どうして遅れたかといいますと、無理矢理お酒に連れて行かれ、強制的に二次会ゴーって奴です…(マジありえないです…!)
…コホン…すみません、ちょっと心の闇が漏れました…
さてと…現実世界のお話です。
フォンたちが全く出てこない珍しいお話です(笑)
色々と書いてたら、結構長くなりました。
それでは、どうぞ!
P.S. 先日、プログレッシブ見てきました!
いや…マジで良かったです!?特にアニオリのミトを加えたアニメオリジナルから、一層ボス戦が見てて鳥肌立ちましたね!
…ミト、ぶっこもうかどうか検討中だったりします…(実は入れる手段は、本作あるんですよね…(苦笑))
「う、動くなぁぁぁ?!」
「なぁ……っ!?」
絶叫に近い言葉を向けられた男…比嘉健はいきなりのことに、驚きに襲われ、言葉を失っていた。
持ってきた自前のノートパソコンに映るプログラムの状況すら忘れてしまう程、彼は危険な状況にあったからだ…その視界の先、眼鏡に映る人物が、自身に言葉だけでなく、拳銃を向けてきていたのだ。
「動くな…絶対に動くなよぉ!?」
行動を妨害された比嘉…彼がどうしてこのような状況に陥っているのか…そして、彼が何をしようとしていたのか…話は、リズたちコンバート軍がアンダーワールドへと介入した直後にまで遡る。
7月7日 午前7時18分
オーシャン・タートル サブコントロール・ルーム
「…ふぅぅぅぅ……間に合った、ッスかね…」
「…間に合ったわ。絶対にね…」
疲労と安堵と不安…様々なものが入り混じったため息を吐いた比嘉は、大型モニターに映るアンダーワールドの状況…コンバート軍が、アスナたちに合流したのを確認し、そんな言葉を漏らしていた。
珍しく弱気な発言をした彼を気遣い、そして、大丈夫たと励ましの声を掛けたのは、さっきまで同じく作業に当たっていた凛子だった。彼女からミネラルウォーターを受け取った比嘉は、蓋を開けて喉を潤す。
「…全く…我ながら迂闊過ぎたッスよ。まさか、相手さんがFLAを現実世界の時間と同調させるだけでなく、アメリカのVRMMOプレイヤーに目をつけて、アンダーワールドにダイブさせてくるなんて…
しかも…その動きを察知したのが、アスナさんの端末に接続していた既存型のAIだって言うんですから……ホント、ジーニアスなんておごかましいッスよね…」
「無理ないわよ…菊岡さんと違って、貴方は軍陣じゃないんだから。こんな非常事態の中、よくやっている方よ。まぁ、ジーニアスって自称を控えるのは、いい考えだと思うけどね」
「ハハッ…凛子先輩はきついッスね…(それにしても…アスナさんのAI……どれだけの能力を持っているんだ…?ここに来た時にも、大学のホームページをハッキングしたみたいッスが…いや、それを考えるのは後ッスね)」
自身の過信と甘さに後ろめたい発言が比嘉の口から飛び出すも、凛子はフォローの言葉を掛け…るかと思いきや、少しはその自信家の部分を自重すべきだと忠告も挟んだ。その言葉を受け、苦笑いしながらも、ユイのハッキング能力に興味と畏怖を覚える比嘉。
それはともかく、今は自分がすべきことへと意識を戻した比嘉は、モニターへと視線を移し直した。
「それにしても、ザ・シードを元にしたVRMMOからキャラコンバートとは…VRMMOを熟知している彼らだからこそ、思い付く方法ッスね。本当に、彼らには頭が上がらないッスね」
「まぁ、そのコンバートを成立させるために、最短時間で最適化を行った比嘉君も凄いわよ。彼らは彼ら、比嘉君は比嘉君でしょう?」
「…そう言って頂けるのは有難いですが…凛子先輩も、自分とほぼ変わらないくらいのスピードで、最適化のプログラムを組んでいたじゃないッスか…」
「当たり前よ…茅場君にその辺りの知識は教わっていたし…伊達に、重村研究室に在籍していたわけじゃないのよ……それに、メデキュボイドに関わっていたんだから、否が応でも知ったのよ」
二人の言葉通り、ユイから各VRMMOの有志プレイヤーのコンバートを提案されたラースの面々は、比嘉を主体としてコンバートの最適化に追われることとなったのだ。
比嘉が疲れた様子だったのはそれが原因であり、先程まで作業に取り掛かっていた他のメンバーはその辺りに疲労のあまり座り込んでおり、菊岡までも疲労がピークに達し、隣の席で仮眠を取るため、デスクに突っ伏していたほどだった。
「でも…他に対抗手段がなかったとはいえ、彼ら一般人を受け入れてしまったことで、アリシゼーション計画の情報は半ば公けになってしまったわね」
「…『A.L.I.C.E.』たちが敵の手に渡って、ただ支配されるだけのAIとして無人兵器に使われるより、その方がずっといいッスよ」
「…比嘉君…?」
「…そうッスよ…『A.L.I.C.E.』は…いや、アリスとユージオは、もうただのUAVコントロール用のAIじゃない…本物の異世界に生まれた新しい人類なんだ」
『和人や明日奈ならこの計画の真意を聞いたら、真っ先に反対したでしょう……俺も、和人たちと同じ意見です。いくら失う肉体がないからって…育て上げた人工知能を戦争の道具として使うなんて…あんたたち、神にでもなったつもりかよ…!!』
『黙れ!あんたたちは……人工知能だからって、命を粗末に扱っていいわけがないだろう!?あんたたちにとっては軽い物であっても、その命は身近な人にとってはもう二度と取り戻せないものなんだぞ?!それはお前らは……!?』
「…君たちには、そんなことはとっくに分かっていた…そうッスよね。キリト君、フォン君…」
アリシゼーション計画をこれ以上隠し通すことはできないだろうという凛子の意見に、比嘉はどこか安堵した様子が応える。後輩の意外な反応に、凛子も少しばかり驚く。
比嘉も科学者である前に、一人の人間である…菊岡の考えにはもちろん反対する気はなかったが、フォン…蓮の主張にも思うところはあったのだ。
あの時…アリシゼーション計画のおおよその全容を聞き、菊岡に食って掛かった時や、セントラル・カセドラルから通信をくれた時の、フォンの反応を…そして、キリトやフォンの仲間たちが、アンダーワールドに生きるフラクトライトたちのために手を貸してくれたことに、比嘉自身もキリトたちの考えを理解したのだ。
そんな当たり前を…専門家である自分が、彼らに教えられることになるとは…思わず零れた言葉を噛み締める比嘉…その視線が、当事者であるフォンとキリトのフラクトライトへと向けられた時だった。
「……うん…?…これは………えっ?!ええぇぇ!?」
自分が見たものが信じられず、目を擦り、眼鏡を思わず掛け直すも…画面に映っているものは先程とは変わらず、慌てて比嘉はキーボードを叩き、画面を操作する。
「…っ!?ちょ、ちょっと、凛子先輩!?これを見てくれますか?!」
「これって、桐ヶ谷君と音弥君に接続されてるSTLのデータよね…?でも、このグラフの変動は何なの?」
「その変動した部分は、彼らの喪失した筈の意識が一瞬だけ活性化したことを表しているですが…フォン君はともかく、キリト君に至ってはそんなことあり得ない筈なんッスよ…」
「でも、彼らの意識は少しだけ戻ったってことは事実なのよね…でも、一体どうして………っ!ちょっと待って…二人が反応を示したこの時間って…明日奈さんと木綿季さんがSTLでダイブした時間じゃない…?!」
「そういえば…ということは、その後にもあるキリト君が反応したもう一つの方は……そうか!六本木分室でシノンさんとリーファさんがダイブした時の時間と同じッスよ!?」
フォンとキリト…彼らのフラクトライトのデータは記録され続けていたのだが、襲撃の余波でフラクトライトにダメージを負って以降、全く反応が見受けられなくなっていたのだ。
それが、キリトに至っては二度も反応を見せるなど、まさかの出来事に気付いた比嘉が凛子に意見を求めたのだ。そして、それが木綿季たちSTL組がダイブした時間と被ることに気付いた。
「…でも、どういうことなんだ…?ただ親しい人間が現れたから、強い反応を示したってだけなのか…いや、フォン君はまだ分かるが、キリト君の受けたダメージはそんなリリカルな代物で回復するものではない筈だ…
何か…彼の魂を振るわせる程の理由がある筈……自己…主体…自分を自分だと否定するイメージ……その量子パターンのバックアップがあった?いや、テスト時を含めて彼らのフラクトライトは一度もコピーしていない…」
「…ねぇ、比嘉君…」
「…それに、仮にコピーしてところで、そこから自己イメージを切り出して書き込むなんて真似は不可能だ」
「ちょっと…比嘉君?」
「彼らのフラクトライトと接続しうるような生きた量子パターンが…どこだ?一体どこに、そんなパックアップに等しいデータがあるって…」
「比嘉君ってば!!」
「っ!?な、なんッスか、凛子先輩…」
目の前の現象を分析し、答えを探そうと思考をフル回転させる比嘉…三度目の凛子に呼び掛けに、意識を現実世界へと戻され、どうしたのかと凛子へと視線を向ける。
「比嘉君って、主体とか客体とかよく言うけれど…そんな簡単に切り分けられるものなのかな…」
「えっと……どういうことッスか…」
「主体と客体はあくまでも物事を表わす哲学的な概念でしょ?人間は社会的な動物よ。唯一の個人として存在しているわけではないわ。自分の中の他人、他人の中の自分…それらはある程度、ネットワーク的に接続しているところがある…そうは思わない?」
「他人の中の…自分……そうか!セルフイメージのバックアップ…!?…ある…あるッスよ!!キリト君の吹っ飛ばされちまった主体と、零れ落ちたフォン君の記憶を補完できるデータが!!彼らに近しいフラクトライトの中に!」
「「…!?」」
理学的に考えすぎていた比嘉の思考に、凛子の言葉がその答えとなるヒントを与えた。フォンとキリトと近しい人物…ユウキ、アスナ、シノン、リーファのフラクトライトに記憶されている、二人に対するイメージがあれば、どうにかできるのではと比嘉は思い付き、更に思考を進める。
その言動に、凛子だけでなく、仮眠を取っていた菊岡も起こされ、視線をブツブツと考え込む比嘉へと向けていた。
「でも、それを抽出するにはSTLが必要だ…フォン君はユウキさんのものを使って記憶を補填できるとしても、キリト君の場合は自我までも失っているから一人だけじゃ再現性が低い…せめて三人はキリト君の方には必要か……菊さん!六本木からダイブしている、シノンさんとリーファさんは、キリト君に近しい人間なんですよね?」
「…ああ、そうだ。シノン君は、半年前のデス・ガン事件をキリト君たちと一緒に解決した仲だ。そして、リーファ君はキリト君の妹だよ」
「…それに加え、ここにはアスナさんと…SAOからアンダーワールドに到るまで共に歩み続けてきたフォン君がここにいる…!3人どころか、4人もいれば……できる…!復元できるかもしれないッス!フォン君とキリト君のセルフイメージを!
彼女たちのフラクトライトに保存されている筈のフォン君とキリト君のイメージを抽出して、フォン君の場合は変動してしまったフラクトライトに、キリト君は損失領域に繋いでやれば…来たッスよ、これ!!」
僅かばかりの光明が見えた…フォンとキリトを覚醒させられるかもしれないと、手を打ち合うほどに喜ぶ比嘉だったが、ある事実に気付き、喜びから一転頭を抱えた。
「あっ…ああああぁぁぁ~~~~…!そうだった…折角可能性が見えたっていうのに…嘘だろう…!?」
「ど、どうしたのよ…いきなり…」
「その操作ができるのが…メインコントロールだけなんッス…!?サブコントロールからじゃ…!?」
「あっ…それじゃあ…!」
「クソ…折角、二人を復活させる可能性が出てきたっていうのに…?!」
「そうしょげるな、比嘉君。キリト君たちの治療に光明が見えただけでも良しとしよう。この非常時にそれを行うのは、彼らにとってもリスクが高すぎる。実際のオペレーションは、状況が終了し、連中がこのオーシャン・タートルを離れた後でも…」
「それじゃ…遅いんッスよ…!?」
「「…?」」
フォンとキリトの意識を再覚醒させる手段が見えたところで、最後の一手が届かないことに苦悩する比嘉。菊岡が気遣ってフォローの言葉を掛けようとするが、比嘉の反応に凛子と共に首を傾げた。
「護衛艦あさひからコマンド部隊が突入してきて、メインシャフト部で大規模な戦闘が行われたりでもしたら、サブ電源も落ちるでしょう…そんなことになったら、キリト君はアンダーワールドから意識不明のまま、フォン君は記憶を失ったままログアウトすることになります。
そしたら、おそらくキリト君はログインに必要な初期ステージを通過できず、二度とSTLに接続できません。フォン君も、今の状態のまま意識を取り戻したりしたら、フラクトライトにどのような影響を及ばすか……想像がつかないでしょう。
…だから…なんとしても、彼らと4人の少女たちがアンダーワールドにダイブしている間に、治療を行わないとならないッス!?」
「…最悪の状況に、最高で最期のチャンスがあるということか…だが…」
「分かってます…でも、僕は行くッスよ、菊さん」
この時を、今でなければ、フォンたちを目覚めさせることはできない…比嘉の意見を菊岡も理解はできたが、すぐに承諾することはできずにいた。しかし、比嘉は迷うことなく、菊岡にそう進言した。
「行くとは…どこにだね?」
「…今、キリト君たちがいる第2STL室と耐圧隔壁の下のメイコン(メインコントロール・ルーム)とは、メインシャフト船尾側のケーブルダクトとで繋がってます。
あそこには、一か所だけ点検用のコネクターがあった筈ッス。そこからなら…二人に接続されているSTLに操作することが可能です」
「しかし、点検コネクターは耐圧隔壁の向こう側だぞ。もし気付かれたら、下から攻撃される可能性もある」
「そこは……囮作戦でいきましょう」
「囮だと…?だが、そちらに分けられる人材も今はそこまで…」
「もちろん、貴重な人材を投入しようってわけじゃないッス。隔壁のロックを解除したら、ダクトの反対側にある人間用の階段から下に突入させるんッス、あれをね…」
「……なるほど。イチエモンか…」
STLを操作するために危険な場所へと向かおうとする比嘉に、菊岡は敵に察知される危険性を述べる。それに対する作戦を告げる比嘉の視線の先…フラクトライトが現実世界で活動するための体の試作機…エレクトロアクティブ・マッスルド・オペレーティブ・マシーン…通称『イチエモン』を使うのだと菊岡も理解した。
「ちょっと…!あれはまだ階段をゆっくり上り下りりすることしかできないのよ?!敵の注意を引いて、すぐに駆け戻ってくる真似は不可能よ…!」
「そこは…イチエモンには悪いですけど、頑張ってもらうしかないッス。ただ、見た目があれなんで、逆に警戒されて敵もすぐに撃ったりはしないかもしれません」
「…まぁ、確かに…あの外見なら大いに目立つでしょうし、こっちが何かとんでもないことを企んでいるように思わせられるでしょうけどね…」
「少なくとも、アリシゼーション計画のことを知っているであろう奴らが、ロボットである何かを前にしたら、無視はできない筈ッス。で、敵がイチエモンに対応している間に、僕がケーブルダクト下部に侵入…点検コネクターから二人のSTLを操作します」
イチエモンの機動性を知っている凛子が懸念事項を上げるも、その風貌から得られるメリットが大きいことを比嘉から述べられ、納得してしまう。そこに菊岡があることを提案しようと、口を開いた。
「いっそうのこと、ニエモンも投入できないか?」
「残念ながら、無理ッス…前にも言いましたけど、バランサーを…フラクトライトを載せていない今のニエモンでは、階段を降り始めた途端に転ぶッスよ」
「そっか…流石に無理があるか」
「でも、比嘉君…隔壁のロック解除はそれで誤魔化せたとしても、君に発見される危険性が完全に消滅するわけじゃないわ。護衛してくれる人を連れていった方がいいんじゃないの?」
「…いえ。今の状況で自衛官スタッフは貴重すぎる戦力ッス。サブコンの護衛に、囮部隊の配置を考えれば、僕の方に割くことの方がリスクが高いッス。それに、あんなクソ狭いダクトを素早く移動できるのは、ガリチビの僕くらいッスよ!サッと行って、サッと帰ってきますから!
キリト君とフォン君がいなければ、アリスたちのフラクトライトはじっと今のようにはならなかった…それだけでも彼らの功績は凄いものなのに、その上、彼女たちを守ろうとして…子供の彼らがあそこまで危険を冒してまで戦っていたんッス…だから、彼らを治療できる可能性があるのなら、どんなリスクを負ってでも挑まないと…!大人の自分が顔向けなんてできないッスよ!!」
「…そうだな。確かに…明日奈君たちにも、必ず彼らの意識を回復させると約束したのだからな…大人の我々がやらねばならない時のようだな」
凛子が残っている危険性を告げるも、フォンとキリトの真意を理解した比嘉は、恐怖など感じさせない笑みを浮かべながら応える。その姿に、菊岡も作戦に乗ることにし、比嘉を励ます様に彼の肩を叩いた。
「…あのぉ…私も比嘉チーフと一緒に行きます」
「「えっ…?」」
自分も同行する…そんな申し出が聞こえてきて、驚いた菊岡と比嘉の視線が、発言した者へと向けられる。その男は自衛官ではなく、凛子と同じ白の研究着を着たラーススタッフの一人だった。
「私もこんなにガリガリですし、でも、チーフの弾除けくらいにはなるかなって…それに、これまでケーブル周りの補修をしてきたの、私ですから」
「それは…助かるッス。本当のところを言うと、点検コネクターの位置をイマイチ覚えてないんッスよね」
白衣をコンソールに備え付けられた椅子に掛けたそのスタッフの申し出に、実は細かい場所を把握できていなかった比嘉は断る理由もなく、それを受け入れた。
「それじゃ、有難く同行をお願いするッス…柳井さん」
比嘉に名を呼ばれ、その男…柳井は笑みを浮かべて応えた。
そして、準備が完了し、点検コネクターへと向かい始めた比嘉・柳井の動きに合わせ、菊岡達もイチエモンを主体とした囮作戦に取り掛かっていた。
『聞こえる、比嘉君?こっちは中西さんたちが、イチエモンを先頭にして下へと向かい始めたわ。そっちはどう?問題ない?』
「…ええ。なんとか…あと五分ぐらいで、耐圧隔壁まで下りられると思うッス」
耳に装着していた通信機から聞こえてきた凛子の声に、ケーブルダクトの出口から見下ろしている彼女を遠目で確認し、メインシャフトを梯子で降りながら比嘉は受け答えた。
後から降りてくる柳井の顔が真っ青だが、下が見えない程に高い位置に彼らはいるので、無理もない話だった。
『了解…そちらの準備ができ次第、イチエモン班に突入の指示を出すわ』
「ラジャーッス」
『すみません、柳井さん。その子のこと、お願いしますね?』
「…ラジャーです」
段取りを確認し、再び比嘉たちは梯子を下りていく。このまま順調に…そう思った矢先、彼らの耳にアサルトライフルの銃声が飛び込んできた。
「っ…!?今のは…!」
『待って……侵入者がイチエモンに気付いて攻撃し始めたわ!急いで!?』
「くっ…!ケーブルの点検用コネクターまで、あと10メートル…!」
突入指示を出すよりも早く、イチエモンが襲撃部隊に気付かれしまい、凛子から焦りの声が出る。急がなければと思いつつ、冷静に比嘉は動いていく。そして、比嘉が点検用コネクターへと辿り着くことに成功した。
『じゃあ、私はサブコンでフォン君とキリト君のフラクトライトをモニターしておくわね?比嘉君、頑張れ!』
「はいッス!こっちもすぐに作業に取り掛かるッス!柳井さん、大丈夫っすか?!」
「僕の方は気にせずに…!チーフは作業を開始して下さい…!?」
「…了解っす…!」
自分の助けよりも、作業を優先してくれという柳井の声に、比嘉は背負ってきたリュックを降ろし、STLの点検用コネクターが入っている部分を動かし始めた。
「この中に…点検用コネクターがある筈……あった…!」
目当てのコネクターを見つけ、リュックから自作のノートパソコンを取り出し、コネクターと接続させた比嘉は、パソコンのキーボードを叩き始めた。
「いよいよだ…このままSTLのシステムへと介入できれば…!」
焦りながらも、ミスタッチすることなく比嘉は高速でキーボードを叩いていく。それを見守る柳井の表情にも焦りが浮かんでいた。そして、
「…っ!よしッ!!これでフォン君とユウキ君、キリト君とアスナさんにお友達二人のSTLが操作可能になったッス!これでいけるッスよ!」
これでフォンとキリト両名を覚醒させられる…上手くいったと喜びの声を上げた比嘉。柳井にもその喜びを伝えようと視線を向けた時だった。
「う、動くなぁぁぁ?!」
「なぁ……っ!?」
仲間である筈の柳井が自分に銃を向けている…そんな信じられない光景を視界に飛び込んできたのだ。突然の柳井の行動に、流石の比嘉も言葉を失ってしまう。
「動くな…絶対に動くなよぉ!?」
…そして、話は冒頭へと戻る…
「や、柳井さん…なんで、ッスか…?!」
「い、言っとくけど…お門違いだからな。僕を裏切り者扱いするのは…!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「僕は初志を貫徹しているだけだ…!ボスの意志は、僕が引き継ぐ!?そのために、ラースに潜り込んだんだからな」
「ボ、ボスの意志…?一体誰のことを言ってるんッスか…!」
柳井が裏切ったのだと理解した比嘉…なんとか冷静に柳井の真意を探ろうとし、柳井の言うボスという言葉に引っ掛かりを覚えた。
「ううぅぅぅ…?!君もよ~く知っている人さぁ!須郷さんだよ…!」
「なぁ…!?(須郷先輩だと…!)意志を引き継ぐって…別に死んでないッスよ、あの人は?」
「アハハ…ヒヒヒヒィヒィヒィ!アハハハハハハハハハ!!似たようなもんさ!最低でも、10年は暗い牢の中でしょ?実は僕も危ないところだったんだ…もう一人のスタッフに全部罪をお被せてどうにか逃げたけどね…」
「なるほど…じゃあ、あんたもALOで…須郷がやらかしていた人体実験に加担していたわけだ…!」
「関わっていたなんてものじゃないよ…実際にデータを取っていたのは僕なんだ!楽しい研究だったなぁ、あれは…!バーチャル触手プレイとかさ…!!」
「っ…!?(こいつは…!)」
そう…じつはこの柳井という男。実は、キリトがアスナを助けようと、リーファと共に世界所を目指していた旧ALOでの事件において、実は須郷たちのVR空間での研究室へと忍び込んでいたアスナを凌辱しかけたことがあったのだ。
そのことを思い出して奴に浸る柳井の姿に、研究者として、そして、人として、怒りを覚えた比嘉は、珍しく感情を表情に表して柳井を睨んでいた。だが、銃を突き付けていることで優勢だと思っている柳井は気にすることなく、ペラペラと目的を話していく。
「まぁ、僕の人生はエンドロールなんだけど…あの人が繋いだラインはまだ生きてる。なら、僕がそれをキチンと使ってあげなきゃ…あの人も浮かばれないよね?」
「ラインって…どことッスか…?」
「…フッ…アメリカ国家安全保障局…」
「っ…!そうか…あんたが、あの特殊部隊に…アメリカにアリシゼーション計画の情報を流していたんッスね…!?」
「下のアメリカ人連中が首尾よくアリスを回収できれば、僕にもでっかいボーナスと向こうでのポストが約束されるってわけさぁ!!まさに、須郷さんが夢見てたアメリカン・サクセスストーリーだよねぇぇ!!!」
(なんてこった…!?こんなバカのせいで、キリト君やフォン君があんなことに…!アリスたちに魔の手が迫ったっていうのかよ!?…早くしないと、キリト君たちが…!頼む!?頼む、この状況に気付いてくれ、凛子さん!?)
自身の欲望の赴くままに下種になりさがった柳井の行動原理…それは意志を継ぐなどとは程遠い、野心に溺れた屑の考えだった。
内心毒づきながらも、このままではフォンたちの覚醒のための操作をすることができない…なんとか凛子が気付いてくれないかと焦る比嘉だが、その焦りが余計な力を生んでしまったのか、ノートパソコンを持っていた指が滑ってしまい、
(っ…!?しまっ……!)
「…う、動くなああァァァァ!?」
「…!?」
パソコンが落ちた音を掻き消すかのように、銃声がメインシャフト内で響き渡った。
「…どうだい!?キリト君たちの方は…!」
「今、比嘉君のオペレーションが始まったところ…囮の方はうまくいってる?」
「スモークグレネードをありったけ投げ込まさせた。煙が通路から排出されるまでは気を引けるだろうが…その後は再び障壁をロックしなければ危険だ。あまり時間はないぞ…!」
一方…囮部隊に指示を出していた菊岡もサブコントロール・ルームへと戻ってきて、先にモニターを見守っていた凛子と合流していた。状況を尋ねる凛子に、打った手を話す菊岡だが、時間稼ぎにも限界があるとも告げた。
「比嘉君は長くても5分で結果が出るって言ってたけど…」
「5分か……それならなんとかできるとは思うが…」
「えっ……これって…?」
「どうした…?」
後は比嘉次第だと作業終了を待つ二人だったが、モニターを見ていた凛子が、フォンとキリトのフラクトライトの映像とは別に、アンダーワールドの状況を表す画面を見て、おかしな部分に気付き、コンソールを操作する。
「えっと…制限、対抗指数、検出閾値、報告…?なんなの、この項目…」
「な、何ィ!?」
「…!?何なの、いきなり大声出して…?!」
いくつかのユニット…フラクトライトに珍しいパターンが見られ、そのデータを読み上げた凛子だが、それを聞いた菊岡が珍しく大きな声を出して驚いていた。抗議の声を上げる凛子から、コンソールを奪うかのように操作していき、
「…!間違いない…!?新たな限界突破フラクトライトだ!しかし、どうしてこのタイミングで、しかも複数もの個体が突破しているだ?!」
「それって、つまり…第三、第四の『A.L.I.C.E.』ってこと!?」
「……一つのフラクトライトはそうと言えるだろう…しかも、過去のログデータを見れば、記憶を失っていたフォン君と行動を共にしていた時に覚醒したようだ…!?
だが、残りの二つは厳密に言えば、先に覚醒していた『A.L.I.C.E.』たちとは同じレベルとは言えないんだ…!論理回路ではなく、情動回路によって人工フラクトライトの制限を突破したようだ…いかん!?すぐ南のアメリカ人集団のところへと向かっている!?くそ……!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ようやく現実世界側でも、ユージオとアリス以外の覚醒したフラクトライトたちを認識できたものの、気付くのに遅れてしまった今、どうすることもできないでいた…悔しがる菊岡の真意は、おそらくフォンたちのものとは全く異なるものなのだろう。
そんな菊岡を無視し、凛子はもう一つ気になったことを彼に尋ねるべく、更にコンソールを操作していく。
「…ねぇ、菊岡さん…この、フラクトライトたちの右目部分に挿入されている外部命令は何なの?」
「えっ…一体何のことだい…?」
「この部分よ…ほら…『右視覚領域に疑似痛覚を注入』って…貴方たちは、アンダーワールド人にこんな制限を設けていたの?」
「…い、いや…そんなことはしていないし、こんなコマンドは僕や比嘉君は考えた覚えはない!?そもそも、そんな命令を挿入するわけがないじゃないか!
これは、アリシゼーション計画の目的とは真逆の行為だ!?というか、この命令は明白に妨害を目的としたものだ!」
「…そう、よね…それに、このコードの癖…比嘉君のとも違うわ。あっ…最初のところに、コメントアウトがあるわ…『コード871』…871って何?」
「871…はちなないち…そんな番号は聞いたこともないし、職員コードにもなかった筈……いや、待て、待てよ…つい最近、どこかで似たようなものを聞いたような…」
コード871…フラクトライトの『A.L.I.C.E.』覚醒を妨げる存在を認識した凛子と菊岡も疑念を持ち始めた。そして、コードの意味を考える凛子に合わせ、頭を巡らせる菊岡の視線が椅子に掛けられていた白衣に止まり、
「…この白衣は…」
「それは、さっき比嘉君と一緒に下に向かった柳井さんが、着ていた、もの、で…っ!?」
「柳井…やない……っ!?」
「「…871(やない)…!?」」
その事実に気付き、菊岡と凛子の表情が驚愕に染まる…比嘉が危険だと…!?
「「ぐぅぅ…ううううぅぅ…!?」
「はぁ…はぁ…いや~、当てる気はなかったのよぉ…?」
流れ落ちる血が足元へと広がっていく…銃声と共に掠めた左腕から流れる血を逆の手で押さえ、苦痛の声が漏れる比嘉…それに対し、初めて銃を撃った興奮からか、軽快な声で、しかし、悪びれた様子などない柳井が弁明の言葉を発する。
「本当は比嘉さんの作業をちょろっと妨害してから、下のメインコントロール側に脱出するつもりだったんだよねぇ。ラース側に死人も出なかったし、これで『A.L.I.C.E.』さえきっちり回収できれば、ハッピーな結末だったのにねぇ…」
「死人が…出なかっただって…?ふざけるなぁ!?あんたがアメリカ側に情報を流したから、キリト君たちがああなったんだろう!?しかも、今、このチャンスに彼らを治療できなければ、彼らの意識や記憶はもう二度と回復しないかもしれないッスよ!?
彼らの魂を殺すのは、あんただよ、柳井さん!!」
「あ~あ、そうだね…うん、確かにそうだね…
…死んでいいんだよ、あのガキ共は…!特に、フォンとかいういきなりここに乗り込んできたあのガキはね…!?」
「…なぁ…!?」
二人が死んでもいい…特にフォンが死ぬことを望むかのような柳井の言動に、どういうことかと比嘉は困惑してしまう。そんな彼に応えるかのように、狂ったかのように柳井は語り始めた。
「だってさ…あいつらは殺しちゃったんだよ?僕の大事なアドミーちゃんをさぁ?!」
「アド、ミー…一体、誰のことを…?」
「アドミーちゃん…最高司祭アドミニストレータ猊下のことだよぉ!?僕はね…約束してたんだ。あの娘のアンダーワールドの完全支配に最大限協力するって…!それに、もしサーバーが初期化されることになっても、あの娘のライトキューブだけはちゃんと保全してあげるってね!」
「…最高司祭、だと…!?あの禁忌目録を勝手に作り出した……ようやく合点がいったッス…!あんたが、アンダーワールドを汚染したのか…?!」
そう…比嘉の言葉通り、柳井こそが今のアンダーワールドの負の部分…虚栄心や利己心といった本来あるべきではなかった負の感情を植え付けてしまったアンダーワールド最初期にダイブしていたメンバーの一人であり、
アドミニストレータが自身の思うがままに人界を…いや、アンダーワールドを支配することによって掌握しようとするのを、現実世界から手助けしていた『あの者』と呼ばれていた人物だったのだ。
だが、柳井の表情は利用されていた…というよりも、アドミニストレータに狂愛しているかのような色に染まっていた。そして、それを証明するかのように、笑みを浮かべながら柳井は言葉を続ける。
「いやいや、最初にコンタクトしてきたのはあの娘の方だよ?僕が当直してたら、いきなりスピーカーから女の子の声が聞こえてきてさ…あの時はビビったな。彼女は自力でアンダーワールドのコマンドリストを発見して、こっちとの回線を開いたんだ。
でさ、こっそりSTLでアドミーちゃんに会いに行ってみたんだよねぇ~…そしたらさぁ、アドミーちゃんは性格も声も仕草も、何もかも僕の理想通りでぇ…あの娘は約束してくれたんだ…見返りに僕を第一のしもべにしてくれるって!」
(…違う…!汚染されたのは、柳井さんの方だ…!?この人は、仮想世界の出来事を現実世界に混同…いや、逆転させられてしまったんだ…もうこの人は狂ってる?!)
夢見がちにそう語る柳井…アドミニストレータが本当にそうしてくれるのだと疑うことをしないその姿を、救いようがない、もう手遅れだと…話が通じる相手ではないと比嘉は感じてしまった。
「…でも、あの娘は死んでしまった…殺されちゃったんだ…あの小僧共にさ…痛かっただろうに、辛かっただろうに…あのガキどもがアドミーちゃんの計画を台無しにした、あのガキがアドミーちゃんの体に刃を突き刺した、あのフォンって小僧がアドミーちゃんを死に追いやったんだよォォォ!?
ログをこっそり見て確認したんだぁ!?両腕を斬り落とし、胴体を容赦なく剣で貫いた!?彼女の完璧な美貌を焼き、髪を灰にし、その魂を消滅させたんだよぉぉぉぉ!!」
「……(…狂ってる…)」
「だから、仇を取ってあげなきゃって…あのガキどもが死ぬなんて、アドミーちゃんにとってはこれ以上ない程のお供えになるだろう?…そうでもしないと、アドミーちゃんが可哀そうだよねぇ?そのぐらいのことをしないと、アドミーちゃんが浮かばれなよねぇ?!
……そうだよ…それぐらいをしないと、僕がアドミーちゃんに顔向けできないんだよぉ…きっとそうだ…!それに、やっぱり僕も一人くらいはこの手で殺さないと…!?」
完全に壊れ、狂った笑みを浮かべた柳井…その狂心は行動に表れ、呆然としていた比嘉へと、再びその銃口を向けたのだ。
「そうでもしないと、あの娘の供養にならないよねぇ!?」
「っ…!?」
やられる…狭い点検用のロフトでは逃げ場などない状況に、覚悟した比嘉は来る激痛に、思わず目を瞑ってしまう。そして、柳井が拳銃の引き金を引こうと…
「比嘉君避けてぇぇ!?!?」
「っ!!」「…?!」
突如聞こえてた叫びに、比嘉・柳井両名の動きが止まる。次の瞬間、上空から何かが勢いよく落ちてきた!
「なぁ…!?」「うぉ…?!」
ロフトに落下したもの…作業用のスパナが鈍い金属音を響かせ、その場を軽く揺らした。咄嗟のことに反応できないでいた二人だ…だが、銃に撃たれたことでその場に座り込んでいた比嘉に対し、拳銃を構えて立っていた柳井はその場から思わず後退ってしまったのだ。
「…あっ…!」「えっ……う、うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!」
それが二人の運命を分け隔てた…暗く、足元も狭い場所で後退った柳井はロフトから足を踏み外してしまったのだ。
比嘉が思わず声を上げるのと同時に、断末魔も上げて落ちていく柳井が視界から消えた…そのあまりにもあっけない最期に思わず柳井が落ちていった下を見降ろすも、やはりその底は見通すことができない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「比嘉君、無事なの!?答えてよ?!ねぇ!!!」
「…いや、ちょっと…なんて言うか、いきなりの連続でびっくりしまくってて…凛子先輩もそんな声を出すんですね?」
「なぁ…!何を暢気なことを言ってるの!?怪我は?!撃たれてないの!?」
「…あぁ、えっと………いや、全然平気ッス!掠り傷ッスから!僕はオペレーションを継続します…先輩はキリト君たちのモニタリングの方をよろしくッス!」
まさかの展開に一瞬呆ける比嘉だが、こちらを心配する凛子の声に我に返り、無事であることを冗談を交えて応える。
負傷していないかと尋ねられるも、今はキリトとフォンを覚醒させることを優先すべきだと、凛子を誤魔化してオペレーションの継続を行う意思を伝える比嘉。遠目からでは、下にいる比嘉の容体が分からない凛子は再度大丈夫なのかと尋ねる。
「本当に大丈夫なのね?信じるわよ?!嘘だったら許さないからね!」
「…それはもう!信じて下さいッス…!」
「じゃあ、私はサブコンに戻るけど…グラフに変化があり次第、飛んでくるからね!たのむわよ、比嘉君!!」
「…あっ!り、凛子先輩!?」
「えっ…なに?」
大声で叫ぶ度に、左腕に激痛が走るものの、なんとか空元気で凛子を誤魔化しながら、答えていく比嘉。その言葉を信じた凛子は再びサブコントロール・ルームに戻ろうとしたが、比嘉に呼び止められてしまった。
「いや…その…ええっと……あの!この大騒ぎが全部片付いたら、食事でもどうッスか!?」
こんな状況だからこそか…照れながらも彼なりに凛子へとアプローチを掛けた比嘉。大学の時から、密かに憧れていた先輩へのアプローチだったわけだが、
「分かったわ!ハンバーガーでも、牛丼でも、好きなだけ奢ってあげるから…頑張って!!」
…その答えはちょっと違った形で帰ってきた…励ましの言葉を最後に、通用口から顔を引っ込めた凛子がいなくなったことを確認し、思わず落胆のため息が比嘉の口から出ていた。
「や、安いなぁ~…食事の約束ができただけでもよしとするべきなのかなぁ……というか、今の台詞、死亡フラグっぽかったな…さてと…」
とりあえず、凛子とのことはその時に再び考えよう…そう思い、思考を今すべきことへと切り替えた比嘉はノートパソコンを拾い、先程開いたSTLのシステム画面を操作していく。
「まずは……5番STLに7番STLを接続…!続けて、4番STLに1番、6番、8番を接続準備を……ぐっ…?!」
フォンとユウキのSTLの接続が完了し、続けてキリトとリーファ、アスナ、シノンのSTLをすぐにいつでも繋げる様にしようとしたところで、血を流し過ぎたことで眩暈を覚える。
それを頭を振り払うことで無理矢理意識をはっきりとさせた比嘉は、まずフォンを覚醒させようとコマンドを実行する。
「さぁ、フォン君…まずは君から目覚める番だぜ?」
自我を失っているキリトのオペレーションを行うにはできるだけ多い人物のフラクトライトがあるべきだと比嘉は他のメンバーと話し合い、まずは記憶を失っているフォンの覚醒から行うことになったのだ。
もっとも、先にフォンのオペレーションを行うのは、フォンのフラクトライトに起こった現象に未知数のものが大きく関わっていることもあり、できるだけ早く対処した方がいいということもあったわけだが…
比嘉が実行したコマンドにより、フォンとユウキのフラクトライトがSTLによって繋がれた。
STLを通して、紫花の燐光が光を失った蒼燐へと注がれる。
『…フォン…みんなが待ってるよ…?』
…最後の希望へと、その手が差し出された…
またしても、知らぬところで恨みを買ってたオリ主(苦笑)
まぁ、即効で退場したわけですが…そして、大活躍の比嘉さん。
作者としては、凛子先輩と結ばれてもいいかなと思うのですが、茅場さんを一心に思うのもアリかなと思ってます。
…話が逸れましたが、本題に…
最後にも描写がありましたが、次回はようやくユウキへと視点が戻ります!
え~、先に謝っておきますが、またしても重たいお話となります!?
作者はユウキファンを全員敵に回す覚悟で書いております!?それぐらいのお話になりますので…楽しみにしつつ、覚悟もして頂ければ幸いかと…!
とりあえず、フォンさん、早く復活してください!?
それでは、また!
Hydendさん、
ご評価ありがとうございました!
ミトを本作に登場させるとしたら、その後はどういう感じで登場してほしいでしょうか?
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半レギュラー化(物語にもがっつり絡む)
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スポット参戦(閑話に出てくるレベル)
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まさかのサブヒロインポジ