参加者達の前夜祭   作:ルークGジャッカル

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たったひとつの願い

正解ってなんだろうか

幸せってなんだろうか

 

 

 

 

そう考えているのは、一人の少年だ。

名前は「田村圭人」

どこにでもいるような10歳の少年だ

彼は、明るい性格で、笑顔が好きだった

いつもクラスの楽しい雰囲気を作るムードメーカー的存在

そして、誰よりも人の事を思い、行動してきた

彼はクラスの中だけだが、ちょっとしたスター的存在でもあった。

 

 

 

「普通」という幸せを持っているように思えるが、必ずそうとは言い切れなかった

 

 

 

 

 

 

彼は、自分の母親から虐待を受けていた

 

 

 

 

 

 

毎日受けているというわけではない

彼の両親は共働きで、それぞれが家族のために、必死に働いていた

しかし、毎日うまくいくわけではない

時として、うまく事が進まなくなる

そんな時に湧き上がる負の感情を、彼の母親は自分の家族にぶつけてしまっているのだ

父親や姉が止めにいった事が何度もあったが、それも無駄だった

 

 

 

彼はそれに対して何も言わなかった

母親が手をあげてしまった後に必ず「ごめんね」と言うその声に、「大丈夫、大丈夫だから」と笑って返すだけだった

彼は、これを虐待だと思いたくなかった

ただ、お母さんはどうしたらいいかわからないだけだと、自分に言い聞かせていた

そんな何とも言えない空気になる日が、何度か続いていった

その度に、彼の傷は増えていった

 

 

 

 

 

 

 

ある日、姉の行方がわからなくなった

母親と父親にどこにいったか、何でいなくなったのか聞いたが、二人とも、どこにいったのかも何故いなくなったのかも知らなかった

何の前触れもなく、いなくなってしまったのだ

その後何日は、家族全員で探したが、見つかる事はなかった

 

 

 

 

 

 

 

姉がいなくなってからは、家の雰囲気がよいものとは言えなくなっていった

その影響なのか、母親の心は更に病んでいき、彼の傷が増えてきた

彼はもう限界だった

今にも崩壊する所まで来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…それでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも彼は、笑顔でい続けた

母親に「僕は大丈夫だよ、だから安心して」と優しく返した

家でも、学校でも、笑顔でい続けると決めた

どんな時でも、みんなの笑顔作っていこうと決めたのだ

 

 

 

 

 

 

そして彼はひとつの願いを得た

それはスターになる事

テレビや舞台などで活躍するスターになる事を、純粋に願った

スターになれば、みんなを笑顔にすることができるし、父親と母親を助けられる、姉も戻ってきてくれると考えた

今にも崩れそうな場所で、まばゆくも温かい星を見た

彼はそんな星になろうと決めた

 

 

 

 

 

田村圭人は今日も、温かい星になろうと、笑顔でい続ける

大切なもののために…




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