異世界レイヴンズ   作:ローグ5

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異世界レイヴンズの第1話です。

ちなみに作者は3~LRでマシンガンやらチェーンガンばかり使っていたので
自然とそれらの登場機会が多くなりますがあしからず。


Mission.1 First contact

205X年の東京の郊外。平日であることもあり多くの人々が行きかっているはずのその場所には見る人の目を疑うような異物が鎮座していた。

 

ぬけるような青空の下にまず目につくのは巨大な楕円の異物形。道路に屹立する異物は遠目には形もあり鏡のように見えた。だがそれが鏡であるはずはない。何故ならそれは―――――黄金と銀の2色の紐が無数に重なり、結び付いて出来た直径数十メートルの楕円であり、その内側は淡く光っている。そしてさらに驚くべきことに光からは次々と人が歩み出てきた。

 

光より歩み出てきた人々もまた異様だ。歩み出てきた人々はその多くが金属製の鎧や槍または剣、一部は弓と言った中世的な武装をしている。さらに数は少ないが彼らの中には人間より鎧とこん棒で武装し、巨大な緑の肌の生き物や人を馬のように乗せた竜のような生き物が従っている。まるで若年層の人々に好まれるファンタジーから出てきたような姿をしていた。だが行進する兵士、そして指揮する騎士たちに自分たちが奇抜であるという意識はない。あるのは見る者に衝撃すら与える大軍勢に対する誇りだ。

 

――――――これほどの、空前絶後の軍勢で将となれることを誇りに思う。軍勢左翼の一部を指揮する新進気鋭のコーデリア伯爵は軍勢に対する興奮と誇りを抑えきれない。彼の領地の属する帝国は、仮想敵国たる共和国や法国との植民地獲得競争への勝利に向けて、古より芳醇な世界が広がるという『門』を半年前に発見した。そして事前偵察の元に一大侵攻計画を立て、今日この日に5万もの軍勢を以て侵攻を開始したのだ。

 

奇しくもほぼ同時期に門を発見した各国に先んずるため急ピッチで準備が進められたことは否めない。しかし世界最大最強国家である帝国はこれほどの絢爛たる軍勢を組織し、異世界へと乗り出した。まだ20代半ばの年であり、

本格的な戦に参加するのが初めてのコーデリアは沸き上がる思いを抑えきれない。

 

「この軍勢が、私の指揮する竜騎士隊が、帝国繁栄の礎となる異界に覇を唱える日が来るとは…!まさか田舎領主で終わると思っていた私の人生にこんな輝かしい日が来るなど、これまでの鍛錬の甲斐があったものよ!」

「ふふふ……流石若様は勇敢でいらっしゃる。このじいも使え概があるという物です」

「若様はやめろじい。私はもう4代目コーデリア伯爵なのだぞ」

「はっ失礼しました」

 

コーデリアは笑いながらも獅子を模した兜の尾を締めなおす。父を国境紛争で亡くして以来の苦節も今日この日報われる。彼の胸の内にはただひたすら栄光への確信のみがあった。

 

そしていよいよ門より全軍が出でて隊列を整え、敵軍に突入する段階である。竜騎士隊を率いる彼も誇りある戦をするべき時が来た。軍の後方に控える総大将たる第二皇子が軍機を掲げる。金髪碧眼の彼が、逞しい巌のような面持ちのコーデリアが、幾万の雑兵たちが見るのは眼前に広がる敵兵たち。

 

「しかし異界の者達は奇妙なものだな。それに―――――」

 

敵兵たちはこちらと全く異なる異界の人間らしく異様な軍様をしていた。地味な色の服をした兵士らしき人間がちらほら居るのはその格好に目をつぶればまだわかる。だがその他の平べったく長い帯で覆った車輪を付けた物や頭頂より轟音を響かせて飛ぶ丸い物。そして―――――――一際目立つのっぺりとした一つ目の巨人。帝国の軍勢からすれば僅少に見えるそれらが異界の人々の軍勢であった。

 

「なんとも我らに比べて見ずぼらしいものよ。じいよ。あの巨人は確か何と申したかな?」

「はっ、確か捕らえた現地の者達によると。AC(アーマード・コア)なる兵器の様で。大きさだけはありますが

何とも不格好ですな。新兵器とのことですが所詮は傭兵の駆る物。そう価値があるわけではないのでしょう」

「アーマード・コア…ふん、不格好な姿であるが大きさはいい。我が初陣の槍の錆にしてくれよう」

 

およそ初陣とは思えない獰猛な表情でコーデリアは兜の面を下ろし槍をしごき構える。彼と同様に兵士たちも緊張の面持ちで獲物を構える。全ては帝国の為。武人の本懐を果たす為。彼らは帝国の歴史に名を刻む突撃に向けて奇声を遭上げた。

 

そして今、第二皇子が軍旗を勢いよく振り下ろした。

 

「行くぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」

 

裂帛の気合と共に竜に乗ったコーデリア達が飛び立ち、魔物も交えた兵士たちが突撃する。勇壮にして豪華絢爛、帝国史上最大の軍勢は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬にして砕けた。

 

「……‥…………は?」

 

最初にコーデリアが感じたのは轟音だ。異界の軍勢の物や巨人の筒先が発生源であることを悟る前に帝国の軍勢が砕け、同時に轟音が響いた。

 

異界の軍勢は轟音と共に筒状の物の口から何か、目にもとまらない速さの何かを放ち、帝国軍を殺戮する。超高速の光が兵士を切り刻み、爆発が騎士や馬の肉体を砕き巻き上げた。さらに彼らが放つ物よりは遅い物の放物線を描き黒い弾丸が光栄に降り注ぎ、悪夢的にも黒い弾丸は中空において木っ端みじんに破裂し矢じりのような子機をばらまく。帝国からするとあり得ない広範囲にばらまかれた矢は帝国の誇る高位魔導士たちや文官、そして第二皇子までをも地面に縫い付けた。

 

「あ…ああああ……嘘、だろう?」

 

空中で狂乱する竜を押さえつけながらコーデリアは呆然とする。無敵であるはずの帝国軍が、これより新たなる歴史を築くはずの帝国軍が一方的に殺戮されていた。身分も出身も役割も問わずただ異界の軍勢による何らかの手段により皆殺しにされていた。その中には自分を教育していたじい、も。彼もまた爆発に巻き込まれて上半身が吹き飛び、顔面から零れ落ちた目がコーデリアと一瞬会い、地面に落ちた。

 

「あああ…あああああああ……ああああああああああああ!!!」

 

自分の立場を忘れ激発したコーデリアは槍を携え竜を駆り、ただ自身の恩人を殺した巨人へと突進する。唐突にもほどがある蹂躙と恩人の死に最早彼の脳には帝国の未来など吹き飛び敵への憎しみしかない。自分の第二の親とも呼べる恩人や部下を殺した巨人を殺したい。それしかなかった。

 

「死ねえええええええええええ!!!!」

 

突撃に反応した巨人が柔軟に胴体をコーデリアに向ける。単眼を向けるも反応が遅れた。勝利への喜悦にコーデリアは目を見開くが、横合いより放たれた無数の閃光が彼に痛みも感じさせず竜共々血煙へと変換せしめた。

 

眼前での野蛮な殺し方にACのパイロットは顔をしかめる。人間がミンチに変換される様はいつ見てもいい物ではない。

 

『殺そうしているんだ。殺されもするさ』

 

押し殺すかのような笑いと共に先程竜騎士を殺したショットガン持ちのACが告げる。どこか喜悦をにじませたかのような動きの彼はどこか昆虫的な印象の軽量2脚ACをジャンプさせ中空より壊滅した軍勢へ向けて容赦ない射撃を行う。

 

趣味がいいとは言えない行動をよそにACのパイロットも時期の引き金を目につく的をロックオンし引き続ける。

それが彼のレイヴンとしての、そして地球の人々とアルカピアの人々のファースト・コンタクトだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

秋晴れに澄み渡る空を何羽もの鴉が飛んでいく。地球と同じ黒い体をした鴉は高い空を飛んでいく。まるで重力にもそれ以外の何物にもしばられないように。

 

飛び去る鴉をじっと眺める男がいた。高い壁の内側においてさらに金網で隔てられた軍事基地の端に何らかの兵器の格納庫。安手のパイプ椅子に座った男は鴉を見上げていた。中年男の手にはアーマード・コアの書かれた雑誌。

大衆向けの週刊誌であるのかどうもフォントが安っぽい。

 

「旦那ぁ。武器の整備の方終わりましたよ」

「おお、終わったか。内装の武器とのマッチングはどうだ?」

 

どすどすと音を立てて歩いてきたのはいかにも整備員らしいツナギ姿の大男だ。ただし緑色の肌をしており、その額には角が生えているが。

 

「ばっちりですね。やっぱりソフトウェア系はアメリカ製が一番です。インド製もいい線言いていますが軍用はまだまだです。」

「そうか。ならFCSは今まで通りでいこう」

 

彼は姿の通り人間ではない。オークと呼ばれる種族の一員である。所謂オークと呼ばれる種族は異世界『アルカピア』においては小なりとも国家を持ちそこそこポピュラーな種族である。しかし中年男の出身地である地球ではファンタジー作品に登場するのみの架空の種族であった。少なくとも地球側がアルカピアの存在を認知するまでは。

 

「了解です。特に問題はなさそうでしたが一応データまとめといたんでみといてください」

 

さらに言えばこのオークの男は勤勉な技術者であった。日本の東工大で機械工学を修めた彼は仕事ぶりも緻密で中年男も信頼を置いている。メモリーチップのデータもいつも通り分かりやすく整然とまとめられているだろう。

 

「分かった。土曜日に悪かったな」

「いえいえ。最近この辺りも物騒じゃないですか。仕事さぼった結果テロリストにローストポークにされちゃたまりませんからね。去年のコジマだったっけな…日本の科学者が暗殺された事件もありましたし。あとほら、旦那の雑誌でもどっかの支援受けた旧帝国系テロリストが暴れまくっているて書いてありますよ」

 

100グラム何円で売られるバラ肉になるのは勘弁っすとオークの男は肩をすくめる。彼の言う通り中年男の持つ雑誌には地下時価近隣地域を騒がせるテロリストと各メガコーポの雇ったレイヴンの戦闘について伝えている。その被害を被った現地民についてもセンセーショナルに。

 

「しかし騎士とか貴族からするとやっぱり不満なんですかね。メガコーポとかの統治って」

「まあそりゃそうだろ。これまで自分たちが上位の社会で自由にふるまっていたのに突如頭を抑えられれば……まあ、そうなるだろうなぁ。頭が日和りたくても下が許さん。戦うしかないだろうな」

「俺らみたいなオークからすれば大歓迎だったんですけどね。寿命も大幅に増えたし経済状況も改善された。割といいことずくめだったけど…何もかもはうまくいかないもんです。あ。そうだそういや聞きたかった事があるんです」

「ん?なんだよ」

 

其処でオークの男はポンと手を打つ。その仕草は堂に入っていてやけに日本人じみていた。彼は以前より気になっていたことを質問する。

 

「確か旦那って十数年前のあの時…アルカピアと地球のファーストコンタクトの時にレイヴンとして立ち会っていたんですよね?」

 

質問を受けた中年男はベテランのレイヴン―――――ACを駆る独立傭兵である。

 

「あの時ってどんな感じだったんです?ウワサでは地球の方もそれ相応に混乱があったと聞きますが」

「ああーあの時な。確かにあの時もう俺はレイヴンだったけどそれなりに混乱があったな。でもだからこそ終えみたいなレイヴン、当時はせいぜい全世界で30人程度が送り込まれたんだよ。そして俺は門から現れた帝国軍を――――」

 

其処までレイヴンが言ったところでどこか不気味なサイレンが鳴り響く。不吉な音色は敵襲を告げていた。弛緩していた雰囲気の整備員や搭乗者はばっと駆け出す。オークの男と中年男も同様だ。

 

「さっき言った傍からこれですかい!?瓢箪から駒かよ!」

「良く知ってるなそんなことわざ。なあ俺の機体は組んであるよな?」

「当然です!武装との同期も完了していつでも出れます!俺はシェルターに引っ込むんで後よろしくお願いします!」

 

それを聞くと同時に中年とは思えない速度で男は駆け出していく。格納庫を1つ、2つ超え建てられたのは彼の機体がある格納庫。ガラガラと重い音を立て開いていく扉から滑り込む彼の目には愛機が映る。十数年前のあの時より、姿もそれを成すパーツもすべて変わった。しかしそれでも彼の期待にこたえ続ける愛機『エーアスト』の鈍色の雄姿が。

 

中年男、レイヴンネームアンファングはタラップを上っていく。鋼鉄のワタリガラスの責務を果たす為に。

 

 

 

 

 

205X年のその日、世界は変わった。日本やアメリカをはじめとする各国に侵攻した中世程度の文明を持つ異世界―――――後に『アルカピア』と呼称された異世界の国家群は卓越した戦力を持つ地球の軍隊に苦も無く撃退され、世論的問題からPMCを中心とする地球の国家群の軍勢に逆侵攻を受けた。

 

帝国を始めとするアルカピア国家群は某弱無人と言っていい蹂躙を受けることでその軽率な侵攻の代償を支払ったが、さらに彼らにとって不運だったのは彼らは知らなかった事であるが、彼らの大地もまた地球と同様に豊かであったという事だ。彼らの領土には彼らが到達するにはおよそ数百年ほどかかるだろう高度なレベルの産業に必要不可欠な資源がそれこそ山のようにあることが判明したのだ。

 

それから各国の――――――正確には倫理問題に縛られた各国政府ではなく高い経済力と発言力で肥大化しつつあったメガコーポ主導でアルカピアへの入植と開発が始まった。開発の影響はすさまじい。日本やアメリカにある合計6の門からは兵器に様々な電化製品や輸送機械、さらには日用品までもが流れ込み、対照的に貴重な資源が地球にもたらされた。それはかつてのバブル時代を思い起こさせるような凄まじい勢いで、熱量を失いつつあった地球では、アルカピアの市場を基盤とした新たなる経済は回り始めた。先進各国は久々の好景気に沸き、メガコーポはさらなる成長を遂げていく。

 

しかし過去の歴史からもわかるようにこうした植民地経済は不平等な搾取によって成り立つ。法の目の届きにくい異世界のアルカピアでメガコーポは資源獲得の為に手段を択ばなかった。そうした乱痴気騒ぎに対してとある英国の経済学者は「資源豊富なアルカピアの発見はパンドラの箱を開けてしまったようなものだ。豊かさの為には一方的に搾取可能な人々が必要という忘れかけていた事実を再び人々が知ってしまった。これは後の世に禍根を残すだろう」という旨の嘆きを生前残した。(尚彼は異世界現地でとあるメガコーポを名指しで批判した数か月後テロに巻き込まれて死亡した。)

 

故に開発競争に出遅れた一部先進国と大多数の途上国の暗躍もありアルカピアの情勢は混迷の一途をたどる。各地で活動する反メガコーポ組織の中には機動兵器を有する者も多数存在し、現地民入植者問わず多くの人々の生命が、そしてメガコーポの財産が危険にさらされていた。

 

―――――――故に彼らに白羽の矢が立てられた。205X年に地球において勃興しつつあった彼ら、メガコーポの依頼を受けて最強の人型兵器であるアーマード・コアを駆る独立傭兵達、通称レイヴン。彼らの並外れた力が地球から限りなく遠く、限りなく近い異世界アルカピアにおいて確かに必要とされるようになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

昏いコックピットの中、正面を始めとする幾つかの液晶画面の照り返しを受けながらレイヴンの一人であるアンファングは機体の動力を活性化し各種スイッチを押し機構をONにしていく。彼の愛機である中量2脚ACエーアストは旧型であるが故に起動は最新型の4世代型ACに比べて遅い。しかしそんな欠点を押して有り余る信頼性が長年使ってきたこの機体にはあった。

 

『こちらブラボ―3!敵の攻撃が激しい!バックアップを…ぐわあああああああ!!』

『ブラボ―3が堕ちたっ!旧型MTじゃ歯が立たない。速くACの増援を頼む!』

 

立ち上げ中のエーアストがいる格納庫と街の外縁に異物を拒むように建てられた壁の向こうは戦場となっている。

阿鼻叫喚の巷となっている其処は常人には耐えがたい地獄だが、ベテランレイヴンであるアンファングにとっては常日頃と変わらない。

 

『聞いての通りだレイヴン。敵は波状攻撃を仕掛けており、こちらの戦力は主力が出払っておりあとわずか。君の力が必要だ』

 

電子的に変換された音声がコックピットに響く。依頼主である将校の声は切迫していた。

 

『ミッション内容はブリーフィングの通り敵勢力の撃滅。よろしく頼む』

「ああ…敵にACはいないのか?」

『敵はMTが8機、戦闘攻撃機が2機だ。おそらく装備からするといずれかのメガコーポの支援を受けている』

 

画面に映されるのは成程、レイヴンにはテナガザルと蔑称を頂く手の長いMT(マッスル・トレーサー、アーマードコアのようなパーツ換装機構を持たない廉価型機動兵器。ただし高級な物は数機居ればACを撃破するのに十分な戦力を持つ)も平べったい戦闘攻撃機もポピュラーな品ではあるが地球圏の正規軍でも通用する物。テロリストにしては装備がよすぎる。

 

「了解した。こちらアンファング、エーアスト立ち上げを完了。出撃する」

 

立ち上げ終了と共に開きつつあるシャッターの間から身を起こしたエーアストが一歩を踏み出す。鋼鉄の巨人にふさわしい重厚な足音と共に足が地面に鉄槌のように打ち付けられ地面を震わす。一歩、二歩、確実に巨人は王であるかのような偉容と共に歩み空を見上げる。

 

何処か地球とは異なる青で塗られた空に薄く浮かぶ月は二つ。アンファングがアルカピアとの戦争で引き金を引き、この世界に降り立って戦い続けてから十数年の間変わらない異世界の空だった。

 

「ふっ」

 

アンファングは何処かニヒルに笑うと竜の咆哮めいた轟音と共に全身のブースターを起動。一気に城壁まで上昇すると空手の型のように足を開く開き城壁を踏みしめ、エーアスト背部の長大なグレネード砲の砲身を展開する。狙いをつけるは空中の戦闘攻撃機。慌てて回避する2機の機動を読みトリガーを引く。

 

方針の後部が後退するとともに放たれた砲弾は近接信管が作動。至近距離で爆発し戦闘攻撃機2機に致命傷を与えた。幸先よく機体を穴だらけにして煙を引き堕ちていく2機とすれ違うかのように城壁より飛び降りブースターをふかしながら眼前に広がる巨大な高架道路に滑るように降り立つ。

 

『こいつ…レイヴンか!?面倒が増えたぞクソったれめ!』

『怯むな!囲んで死角からジェネレーターをぶち抜いてやれ!』

 

エーアストという特筆すべき戦力に気づいたMT達が包囲網を作ろうとするがアンファングの反応の方が早い。

蛙飛びのようにブースターをふかしては消すAC独特の機動、俗に言う小ジャンプ機動を繰り返しながら不用意な一機にマシンガンを固め撃ちし、崩れ落ちる敵機を盾にしながら後衛に接近。すれ違いざまにブレードで両断した。

 

両断され爆炎を上げる機体をよそにエーアストは再加速し、次の獲物を狙っていく。その動きは熟達のレイヴンたるアンファングの元まるで芸術の如き、一種の凄まじさがあった。

 

この激しい戦闘こそが彼の日常。あの日、地球とアルカピアの不幸なファーストコンタクトより続く闘いの日々。

 

それこそが最初のレイヴンの一人であり、最初にこの大地に降り立った鋼鉄のワタリガラスの日常であった。

 




☆設定紹介

・アンファング/エーアスト
アルカピアによる地球侵攻当初より活動しているベテランレイヴン。旧型機を駆るもののオールラウンドな高い技量、そして豊富な経験を活かしてここまで生き抜いてきた。

・アルカピア
地球とは別の異世界。それまで伝説の存在であった門を発見したことをきっかけに帝国、共和国、法国と言った主要国が地球に攻め入るが壊滅(大体GATEと同じような感じ)し、メガコーポ主体に運治・経済の両面から侵略を受けた。結果としてほとんどの国家は滅ぶか傀儡国家となっており治安については荒れ果てている。

・レイヴン
機動兵器アーマード・コアを駆る傭兵達の総称。205X年当時は数えるほどしかいなかった物の、アルカピアへの侵攻を機に急激に数が増加。現在では公式発表にあるだけで200名以上がアルカピアで活動している。

・メガコーポ
2020年代より各国の大企業が生き残りをかけ合併を繰り返し成長していった。そうして生まれた各国メガコーポは資源の豊富なアルカピアへの進出、悪く言えば侵攻を繰り返す事でさらに巨大化していった。ただしアーマード・コア各作品と違い政府はまだ現存し力を持っているのでそれほど好き駆っては出来ない。
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