今回、滅茶苦茶長いです!!戦闘二つも挟んだ上に、オリジナル要素もぶっこんだら、滅茶苦茶長くなりました、ゴメンなさい!?
またしても、分けようかと思ったのですが、あんまり長々と引っ張るのもどうかと思い、このお話に集約した形でございます…その結果が二万字越えという結果なのですが(過去最長)
そんなわけで、クラインとあのオリキャラがかっこよく暴れてくれます!
後書きにて解説もしますので、まずは本編をどうぞ!
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
静まり返る集会場…
困惑、迷い、不安…リズの言葉に何かを思った一同は何を言えばいいか分からずにいた。リズたちに協力したいと思う者もいたが、どうしても先程告げられたリスクが頭に残ってしまい、誰もが言い出せない状態になっていた。
しかし、こうしているうちにもアンダーワールドへとアメリカのVRMMOプレイヤーが向かっているのも事実であり、リズたちには答えを悠長に待っている時間はなかった。
「……駄目、みたいだね…」
「しょうがないさ…あいつらが言っていることにも一理ある。今すぐに決断しろと言われて、はいそうですかと吞み込める話じゃないだろう」
「でも、私の力が足りなくて…私がもっとちゃんと…!?」
「そんなことありません!リズさんの気持ちは私たちが一番よく知ってます」
「そうだ…言い辛いこともあっただろうによく頑張ったな」
「こんな結果でも、誰もおめぇを責めたりしねぇって…それにあんまり時間もねぇんだろう?こうしている間にも、あっちの状況はどんどんと悪くなってるって話じゃねぇか」
不甲斐ない結果に終わってしまったと悔やむリズ…そんな彼女を、リズのせいではないとシリカ、エギル、クラインが言葉を掛ける。
「こうなったら、行ってやろうぜ。俺たちだけでもよ」
「そうですよ!私たちにも、きっとできることがあります!」
「………分かった……みんな、話を聞いてくれてありがとう…私たちは、
「待てっ!!」
…えっ…?」
これ以上時間を掛けることはできない…どこまでできるかは分からないが、自分たちだけでアンダーワールドに向かおうと、リズがここにいる全員にお礼を言おうとした時、その一言が彼女の言葉を遮った。
まさかの待ったの言葉にリズだけでなく、集会場に驚きの声が漏れ始める。そんな声の中、リズたちの前へと出てきたのは、
「…その話、待てと言ったのだ」
「…っ…ユ、ユージーン将軍…?」
これまで沈黙を貫いていた火妖精のユージーンだった。まさかの人物に、シリカはどういうことかと更に驚き、思わず名を呼んでしまった。
「お前たちが言っていることは…正直に言って、どう判断すればいいのかよく分からない。だが、お前たちが何か大切なことを伝えようとしていることだけは分かった」
「お、おい!ユージーン!?何を勝手なことを…」
「将軍である俺が、彼らの話を勝手には否定できないと判断したまでだ。彼らの真意を、然りと確かめる必要があるとな…」
「だが…長は反対するに決まってる!?」
「……ということだが…そこんとこどうなんだ…兄貴?」
「「「「っ!?」」」」
ユージーンがリズたちの話を聞く体制になっていることに、副官の火妖精が慌てて止めに入る。しかし、その制止すらも反論し、ユージーンは群衆に…いや、そこにいるであろう人物へと声を掛けた。
兄貴と呼ばれ、群衆の中に混じっていた男…赤黒いフードを被ったその人物が立ち上がったと思えば、その場から飛び上がり、ユージーンの真横へと着地した。
「…私はお前に一任すると言った筈だが…これは確かにそう簡単に決断できることじゃないな」
「だ、誰…!?」
「…これは驚いたな…引きこもりの火妖精領主であるお前が来ていたとはな……モーティマー」
「モ、モーティマーって…!?智の将モーティマーか!?」
「嘘だろう…ほとんど火妖精の領土から出てこないって人が、なんでこんなところに!?」
フードを降ろし、素顔を露わにした人物…誰かと尋ねるリズの言葉に、驚きながらもサクヤが代弁してくれた。
厳つい顔つきのユージーンとは異なり、優しく、しかし、内面を読み取らせないような飄々とした柔らかい笑みを浮かべた青年…智の将で知られるモーティマーの登場に、更に会場が湧き立つ。
「にゃぁ……ここ最近、種族会議にも出てこないから隠居しているものばかりかと思っていたヨ!」
「久しいな、サクヤ、アリシャ…僕の人嫌いは知っての通りだろう?隠居してるぐらいが、僕にはちょうどいいのさ」
「すまんな、兄貴…本当は静観していたかっただろうが…」
「いや、丁度良かったさ…お前のやりたいことはなんとなくは読めていたからな。私も出てきた方が良かっただろう」
アリシャの言葉に苦笑いしながらも、サクヤと併せて挨拶するモーティマー…親しみか、それとも他人に向けての口調なのか、ユージーンに向けて話すのとは一人称や話し方を切り替えているようだった。
謝罪する弟に口調を戻しながら、気にするなと言って、その視線を段の上にいるリズたちへと向ける。
「リズベットさん…ご挨拶が遅くなりました。火妖精の長を務める、モーティマーと申します…以後、お見知りおきを……先程のお話、影ながら拝聴しておりました…確かに弟の仰るように、貴女の言っていることは真実なのでしょう…」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ですが…貴女の言っていることが100%信じろというのが難しいのが現状です。ならば…ここは行動で示すと言うのはどうでしょうか?」
「…で、でも…そんなのどうやって…!?」
「簡単なことだ…お前たちの力で俺たちに…いや、この場にいる者たちに全員にその覚悟を伝えてみろと言っているんだ」
「「「「…!」」」」
いきなりのモーティマーとユージーンの提案にリズたちは息を呑む。もちろん、そんな提案に火妖精たちから抗議の声が上がらない訳もなく、
「お、長まで…?!何を言って…」
「私と弟が決めたことだ…黙ってて見ててくれ」
だが、反論はモーティマーの冷えた声により黙殺されてしまった。自分の決定に口出しなどさせないばかりの雰囲気と、兄の考えに賛同したユージーンの威圧により、火妖精たちもそれ以上何も言えなくなってしまった。
「お前たちの誰でもいい…俺と兄貴を倒せれれば、俺のアカウントをお前たちに預けよう」
「あの将軍が信頼し、アカウントを預けるとなれば、いくらかはここにいる方々で迷っている人たちも声を上げてくれるのではありませんか?」
「…まぁ、俺も兄貴もそう易々と倒されてやるつもりは毛頭ない!そのつもりで掛かってくることだな!」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
千載一遇のチャンス…火妖精最強の兄弟からの提案に、一瞬言葉を失うリズ達。その驚きとは別種類で、その場にいるプレイヤーたちも彼らの動きを見守っていた。
「リ、リズさん…これって…」
「うん、話を聞いてもらえるチャンスね…でも、問題は…」
「あいつ等に勝てってことか…あの神器グラムを持つユージーン将軍に…」
「しかも、智将と噂されてるモーティマーなんて闘い方すら分からないんだぞ」
シリカの期待の籠った言葉に同意するリズだったが、エギルとクラインの言う通り、言う程易しい話ではないのもまた事実だった。
「どうした…誰も闘う気はないのか?」
「ちょ、ちょっと待って!?いきなり闘えと言われても、準備ってもんが…」
「…なんだ、お前たちの言う覚悟とはその程度か…ふん、まぁ、いいだろう。誰が闘うのか、早く決めることだ…そう長くはこっちも待ってやれんぞ」
「急いで決めないと駄目ですね。でも、あの人たちに闘って、勝てる人なんて…」
いきなりの話に焦るリズだったが、ユージーンは少しだけ時間の猶予をくれた。その間に、誰が闘うということを相談し始めるリズ達。だが、言い出したシリカの言葉を遮る者たちがいて、
「少しいいかい、リズベット」
「えっ…サクヤさんにアリシャさん…」
「こうしてゆっくり話すのは、オーディナル・スケールの一件の報告会以来だネ!まぁ、こんなことになるとは思ってもみてなかったけど…」
二人の妖精族長であるサクヤとアリシャ・ルーが近くにきていたことに驚く一同。何度か面識があったサクヤとアリシャもまさかこんな形で話をすることになるとは思っていなかっただろう。
「あ、あの…火妖精の方々が言ってるのは、もしかしてお二人が…?」
「いや、私たちからではないよ…尤も、考えは一緒ではあったがね」
「…?…それはどういう…」
「簡単なことさ…あまり大きな声では言えないが、私とアリシャ、そして、モーティマーとユージーンも君たちの話を信じるということさ」
「ほ、本当…!?」
「…良かったじゃねぇか、リズベット。お前の話、ちゃんと届いてたじゃないか」
「うん…うん!」
サクヤが告げた事実により一同に笑みが浮かぶ。エギルの労いの言葉に、リズも頷きながら答えるも、サクヤは話を続ける。
「ユージーンも言っていたが、キリトたちがいる…アンダーワールドといったか…そこで重大な事件が起きていることは伝わってきたよ。少なくとも、私たちはアカウントコンバートをしても構わないと思っている」
「サクヤちゃんと相談して、今、風妖精・猫妖精の中で有志を集っているところなんだ…でも、あたしたちが急に『信じる』って言っても皆を納得させらないでショ?だから、モーティマーの奴が先に動いたんだと思うヨ」
「話を聞く限り、我々領主だけが行ったところでどうにかなる事態ではないのだろう?それこそ、今ログインしているであろうALOプレイヤーを搔き集め、可能な限り大勢で行くべき…まぁ、そのためのデモンストレーションをあいつ等は引き受けたという訳だ」
「サクヤちゃんも同じことを考えていたんだけど、先に実行するところ、流石はモーティマーだヨネー。本当、彼は敵に回したくないネー…」
「智の将軍の名は伊達ではないか…問題はあの二人に対して、誰が闘うということだが…」
サクヤとアリシャからモーティマーとユージーンの考えを聞いたリズたち…話は冒頭へと戻り、誰が火妖精最強のプレイヤー二人と闘うかということになった。
「ユージーンたちを倒すことができらば、その勝利を見せつけた上で我々が皆を説得しよう…そうすれば、全員とまではいかないが、かなりの人員を動員することができるだろう…しかし、彼らに勝てない様では、この話は机上の空論になってしまうぞ」
「ユージーンはもちろん、モーティマーも勝負となったら、全く手加減なんてしてくれないからネ…ユージーンが獰猛な虎だとすれば、モーティマーは喰いついたら離すことを知らない蛇だからネ」
「…分かってます…それでも、勝つしか手がないのなら…」
「リズさん…私が行きます!例え敵わなくても、ピナも一緒にいますし…」
「いや、流石にシリカやリズベットを相手として出せば、いくらか反感を買うことになるだろう。ここは俺とクラインで…」
「その話……混ぜてもらってもいいですか?」
「「「「「「っ!?」」」」」」
自分が出るというシリカを制止したエギルの言葉が遮られた。
声の主の方向へと一同の視線が一気に集まる…その場にいる誰もが、その人物が近くに来ていたことに気付くことができなかったのだ。
「あ、あんたは…!?」
「…久しぶりです…リズベットさん」
リズたちの背後にいたフードを被ったそのプレイヤーの素顔を見て、リズは驚く。それと同時に周りを確かめるように見渡すも、彼女のその動きに男は思わず苦笑いしてしまう。
「アルゴは野暮用でここには来てないので、探すのは無駄ですよ…話は聞いてました。あの二人…モーティマーとは僕が闘いますよ」
「……頼める?確かに、あんたの実力ならなんとかなるかもしれないけど…」
「もちろんですよ…それに…僕の相棒はキリトたちにも色々と恩がありますから…パートナーとしてはここいらで精算しておきたいんで」
そう言って、男はリズの言葉に応えるようにそのフードを取り、素顔をその場に露わにした。その正体を知り、場が騒然とし出した。
「…なるほど…そうきたか」
「噂に聞いたことはあったが…お前が出てくるとはな……鼠のボディガード」
火妖精のアバターを用いたその人物…ユージーンに二つ名を呼ばれたシグが一歩前へと出た。
以前、ユウキたちスリーピング・ナイツが新生アインクラッド第27層ボスに再度挑戦しようとした時、大型ギルドからの妨害に対し、フォンたちの救援に来てきれたSAO生還者でもある彼…情報屋のアルゴを知っていれば、必ずそのプレイヤーのことを同時に知ると言わんばかりに、それなりの知名度を持っているプレイヤーがリズ達側に着いたことにモーティマーも少なからず驚いていた。
「ったく…良いところ取られちまったな。だが、おめぇさんがモーティマーと闘ってくれるってんなら、話は早い…ユージーン将軍とは俺が闘うぜ」
「…クライン…!」
「こういう時ぐらいかっこつけなられないでどうすんだよ。これでも侍だからな…キリトたちを助けられるなら、この身ぐらいいくらだって賭けてやるって決めたばっかりだからな!」
「……分かった。クライン…あんたとシグに託すわ…お願い!」
「託す、か……良い言葉だな。痺れるシチュエーションだぜ…だが、悪くねぇ」
「そうですね…託されたからには、それに応えないといけませんよね」
リズの言葉を受け、クラインも一歩前へと出て、シグの横に並ぶ。目を合わせ、覚悟を決めた二人は火妖精二大将軍へと向き直った。
「待たせたな、ユージーン将軍!このクラインが相手だ!」
「ほう、火妖精か…そう言えば、同種族とは久しく闘っていないな。面白くなりそうだ」
「面白がっていられるのは今のうちだけだぜ…俺だって、それなりの修羅場は潜り抜けてきたつもりだからな」
「言うじゃないか…それが口だけじゃないことを祈ろう」
「ユージーンはともかく…私は戦闘自体が久々だからね。果たして、前みたいに闘えるかどうか…お手柔らかに頼むよ、ボディガード君?」
「よく仰る…未だにユージーン将軍に白星を上げさせたことがないという話ではありませんか?」
「………どこでそれを知ったんだい?」
「情報屋を舐めてもらっては困りますよ…これでも、あの『鼠』の相棒なんですから」
クラインとユージーン、シグとモーティマーが互いに答弁により火花を散らす中、仲介人を務めるサクヤが決闘のルールを説明し始めた。
「決着は全損による一本勝負、ソードスキル・魔法・飛行はありだ。異議がなければ、両者、決闘の承諾コマンドを押してくれ」
4人とも聞いたルールには異議はなく、決闘の承諾コマンドを選択する。その瞬間、4人を転移の光が包み、それぞれの決闘場へとアバターが移動した。
(二人とも…頼んだわよ)
集会場の上空に映し出されたモニター…そこに映るクラインとシグを見ながら、リズは二人の勝利を祈っていた。
「さぁ、いつでもかかってこい!先手は譲ってやるぞ?」
「余裕だな…なら、お言葉通り、こっちから行かせてもらうぜ!」
森の中に転移させられたクラインとユージーン。
互いに剣と刀を構えたところで、ユージーンはそう言って、クラインを挑発してきた。それに乗っかかるようにクラインは一気に距離を詰め、愛刀で袈裟斬りを繰り出した。しかし、剛体のユージーンはそれを崩れることなく受け止めた。
「良い太刀筋だ…我が軍にいないことがもったいなくらいのな」
「天下の将軍にそう言ってもらえるのは有難い話だぜ…尤も、俺には風林火山っていう場所があるんで、スカウトはお断りしているだけどな」
「フハハハハハ!面白いことを言う!そんなことを言うのなら、尚更俺に勝ってみせろ!」
楽しそうに笑ったユージーンは怪力を発揮し、クラインを刀ごと弾き飛ばした。後ろに下がることを予期なくされたクライン…間髪入れず間合いを詰めてきたユージーンの一撃を刀で逸らそうとするも、
「ぐぅぅ…何!?」
確かに防いだ一撃が、なんと刀を擦り抜けたのだ。絶句する間もなく、右腕を不快感が襲い、クラインのHPが減少する。
「…!そういうことか…その武器…!?」
「思い出したようだな…俺のこの剣…魔剣グラムはレジェンダリーウェポン。この剣の前では、どんな武器や防具も意味を為さない」
(キリの字が前に言ってたな…伝説級武器には何かしらの特殊能力があるって。ユージーンの剣グラムは…エアリアルシフトっていう、防御無視の効果があって苦戦させられたって、話だったが…)
ユージーンの説明と、以前キリトから聞いていた話を思い出したクラインの表情が歪む。こちらの攻撃は防御されるのに、相手は防御無視の攻撃を放ち放題とは…
「とんだスキルじゃねぇか…あの時のことを思い出しちまうぜ」
ユージーンには聞こえない声でそう漏らしたクライン…SAOでも垣間見た、フォンやキリト、ヒースクリフといった面子が使用していたユニークスキルとどこか被って見えたのはどこか致しかたない話だったのかもしれない。
「どうした?もう怖気着いたのか?」
「…んなわけねぇだろう…ここからどう逆転するかを考えているだけだよ」
「そうか…なんなら、手を抜いてやろうか?お前ほどの実力者がいつまでもレネイゲドというのは勿体ない話だ…我が軍に加入するというのなら、グラムなしで闘ってやろう」
「…ふざけんじゃねぇ…!そんなことしたら、向こうで闘ってるあいつ等に笑われちまうよ…これでも、ギルドリーダーだけじゃなく、不甲斐なくともあいつ等の兄貴分でいるつもりなんでな!」
「…その覚悟はよし!ならば、全力での俺の全力を受け止めて見せろぉ!!」
クラインの覚悟を認め、話は終わりだとばかりにユージーンの猛攻が始まる!
戦闘スタイル的にSTR・AGRへとビルドしていたクラインは、これまでの経験を加えて、なんとかグラムの防御無視攻撃をギリギリで躱していく。
しかし、回避するのが精一杯で攻撃に移ることができず、そんな防御ばかりに徹しているクラインに、ユージーンの攻撃全てが捌き切れるわけもなく、
「っ…!?やべぇ…!」
更には、染みついた癖というのはなかなか抜けず、咄嗟に刀で防御してしまったクラインのボディにグラムの一撃が掠り、更にHPが減少してしまう。思わず悪態が出てしまうクラインは、なんとか打開策はないかと頭を捻る。
(駄目だ…頭では分かってても、つい刀で受け止めようと反射的に刀が動いちまう。このままじゃ、徐々にHPが削られていくばかりだ…どうする!?)
ジリ貧となりつつある状況…自身を仕留めようと振るわれるグラムの剣戟を掻い潜るクラインだが、彼の攻撃はユージーンにはほとんど届かない。
(同じ大剣使いでも、フォンとユージーンじゃ全然タイプが違うな…!あいつの剣の能力さえ封じられれば、なんとか……)
『幻想剣にだって弱点はあるよ…どんな武器だって……』
「っ!?」
魔剣グラムのエクストラスキルをどう攻略すべきか…そんなクラインの脳裏に、年下の多才な技術・趣味を持つ友人のある言葉が過ぎり、一筋の光明が見えたような気がした。
「……ったく。SAOじゃねぇって分かってても、腹をくくるのは怖えぇな…けど…(あいつ等は…今、もっと怖いことを覚悟して、闘ってんだよな…だったら…!)」
「さっきから何をブツブツ言っている?侍らしく、辞世の句でも詠んでいるのか?」
「おっと…!?へっ、誰がそんなもん詠むかよ!?あんたをぶっ倒す作戦を思い付いただけだよ!」
「ほう…なら見せてもらおうか?…その威勢の良さがハッタリでないといいがなぁ!!」
「言っただろう、いつまでも余裕ぶっこんでいられると思うなってな!行くぜ!ううおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
覚悟を決め、ユージーンの剣戟から逃れるように距離を取ったクラインは愛刀を構え直す。クラインが何かを仕掛けてくると警戒し、ユージーンも身構える。
そして、気合と共にクラインはユージン目掛けて駆け出し…
「…ふん…気合が入っているかと思えば、最後は悪足掻きの特攻か…馬鹿正直に突っ込んできて、何かをするかと思えば!この俺も舐められたものだぁ!」
小細工など一切ない、クラインの突撃に呆れが混じった、怒りのため息を吐いたユージンはグラムを平行に構え、特攻に合わせてクラインの腹目掛けて突きを放った。その一撃をクラインは…
「貰ったぞ!」
「…ぐぅぅぅ!?」
防御も回避もすることなく、その一撃をまともに受けた。グラムがクラインの右腹に深く刺さり、継続ダメージにより、クラインのHPが減少していく。
「…お前はよくやっただろう。だが、俺の剣には及ばなかったな」
「……そいつはどうかな…まんまとかかってくれたな、将軍…!」
労いの言葉を掛けるユージーンだったが、何故か笑みを浮かべているクラインの反論にその眉が歪む。
「何だと…負け惜しみはその辺にしておけ。お前の腹に刺さっているグラムが見えないのか?」
「ああ、よく見えてるさ…それが狙いだったからな!」
「な、なにを…ぐおおおおおぉぉぉぉ!?」
どういうことかと疑問を放ったユージーンの言葉が苦痛の声に変わる。それは、クラインが放ったソードスキルのダメージによるものだった。目に見えて、ユージーンのHPが大きく減少する。
「き、貴様…正気か!?」
「正気さ!俺の剣筋はもうほとんど読まれちまってる。防御しようにも、その魔剣じゃそれも無駄になっちまう…けど、せっかくの魔剣の効果もプレイヤーを刺してたら意味がねぇよな!そして、この至近距離じゃ、流石のあんたも避けられねぇだろう!」
「があああぁぁぁぁぁ?!!?」
硬直が解けたクラインが再度ソードスキルを放つ…更にユージーンのHPが減少し、イエローからレッドギリギリに差し迫る。しかし、魔剣による継続ダメージを受けるクラインのHPはレッドゾーンへと突入してしまっていた。
「き、貴様…!相打ちを狙って…くっ、そうなる前に振りほどいてやる!?」
「ぐっ…!?」
「うおおおおぉぉ!離せ!?」
「こ、ここまできて逃がすかよ!?それにな…!」
硬直で動けないクラインにユージーンの左拳が飛ぶ。顔面に強烈な一撃を喰らうも、クラインは意地で、ユージーンのグラムを掴んでいる左手を離しはしなかった。
「あいつ等が…俺の友が自分のことすら垣間見ずにあっちで闘ってるんだ!この命くらい懸ける覚悟はもう決まってんだよ!だから…あんたは俺がここで倒す!!うおおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!」
「…ぬぅぅ!?」
クラインの言葉と気迫にユージーンは気圧されてしまった…その一瞬…その一瞬の緩みが、確かな隙を作ってしまった。その隙を、歴戦の猛者でクラインが見逃すわけもなく、
「これで終いだぁ!食らいやがれェェ!?」
刀最上位5連撃ソードスキル〈散華〉…紫電のライトエフェクトを纏った剣戟が至近距離で繰り出され、ユージーンのHPが一気に減る。そして、
「……………か、った…?」
〈Klein Win!〉
ユージーンの体がポリゴンに変わり、空中に浮かんだその文字に思わずそんな言葉が漏れた…それが自分の名前と、あのユージーン将軍に勝利したのだと認識するのに多少の時間を要したクライン。
頭が状況を理解できたところで、とんでもない疲労感に襲われ、その体が草原へと投げ出された。
「…もうHPもドットしか残ってねぇな…やっぱり、キリトやフォンみたいにはカッコよくは勝てないか……ハハハ…」
乾いた笑いと共に、年下の友人たちみたいにはいかないかと思うクライン…しかし、その姿は泥臭くも、今まで一番光って見えていた。そんな彼の脳裏に蘇っていたのは、この勝利をもたらしてくれた彼の言葉だった。
『幻想剣に弱点はないかって……いや、幻想剣にだって弱点はあるよ…どんな武器だって、技を放てないと宝の持ち腐れだからな…大剣みたいな取り回しに気を付けないといけない武器だと、幻想剣ソードスキルも半減どころか、ほとんど効果を発揮しなくなることだってあるしな……って、話についてこれてるか、クライン?』
「(あん時は、話のタネに冗談交じりに聞いただけで、半分ぐらい聞き流してたんだが…まさかこんな形で役に立つとはな…)…勝ったぜ」
拳を天へとゆっくりと突き上げたクライン…それは、自身に全てを託してくれた友へか、助言をくれた友へか、今も闘い続けている友へか…いや、彼らに向けたガッツポーズだったに違いなかった。
「それでは、こちらも始めましょうか?」
「そうですね…(智将モーティマー、か…多少の情報は得ていたが、まさか本当だったとは…)その武器、ハルバートですか…」
クラインとユージーンが闘い始めた頃、
同じく転移させられたシグとモーティマーはコロシアムのような場所で向き合っていた。フード付きコートをストレージに収納し、自身の武器である刀を表に晒したシグは、モーティマーが構えた武器…槍と斧が組み合わさったような形状の小型ハルバートを見ていた。
「流石は鼠のボディガード…こっちの手の内はほとんど把握しているといったところかな?」
「謙遜を…これまで情報が少ない人というのも珍しいぐらいですよ」
「クフフフフッ…弟は戦闘好きですが、僕も多少は血の気が多い方ですから、手加減は期待しないでくださいね」
モーティマーのその言葉を皮切りに、二人が身構える。決闘を告げるカウントが徐々に減っていき、ゼロになったと共に飛び出した!
「「っ!?」」
刀とハルバートが激突し、火花が散り、金属音が響き渡った。
「…居合ですか…一瞬ヒヤッとしましたよ」
「そう言う割には、余裕で受け止めているように見えますけど?」
「なら…ギアを上げさせてもらいましょうか…!」
そう言って、巧みにハルバートを操り、シグの体制を崩そうとするモーティマー。それを嫌い、シグは自ら鍔競りを解いて後ろに飛びのく。しかし、ハルバートを右手一本で持ち直したモーティマーは左手で器用に何かを取り出したかと思えば、
「コルン・ヌーナルグ・ホルスメ・ゲイン…!」
「っ!?」
「さぁ、燃え尽きなさい!!」
モーティマーの高速詠唱により、彼の周囲に多数の炎球が出現し、左手で装備した杖の動きに従うかのようにシグに襲い掛かった。高速で迫ってきた炎球を最小限の動きで躱すも、地面に魔法が着弾したことで、砂埃によりシグの視線が塞がれてしまう。
その隙を狙い、正面から煙を破り、モーティマーが攻撃を仕掛けてきた。魔法から素早い連撃に、流石のシグも反応しきれず、両手斧単発ソードスキル〈スマッシュ〉を受けてしまう。
なんとか刀で直撃は防ぐも、その体は大きく吹き飛ばされ、シグのHPも連動して減少する。しかし、反撃の隙など与えまいとモーティマーは再び杖を構え、魔法の詠唱を…
「そうは…させない!」
不快感を堪え、無理矢理体制を立て直したシグは腰のホルダーからそれらを乱暴に取り出し、モーティマーへと投げつけた。一瞬、何を飛ばされたのか判別がつかなかったモーティマーだったが、嫌な予感がしてそれを避けた。
伏せた瞬間、自身の眼があった空間を通り過ぎたそれを視認できたモーティマーの目が見開く。魔法を詠唱させられたことで会話する間が生まれ、冷や汗を流しながら、モーティマーはシグへと声を掛けた。
「…まさか…刀がメインウェポンだと思っていたら…暗器使いでもあったんだね」
「なりふり構っていられる相手ではないんで…託された側としては、この勝負…絶対に負けるわけにはいかないものでして…」
シグが投擲したもの…それは目を凝らさなければ認識することさえも難しい…かなり細い千本だった。更に、シグはポーチから別の暗器…こんどは苦無を3本取り出し、いつでも投擲できるように左手で握っていた。
「それにしても、情報通りの闘い方をされるんですね。魔法と剣の混合戦法……通りで、グラムを持つユージーン将軍が勝つことができないわけだ」
「弟のグラムが無効化できるのはあくまでも剣や防具といった物体に関してだ。そして、連続しての効果は発動できない…かの黒の剣士みたいに魔法を斬れたとしても、魔法とソードスキルの二段構えはそうそう易々とは破れないでしょう?」
まぁ、弟は魔法を斬るという非常識なことはできないがね…そう付け足したモーティマーは余裕の笑みを浮かべ、ハルバートと魔法杖を構え直した。
(…魔法剣士…魔法が得意でない火妖精アバターでありながら、剣と両立させたその戦法を取るという話は確かに聞いていたが、まさかここまでとは…領土経営や軍の作戦立案といった能力に長けていて、智将という面ばかりが注目されているが…流石は火妖精領主を務めているといったところか…)
これまでの闘いから、モーティマーの闘い方を分析していたシグは作戦を練っていた。生半可な手では、智将と呼ばれるモーティマーには通用しない…つまり、全力を以て闘わなければ、勝つことは難しいという結論に達するわけで…
(全く……フォン君でもできなかったことを軽々とやっているとは…久々に血が騒ぐ…!)
大事な闘いだと分かりつつも、あの世界…SAOで闘ってきた者としての血が騒ぎだすのを感じ、思わずシグの口角が上がってしまう。
「さぁ、この攻撃をどう破るか…お手並み拝見といこうか、ボディガード君!」
「っ!?」
…その言葉を皮切りに火蓋が再度切られた…
魔法と暗器の応酬…一方は着弾と共に砂埃を盛大に起こし続け、一方は相手の急所を的確に狙い続けていた。
モーティマーは自身の種族に関わらず、火魔法だけだなく、水・風・地・光・闇魔法をオンパレードの如く放ち続けていた。彼が持つ魔法杖…羊霊杖『ヘレー・ネレズ』は魔法の威力を半減する代わりに、消費MPを半減し、MP自動回復を強化する古代級武器なのだ。
そして、自身の種族では自動取得ができない最上級各属性魔法を取得しているモーティマー…どれだけ彼がALOで時間を費やしてきたかが分かる、ある意味では物理・魔法を極めたビルドだと言える能力を誇っていた。
しかし、それはシグも同じであった。伊達に、あのSAOで『鼠のボディガード』という二つ名を…いや、別の名をも背負いながら、闘い抜いてきたわけではなかった。
(さてと…仕掛けは上々…あとは、)
魔法とハルバートの猛攻を掻い潜り、左手で幾度となく暗器を投げ続けていたシグ…千本、苦無、手裏剣、短刀…と様々な種類の暗器をただ無造作に投げていたわけではない。
攻防の最中、自身が空へと飛び立ったことでモーティマーも飛行し、低空による三次元の戦闘を繰り広げる中、準備を整え終わったシグはこの闘いに終止符を打つべく、最後の暗器である千本を二本投げつけ、刀を鞘へと納める。
(刀を納めた…抜刀系のソードスキルが来る!ならば、その前に魔法で打ち落とす!)
当然それを警戒しないわけがなく、モーティマーも迎撃しようと詠唱を開始する。最上級魔法の中でも、全ての属性を持つ魔法『ビフレスト・レゾナンス』…彼の頭上に6色の魔法球が出現し、高速でシグに襲い掛かろうと、
「シッ!!」
「ガァ!?」
…まさしく一閃…魔法を唱え終わっていたモーティマーの口から悲鳴と共に空気が大きく漏れた。視認する間もなく、自身が直撃を受けたのだと苦痛により気付いたモーティマーだったが、それを放ったシグは刀を鞘へと納め、モーティマーの後方へといた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「っ…!?(…雰囲気が…変わった…!?)」
硬直が解け、モーティマーへと視線を向けたシグ。その視線が…いや、彼が放つ雰囲気が一気に変わり、モーティマーは思わずたじろいでいた。あまりにも雰囲気が変わり過ぎたため、久しく感じていなかった恐怖を覚えるほどだった。
「…悪いが…もう終わりにさせてもらうぞ」
「…強気なことを言いますね。そんなことを言うのは…ぐっ!?」
モーティマーの言葉を聞き終えることなく、一気に距離を詰めたシグが刀を振り降ろしていた。先程までの戦法とは全く異なる強引な攻めに、驚きながらもモーティマーはハルバートで奇襲の一撃を受け止めた。
「おらぁ!!」
「ぬぅ!?」
だが、絶妙なタイミングで刀をずらしたシグは器用にその場で体を回転させ、その勢いを加えた左膝蹴りをモーティマーのボディへと叩き込んだ。まさかの体術に、モーティマーは反撃しきれず、再度その体が下方へと吹き飛ばされた。
「…シッ!!」
「…!その技は…もう見切りましたよ!?」
その隙を狙い、シグは再び刀を鞘へとしまい、先程と同じソードスキルを放とうとしていた。しかし、連続して放たれる同じ技を見抜けないモーティマーではなく、シグの使おうとしていたソードスキルを既に見切っていた。
またしても、一閃の速度に達したシグがモーティマーを斬り裂こうと刀を振るうも、斬撃の軌道を予測していたモーティマーのハルバートがそれを阻止した。しかし、モーティマーは安堵の息を吐くどころか、その眼が驚愕により見開かれることになった。
(…刀にライトエフェクトが映っていない!?まさか、フェイント…!)
受け止めた刀に、ソードスキルの特徴であるライトエフェクトが宿っていないことに動揺するも、居合の高速移動でシグは既にモーティマーの横を通り過ぎていた。上空から地面へと放たれた一撃で、シグの体は低空から地面へと激突するかと思われたが、
「っ……うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
(なぁ…!?馬鹿な!空中で止まった…!)
体を反転させたシグが、空中で着地したかのように見えたモーティマーは驚きに包まれていた。飛行による反転では、あそこまで素早くかつスムーズに動くことなどできないことは、ALOでの経験が豊富な彼にはよく分かっていた。
だが、そんな常識など関係ないとばかりに、シグは反動さえも勢いに変えたように下からモーティマーへと襲い掛かっていた。完全に後ろを取られたモーティマーに抵抗する術はなく、シグは今度こそ本命を叩き込んだ。
刀オリジナルソードスキル…居合術『奪命』
確実に敵の命を奪うことを目的とした、まさしく『必殺』の一撃がモーティマーの体を背中から斬り裂いた。悲鳴を上げることもできず、HPがゼロになったことで自身の体がリメインライトに変わりつつあるモーティマーはその時、ようやく気付いた…地面スレスレで光るそれに…
(あれは……ワイヤー…?そうか…暗器をばら撒いていたのは、私たちの下にワイヤーを張り巡らせるための布石…!?)
魔法詠唱の妨害で暗器を投げ続けていたのだと思っていたモーティマーは、もう一つの目的を理解したが、もう既に後の祭りだと思い、心の中で敗北を認めてしまっていた。
(…これは一本取られたというわけですか……まるで、アサシンですね)
自分を破った敵…シグのあまりにも冷たい視線と、殺しに関して全く躊躇しないその姿勢に評価し終えたところで、モーティマー・ユージーン共に敗れたことで、決闘の終了を告げるガイダンスが響き渡った。
「そこまで!ユージーン、モーティマー共にHPがゼロになったことで、この勝負…クラインとシグの勝利とする!」
決闘が終わり、集会場に戻って来たクラインとシグ…モニターで観戦していたリズたちが駆け寄る中、改めて決闘の結果を仲介人のサクヤが宣言したことで、他のプレイヤーたちも一気に歓声を上げていた。
「やったな、クライン!」
「ま、まぁな…本当にギリギリだったが…なんとか期待には応えられたってところか?」
「見てるこっちがヒヤヒヤさせられる無茶な戦法だったけど…見直したわよ……本当にありがとう、クライン」
「よせやい…お前が頑張ってんのに、俺が根性見せないわけにはいかないだろう?」
「シグさんもお疲れ様でした!かっこよかったです!」
「ああ…流石に領主相手となると疲れたけどね…」
エギルとリズからそんな言葉を掛けられ、照れくさくなったクライン。一方のシグも、纏っていた殺気を既に解いており、シリカの賞賛の言葉にいつもの穏やかな雰囲気で返事を返していた。
「本当に見事だったぞ、侍…いや、クラインと言ったか」
「っ…ユージーン…!」
そんな一同の会話に、サクヤの蘇生魔法で復活したユージーンとモーティマーが声を掛けていた。名前を呼ばれ、思わず身構えるクライン。
「無茶苦茶な戦法とはいえ、俺を倒したのはお前が二人目だ」
「一人目はキリトのことだろ?」
「そうだ…初期装備でグラムを使う俺を破り、先日のデュエルトーナメントでも再び負けた…あいつ以外には負けまいと思っていたが……まだまだ俺は世界を知らなかったようだ」
「…いや、ユージーン…あんたは俺なんかよりも強いぜ」
ユージーンの言葉に、自分は強者ではないと間接的に告げるクライン。どういうことかとユージーンが目で訴えかけてきたので、その先を続けた。
「別に謙遜で言ってるわけじゃねぇ…俺はな…あいつみたいに特別な強さはねぇし、夢幻の戦鬼なんて呼ばれるあいつのように多才なわけでもねぇ…あんたのようにこのALOで積み重ねてるモンだってねぇさ…だから、こいつらの想いに応えようと思ったら、俺に賭けられるのはこの身体や命ぐらいなもん…あんな玉砕覚悟の戦法しかなかっただけだよ」
「だが、お前が俺を倒したのは事実…そして、その気迫と覚悟があったからこそ、俺を破れたのだ。貴様は胸を誇っていい…俺を倒したのだ。それくらいはしてもらわんと、俺の気が済まん…なので、俺の軍に入らないか!」
「ハハハ…有難い言葉だが、俺を買い被り過ぎだ…俺は…あいつらやこいつらと一緒に冒険する方が性に合ってるからよう…傭兵として、偶に傭肩を並べて闘うのは良いかもしれないがな…」
自身を褒める言葉に苦笑いするクライン…ユージーンの勧誘の言葉も断りつつも、時折共闘するのはいいかもしれないと告げるが、
「傭兵か…くくく…」
「へっ…俺、今おかしなことを言ったか?」
「いや…キリトは俺と闘った時、「用心棒だ」と名乗っていたからな…鼠のボディガードも然り、お前の仲間はそういった名乗りが好きなんだなと思ってな」
「なぁ…隣に同じ用心棒がいるのを忘れてたぁ!?せっかくかっこつけたのに…!?」
「えっと…すみません、クラインさん」
隣に立つシグも用心棒であったことを忘れていたクラインががっくりとする姿に、シグは苦笑いしながらそう応えていた。すると、シグにモーティマーが声を掛けていた。
「やられたよ…流石は鼠のボディガードといったところだね」
「いえ…仕掛けを張っていることを気付かれない様に張り巡らせないと思ってましたから…智将と呼ばれる貴方にバレやしないかと、こっちはヒヤヒヤしっぱなしでしたから」
「よく言うよ……一つ聞いてもいいかな…君はもしかして……」
「……ご想像にお任せしますよ」
「………そうか…なら、この質問は僕の胸に秘めておくとしよう」
戦闘の最中、シグの変わりようにある核心を持っていたモーティマーはそれを確かめようとしたのだが…困った様に笑った…いや、悲しそうにも見えたシグの表情に言葉を呑み込んだ。
この質問は彼の心に…過去に無遠慮に踏み込むことになる…それを理解したモーティマーは質問することを止めた。シグもすぐさま表情を元に戻し、互いの健闘を称え、二人は握手をしていた。
「さてと…それでは、サクヤ。そろそろ話を進めるとしようか?」
「そうだな」
決闘の話も一通り終えたところで、モーティマーがサクヤへとそう告げると、アリシャ、ユージーンを伴い、彼らは集会場にいるALOプレイヤーへと声を掛け始めた。
「みんな、先程の決闘は見ていたな!」
「こいつらは俺と兄貴を倒し、見事にその力と覚悟を見せつけてくれた!俺は、こいつらと共にアンダーワールドというVRの世界に行って、共に戦うことにした!」
「火妖精の皆に無理強いをするつもりはない…だが、彼らの勇士に少しでも心を動かされたのなら、皆の力を貸してくれないだろうか!」
「ユージーンだけじゃない、私もアンダーワールドに行くつもりだヨ!もちろんリスクがあることは承知だけど…こんなに面白そうなことに猫妖精が不参加なんてあり得ないでショ?乗り遅れる前に、こういったイベントにどんどんと乗っからないとネ?」
「我々もだ!我ら風妖精族は、今苦しんでいるキリト君やリーファに助けられた恩義がある!今こそ、風妖精の力を以てそれを返す時だ!」
「アメリカだろうが、どこの国の連中かなど知ったことではない!俺たち、ALOプレイヤーの力を相手に見せつけてやるぞ!そうすれば、火妖精の名は…いや、日本のALOプレイヤーの名は一層高くなる!」
「…た、確かにそう考えると刺激的なイベントだよな…」
「こういうのって、後で乗り遅れたって知ると、すげぇ悔しいんだよなぁ…」
「ALO全種族が力を合わせて闘うなんて、なんか最終イベントみたいで熱いよね!」
「こんなイベント、待ってても多分二度と起きないよな…だったら参加しないと」
「よし!ならば、各自準備をしてこい!終わり次第、またここに集合だ!」
「今から連絡つく子がいたら、どんどんと誘っちゃってネ!」
「集合に遅れるなよ!…向こうでは時間の流れが加速しているらしい…猶予は残されていないことを忘れるな!」
「「「「「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
各領主たちの言葉に、属する種族だけでなく、集会場に集まったプレイヤーたちに熱がどんどんと伝わっていく。この場にいるほとんどの者が、アンダーワールドへと行くことを決意し、それぞれが準備のために一時解散していった。
「ありがとう…みんな、本当にありがとう…!」
「これなら…キリトさんもアスナさんも…みんなもきっと…!」
「ああ…なんとかなるだろ」
「あったりめぇよ!さっさと行って、あいつ等を叩き起こしてやろうぜ!」
「サクヤさん、アリシャさん…それにモーティマーさんにユージーン将軍も、本当にありがとう」
「気にしないでくれ…私たちも以前キリト君に助けられた身だ。その恩を返すだけさ」
「そーそー!イッシュクイッパンの恩義ってヤツ!…ご飯は食べてないけどネ」
「俺は貸し借りはないが…あいつに勝ち逃げされるわけにはいかんのでな。それに、あの絶剣を破った夢幻の戦鬼ともいつかは剣を交えたいと思っていたからな」
「…やっぱりキリトさんの人柄のお陰なんですね…こんなにも手を貸してくれる人たちがいるなんて…流石はキリトさん…」
「まぁ…それに、今回はチャンスでもあるしな」
サクヤたちの言葉にシリカが感動していたところで、サクヤの放った一言が会話の流れを大きく変えることとなった。
「…え?」
「チャ、チャンス…ですか?」
その言葉に疑問を持ちつつ、どこかデジャブを感じるリズとシリカ…聞きたくなくとも、確かめずにはいられず、サクヤに言葉の真意を尋ねた。
「ああ…なにせキリト君ときたら、ALOにログインしても、いつも君たちと一緒にいるだろう?なかなか彼と一緒になる時間…コホン…彼の情報をしることができずにやきもきしていたんだよ」
「だからー、私もサクヤちゃんも、どうにかしてキリト君のことを知るチャンスを窺っていたんだヨ!」
「…なぁ…ええぇー!?」
「…キリトさん…まさかこんなところでも…!?」
まさかのライバルが更にいたことに、リズとシリカが悲鳴を上げるのは当然のことだった…尤も、リーファはこのことを知っているため、知らなかったのは彼女たちを含め、アスナとシノンたちだけなのだが…ちなみにユイもその場にいたため、ちょっとげんなりした表情になっていた。
(…これは一度ママに報告した方がいいのでしょうか…パパも、どうして女の人をこうも仲良くなるのが上手なのでしょうか?)
愛娘がそんなことを思っているとは、流石のキリト・アスナも思ってもみなかっただろう。この一件が解決しても、そうそう彼らに休む暇はないのかもしれない。
「だから、これは我々にとってもチャンスというわけさ」
「そうダー、そうダー!キリト君の独占、はんたーい!独占禁止法―!」
「あ、あの…知らないかもしれないけど、キリトには…その、お嫁さんみたいな子が…」
「ああ…そう言えば、そんな話もあったな」
「知ってるのに、キリトを狙ってるの…!?」
「だが、現実世界で結婚しているわけじゃないんだろう?ならば、勝負はどう転ぶかなど分からないだろう!」
「あたしは、お妾さんってのもアリなタイプだし…ほら、英雄、色を好むって言うしネ!ほら、いいものはみんなで分け合わないと…独占はいけないよネー」
「お、おめかけ……そんなのは絶対………でも、キリトさんに愛してもらえるなら…!」
「ちょ…!?シリカ、正気になりさない!というか、ダメダメ!勝負するならともかく、お妾なんて…絶対……うううぅ…!」
「リズさん!?流されてますよ…!」
「はぁ…なんでキリトばっかりモテるんだよ。フォンはフォンでユウキちゃんっていう可愛い子が彼女にいるし…」
「今に始まったことじゃないだろう、クライン…それに、そのお陰でみんなを説得できたんだ。悪い事ばかりじゃ……多分ないだろう」
「そりゃそうだけどよぉ…それにしてもだろう、あの人数は…本当、恋愛に関しての独占禁止法はあいつ自身に適用されるべきじゃないのか…」
サクヤとアリシャの攻略宣言に反論するリズとシリカだったが、愛人というまさかのワードの誘惑に負けかけていた。
そんな光景に落ち込むクラインを励ますエギル…絶対に大丈夫と言い切れない辺り、エギルもキリトのモテ具合にはちょっと危機感を覚えていた…尤も、まさかフォンまでもがアンダーワールドで既に一人陥落させているとは夢にも思っていないだろうが…
「お、お前ら…!これから大決戦を迎えるのが本当に分かっているのか!?なんだ、このぬるい会話は!」
「なんだと…それは聞き捨てならないぞ、ユージーン」
そんな中、唯一(そういった手の話に感心が薄いということもあるが)正気だったユージーンが活を入れようとするが、サクヤとアリシャが反論し始めた。
「そうだヨ、これは女のタタカイなんだから!」
「なぁ…ぬるさしかないではないか!まったく、こんなので闘えるのか…兄貴からも何言って……あ、兄貴!?」
「モーティマーさんなら、他のプレイヤーたちが解散していったのと同時に行ってしまいましたよ?未だに反対しているプレイヤーの説得をしに行くから、そっちのことはユージーン将軍に一任するって…」
「な、なんだと…!?」
「…あんたにも苦労を掛けるな」
反論にたじろぎ、モーティマーに助けを求めるユージーンだったが、そこに智将の兄の姿はなく、伝言を頼まれていたシグの言葉にそんな悲鳴が彼の口から漏れていた。そんなユージーンにもエギルから同情の声が掛けられていた。
「…さてと…なら、僕もそろそろ行きますね」
「えっ…!?シグ、あんたはアンダーワールドに行かないの…!?」
「いえ、時間までには僕もアルゴもここに来ますよ…でも、ちょっと片付けないといけないことがありますから」
「…分かった…本当にありがとう」
「それでは、また後程」
リズに簡単な事情を伝え、シグは転移結晶を使ってどこかへと転移してしまった。残されたリズが今後の動きをどうするかと一同に相談しようと時、
「あの…リズベットさん…!」
「…シウネー!」
一人の水妖精…リズたちもよく知る、ユウキがリーダーを務めるギルド『スリーピング・ナイツ』の一員であるシウネーが声を掛けていた。
「お久しぶりです…さっきのお話、向こうの世界で闘っているというのは、ユウキやアスナさんのことではないかと思いまして…」
「…うん。キリトやフォンのために、アスナとユウキも今アンダーワールドにいるわ」
「やはりそうでしたか…ここ数日、ユウキと連絡がとれていなかったので、もしかしたらと思ったのですが………分かりました。リズベットさん、私たちスリーピング・ナイツもその仲間に入れてもらえますか?」
「…本当!でも…」
「危険はみんな承知しています…でも、ユウキは私たちの大切な仲間です…アスナさんだってそうです…あの子たちが守ろうとしている大切なものを、仲間である私たちも守りたいと思うんです。
それに、あの子は目を離すといつも無茶ばかりをしますから…放っておくわけにはいかないんです…私たちのリーダーを」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
「もちろん、アバターが消滅してしまうことは…とても怖いです。私たちにとって、アバターは、いわばもう一つの自分と言っても過言ではありません。でも、だからこそ、アンダーワールドに行くんです…アンダーワールドの人たちは肉体のない、いわばバーチャルな存在と聞きました…そういう人たちを見捨てるのは、いわば自分自身を見捨ててしまうのと同じこと…みんな、そう考えて、この闘いに参加することを決めたんです…それに、あの子を見捨てるようなことをすれば、ランに怒られてしまいますから」
「歓迎するぜ、シウネー!あの名高いスリーピング・ナイツまでも参加してくれるんだ!
まさしく鬼に金棒の戦力だぜ!」
「うん!」
…こうして、スリーピング・ナイツもコンバート組に加わり、ALOでの動きは大きくなりつつあった…シリカの言う様に、キリトたちの縁がバラバラになっていたものを結び付けたのだ。
しかし、その縁はALOだけでなく、その他にも広がっていた。
「どうだ、朋…拡散の具合は?」
「私の情報網を甘くみるナヨ?とっくに拡散済みダヨ」
転移した後、自身が借りていた宿から現実世界に戻って来たシグ…もとい、速水英雄は自身の部屋に来ていた相棒であり彼女であるその人へと声を掛けていた。
自作であるPCの画面にその情報を見せつけながら、彼女…情報屋の鼠として名高いアルゴ…保坂朋は自身の成果を解説していた。
「知り合いのMMOトゥデイはもちろん、GGOといった主流VRMMOの掲示板にまで書き込んだんだ…それに、リズの演説に、クラインとお前さん、ユージーン将軍とモーティマーの決闘までもリンクで観れるようにしたんだ…更に、ゲーマーをふっかける言葉まで書き込んでやったからナ。これで食いついてこなきゃ、そいつはゲーマー失格だナ」
「…それは良かった。あの腹黒領主と決闘してきた甲斐があったってもんだ」
そう…実はシグとクラインが決闘を…いや、リズたちがALOプレイヤーを説得しようとする動きを、キリトたちのログハウスでしていることを盗み聞きしていたこの二人は、すぐさま行動に移していたのだ。
シグがALOでの出来事を遠隔自動録画し、その間にアルゴは、学生生活と共に兼用しているVRMMO関係のライター・リサーチャーの仕事での付き合いがあるMMOトゥデイにその情報を拡散してもらったり、その仕事用に作成した各VRMMOのアバターでゲーム内の掲示板に書き込みをして、ALO以外のVRMMOプレイヤーにも、アンダーワールドへのコンバートを促していたのだ。
アルゴが書いた掲示板には、リズの演説と、クラインとシグの決闘の様子が見れるリンクと共に、この一言が書かれていた。
『日本のVRプレイヤーの実力を、世界に見せつけてやる時が来た!』
「シンカー、これを見てくれ!」
「…これは…!?ディアベル、ユリエール!すぐにこの情報を拡散すると共に、知り合いのVRプレイヤーに片っ端から声を掛けるんだ!…彼らに恩を返す時が来たみたいだ!」
「ああ!」「ええ!」
フォンにギルド分断の際に助けてもらい、自身の命をキリト・アスナに救われた元SAO生還者で彼ら…アインクラッド解放団の主要メンバーだった彼らは、付き合いのある鼠と呼ばれる情報屋から齎された情報に、すぐさま行動を動き出した。
そして、彼らの発信した情報により、その話は更なる人たちの目にも止まっていく。
「…ケイタ…この女の人って…前にキリトと一緒にいた人だよね?」
「ああ……やっぱりあいつ…あの時と同じで、今も闘ってるんだな」
「ねぇ、ケイタ……どうするの?」
「…俺は……」
キリトとフォンに命を救われた二人…無事にSAOがクリアされた際、現実世界へと戻ってこれた二人だったが、失ってしまった仲間と、やつあたりの言葉をぶつけてしまったキリトのことを深く後悔しており、帰還者学校には通わず、別の学校へと通っていた。
しかし、VRMMOへの熱意は冷めてはおらず、実はALOをプレイいた…それでも、仲間の死を思い出してしまうことから、本格的に行動はしていなかったが…リズがキリトと一緒にいたことを見たことがあった彼女の言葉に、今もなお、キリトが誰かのために闘っているのだと知り、男は恐怖を振り切り、言葉を捻り出した。
「……行こう、サチ。あいつに謝れずないままなんて……やっぱり俺にはできない…!」
「…うん…!」
現在と過去…それぞれにキリトたちの縁は広がり、それぞれが動き出していた。ALOだけでなく、多くのプレイヤーが今、アンダーワールドに向かおうとしていた。
シグ/速水英雄
SAO生還者で、現在は経済学部の大学に通う一年生。情報屋であるアルゴの相棒を務めることから、『鼠のボディガード』の二つ名を持つ。メインウェポンは刀、サブは暗器などの投擲物。
VRMMOはSAOが初めてだが、βテストに参加していた経験があり、βテスト時は父親(VRMMO経験者)と交代でプレイしていた(そのため、ダイブ毎に闘い方が異なっていたため、キリトやアルゴの記憶に残っていなかった)
本格サービス開始時に、父親よりも先にダイブしていたため、SAO事件に巻き込まれる形になった。βテストの経験と父親からの教えもあって、序盤からかなりの実力を持つようになる。しかし、ある事件をきっかけに第一線を退き、下層のプレイヤーを助けると言った慈善活動を行うようになった。
アルゴと知り合ったのも、調査の途中で聞きに陥った彼女を救ったことが契機で、そこから妙な関係になり、時折パーティを組むようになり、紆余曲折の末に交際することになった。
戦法は居合術を主戦法とした一撃必殺か、短剣と暗器を織り交ぜた暗殺術のどちからを相手や状況に合わせて使い分ける。そのため、モンスターよりも対人戦の方を得意とする。
スイッチが入ると、雰囲気が一気に変わり、口調も冷たいものに変わるため、知り合いからも恐れられることが少なくない。また、相手によって話し方を変えることも多いため、一人称が『僕・私・俺』とコロコロ変わることも珍しくない。
総合的な情報収集能力はアルゴに一歩劣るが、SAO時の裏に関する話の情報収集力はアルゴを凌駕していた(それがきっかけで、アルゴにある疑いを持たれることになるのだが…)
ちなみにアルゴとの交際は親公認(父子家庭ではあるが…)、時折自宅にアルゴを泊めていることも多い…補足:父親は市役所勤め。
●OSS解説
刀OSS〈居合術『奪命』〉
SAO時代から独自に放って来た居合術をOSSへと昇華させたシグの必殺の一つ。
抜刀から納刀までの動作が全く見えず、ソードスキルを発動させると見せかけて、普通の抜刀術を喰らわせるなどフェイントと織り交ぜることも容易い剣技。
一方で、太刀筋は変わらない・単純すぎるという弱点もあるため、一度喰らった相手には警戒されてしまう。また、キリト・ユウキにはギリギリ見切られてしまうため、反射神経が優れた相手には分が悪い。
強弱ははっきりしているものの、シグが使うOSS抜刀術の中では、地上・空中問わず最も使いやすい技でもある。
●武器解説
・ハルバート
モーティマーが使用していた長槍と斧が組み合わさったような武器。
見た目ほど重くなく、STRさえしっかりと鍛えていれば、片手での運用も可能。ALOでは、アップデートという形でソードスキルが導入された関係で、リーファが使う長刀のように、二種類以上のソードスキルを使うことができる武器が多少存在し、ハルバートは槍・両手斧・両手剣のソードスキルが使用できる。
但し、パッシブスキルに関してはどれか一つのみが適用され、武器の攻撃力もそれぞれの熟練度の平均が反映されるため、それぞれの熟練度を伸ばさなければ、攻撃力を伸ばせないといった成長させるのに手間が掛かるといったネックも存在する。
・羊霊杖『ヘレー・ネレズ』
持ち手部分が羊の毛で覆われ、先端部分が魔法石で構成されたワンドの形状をした魔法杖。分類は古代級武器クラス。
効果として、魔法の威力を半減する代わりに、消費MPを半減し、MP自動回復を強化する。威力よりも魔法による牽制弾幕を張る、サブウェポンとしての側面が強い。
性能は古代級武器の中でも上位に属するが、その分作成するのもかなり困難であり、素材を入手するためのクエストが高難度ばかりだったりする。
名前とデザインの元ネタはギリシャ神話『アルゴー船の遠征』より、登場する地名「ヘレースポンテス」(現在で言うダーダネルズ海峡)。
そんなわけで改変交えつつの、現実世界のお話後編でした!
オリキャラであるシグが、本格的に参戦したわけですが…前回登場したのが、マザーズ・ロザリオ編第5話…まさかの一年以上前!?(番外編ではもう少し早く再登場しましたが…)
外伝として出せたら、出せたら…と考えている内にこんな形になってしまったわけでなのですが…まぁ、全て作者のせいということなんですが(どこぞの仮面レモンのマッドサイエンティスト風に)
シグとアルゴの話もどこかでまた出来たらいいなと思ってます…短編とかロスト・ソング以降、結構登場しますので…(苦笑)
そして、原作だと名前だけ出てました火妖精領主:智の将モーティマー!
全然情報ないんで、ならこっちで付けくわえまくってやろう!…そう思い、ALO古参プレイヤーならば、やっぱり強者としたいと思い、魔法も使える戦士と形になった訳です。
ところで、火妖精って、火属性以外の最上級魔法…特に全属性魔法『ビフレスト・レゾナンス』(AWvsSAOより持ってきました)を取得できないのではと思った方も多かったと思いますが、本作ではある方法…まぁ、高難度クエストを攻略すれば、取得可能という裏設定を設けさせて頂いております。こうでもしないと、あるキャラがちょっと理不尽なことになりますので…その辺りのお話もホロウ・フラグメントに関わるお話が終わった後で触れる予定ですので、ご期待頂ければと思います。
更に、領主であるサクヤ、アリシャ・ルーまでも落としかかっている我らがキリトさん…これ、ロスト・ソングのどっかで修羅場書くことになりそうで怖いのですが……どうしたもんですかね(苦笑)
さておき…それとは別に今回久々に登場しましたスリーピング・ナイツ!
少しだけの顔出しではありましたが、本格的な活躍はアンダーワールド以降になるかと思います。
また、あの懐かしき原作キャラたち…本作では、フォンの介入もあって彼らが生存しておりましたので、キリトとの縁という意味では彼らも切っては離せないと思っての登場でした。
特に最後の二人に関しては、その後どうなったのかと思った方々もいたのではないかと思います…この二人とキリトに関するお話も後々書こうとは思ってますので、お楽しみにして頂ければと思います…もしかしたら、もっと早く再登場するかもしれませんが(黒笑)
さて、ようやく現実世界のお話は終わり、お話はアンダーワールドへと戻ります!
それでは、また!
武器解説に関して、新調と古いものだとどちらがいいですか?
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物語の語り部を新調版
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今までと同じ旧式版