ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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えー…この先、まぁまぁなユジアリ要素を含んだお話がございます。甘いのが苦手な方はお気をつけ下さい。

あと、ベルクーリの叔父様がかなり掻き回しますので、そちらもお気をつけ下さい。

シリアスなのか、ラブコメなのか…入り混じったお話ですが、それでも大丈夫なら、どうぞ!

P.S. 1/1夜空の剣届きました!…が、まだ梱包から開けられないほど、仕事が忙しい!?


第ⅩⅩⅡ話 「奪命の閃光」

「…来たか」

 

後方に位置する補給部隊と救護所への奇襲を退けた人界軍はその勢いに乗り、ダークテリトリー軍第1陣の撃退に成功した…しかし、受けた被害も多く、第一部隊全てもこれ以上の戦線維持は限界が迫りつつあった。

 

そんな中、第2部隊の中央の指揮を務めるベルクーリは隊から一人突出し、その時を待っていた。そして、その眼光が開かれた時、ダークテリトリー軍側の上空から日が沈もうとする夕空さえも多いつくそうとする程の群団…総勢800体の人工ゴレーム『ミニオン』が迫ってきた。

 

しかし、ベルクーリは慌てることなく…むしろ、予想通りといった様子で自らの神器…時穿剣を振りかぶった。

 

「すぅ…時穿剣、空斬!!」

 

気合と共に剣を大きく振り降ろすベルクーリ…明らかに空振りに見えた一撃だが、その技は発動した。

 

東の大門上空を人界軍目掛けて飛行していた一匹のミニオンが体制を崩した…かと思えば、それに続くように次々とミニオンが落下し始めた。続々と地面へと沈んでいくミニオンの体は…何か強烈な斬撃を浴びせられたかのように粉々になっていき、その死骸を地面へと散らしていく。

 

ベルクーリが放った一撃…正確には、既に放っていた無数の斬撃が、時穿剣の武装完全支配術により実体化したのだ。

 

武装完全支配術『空斬』…少し先の未来を斬るというこの斬撃は、ベルクーリが技を発動させることで空間に放った、もしくは空間にとどめられた斬撃を時間差で実体化させる技である。

 

(あれは…ベルクーリさんの時穿剣の…!)

 

カーディナルさんとフォンの治療をマーベルに頼み、後方から前線へと戻って来た僕は、無数の鳥のような何かが空から落下しているのが見えた。そして、それらを撃ち…いや、斬り落としている斬撃に見覚えがあった僕は、ベルクーリさんが持つ時穿剣の武装完全支配術だと理解した。

 

(セントラル・カセドラルでも見せた、未来を斬る斬撃…斬ったところに斬撃が残る技…あの時は単発のみだったけど、本来はあんなに斬撃を重ねられるものなのか…!?)

 

カセドラル90階で戦った時にも言っていたが、ベルクーリさんは暗黒騎士が繰り出す連続剣に敗北したことを契機にあの技を生み出したと言っていた。

 

ベルクーリさんの巨体から繰り出される強力な一撃と、その斬撃を残す時穿剣の武装完全支配術…その反則的すぎる組み合わせの真の力を見ていた僕は驚き、本当にあの時はよく相打ちに持ち込めたものだと思った…尤も、ベルクーリさんも多少の手加減はしていたのもあったんだろうけど…

 

無数の斬撃に囲まれ、もしくは直進していたことで逃げ場を失くしたミニオンは一匹残らず切り刻まれ、塵と化していた。

 

「ベルクーリさん!」

「…おう、ユージオ。後方の支援に行っていたと聞いたが、戻って来たのか?」

「はい。救護所の方はカーディナルさんが放った神聖術で大方が全滅、補給部隊の方もゴブリンの部隊長を仕留めたとのことで、撤退する敵を追ってきたんです」

「そうか…こっちもデュソルバートが平地ゴブリンの頭を討ったことで、指揮する者がいなくなったことでなんとか持ち堪えているというところだ。あとは…嬢ちゃん次第だな」

 

駆け寄ってきた僕に気付いたベルクーリさんから最前線の状況を聞かされる。前方からは先程よりも小規模ではあるが、未だに闘いが続いている戦煙が上がり続けていた。

 

人界軍の作戦上、第一部隊はまだ後方に下がることができない。部隊が大きく後退することで、こちらが大規模神聖術を放とうとしていることを敵に悟られてしまえば、作戦が半ば失敗してしまい、数の差を覆すことが難しくなるからだ。

 

敵にそのことを悟らせず、かつ、自分たちが囮になって敵の暗黒術士団を引き付ける…ベルクーリさんの言葉通り、後はアリスに全てが託されている状況だ。

 

「…アリスなら…きっとやってくれます」

「…ほう。嫌に自信がある言い方だな?」

「そうですか?…でも、そう思えてしまうんです」

 

意味ありげな視線と共にベルクーリさんがそう尋ねてくるも、僕ははっきりと再び言葉を返す。特に理由があるわけじゃない…でも、アリスなら…皆を守りたいと、自分の心を押し殺してまで闘おうとしていた今の彼女なら…きっとやってくれると僕は信じていた。

 

「もしかして……愛の力というか?」

「ゴホォ!?な、何言ってるんですか、ベルクーリさん!?こんな時に…!」

「ハッハッハ!まだまだ青いな、ユージオ?今の言葉ぐらい受け流せないと……おっと。嬢ちゃんからの合図だ。おい!」

「はっ!」

 

見事にしてやったりという笑みを浮かべるベルクーリさんだったが、上空から光…準備が完了したというアリスの合図に気付き、その表情が真剣なものに戻った。後方の伝達兵を呼び寄せた。

 

「信号弾を上げ、第一部隊に後退の合図を送れ!第二部隊にも衝撃に備えるようにすぐさま伝達させろ!」

「はっ!了解しました!」

「俺たちも下がるぞ、ユージオ」

「はい!(…アリス…信じてるから!)」

 

ベルクーリさんの言葉に頷き、僕は微かに見える雨縁の姿に…アリスへと思いを走らせ、すぐにその場から後退した。そして…

 

 

 

〈アリス View〉

(カーディナル様が授けてくれたこの神聖術…光素を鏡の玉の中で無限に反射させることで、一人の力であっても大部隊の術士に匹敵する術を放てる…こんな術を思い付かれるなんて)

 

戦端が開かれて幾ばくか…元々あった空間神聖力に、今もなお続いている戦闘により、人界・ダークテリトリー問わず出続けている死者から放たれる神聖力を集め続けながら、私はカーディナル様が組んだ術式に感嘆していた。

 

ルーリッドにいた時にも、セントラル・カセドラルに連行されて以降も、神聖術の勉強は続けていたが、この術式を思い付く発想が私にはあっただろうかと思わされてしまう程だ。しかも、この術式は一切の無駄を省いており、術者は神聖力を集め続けることにのみ集中できるようにまで配慮されているのだ。

 

これがカーディナル様の智能の為せる業かと思う反面、この術を発動させながら、私は拭い切れない違和感を覚えていた。

 

(どうして…人界軍のものならまだ分かるけど…どうして、ダークテリトリーに属する亜人族の魂からも放たれる神聖力も…その全部が温かくて、清らかなの?)

 

その答えを私はもう既に理解していた。

 

キリトたちが外の世界からやってきたということ、

カーディナル様が全てを正すためにこの世界を滅ぼそうとしたこと、

右目の封印を含め、この世界を見ている者たちがいること、

 

それは…人界とダークテリトリーの…全ての生きる者たちの魂の根源が全て同じだとしたら…生まれてくる場所が違っただけの違いなのではないか…そう思わせるだけの証拠は揃っていた。

 

(もしかしたら…この闘いにだって、本当は意味がないことなのかもしれない…カーディナル様もそれを理解してしまっていたから、世界を滅ぼそうと…)

 

もし今考えていることが全て合っているとすれば…私たちは何と戦って、何のために戦っているのか分からなくなってしまっていただろう。でも…

 

「キリト、フォン…貴方たちなら…こんな時、どう思うんでしょうね…?」

 

もしかしたら、彼らにもその理由は分からないのかもしれない…それでも、ここに無事な彼らがいたら、迷いながらも決して剣を振るうことを止めはしないだろう。だって…

 

「貴方たちはああなりながらも、最高司祭様に剣を振るった。世界のために…私とユージオのために…大事な人を守りたいという一心で闘ったのよね…?」

 

だから…私が闘う理由もはっきりしている。

 

今もなお、私たちの帰りを待ち続けているセルカやお父様たち、

 

騎士として、私のことを信じながら、闘い続けている叔父様やファナティオ殿の人界軍、

 

そして…私のためにいつも追いかけ、戦場を駆け抜けているであろうユージオ、

 

アリス・ツーベルクとしても、整合騎士のアリスとしても…私が守り抜きたい人たちが脳裏に映る。

 

 

「大切な人たちを助けるためになら…私は何も躊躇しない。数多の命を奪うことが罪だというのなら、それがこれからも私を苦しめるのだとしても……私は一人じゃない」

 

最期まで私と一緒にいてくれると約束してくれた彼が共にいてくれるのなら、この罪を両肩に背負うことに後悔することなど何もなかった。それで、全てを守れるというのなら…その思いと共に、私は神聖術を完成させる。

 

幾万の神聖力が収束し、光素となって幾度も反射し続け、底知れない力が込められた鏡玉が私の眼前に降りてきた。そして、金木犀の剣を抜き、人界軍を遠方から攻撃しようとする暗黒術士団、追撃部隊として迫ってきている地上の亜人別動隊を捉える。

 

『グルル…?』

「大丈夫よ、雨緑……ふぅ…」

 

私の姿を見て、心配そうな鳴き声を上げる雨緑。その声に優しく応えながら、金木犀の剣を上空へと掲げ、一息吐いてから術式を唱える。

 

「咲け、花たち!エンハンス・アーマメント!!」

 

金木犀の剣の武装完全支配術を発動し、後方に花弁を待機させる。それらを支所にし、金木犀の剣を鏡玉へと向けて、私はその一言を放った。

 

「…バースト・エレメント…!」

 

ルーリッドの時にも放った方法での術だが、あの時とは素材となるものが違った…私単体での神聖術などお遊びに思えてしまう…金木犀の剣の武装完全支配術までもが組み合わさった術が解き放たれた。

 

一瞬の閃光の後…一筋の光が地表を焼き払った…ただの一瞬、一筋の光、収束された神聖力に対して呆気なく放たれたそれは…全てを覆した。

 

進行していた亜人別動隊は気が付くことすらなく吹き飛び、その後方に位置していた暗黒術士団にまで光は届き、その一部を焼き尽くした…ファナティオ殿の光穿剣に酷似した一撃だったが、焼き払われた地表は未だに炎が全てを焼き尽くそうとしており、一部の地面は融解していることからも、その威力は比ではないものだと見て分かるものだった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その光景は…この無情な一撃を放ったのは自分だと思い知らされているようにも見えた。でも、尋常でない疲労に襲われながらも、今の私には後悔の念はなかった。

 

「戻りましょう、雨緑」

 

雨緑にそう指示し、私は人界軍の方へと向かい始めた。

 

 

 

「…凄い…」

 

後退してきた第一部隊と共にその光景を見ていた僕は、そう言葉を漏らすことしかできなかった。一瞬の閃光が地面走った瞬間…敵陣は地獄の業火へと呑まれていた。

 

目の前の光景が未だに信じられないと同時に、ここまでの術を行使したアリスのことが心配になった。すると、上空から一つの影が降りてきて…それが雨緑だと気付いた僕は、その着地場所へと駆け寄った。

 

「お疲れさま、アリス…よくやってくれましたね」

「…っ…!?」

「アリス!?」

 

雨緑が地面に着陸し、アリスの姿を見た兵士たちから歓声が上がった。そして、アリスの帰投にファナティオさんも気付いたらしく、声を掛けた時、アリスが雨緑から落下しそうになり、すぐさま落下地点に滑り込んだ僕は彼女を受け止めた。

 

「ううぅ…ゴメン、なさい、ユージオ…ちょっと力が抜けて」

「気にしないで…今はゆっくり休もう」

「ユージオの言う通りよ…敵はほとんど撤退したわ。これは貴女が導いた勝利よ」

「あり、がとう…ございます、ファナティオ殿…ですが、戦いはまだ終わったわけではありません。今の術式で屠られた敵から、新たな神聖力が発生した筈です。それを敵に再利用されないように…!」

「ええ、分かっているわ。拳闘士部隊はともかく、まだ敵の暗黒術士部隊も残っているようだしね…すぐさま修道士隊に命じるわ」

 

なんとか体を起こそうとするアリスを支える。僕に支えながら、アリスはファナティオさんにこれからの対策を提案し、それに賛同したファナティオさんが部隊の更なる後退と修道士隊に神聖力を枯渇させるように治癒術の行使を命令していく。

 

「私はこのまま本陣で指揮を取られている騎士長閣下に報告してくる。兵たちに敵陣の見張りはさせるが、ここの指揮を任せてもいいかしら、アリス?」

「私は…少し休めば大丈夫ですから」

「そう…ユージオ。アリスが無茶をしないように、傍についていてもらえるかしら?」

「分かりました」

 

今にも無理して動こうとしているアリスを見て、僕へとアリスのお目付け役を頼んだファナティオさんにそう答える。すると、ファナティオさんはそのまま本陣の方へと向かっていった。

 

「そんなに信用ないかしら、私…?」

「今の様子を見たら、誰もがそう思うよ」

「…そう、なのかしら……そうだ。雨緑…あなたもよくやってくれました。寝床に戻って、食べ物をたっぷり貰いなさい」

『グルル…!』

 

ファナティオさんの言動が気になったのか、どこか困った顔でそう僕に尋ねてくるアリス。残念ながら、今回ばかりはファナティオさんの言い分の方が正しいと思い、苦笑いで頷く。

 

アリスは納得いっていないようだったが、気にすることを諦めたらしく、共に激務を乗り越えた雨緑へと声を掛けていた。その言葉を受けた雨緑は再び夜空へと飛び立っていった。

 

「…でも、無事で良かった。さっき雨緑から落ちそうになったのを見た時、本当に心臓が止まるかと思ったよ」

「ゴメンなさい…でも、ユージオも無事で良かった…どこも怪我はしてないのよね?」

「なんとかね…でも、カーディナルさんとフォンが…」

「えっ……二人がどうかしたの…?!」

 

僕が無事だったことを安堵してくれたのも束の間、フォンたちに何かがあったと聞き、アリスの顔に動揺の色が走った。何があったのか、僕が話そうとした時だった。

 

「…師よ…ご無事でしたか…」

「えっ……っ!エルドリエ!?その姿は……!?」

 

背後から微かに聞こえてきたその声に、僕とアリスが振り向くと…どこか焦燥し切った姿のエルドリエさんが立っていた。そして、その姿にアリスは更に驚いていた。それは僕も同じだった。

 

エルドリエさんの体の至る所には血が点在しており、それが彼自身の傷のものなのか、それとも返り血によるものか、全く区別がつかない程にエルドリエさんは血まみれの姿と化していたからだ。

 

「エル、ドリエさん…その血…!怪我は…!?」

「ユージオ…君も無事だったのだな。大丈夫だ…そこまで大きな傷は受けていないし、半分は返り血だ……私は…大丈夫だ…だが……この姿を晒すぐらいなら、一層戦いで命を落とすべきだったよ…」

「な、何を言っているのですか!?そなたには騎士として、この戦いが終わるまで衛士を率いて戦い抜くという使命があるではありませんか!」

「…私は……騎士として、その使命を果たすことができませんでした…」

「エルドリエ…?」

 

僕の心配もどこか上の空で答えるエルドリエさん…戦って死ぬべきだったと語る彼の姿に、アリスが驚きながらも言葉を掛けるが、エルドリエさんの目には後悔の色が映っていた。

 

「騎士長から左翼の第一陣を任されたというのに、ゴブリン共の策に嵌った上に陣をああも簡単に突破され、侵攻してきた敵兵はカーディナル殿に、族長はレンリ殿に討たれてしまって…私一人が翻弄された挙句何もできず…無様な姿を晒しました!アリス様の期待を…ユージオの信頼を…私は裏切ってしまったのです…!」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「私には騎士を…アリス様の弟子を語る資格などないのです!?何もできなかった私には…(貴女の心を望む権利も…!?)」

「エルドリエ…そなたはよくやりました!そなたがいなければ、戦場は更に混乱していたことでしょう!そなたがいてくれたから、私にも人界の民たちにも何の被害も出なかったのです!…そなたは必要な者です!なぜ…そのように自分を必要以上に責めるのですか!?」

「必要…?それは、戦力としてですか…?それとも…」

「エルドリエさん……アリスは貴方のことを…『グルル…!』…っ!?」

「「っ…!?」」

 

アリスの言葉ですら、今のエルドリエさんには届く気配がなく、その表情に更に影が差してしまった。アリスが言いたいことを分かってもらおうと僕も言葉を掛けようとした時…獣の咆哮が谷から聞こえ、僕たちは身構える。

 

「うううぅぅ…!ううううううううぅぅぅぅぅぅ!?」

「あれは…亜人…!?」

 

苦しそうな呻き声が近づくにつれ、その姿がようやくはっきりと見えた…半身が炭と化していたが、獣人の特徴を持った亜人が声の持ち主の正体だった。先程の術から奇跡的に生き残ったのだろうか…いつでも剣を抜けるように僕とアリスは構え、剣を抜刀し続けていたエルドリエさんがその前に立った。

 

「そなた…その姿からして、もう天命はほとんど残っていない筈…なぜ丸腰でこちらへと向かってきたのですか?」

「俺は…オーガの長、フルグル…!」

「オーガ族の長…?暗黒界十侯の一人か…」

 

眼前で対峙するこの亜人は敵の族長…さっきの戦闘でファナティオさんが討ったジャイアント族の長と同じ階級に属するなのだと、アリスの言葉から察した僕は更に警戒を強める。そんな奴が、こんな状態にも関わらずどうしてここまでやってきたのか、理由が分からなかったが、その訳を奴は話し始めた。

 

「俺、見た…あの光の術…放ったの、お前……あの力、その姿……お前、光の巫女…!」お前、連れて行けば…戦争終わる…オーガ、草原、帰れる…!」

「何を…言っている…?光の巫女…?戦争が……終わる?」

 

気になる言葉が次々に飛び出し、アリスが困惑していた…そして、それは隣に立つ僕も同じだった。オーガの言うことを信じていいかは分からないが…今の言い方では、まるでオーガ族は無理矢理戦わされているように聞こえたからだ。

 

それも戦争している理由が、アリスを手に入れるためにだという…その言葉は僕に衝撃を与えるには十分すぎた。動揺している僕たちに代わり、エルドリエさんがオーガの言葉に応じた。

 

「おのれ…獣風情が!何を言うかぁ!?」

「待ちなさい、エルドリエ!」

「っ…!?師よ、なぜ止められるのですか!?」

 

剣を掲げ、オーガに駆け寄ろうとしたエルドリエさんを、その腕を掴むと共にアリスが制止した。アリスの言動の意図が分からず、困惑の声が彼から上がる。

 

「そなたの言う様に、如何にも私こそが光の巫女だ。さぁ、私をどこに連れて行くのですか?」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

その言葉でエルドリエさんもアリスの考えを悟ったようだ。アリスは敢えてオーガの話に乗ることで、敵側の情報を探るつもりなのだろう…確かに、さっきのオーガの言葉は色々と気になることがありすぎた。

 

僕もいつでも動けるようにしながら、アリスの背後に立ち、二人の会話へと意識を集中させた。

 

「光の巫女である私を連れて行けば、戦争が終わると言いましたね?一体、誰が私を求めているというのですか?」

「皇帝…ベクタ…!」

(ベクタって…あの暗黒神ベクタのことか…!?だって、あれは…創世記にダークテリトリーに降臨したとされる伝説が残っているだけで…!?)

 

まさかの言葉…暗黒神ベクタがダークテリトリーに再び降臨したという事実に、僕の思考は二度目となる衝撃を受けていた。だが、そんな僕などお構いなしに、オーガは話を進めていく。

 

「皇帝、欲しいの、光の巫女だけ…巫女を捕まえ、届けた者の願い、何でも聞く…オーガ、草原帰る…馬狩って、鳥獲って、暮らす…!」

「私を…恨まないのですか?あの術でダークテリトリーの大勢を…そなたの民を皆殺しにしたのはこの私です」

「…強い者、強さと同じだけのものを背負う…俺も…長の役目を背負っている…だから、お前捕まえて、連れて…行くゥゥゥ!!ウウウオオオオオオオォォォ!?!?」

「…っ!」

 

その咆哮と共に、オーガはアリスを捉えようとその凶手を伸ばそうと一気に距離を詰めようとした。全身から血が噴き出ようと、残る力を振り絞りアリスへと迫るが…その手が迫るよりも早く反応したアリスは金木犀の剣を抜き放った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「…っ…?!」

 

剣戟の余波が遅れてやってきた時には、すれ違い様にアリスの放った斬撃がオーガの体を斬り裂いていた。声を上げる間もなく、オーガは絶命してしまい、警戒していた僕とエルドリエさんもようやく肩の力を抜くことができた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「…アリス?」

 

神聖力へと還るオーガの体を見て、何を思ったのかアリスはオーガへと近づいていった。どうするのかと彼女の動きを見守っていると、アリスはその神聖力を集めると、

 

「せめて…その魂を草原に飛ばしなさい」

 

風の神聖術を発動させ、ダークテリトリー側の方へと神聖力を飛ばした…風に乗り、神聖力は谷の彼方へと消えていった。アリスの言葉…願いの通りに、散っていたのだと…敵の魂とはいえ、僕も思わずそう願ってしまった。

 

「強さと同じものを背負う…それは…力を持つ者にとっては逃れられないことなのかもしれないわね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

散っていく神聖術を見送り終わり、隣のアリスがそう言葉を漏らした。敵にも帰るべきところが、戦う理由がある…これはただの殺し合いではなく、そういう戦争なのだと…先程のオーガは語っていたのだろう。

 

先程の術で数えきれない命を奪ったアリスは…そのことを痛感しているのかもしれない。そう思うと心配になってしまい、声を掛けてしまっていた。

 

「アリス…今は…」

「ええ…分かってるわ、ユージオ…でも、まだ休むわけにはいかないわ。さっきのオーガの話が全て本当だというのなら…」

「…皇帝ベクタ…」

 

あの創世記の神々の一柱がダークテリトリーにいる…それはこの戦争の行く末を握る上で、到底無視できない要因だった。

 

 

 

「光の巫女…?本当に、オーガの長がそう言ったのか?」

「間違いないです…僕もエルドリエさんも、隣でその話を聞いていましたから」

 

前線の指揮は自分に任せてほしい…そう申し出たエルドリエさんのことが心配ではあったが、今は無理に言葉を掛けるべきではないと思った僕は、半ば強引にアリスを連れて人界軍の本陣へと戻って来ていた。

 

アリスはもっとエルドリエさんと話そうとしていたが、昨日の会話から、エルドリエさんの心中がなんとなくではあるが、理解できてしまった僕はそれを良しとしなかった。今のアリスの言葉は、どんなものであっても彼を傷つけてしまうことになるだろう。

 

それよりも、先程のオーガとの会話のことをベルクーリさんに報告すべきだと、なんとかアリスを説得し、僕たちはベルクーリさんと、共に食事休憩を取っていたファナティオさんに報告に来ていた。

 

「私の知る限りでは、どんな歴史書にもその名前が出てきた覚えがありません…ですが、敵の司令官がその巫女なる人物を強く求めているのは確かだと思われます」

「…なるほどな。それにしても、敵の司令官が暗黒神ベクタか…俺はてっきり暗黒騎士のあいつかと踏んでいたんだがな」

「もしや…閣下と長年闘い合ってきた…暗黒騎士団団長シャスターのことですか?」

「ああ…あいつなら、最高司祭陛下が亡くなったことを知れば、何かしらの行動を起こすじゃないかと思ってな…本当は違うものを望んでいたんだが…」

「暗黒騎士団の団長…?」

「十侯の一人…かつて、叔父様を敗北にまで追いやった騎士よ。叔父様が唯一好敵手と認めた人物で、心意の太刀も使えるとのことよ…確か、別名『暗黒将軍』と呼ばれていたかしら…」

 

ベルクーリさんたちの会話の中で聞き慣れない言葉が飛び出し、首を傾げているとアリスが教えてくれた。あのベルクーリさんと互角以上に闘える人がダークテリトリーにいたとは知らず驚く半面、その暗黒騎士に関してベルクーリさんも思うところがあったらしく、食事の箸を止め、表情を歪めてしまっていた。

 

「ですが、とても信じられません…敵の証言とはいえ、神が復活したなどと…」

「それは俺も同じ気持ちだ、ファナティオ…だが、嬢ちゃん、ユージオ。そのオーガが言ったことが真実…ダークテリトリーに暗黒神ベクタが降臨したとして、そいつが光の巫女を求めていたとして、その巫女が嬢ちゃんのことだと仮定してだ…

問題は、それが今の戦況にどう影響するかだぜ?」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

ベルクーリさんの放った言葉…その指摘に僕たちは言葉を詰まらせた。

 

もしも…本当に暗黒神ベクタが指揮官で、光の巫女たる人物を手に入れるためにこの戦争を引き起こしたのだとしたら…その人物と目されるアリスを放っておくわけがないだろう。

 

敵にはアリスがその人物かもしれないという情報は伝わっていないと思うが…それが敵の本陣に伝わり、一斉攻撃をベクタが指示するとなれば…今の人界軍の状況からいって、とても食い止められるものではないだろう。

 

ベクタが目的を達成したとしても、他のダークテリトリーの群勢の狙いは人界であることに変わりはなく、その魔の手が伸びることになる…逆に言えば、指揮官であるベクタをなんとか引きずりだすことができれば…

 

「叔父様…私がベクタを戦場へと引き寄せる囮となる作戦は…どうでしょうか?」

「…!」「…どういうことだ?」

 

僕の考えていたことを、アリスが考えていなかった訳もなく、アリスはその策をベルクーリさんへと進言していた。ベルクーリさんは賛成も反対もすることなく、その先を続けるように促した。

 

「私がダークテリトリーの本陣に単身で突撃します。金木犀の剣の天命はまだ十分残っていますから、一瞬の隙があれば、武装完全支配術で敵陣を奇襲できるかと思います。

敵の指揮官が光の巫女を欲しているのなら、少なからぬ手勢と共に、単身で乗り込んできた私を追ってくる筈…さっきの術を放った姿を見ていた者もいるかもしれませんし、私のことを指揮官がそう見当付けるのも時間の問題です。

そうなる前に敵の部隊を分断し、残った戦力で分断された逆撃することができれば…」

「ふむ…」

 

アリスの告げた自信を囮とした分断からの強襲作戦…もしこれが上手くいけば、人界軍がさらに戦況を有利に進めることができるだろう。だが、それはアリスが犠牲になるかもしれないことを同時に示唆していた。

 

「…いいだろう。総指揮官であるカーディナル殿が倒れている今、指揮官代理である俺が責任を持つ…その策を試してみようじゃねぇか。但し、いくつか変更したい点がある」

「…なんでしょうか?」

「まず、嬢ちゃん単身っていうのは認められね。少なくとも、兵の3割は一緒に連れて行ってもらおうか」

「そんな…!3割の兵も割いてもらうわけにはいきません!その分は逆撃に当たる本隊へと…」

「まぁ、聞け…敵軍はまだ3万以上も残っている。囮が嬢ちゃん一人だけじゃ、追ってくる敵もそう多くはねぇだろう…敵を分断させるのが本目的である以上、その囮も十分な数でないといけねぇ。

どんなに凄い品であっても、その飾りや包みがみすぼらしいと、一気に価値が下がっちまう…それと一緒さ」

「それは…そうかもしれませんが…」

「それにな、嬢ちゃん…少なくとも、お前さんの隣に立ってる男は何が何でもついていくという目をしてるぞ?」

「っ…!?」

 

ベルクーリさんの指摘を受け、アリスがようやく僕の方へと視線を向けてくれた。さっきの話をアリスが言い出した時から、そうするつもりだったのだが、どうやらベルクーリさんはそのことに気付いてくれていたようだ。

 

「…ユージオ…でも、」

「『でも』はなしだよ…君が一人で行くと言っても、必ずついていくから…!言っただろう…最後まで君の隣にいるって…」

「…そうだったわね…ありがとう、ユージオ」

 

「コホン!邪魔するようで申し訳ないが、そろそろ軍議を再開していいか?」

「っ…!?すみません!?」「っ…!?申し訳ありません!?」

「クスクス…!二人とも、妬かせてくれるわね…」

 

とても申し訳なそうに、しかし、できれば人目のないところでやってくれといわんばかりのベルクーリさんの咳払いと共に放たれた言葉に、僕とアリスは意識を現実へと引き戻された。

 

キスしたことでか、以前ならば謝罪の言葉が先に飛んできたであろうアリスから、お礼の言葉が出てきたことに…少し顔を赤くして笑みを浮かべた彼女の顔に見とれていた僕は、困った様に…いや、どこか嬉しそうに笑っているファナティオさんの姿に更に恥ずかしくなってしまう。

 

「まぁ、若い男女が仲良きことは良いことだが…それを兵たちの前でもやらないようにしてくれよ…一応、嬢ちゃんは騎士の立場で、士気に大きく関わってくるからな。例えば、接吻とかな?」

「なぁ…?!もしかして、叔父様…見てたのですか!?」

「……いや、冗談のつもりだったんだが…そうか…ユージオ、お前さん、意外に隅に置けねぇ奴だな」

「えっ………っぅぅぅ~~~///!?!」

「アハハハハ……」

 

アリスの暴露に、そのつもりだったベルクーリさんが逆に驚いていた。そして、その視線が僕に向けられるも、完全に墓穴を掘ったアリスは耳まで真っ赤にし、手で顔を覆ってしまっていた。対する僕も真っ赤になった顔を伏せ、その視線から目を逸らしていた。

 

「閣下、二人を揶揄うのもその辺にしておいてあげて下さい…閣下自身が話を脱線させてしまってますよ?」

「おっと、俺としたことが…ともかく、嬢ちゃんには、ユージオ、兵たちと共に進軍…遊撃部隊として先陣を切ってもらう。それと、もう一つ条件がある」

「…な、何でしょうか…?」

「俺もその遊撃部隊に参加させてもらう…それが最後の条件だ」

「「…えっ…?」」

 

ベルクーリさん自身も囮の部隊に加わる…そんな事実があっさりと告げられ、アリスだけでなく僕までもが言葉を漏らしてしまった。そんな僕たちをして、またしてもベルクーリさんはしてやったりという笑みを浮かべ、その横でファナティオさんが頭を抱えていた。

 

 

 

「マーベル、入ってもいいかな?」

「…ユージオ先輩。大丈夫ですよ」

 

分断作戦の細かい点をベルクーリさんたちと詰めた後、アリスはベルクーリさんと共に、遊撃部隊に参加してもらう他の整合騎士へと声を掛けに行った。

 

その間、少し時間ができた僕は、負傷したフォンとカーディナルさんの様子が気になり、彼らの元へと訪れていた。

 

今回の作戦に当たって本陣が移動することもあり、後方に設営されていた治療所はいくつかの馬車に組み込まれる形で再設置された。その中の一つ…マーベルが担当を務める馬車へと来ていた。

 

「忙しい所にゴメンね。二人の様子が気になってさ…まだ意識は…?」

「お二人ともまだ…フォン先輩の傷は完全に治療できたのですが、最高司祭代理の右目は……完全に吹き飛んでいて、止血するのがやっとでして…」

「…そっか…うん?マーベル、この剣…」

 

寝台に眠るフォンとカーディナルさん…治療は完了しているものの、マーベルの言う通り、二人が目覚める気配は未だになかった。フォンはともかく、僕たちと同じように右目の封印を破ったカーディナルさんが目覚めないのは致し方ないことだろう。

 

カーディナルさん負傷の知らせはベルクーリさんを始め、整合騎士のみに知らされ、総指揮の代理はベルクーリさんが執っていた。そのお陰で人界軍に動揺が走ることはなかったが、これからダークテリトリーの領地に乗り込む今ほど、彼女の力は人界軍に不可欠だと僕は思っていた。

 

その時、眠るフォンの横に立てかけられた剣…映現世の剣が目に入り、マーベルへと尋ねた。

 

「ああ…フォン先輩の大剣ですよね。天幕を解体するに当たって、フォン先輩の荷物は全部こちらに預けられたんです」

「そうなんだ…簡単には聞いたけど、あの時、フォンが盾を持ち出して、カーディナルさんを助けに行ったっていうのは…」

「本当です。治療所にいた患者さんたちの避難を手伝ってくれていたと思ったら、最高司祭代理が一人で敵に立ち向かっていったと聞いてすぐに…」

 

カーディナルさんが単身防衛に向かい、それを知ったフォンはすぐさま戦地に飛び出していったと後から聞いた時には、驚きながらも、どこか納得してしまっていた自分がいた。盾の使い方すらも分からなかった筈なのに、そんなことなどお構いなしに誰かを助けに行くその姿勢は…記憶を失おうとも変わらないのだと思い、自然と笑みが零れた。

 

「あの…ユージオ先輩。本当にフォン先輩は記憶を失っているんでしょうか?あの時の先輩はまるで…」

「うん…それがフォンの本質なんだと思うよ。記憶でも経験でもない…フォンの中の何かは必ず残ってる…だから…」

 

僕も最後まで諦めはしない…続きの言葉を胸で強く思い、僕は二人のことを引き続きマーベルへと任せ、その場を後にした。

 

暗黒神ベクタが本当に蘇っていようと、奴の狙いが光の巫女…アリスだとしても…僕のやることは何一つ変わらない。その思いと共に、僕は凍華の元へと向かった。

 

 




…さてと、次回は遂にあのお話でございます…
サブタイがここまで悩んだことはないほどの、シリアスなお話となっております…おそらく前半でのもうひとつのターニングポイントが次回でございます。

あまり語り過ぎてもしょうがありませんので、来週の更新にご期待頂ければと思います。

そして、アンケートにご協力頂きまして、誠にありがとうございました!大体の方針は固まりましたので、今後の更新もお楽しみにして頂ければ幸いです。

また、後半に登場するオリジナル武器の解説に関しての新アンケートを行います!ちょっとした趣向を考えたのですが、今まで通りのものとどちらがいいのかお聞きしたく、アンケートを取らせて頂くことにしました。
 例えば、新しい解説の場合ですと…例)不知火刀『黒暁』
①武器名:不知火刀『黒暁』(しらぬいとう:くろあかつき)
②武器に関する物語:
『その青年は一人であることを好んでいた。
…大切な人たちを何度も失い、孤独であることを選び続けた…
しかし、最愛の人との出会いは彼を変え、仲間の存在は彼に再び頼る勇気を与えた…数々の思い出を象り、幾度もの困難を乗り越えていく!
天才剣士と仲間たちが織り成す偶像推理譚!』
【以下武器解説と同様】
③SAO世界における武器設定
④武器、武装完全支配・記憶開放術の解説
⑤補足 
⑥元ネタ解説

+翼衣が設定されていた場合 
①翼衣の名称:不知火の翼衣(しらぬいのよくい)
②上記②の物語の続章:
『時代を伝い、細々と伝承され続けてきた対人剣術:不知火流…亡き師の教えを魂に刻み、その想いと技を伝えていく青年は、自らも剣を振るい闘う!
己を救ってくれた女性を、自らの想いの形である家族を、どんな時でも支え合う仲間を…深く傷つこうと、どれだけ強大な相手でも立ち向かい続ける姿は、まさしく不死鳥!』
③外見・能力解説 
④元ネタ解説

といった物語の語りべ(というよりも、ワン○ーライドブック風)を加えようかどうかを迷っております。(この解説の仕方にも、意味はあります。本編には大きくは関わりませんが、フォンにとっては切り離せないことです)
是非清き一票を頂ければと思います!

それではまた!

至高王さん、
ご評価ありがとうございました!

武器解説に関して、新調と古いものだとどちらがいいですか?

  • 物語の語り部を新調版
  • 今までと同じ旧式版
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