだな。

これは解らなくなってきたぞ。一夏は鈍感なくせに素直だから。

仮に鈴の好意に気が付いても『違う』って言われたら『そうか』で終わらせる男だ。

せめて最後くらいは素直にならなきゃな。

 

「まぁ前に一夏から紹介されたとは思うけど改めて、(ファン) 鈴音(リンイン)。鈴で良いわ、よろしく。」

 

鈴が自己紹介を終えるともう一人のなかなか素直になれない()が疑問を持ち出した。

 

「幼馴染?私は知らないぞ?」

「あ~……えっとだな、箒が小4の終わりに引っ越しただろ?鈴は小5の頭に越してきて中2の終わりに国に帰ったんだよ。」

 

なるほど、って事は中学三年から入学した俺とも入れ違いってことか。

 

「鈴、前に話しただろ?篠ノ之箒、俺の通ってた剣術道場の娘だ。箒がファースト幼馴染、お前がセカンド幼馴染ってところだ。」

「ファースト……」

 

初めてという言葉に喜ぶ箒。

って言うか幼馴染ってそういう感じだったけ?

じゃあそう考えると俺はこの中じゃサード幼馴染(チルドレン)?シ●ジ君かよ!?

とアホなことを考えて居ると場の空気が動いた。

鈴が箒の方を向くと笑顔で話し出す。

 

「ああ、そういえば聞いたわね……ふーん、そうなんだ…はじめまして、これからよろしくね。」

「篠ノ之箒だ。こちらこそよろしくな。」

 

対する箒も満面の笑みだ。

しかし雰囲気は一発触発だ…なぜだろう彼女たちの後ろに竜と虎が見える。

まぁ気にせず飯を食おう。一夏は何度も二人を見直している。

お前に見えているものは恐らく俺にも見えているから安心しろ。

 

「私の存在を忘れてもらっては困りますわ。中国代表候補生凰鈴音さん。」

 

おっと、セシリアもこの中に乱入か?

と思いきや鈴は微妙な反応だ。

 

「……あんた誰?」

「なっ!?イギリス代表候補生のこの私をまさかご存知ないの!?」

「ごめん、私他の国とか興味ないから。」

「なっ、なんですって!?言っておきますけど!私あなたのような方には負けませんわ!」

「あっそ。でも戦ったら私が勝つよ。悪いけど私強いもん。」

 

まぁ反応を見るに鈴の言う事は本気だろう。

始めから目的は一夏。さらに中国政府からの命令もほとんど無いようだ……

中国は完全に『俺』を目標からはずし『織斑』を手に入れるつもりか?

牽制など考えずにストレートに狙いに来たか。

 

「第一クラスの子に聞いたけどあんた初心者に負けそうになったんでしょ?」

「!?そ、それは……」

「そんな奴に負ける気なん「ハイストップ!!」……何よ、奏。」

 

とりあえずここは止めに入らせてもらうか。

 

「鈴ちゃんが国を背負ってる事はわかるけど戦っても居ない相手を馬鹿にするのは止めた方が良いんじゃない?今後の関係的にもさ。」

「何?でも負けそうになったのは事実でしょ?」

「ああ、でも勝ったのはセシリアだ。その理論でいくと負けた上に代表になった一夏も馬鹿にしているようなものだぞ?」

「……でも一夏は初心者でしょ、追い詰めただけすごいじゃない。」

「追い詰めたけど負けましたって言っても結局負けは負けだ。それに完全なノーデータの相手に勝ちを収める方もなかなかだと思うけど?なぁ一夏。」

「ああ、セシリアの強さは戦った俺が一番良く解るし、もう一度戦ったら勝てる気がしない。だからあまりそういうことは言わないでくれ、鈴。」

「一夏さん……」

 

とあえて一夏に話題をふった。

一夏がセシリアを馬鹿にするわけが無いし、一夏としてもここに居るメンバーは仲良くして欲しいと考える事はわかっていた。

鈴にしても一夏の言う事なら無碍にはしないだろう。

セシリアにしても一夏に自身が認められているほうがうれしいはずだ。

我ながらかなりずるい方法だな…まぁ喧嘩になるよりは10倍マシだ。

しかし鈴はあまり納得がいかないようだ。

 

「ふ~ん…まぁ一夏がそういうんだったらあまり言わないでおいてあげる。まぁでもこの中で一番強いのは絶対私だけどね。」

 

と自信満々に言う鈴。

セシリアが怒らないかと心配したが彼女にとっては一夏に認めてもらったほうが重要なようで気にもしていないようだった。

しかし…自分が絶対に強いか…恐らくこれは慢心が混ざってるな、戦った事も無い相手に『絶対』なんて無いのだ。

挑発に言う分なら問題ないだろうが彼女の顔を見るに本当にそう思っている。

まぁ俺が戦う相手じゃないんだ。分析しても仕方あるまい。

鈴は周りを気にせずに話を進める。

 

「ということで一夏。よかったら私がISの操縦見てあげてもいいけど?」

「え?」

 

ほぅ……先ほどまでの自信の持ちようはここにつなげるためだったのか?

…いや、顔を見るにアレは素か。だが効果は一応有りそうだな。

さてそれに対し他の二人はどう出るかな?と考えていると二人が言葉を発した。

 

「必要ない!一夏の教えるのは私の役目だ!」

「あなたは2組でしょう!敵の施しはけませんわ!」

「私は一夏に言ってるの。関係ない人たちは引っ込んでてよ。」

「一夏さんは一組の代表ですわ。だから一組の人間が教えるのは当然のこと、あなたこそ後から出てきて図々しいですわよ!?」

「後からじゃないわよ。私のほうが付き合い長いし。」

「それを言うなら私のほうが早いぞ!一夏とは家族ぐるみの付き合いで何度も家で食卓を囲んでいたしな!」

 

ああ、話が関係ない方へと流れている……

一夏、お前も茶をすすりながらうまいなんて顔してないで話をまとめるよう努力しろよ。

しかしそんな事は関係なく三人娘の話は続く。

 

「食事?それなら私もあるわよ。」

「…何?」

「…一夏さんそれはどういうことですの?」

 

おっと?矛先が一夏に向いた。

箒は固まり、セシリアは陰のある笑顔で一夏を見る。

えっ?と言った顔をする一夏。

……しかし飯ぐらいどこで食ったていいだろうが。

 

「あ~それか。千冬姉がIS操縦者として活躍するようになってから一人で食事することが多くなってな。一人の食事ってのは作り甲斐がなくて…それで鈴の家でよく食べてたんだ。鈴の家は中華料理屋だったからさ。」

「な、なんだ店なのか…」

「それなら不自然なことは何一つありませんわね。」

「む・・・・・」

 

胸をなでおろす二人に不満そうにする鈴。

まぁここら辺で一旦話を閉じようか、そう考えていると一夏が爆弾を投下する。

 

「それに一番多く飯を一緒に食ってるのはどう考えても奏だぞ?」

「「「………え?」」」

「…おい、一夏。」

「いや、だって半年近く一緒に生活してたじゃん。千冬姉が居ない間。」

「…ってことは」

「…二人だけで」

「…共同生活?」

 

おい、馬鹿やめろ。三人とも変な風に解釈するな。

あと一夏誤解を招く奴らしか居ない状況でその話はするな。

だが一夏は話を止めようとしない。

 

「そういやこの前のパーティーで食った魚料理も久しぶりだったな。こいつの味付け俺かなり好きなんだよね。後いろいろ料理のレパートリー広いんだよな、奏って。」

「お、おう、一夏。ここら辺で止まれ、いや止まってください。」

「…いえ一夏さん?」

「……もう少し詳しく」

「…教えてもらってもいいわよね?」

 

おい三人娘、何で目に光が無い顔でこちらを見てるの?

って言うかさっきまでめっちゃ言い争ってたじゃない?君ら。

なんで今はそんなに仲良さげに笑ってるの?

この三人を説得するのにかなりの時間を要したのは説明するまでも無いだろう。

 

 

 

 

すべてを納得すれば、心はきわめて寛大になる。

                                    ~スタール夫人~




鳳鈴音(おおとりすずね)に関しては友人Aの読み間違いが元です。
っていうか漢字がまずちがいますよね、これ。
○凰
×鳳
ちなみに友人はずっとそれに気が付いておらずしっかりとISを読むまで解らなかったそうです、馬鹿ですねwww
ということで今回からセカンドチルドレンもとい二人目の幼馴染、鈴の登場ですww
これからどういう風に話が続いていくかお楽しみにww
では読んでいただきありがとうございました。
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