インフィニット・ストラトス ~とある青年の夢~ 作:filidh
時間を俺が落ちたところまで戻そう。
俺が福音の羽に包まれた時…
俺はパニッシャーをおろすようにして
幸か不幸かパニッシャーは破損し重さがかなり減っている、コレなら!!
全方位からエネルギー弾が飛んでくるが1/3は叩き落とした。
がやはりここでISは限界だった、そのまま海に墜落、壊れたISを身につけたまま落ちる。
追撃が来る!!と警戒するが動きは無い海から顔を出して見てみると福音は自身を光の球体に包み回復をおこなってるように見えた。
「………ラッキー?ってコレってもしかして今攻めれば落とせるんじゃ!?……って危険の方が多いか……」
と考えながらとりあえずこの場を離れる事にするが……
「あれ?……俺ってどっちから来たっけ?」
まさかの迷子である。この大海原で……
どう考えてもヤバイ。
せめて陸を探さなければ……
というか…
「俺…完全に潮に流されてるよな……」
先ほどと比べ福音からかなり距離が離れた。
潮の流れも速いようだ。
「……よし、まずは福音から離れて通信を入れよう。うん、ポジティブに行こう。」
そう考え俺は波に身を任せて海に漂うのだった。
「海を…なめていた…」
しばらくゆったりと流されている…と考えていたがかなり潮の流れは速かったようだ。
そしてさらに悲しい事に……ISがうんともすんとも反応しない…
完全に壊れたか?……ヤバイな。
いまさらだがこれは…詰んでるな。
辺りに陸地は見えないしさらに言うと太陽も傾き始めている……
そして傾いているほうに流れているという事は今流されているのは西に向かってなのか……おい、完全に太平洋の沿岸に流されてるじゃねえか!!
「……よし、陸を探そう。後何かつかまれるものを探そう。」
そう考え俺は太陽に背を向けて泳ぎ始めた。
体にはボロボロでほとんどついていないとはいて
あまり動かない方がいいんだろうけど…仕方ないか。
…救助は多分こないだろうし自業自得な所もあるんだ、自分のケツくらい自分でふこう。
あまり深く考えずに泳ぎ始めたのだった。
これが2時間前の話だ。
現在俺は完全にばてていた。
潮に逆らって泳ぐのがこれほどつらいとは……しかもすすんでるのか流されてるのかもわからん。
現在地も不明…日は沈んでないが…これはきついなぁ…
「せめて…陸地、いや岩でも良い…」
そう考えさらに泳ぐ。
そしてさらに数時間後。
最早日も沈みかけ辺りが薄暗くなってきた。
水平線に沈む夕日……こんな状況じゃなければじっくり見たいのだが……そんな事を言っている場合じゃない。
せめて、せめて何かつかまるところを…
そう考え辺りを探すと…
「………あれは……島!!」
確かにあれは何かの島だろう。
この際離れていようと近かろうと島自体が大きかろうと小さかろうと関係ない。
その島に向かい泳ぎ続けた。
完全に辺りが暗くなった時にようやく俺は島というより…岩山にたどり着いた。
「うぇ……後は…もう海はいいや…一生分は泳いだ。」
と誰も居ないところで独り言を話す。
体にはボロボロのIS、これをはずす訳にもいかないから余計に疲れた。
……ISは未だに反応は無い……星を見て現在地がわかるようなスキルもないし……
少しこのまま休もう…その後の事はその後に考えよう…
流石に……つかれ……
俺はここで意識を失い……あの白い空間に行く事になった。
「「よく考えなさい、時間はまだまだあるでしょう。」」
そういわれた瞬間に思い出す………シャルロットとの約束…
「おい。俺が居なくなった後向こうの世界はどうなる。」
「「そのままです、あなたがつけた傷跡もあなたが守ったものもそのままです。」」
「そうかい。」
という事はアイツは確実に俺を待ち続けるだろう…
でも俺がそのためにまたあんなのと命がけで戦わなきゃいけないのか?
………違う、戦う事を選んだのも、巻き込まれることを選んだのも、何より
戦わずに逃げても良かったのだ。問題もすべて無視して自分のやりたいようにしても良かったんだ。
何よりヴァッシュを目指すなんて……無理だったんだ初めから。
彼は特別だ…【でも彼だって逃げる事は出来た】
彼は不死身だ…【そんなはずは無い】
…結局俺が今考えているのは理由をつけて逃げる方法を考えているだけだ……
俺がヴァッシュにはなれないという理由を見つけて逃げようとしてるだけ……
だがそれの何が悪い!!
無理だったんだ、初めから俺には!!
ヴァッシュだったらセシリアと鈴のときもうまくまとめただろう。
ラウラのときは発動させる事も無く危ない橋を渡らせることもなかっただろう。
シャルロットの時だって……
そういや一回似たようなこと考え――
『今のままのソウでもいろんな人を助けてるし、違うって言ってもしっかりと助ける事ができれば同じじゃなくてもいいんじゃないかな…』
………こういわれてたな…
ヴァッシュになれなくてもいい…か…
確かに助けられる側からしたら関係ないことなんだろうな…
でもやる側としたら目指したい…なんだ、コレも俺のただの我侭か…
アイツにとったら俺はヒーローで…大切な存在か…
アイツ俺が居なくなったら……どうなるんだろ…
怒るだけならいいけど…ああ、泣き顔しか思い浮かばない。
絶対にアイツ泣き喚くだろうな…
一夏や箒、セシリア、鈴、ラウラ。
それに千冬さんはどう反応するだろうか…
なんだ…俺あの世界に未練たらたらじゃないか…
じゃあ最後まで我侭を通して演じきってやろう。
それに目指している途中で諦めるのも格好付かないし何より……言い訳してる時点で何か心残りがあるんだろうよ。
こんな時頭で考えたってよくはならない、感情に従おう。
俺はさっきからまったく元の世界について考えてない、考えようともしてない。
ただ自分に言い訳してあの世界から逃げようとしているだけだ。
言い訳して逃げるだけなんて、コレじゃあ格好悪るすぎだろうが。
「……俺の元いた世界の扉はどっちだ?」
「「…あなたが開いた扉があなたの行きたい世界の扉。」」
「そうかい。じゃあどっちでも関係ないのか。」
「「ハイ、そのとおり。」」
俺は目の前にある扉に向かいその扉を開く。
扉からは光があふれている。
そして横に居る吟遊詩人に一言。
「後で絶対ぶん殴ってやるからな!!」
「「ではよき旅を。いざISの世界へ。」」
そう言って二人で頭をこちらに下げる。
あ~あ、普通に考えれば馬鹿な行動してるよなぁ…
ただ後悔だけはしたくない、今度はヴァッシュになるんじゃなくて……しっかりと目指そう。
俺は俺として人を助けよう。
少し当初の目標とはかけ離れるが…それでもあの
そう考えて扉に入りドアを閉める。
二人の詩人と二つの扉だけが残った世界。
扉はそのまま残ったが…詩人は二人で向かい合う。
「彼の選択に祝福を。」
「彼の決断に未来あれ。」
「「英雄を目指す
そう言って二人でまた歌を歌う。
扉を開けて中に入った瞬間の目が覚める。
……夢か…いや、こっちの方が夢なのかもな…
まぁそんな事今は関係ない。
辺りを見回すと完全に暗くなってるし…月も綺麗に浮かんでら。
岩山の上で寝たって言うのに体は結構軽いな…
ISの調子は……完全に治ってる!?
…………深く考えないでおこう。
さて展開して連絡をとるか…
と考えサングラスをかけ待機状態のISを展開すると……さらに頭が痛くなる。
よく考えろ、今何気なく待機状態になってるって思ったが……
倒れる瞬間までボロボロのものを身につけていたはずだ。
さらに言えば……形が完全に変っている。
これは最早……ただのヴァッシュのコートだ…
大きさも俺の身長とほとんど変ってない…って言うか変ってない。
ある意味ヴァッシュのコスプレをしている感じだ。
え?これ…どうするの?
っていうか展開した時も光に包まれて~って感じじゃなくて俺がなんかドロっとしたものに包まれてこの形になったって感じなんだけど……
しかもこのドロっとした感覚…一回どっかで………
あ、VTシステムのあのドロだ。
アレも確かこんな感じだった…
いや、これ本当に大丈夫なの?暴走とかしてるわけじゃないの?
そんな事より通信を……遠方で何か光った。
緑みがかった白い光…
という事は今みんなが戦ってるのか…
……動けるか?そう思いいつもと同じように飛ぼうとするとかなり早く飛べる。
スラスターは…無いが全力で飛んでみよう。っていうか動きやすいな。
普通のISはなんというか…無理やり俺が機械を力ずくで動かしてるって感じだけど…
これは邪魔するものが無いって感じだ!!……まぁコートだしね。
これではある意味空飛ぶコートだ。
遠方の光がもっと輝きを増していく、急がねば。
そう考えると先ほどよりも早く飛ぶ事ができる、これは……颶風の全速力は出てるんじゃないか?スラスター無いのに。おっさん涙目だな……いろんな意味でこの後の事を考えれば俺も泣きそう。
武装の方は……拳銃が一丁にマシンガンが一丁…流石にパニッシャーはないか。
試しに両方出してみる、やはりというか…ヴァッシュのリボルバーと仕込みマシンガンだ。
ただ問題は…サイズちっちゃ!?え?これ本当にISに効くの!?
絶対豆鉄砲みたいなもんだよね?これ。
うわぁ……これ参加するのやめたほうがいいかも。
と考えながら飛ぶが結構近くに行った時にはげしい光がした後コアネットワークに声が入る。
『皆…ごめん…』
シャルロットの声、さらにみんなの悲鳴……
間に合え!!そう考え狙いをつけ銃を撃つ…
普通に考えれば距離も遠いし弾速が遅すぎて当たるはずがない…が銃弾は俺にすら見えないレベルのスピードで飛ぶ。これなら!!
『何がごめんだ、バ~カ。』
「え?」
連続で撃ちつづけると6発で弾切れでは無いようだった。
福音が弾けるように吹き飛ぶ。
結構威力あるなぁ…って言うか何これ!?
弾速早すぎ!!これタイミング掴まないと難しいいな……
とりあえず一気に静まったこの空間を何とかしよう。
「悪いシャルロット寝坊したわ。」
『……本当にソウ?』
「多分本物。」
『……怪我は無い?』
「ほぼ半日近く泳いでて体力がヤバイ…ねぇまだ寝てて良い?」
いつもどうりの軽口を叩く。
他のやつらも唖然としている。
って言うかシャルロットの反応がない。
『……』
「な、なんか言えよ……とりあえず……ただいま。」
そう笑いかけながら言うとシャルロットがこちらに向かって飛んでくる。
しかしその後ろからは福音が来ている。
シャルロットに銃を向け福音だけ撃ち落す。
狙ったところに正確に飛ぶ、だがリボルバーとしての機能がまったく動いてない…
やっぱりこの銃…
異常だな……いや、ここまでくると怖いわ…
だが使えるものは使わなければ。
他のやつらもこちらに通信を入れてくる。
『奏!!お前…本当に良かった…』
「おう、一夏お待たせ。後一発殴らせろ。」
『あんたもよ奏!!勝手に落ちたりして…』
「不可抗力なんで無罪を主張します。」
『本当に…奏さんなんですか!?』
「実は別人か双子の兄弟かもよ?…冗談だからね!?」
そう言いながら俺もシャルロットの元に行く、福音は空気を読まず俺の方に向かってくる。
…って言うかこんな状況で感動の再会なんてやってる方が悪いわな。
だが銃を向けさらに何十発と撃ち込み福音を弾き飛ばす。
『奏兄……怪我は!?』
「あ~とりあえず泳ぎすぎて体が痛いってくらい?いやぁ~海なめてました。もう一生分は泳いだ気分。」
『本当に…本当に良かった…』
「あ~もう簪ちゃんも泣かないで。まだ終わってないからね?」
こちらが会話をしている最中にも福音は俺を集中的に狙う。
福音の広範囲攻撃……ためしにやってみるか。
こちらに向かってくるエネルギー弾に撃ちこんで見るとかき消した。
……対エネルギー弾用実弾?……深く考えるのは今はやめよう。
『奏…私のせいで…』
「ああ~もう箒のせいじゃないからさ!!うじうじするのは後!!あと皆戦闘に集中!!」
『……風音…その機体は…そんな事より戦えるのか?』
「あ、千冬さん!!ただいま帰りました!!天国はどんなところかのおみあげ話聞きます?」
『……ガザネ゛グ~ン゛良かった…』
「ああもう山田先生まで……」
そんな風に笑いながら通信に答えているとシャルロットにようやく近づく。
シャルロットは顔を伏せぎみに近くで止まる。
本来なら戦闘中だと注意したいのだが…
機体はボロボロ、シールドユニットらしいものは砕け、さらに顔中ドロだらけだ。
本当にがんばったんだな…
「あ~……シャルロット、とりあえず今は一言だけで勘弁してくれ。」
「……」
言葉無くうなずくシャルロット。
「よくがんばった。それと約束どおり帰ってきたぞ?」
「……」
反応は無い…え?どうすりゃいいの?
ここで回りに意見を聞いたらやばい気しかしないから強制的に切り上げよう。
「とりあえず積もる話をするために福音を落とそうか!!」
「……うん…」
あ、こいつ感極まって言葉が出てないだけだ…
うわぁ…一人でこのタイミングで告白するべきか悩んでた俺が馬鹿みたいっていうか…まぁいいや。
とりあえず福音を落とそう。俺は今までのふざけた感情を一時的にすべて追い出す。
感覚を戦いに集中させろ…
戦い方は……やっぱりヴァッシュの戦い方だな。
むしろ俺はそれしか知らない。
「全員エネルギーは!?」
『箒の単一仕様能力で全員回復済みだ!!』
「わかった!!とりあえず一夏、お前が決めろ!!全員動きを止めるぞ!!」
『『『『『『『了解!!』』』』』』』
そう言って全員囲むように動く中俺と箒は福音に突撃する。
箒が斬りかかろうとした瞬間に福音が羽のエネルギー弾を撃ちだろうとする。
『っ!!』
「箒!!関係ない!!突っ込め!!」
『!?ああ!!』
放出される瞬間のそれをすべて撃ち貫くき、さらにクローも弾き飛ばす。
福音も何が起きたのか理解できずにそのまま箒の斬撃が直撃する。
逃げるように動くそれを全員で袋たたきにしさらに追い込む。
途中何度もエネルギー弾を撃ちだすが……
撃ち落とせるのならば怖くない。両手の銃ですべて撃ち落す。
『……奏!!動きを止めれるか!?』
「余裕!!」
『ソウ!!ソウをねらって羽で包むアレが来る!!』
「へぇ…」
そう言ってあえてそれにつかまる。
これに俺は落とされたんだ…リベンジしようじゃないか!!
全方位からの砲撃、それを全力で受け止める、否撃ち落す。
撃ち砕かれたのはエネルギー弾だけではなくその後ろの翼まで穴だらけである。
綺麗な球体をかたどっていたであろう翼が引き裂かれるように解除される。
その中から銃を両手に展開した状態で無傷で福音を撃ち動きを止める。
結果福音の特徴的なエネルギーの翼も穴だらけである。
『………なんてめちゃくちゃなの…』
『出鱈目ですわ…』
「いまだ一夏!!」
『ああ!!』
唖然とする二人の声は気にせずに一夏に声をあげる。
一夏は既に全速力で突撃しており左手からはブレードが展開されている。
『これで……しずめぇぇぇぇえええええええ!!』
そのまま突撃する一夏…そして福音と共にそのまま島に突っ込む…
福音にしばらくブレードを押し付けると福音の動きが止まる。
そこで一夏もブレードを離し距離をとる。
しばらく誰も言葉を発していなかったが千冬さんからの通信が全員に入る。
『現在時刻をもって…
『『『やったぁ!!』』』
『了解、帰還します。』
「っしゃ!!ゆっくり寝れる!!」
『そこかよ!?』
『………ソウ…』
声がして後ろを向くとシャルロットがそこに居た。
……あ~帰ってから…って言いたいが仕方ないか。
俺はため息を付いて簪を呼ぶ。
「簪ちゃ~ん、この
『わかりました。』
『……奏、逃げるんじゃないわよ!?』
「鈴…僕がそんな奴に見えるか?」
『一度逃げてるじゃないですか?』
「いや、セシリア、あれはだな一応俺なりに考えがあって――」
『クラリッサはそういう奴は最低の男だと言っていたぞ、確か……玉無しだったか?』
「よし、ラウラ。一回お兄ちゃんとそのクラリッサって人と会話させなさい、言いたい事ができたわ。」
そいつが絶対俺の事を兄と呼ぶように仕立て上げたに違いない。
って事は言いたい事は山ほどあるな。
などとふざけた事を考えていると千冬さんの声が飛ぶ。
『お前らいいから早く帰還しろ!!……後奏とシャルロットはしばらくそこの空域の警備をしろ。不審なものがあったらすぐに連絡しろ。』
「……千冬さんまで…」
『奏……がんばれよ。』
「よし、一夏、お前が帰る前に先に一発殴っておくか。おい、逃げるな一夏!!オイ!!」
俺が吼えてる間にもあいつらは去っていく。
はぁ……あいつら何やってるの?って言うかいつの間に千冬さんを味方につけていたんだ?
さてまず何から話すか…と考えているとシャルロットが先に話す。
「……体…本当に……大丈夫?」
「うん?……あ~あ、あの落ちたときの最後の攻撃もほとんど塞いでたしね、ただISが逝っちゃって…今まで連絡できなくてすまなかった。」
「……なんで…あんな無茶したの……」
「……よし、一旦どっかの島に行こう。このままだと野次馬がうるさくて話づらい。スウゥ……聞 い て る ん だ ろ ! ? お 前 ら ! !」
『い、いや、俺は!?』
『『『『『『一夏!!!!』』』』』』
最後に思いっきり大声を上げると馬鹿1匹発見。
しかしおかげで逃げる口実を手に入れたが…
今の声に山田先生の声も聞こえたような……き、気のせいだろう。
とりあえず適当な島に向かって俺とシャルロットは飛んだ。
幸福というものは、一人では決して味わえないものです。
~アルブーゾー~
ということで颶風は……ほとんど戦闘シーンも無く逝ってしまいました。
新しいIS(?)についての解説はまた今度!!
見た目は正直単なるヴァッシュのコスプレです(笑)
『トライガンマキシマム』のヴァッシュの最後のコートをイメージしてもらえれば。
ではまた明日!!