インフィニット・ストラトス ~とある青年の夢~   作:filidh

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投稿時間が…明日になってましたwww
ということで少し遅れましたが投下。


第五十八話 愚者の晩餐

浜辺に行くと一夏たちはすぐに見つかった。

他のクラスメートたちと一緒にビーチバレーをしている。

俺とシャルロットは二人で近くまで歩いていく。

近くまで行くと一夏がこっちに気が付き一度試合を中断した。

 

「奏にシャル。お前たち今までどこに居たんだ?」

「海の家でバイトしてた。」

「はぁ?お前本当に何してるんだ?」

「いや店長さんが熱中症で倒れちゃっててさ、ピンチヒッターやってたのよ。」

「私はそれの手伝いしてたの。今終わってちょっと休んだ後こっちに来たんだ。」

「……あんたらしいって言えばそうかもね…」

 

と呆れ顔の一夏と鈴。

セシリアはそんなとこだろうと言った風に笑っているしクラスメイトたちは行けばよかったなどと言っている。ラウラは…なぜかダウンしてるな。

俺はラウラの近くまで行くと声をかける。顔色を見る限り熱中症ではないようだが…

 

「お~い、ラウラ~。聞こえてるか?」

「う、うん?奏兄か?」

「君、一体どうしたのさ。」

「よ、嫁が……」

「一夏が?」

「私のことをかわいいと…」

「ほめてもらったのか…それで?」

「なぜかその後体が思うように動かなくて…ボールにぶつかってしまい…」

「……しばらくそのまま休んでな。」

「う、うむ…」

 

なんというか…時間が経てば経つほど、どんどん面白いキャラになってくな、この子。

俺は笑いながら辺りを見渡すが……箒と簪が居ない。

一夏に聞いてもいいが…鈴とセシリアの近くで小声で聞いてみる。

 

「(二人とも、箒と簪知らない?)」

「(いいえ、私たちも探してみたんですが…)」

「(とりあえず海には居ないみたい。)」

「(そっか…ありがと。)」

 

俺はそういった後適当に探してみる事にした。

一夏は離れていく俺に気が付くと不思議そうな顔をして声をかける。

 

「おい、奏。どこに行くんだ?」

「悪い一夏。僕バイトで疲れちゃったからさ、ちょっと散歩して体力回復してくるわ。」

「いや、体力回復するんだったらここで休めばいいんじゃないか?」

「ははは、お前と一緒にいるとそれだけで疲れそうだからさ。」

「なんだと!?」

「あはは、冗談だって。いやちょっと風景を見に行きたいだけだよ。」

「ああ、解った。」

 

俺は振り向かずに手を振るとみんなから分かれる。

そしてやはりというか…予想していたがシャルロットはこっちについてきた。

 

「……シャルロット、箒どこ行ったか知ってる?」

「解らないけど探すなら手伝うよ。」

 

笑顔でこういうシャルロット。

こいつ、何言っても付いてくるんだろうなぁ…

俺は頭をかきながらため息をつく。

 

「……遊ぶ約束はまたの機会でいいでしょうか?」

「う~ん、仕方ないからゆるしてあげましょう。」

「ありがたき幸せ。多分簪も一緒にいると思う、とりあえず水着は着替えよう。」

「うん、解った。」

 

そう言って俺とシャルロットはそれぞれ着替えに向かうのだった。

そういや、俺海に入ってないなぁ…まぁ明日にでも入ればいいか。

しかし結局シャルロットとの約束守ってないなぁ…しかしこればっかりは勘弁してもらおう。

平和なことを考えながら、これがかなわないと知っている俺は苦笑するのだった。

 

 

 

 

 

着替えを終えシャルロットと合流しいろいろと辺りを探してみる。

しばらく探すと簪を発見する。しかし近くには誰もいない。

簪もこちらに気が付いたようで駆け寄ってくる。

 

「奏さん、シャルロットさん!箒ちゃん見ませんでした?」

「簪ちゃんも探しているのか……ごめん僕らもわからなくてね。探しているところなんだ。」

「そ、そうなんですか…」

 

とりあえず今のうちに箒のモチベーションをしっかりと理解して、アイツが戦う事になってもミスをしないようにしたいんだが…

まぁこれは今すぐに…と言ったことではない、最悪今日中にやれれば良い。

俺は顔に出さないように簪に声をかける。

 

「簪ちゃん、箒とはどこまで一緒だったの?」

「私、箒ちゃんを誘いに部屋に行ったらもう居なくて…」

「そっか…」

 

今このタイミングで誰にもあわないで居なくなる…

十中八九篠ノ之博士とコンタクトとってるんだろうなぁ…

えっと……原作でのこのイベントは篠ノ之博士から明日箒は専用機をもらう。

その後『偶然』にも銀の福音が暴走、日本に向かってくる。

これに対しアメリカ、日本両政府はなぜかIS学園側に福音の撃墜を依頼し学園側はこれを了承。

ファーストコンタクトで一夏が箒をかばって一夏が撃墜、意識を失う。

二回目で一夏抜きで福音との戦闘、途中目覚めた一夏の力もあり福音を止める事に成功するんだっけ……記憶が穴抜けのせいか控えめに言っておかしいところしかない。

これ亡国機業だけじゃなくアメリカかイスラエル、下手したら日本も一枚かんでるんじゃないか…

そうじゃないと戦争になりかねないような事だぞ、これ。

ただ始めから暴走した福音が日本に攻めて来ないって言うなら問題ないが…

恐らくそういう風に話は通ってるんだろうな……

この事件に関しては俺は介入する事は正直できない。

どうやってもどこの組織にもコンタクトは取れないし証拠もまったく集めることはできなかった。この状態で疑ったり動いたりしてもこちらがマークされて終わるだけだ。

対処法として俺が突っ込む事ができない今、他のみんなに頼る事しかできない…

深く考えすぎたか、簪とシャルロットが心配そうな顔で俺を見る。

 

「ソウ、どうしたの?」

「……いや、どうして箒が居なくなったのかを考えてた。」

「何かわかりましたか?」

「いいや、全然。はっきりとした事はまったくわかりません。」

 

そう言って俺は肩をすくめる。

考えてもしょうがないのだ。最悪、俺は勝手に試作機で突っ込むつもりだし。

俺は深く考えるのは止め、簪を加えた三人でまたもや箒を探し歩いたのであった。

 

 

 

 

 

三人で十数分探した後、埒が明かないという事で分かれながら探す事にする。

そしてさらに数分後、俺は箒の姿を発見する。

手には携帯…やはり篠ノ之博士と連絡をとっていたのか。

顔つきは…プレゼントを貰う前の子供だな……自分が手に入れるものが何かわかってないのか…

まぁ…それに関しては俺もおおぴらに指摘できる事ではないか…

現状俺は『自分の専用機を手に入れるためにいたるところに喧嘩を売った』男だ。

本当はそっちの方がメインでは無いと言ってもやった事は結果的に同じだ。

ただその手にいれる物で何がしたいのかだけはわからせなければ。

俺は箒に声をかける。

 

「よう箒、探したぞ?」

「ああ、奏か。何の用だ?」

「いやさ、浜辺でいくら待っても来ないから何かあったのかと心配になってさ。簪とシャルロットと一緒に探してたんだ。」

「……少し用事があっただけだ。心配されるような事は何も無い。」

「そっか。じゃあどうする?海に行くか?」

「いや。私は遠慮しておく。少し休んでおきたい気分でな。」

 

完全に明日の事で頭の中がいっぱいなんだろう。

どう釘をさしておいたものか……

 

「箒。関係ないかもしれないが一つ聞いていいか?」

「?お前が私に質問とは珍しいな。いいぞ。」

「お前にとって強さってなんだ?」

「私にとっての強さか……貫き通す事だな。自身の思いをそのままに維持することが出来る力だ。」

「…それは一夏をたすけるためか?」

「っ!?…そうだ。それもあるがそれだけではない。」

「……そっか、でもそれが一番なんだろ?」

「……ああ。そのとおりだ。」

「ありがとう。参考になったわ。」

「そうか、簪には私から連絡しておく、シャルロットは頼んでもいいか?」

「了解。じゃあね。」

 

別れを告げると箒は自身の部屋に向かって歩いていく…

頼むからお前の今言った『一夏を助けるための強さ』であってくれよ…

自身が一夏のとなり(そこ)に居たいからで、わがままのためじゃないんだろ?

俺はため息を付きながら今後良くなってくれるように祈るのだった。

 

 

 

 

 

夕食、一年部全体で座敷に座って食べる。

一応座敷文化が無い人のためにテーブルの方もありそちらの方で食べる人も結構いる。

現在俺はそちらのテーブル側のほうで飯を食べていた。

理由は簡単である、こちらの方が空いているからだ。

確かに飯を食べるときはわいわい騒ぎながらの方もおいしい。

だがここの料理はゆっくり味わって落ち着いて食べたいのだ。

そう考えこちらの方に来たのだが…

 

「ソウ、この緑色の奴何?」

「山葵。ローストビーフに使うホースラディッシュみたいなもんだ。比べるとこっちの方が辛いから少しだけ刺身に乗っけて食べてみろ、ほんの少しでいいからな。」

「うん、試してみる。」

 

やはりシャルロットはこちらに来た。

まぁ別に一切無言で食べたいというわけでは無いんだ。

ただこっちの席に二人で座って食べると周りが辺に気を使ってくるのが解るのだ。

あからさまにこっちを見てひそひそ話してる奴もいるし。

いい気はしないが……まぁ気にする必要もないか。

俺はそれを気にせずに飯を食べ続ける。

おっ、これは百合根か?うん、ほくほくしてうまいな。

シャルロットは山葵を少しつけた刺身を恐る恐る口に運んでいる。

口に入れた瞬間一瞬顔をしかめたがその後あっ…といった顔をしている。

 

「どうだ?感想は?」

「はじめはツーンって来たけどその後はいい香りがする。」

「その感覚が癖になるとうまいって感じだな。ただあまりやりすぎるなよ?」

「うん。」

 

そう言ってシャルロットはまたもや山葵を刺身に乗っけてしょうゆに浸す。

フランス人に刺身って抵抗あるかな?っておもったが結構チャレンジ精神豊富だな。

シャルロットはまたもや『くぅ~』と言ったように顔をしかめた後顔をほころばせておいしそうに刺身を食べている。見て俺は笑ってしまった。

その後座敷席のほうが凄まじく騒がしくなったと思うと一気に千冬さんの怒号が飛ぶ。

 

「お前たちは静かに食事することができんのか!?」

 

とたんにしゅんとなる空間。

まぁ…限度を考えずに騒ぎながら食べなかった君たちが悪いという事だね。

しかしここまで静かになるのもなぁ…せっかくの料理がもったいない。

俺はわざとらしく近くにいた女中さんに声をかける。

 

「いやぁ…本当においしいですね。これおかわりとかあります?」

「…吸い物と白米だけなら。あとお漬物を少々は大丈夫ですが…」

「本当ですか!?お願いします。」

 

と俺が頼むと回りがクスクス笑い出す。

千冬さんもそれに気が付いたらしくこちらに声をかける。

 

「風音、あまり女中さんに迷惑をかけるな。」

「お腹がすいてたのもありますがあまりにもご飯がおいしくて、食べなきゃ損かなって。」

「そんなに腹がすくほど遊んだのか?」

「いえ、海の家でバイトをしてました。」

「……お前は本当に何をしているんだ…」

「いやぁ~一夏にもまったく同じことを言われてましたよ。」

「…もういい、後これからはおかわりはなしだ。」

「そんな!?殺生な!?」

「貴様にそれを許したらとんでもない事になるだろうが。」

「げ、限度はありますよ…」

「品がないと言ってるんだ。自重しろ。」

 

というやり取りをやっているとまた回りの雰囲気が笑い声で明るくなった。

座敷席の方もある程度明るくなったな。

そのままの雰囲気を楽しみながら俺は飯を食べ進めるのだった。

 

 

 

 

 

時間も過ぎ自室で入浴予定時間まで時間を潰す。

先ほど温泉から戻ってきた千冬さんは現在一夏にマッサージをされている。

 

「千冬姉、久しぶりだからちょっと緊張してる?」

「そんな訳あるか、馬鹿者。あっ…んっ!少しは加減をしろ……」

「はいはい。んじゃあ、ここは…っと」

「あっ!あ、そこは……やめ……っ!!」

「すぐに良くなるって。だいぶ溜まってたみたいだし、ね。」

「そこは駄目だと…」

「いいから、ね。」

 

………マッサージである…

一夏はともかく千冬さんはわざとやってますか?ひょっとして。

俺は耳に音楽プレーヤーをつけながら本を読む。

外の気配は…まぁ、もう少しで千冬さんが行動に出るだろう。

案の定千冬さんが一夏をよけ音も無く立ち上がりすばやく部屋の入り口のふすまを開ける。

 

「「「「「うわぁ!?」」」」」

 

なだれこむように入ってくる5人。

俺は気にすることなく本を読み続ける。

一夏はそれを見て唖然としている。

 

「……5人とも何してるんだ?」

「な、なんでもないわ。」

「ならなんでそんなところに?」

「い、いやぁ……僕はソウに会いに…」

「……普通に入って来い、馬鹿どもめ。」

「ちょっと…入りづらい雰囲気でしたので…」

 

そういわれてもなお反応が微妙な一夏と頭を押さえてため息をつく千冬さん。

俺はイヤホンをはずし本を閉じる。面白いからからかうか。

 

「多分織斑家特性のコミュニケーションに入りづらかったんだろ。」

「織斑家特性って…そんなたいした事はしてないだろ。」

「まぁな、お前の家でも良くやってたしな。」

「よくやって!?」

 

箒が猛烈に反応する。

他の4人も興味心身だ。

千冬さんは俺のやろうとしていることを察したのか何も言わない。

 

「おいおい、俺だけじゃなくて奏も混ざってやった時もあるだろ?」

「さささ、三人で!?ソウも!?」

「って言ってもうまいって言うかテクニックが上なのは一夏だな。」

「テクニック!?」

「ああ、やっぱりやった回数だろうな、一夏なんてよく千冬さんにやりたがってたぞ?」

「や、やりたがるですって!?」

「千冬さんも満更じゃなかったしね。」

「きょ、教官も!?」

 

5人とも顔を赤くしている。

イカン、笑いがこみ上げてきた。

千冬さんも顔をそむけている、これは笑いをこらえているな。

恐らく解っていないのは一夏だけだろう。

俺は笑いをこらえながら千冬さんに声をかける。

 

「…千冬さん…ここまで知られてしまったらばらしてもいいでしょうか?」

「……マッサージの何をばらすというんだ?奏。」

「「「「「へ?……あ…」」」」」

 

唖然とする5人。

その顔を見てここで俺はこらえきれず大爆笑をした。

千冬さんも口元を押さえて笑っている。

5人は自分の顔や頭を押さえて悔しそうな顔をしている。

ここで俺のことを責めてもいじられて終わりだという事がわかっているのだろう。学習してるな。

 

「あ~笑った笑った。5人ともいい反応をありがとう。」

「マセガキどもめ、何を考えていたんだ?」

 

そう言われるとさらに顔が赤くなる5人。

俺は笑いながら一夏に声をかける。

この一連の流れがわからない一夏はきょとんとしている。

 

「一夏、そろそろ風呂の時間だから行こうよ。」

「あ、ああ…なぁ奏、何でお前と千冬姉は大笑いしてたんだ?」

「さぁ?そこの5人に聞いてみたら?」

「「「「「ちょっと!?」」」」」

「冗談!ほら一夏、気にしないで準備できたら行くぞ!」

「あ、ああ。押すなよ!?」

 

俺は一夏の背中を押して部屋から出る。

ふすまを最後に閉める前に千冬さんに声をかける。

 

「千冬さん、どれくらい時間潰せばいいですか?」

「気にしなくていい。ただ下手な話を聞きたくないなら時間を潰しておいた方がいいぞ?」

「お~コワ。了解しました。じゃあ5人ともまた。」

 

手を振りふすまを閉める。

いやぁ笑わせてもらった。

俺は思い出し笑いをしながら、俺が笑っている理由を考えている一夏と温泉に向かうのだった。

 

 

 

 

青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ。

                                    ~倉田百三~

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