ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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番外編その2です。

メインヒロイン登場の回です!
オリ主のちょっとした質問コーナーもあります(誰得だよ!?)
※マザーズ・ロザリオ編のネタバレが少しあります。
ご注意下さい

それでは、どうぞ!


そーどあーと・おふらいん むげんのせんき SAO編②

「こんにちは!そーどあーと・おふらいんのお時間です。司会のアスナです」

「同じく、司会のユイです!」

「解説の、キリトです」

「レギュラーのフォンです。というか、この挨拶は毎回毎回するのか?」

「だって、このお話が初回の読者の人だって、いるかもしれないじゃない!」

「……いや、その謎のメタ配慮はなんなんだよ?」

 

アスナの力説にフォンが眉を顰めながらツッコミを入れたところで、ゲストの紹介になった。

 

「さて、今回は第4話から第6話のプレイバックに伴い、この方に来て頂きました!どうぞ!」

 

「はーい!」

「ユ、ユウキ!?」

 

アスナの掛け声に、元気よく現れたのは、光の妖精アバター(SAO編 第6話参照)のユウキが登場した。

もちろん、フォンは何も聞いていなかったので驚きながら台本をめくっていた。

 

「えへへ。驚いた、フォン?」

「……ああ、物凄く驚いた。今回のゲストはシリカって聞いてたからな。

なぁ、司会陣の皆さん?」

「「「ピュー……」」」

 

いたずら成功といった笑顔のユウキに微笑みながら、司会のキリトたちに怒りの目線を向けるフォン。その視線から逃げるように目を逸らす3人。

 

「まぁまぁ、ボクが3人にお願いしたんだ。フォンを驚かせたいって……ダメ、だった?」

「いや、全然OK」

 

ユウキの(おそらく上目遣いであろう)ちょっと反省している声に、あっという間に怒りを鎮めたフォン……彼女には甘々なオリ主であった。

 

「それにしてもよくシリカも出番を譲ったな?」

「そこはメインヒロイン特権を使っちゃった!」

「…………うわぁ。そんな事実聞きたくなかった」

 

ユウキの真っ黒発言に質問したことを後悔するフォンだった。

 

「ア、アハハ……それでは、プレイバックを始めようか!まずは、第4話よりこのシーンだ」

 

ショックを受けるフォンを横目にキリトの言葉でVTRがスタートした。

 

〈フォン、キリトとサチのピンチに駆け付けるシーン〉

 

「ああ、このシーンか」

「この時、フォン君はキリト君たちがこうなるなんて、知らなかったんだよね?」

「そうだな。俺が知ってたのは、SAOがデスゲーム化すること、第1層のボス戦、74層以降の話だけだったからな。だから、キリトがあんな過去を背負って戦ってるなんて知らずに、キリトは強いって思い込んでたからな。俺自身を責めたよ」

「フォン……」

 

その時のことを思い出したのか、フォンの表情が暗くなる。その様子に隣のユウキが心配そうに声を掛けた。

 

「……俺はお前に感謝してるぜ、フォン」

「キリト……?」

 

だが、その空気を破ったのは、当事者のキリトだった。

 

「お前がいなかったら、俺はサチ、もしかしたらケイタまで死なせてたかもしれない。それに、お前が俺達の出来事を知ってて、助けてくれたことは事実だろう?

第1層のボス戦や74層の時だってそうだ。お前はお前ができることをやってくれた。そんなお前を、俺は恨んでんなんかないし、むしろ、礼を言わないといけないくらいだ……だからお前があの場に来てくれて本当に助かった……ありがとう」

「……サンキューな、キリト」

「……それでは次のVTRに行きましょうか。次は、第5話からです」

 

キリトの言葉で普段のフォンに戻ったところで、アスナが次のVTRを紹介した。

 

〈フォンとキリト、シリカを狙った、ロザリア率いるタイタンズハンドと戦う場面〉

 

「シリカとの話か」

「あの時も色々あったな……イエロープレイヤーと戦ったり、シリカを暗殺しようとした生き残りを撃退したり」

「あの辺りからよね、フォン君に『夢幻の戦鬼』の二つ名がついて、前線プレイヤーとして、有名になり始めたの」

 

当時のことを思い返しながら、そんなことを話すフォンたち。

その時、VTRの映像にユイが何か気付いたようだった。

 

「そういえば、このお話からですよね?フォンさんの自作の武器が出始めたのって?」

「ああ。この時に『幻想剣』のスキルを取得したからな。それに伴って、スキルに合わせた武器が必要となったからな……レアドロップやLAの武器とかも持ってたけど、ああいうのって癖が強いからな。しかも、それに合わせて防具も考えないといけなかったから、中途半端に上げてた鍛冶スキルを上げ直してコンプリートしたからな」

「そうだったんだ。フォンって昔からそんな感じだったんだ」

 

苦笑しながら、当時を語るフォンの言葉にユウキは感心したように頷いていた。

(妖精アバターなので、上下に揺れている感じだったが)

 

「フォンて、武器から防具、アクセサリーまでも作っちまうからな。

今度、ユイのために何か作ってくれないか?」

「いいぞ。ユイちゃんのアクセサリーか。

ALOだと、小妖精の姿と子どもの姿があるからな。それぞれに対応した……いや、そもそもそんな自動サイズ調整があるのか?いちいち外さないといけない仕様だと返って、邪魔になるだけだし……一層、どちらかの姿に合わせたアクセサリーを作成して、装備状態にすれば…………そうなると、どういったアクセサリーにするべき…………ブツブツブツブツ」

「あー、フォン君?」

「ブツブツブツブツ…………………………」

「アスナ、こうなったフォンは考えが纏まるまで駄目だよ。

それじゃ、次のVTRに行こうか!次は第6話からこのシーンです!」

 

アスナの声を完全に無視し、長考モードに入ってしまったフォンに苦笑いしながら、ユウキが話を進めるのだった。

「そうだ!写真を入れられるロケットならどうだ!?」

 

〈フォンとユウキ、初めての出会い……隠しダンジョンでの邂逅シーン〉

 

「うわぁ!懐かしいね!」

「そうだな。今、思えば、ユウキとも出会ったのもSAOだったんだよな」

 

初めて会ったシーンを見て、懐かしむユウキとフォン。

 

「この時、ユウキはSAOの回線に混線してたんだよな?」

「そうですね。おそらくフォンさんとユウキさんがいたのが同じ病院で、同じVRマシンであるメディキュボイドを使用していたのが原因だと思います。

SAOのカーディナルシステムには、クエスト自動作成機能がありますから、フォンさんがSAOに介入したことで隠しダンジョンに関するクエストが生まれ、ユウキさんがNPCの役割として選ばれたのではないでしょうか?」

「そう考えると、エクスキャリバーの時と同じで凄い話だよね」

「ああ。最初は茅場が俺を排除するためかと思ってのダンジョンかと思ったけど……そうか、カーディナルシステムがそうしたってことなのか」

 

キリトの質問に、システムに詳しいユイが解説を始めた。その解説に、エクスキャリバーでの一件を思い出したアスナとフォンはどこか納得していた。

 

「でも、ボクはこの時、巻き込まれて良かったよ?」

「ユウキ……?」

「だって、この時にフォンと出会って、それでALOであんな再会をしたんだもん……あれは、運命の出会いだったに違いないよ!」

「……ユウキ」

「えへへ……フォン」

 

ユウキの言葉に、顔を赤くしたフォン。二人は何も言わず、見つめ合って……

 

「「オホン!」」

「うおぉ!?」「ひゃい!?」

「二人っきりの時間を邪魔して申し訳ないんだけど!」

「収録時間にも限りがあるから二人でイチャつくのは後にしてくれるか?」

「「ご、ごめんなさい……!」」

 

アスナとキリトの忠告に、いつもなら二人に突っ込む側のフォンも、ユウキと共に謝るのだった。

そして、最後のプレイバックの映像が再生され始めた。

 

〈フォン、幻想剣を使い、隠しダンジョンのボスを撃破するシーン〉

 

「幻想剣……あの時のフォン、かっこよかったよ!」

「ありがとな、ユウキ」

 

ユウキの誉め言葉に照れながら、答えるフォン。

 

「それにしても、フォンの幻想剣もそうだが、ユニークスキルって、反則級だよな……」

「キリトの言う通りだよな。今、思えば、ユニークスキルがなかったら、茅場に勝てたかどうか、分からなかったんだよな」

 

キリトの言葉にフォンが同意した。

 

「そういえば、ユニークスキルって他にも存在したりするの?」

「……そうだな、茅場も他に8種類のユニークスキルがあるって言ってたよな?」

「ああ。ユイ、そのことについて何か知ってるか?」

 

ユウキの質問に、フォンとキリトがユイへと回答を求めた。

 

「えーっと、私も一部しか知らないんですが、他にですと、『射撃』や『暗黒剣』、『神速』といったユニークスキルがあります。習得条件は分かりませんが、そういったスキルはSAOに存在しました」

「しゃ、射撃か……」

「なんか、シノンに似合いそうなユニークスキルだね……」

 

ユイちゃんの言葉に、フォンとユウキが苦笑いで感想を言うのだった。

 

「『神速』か……」

「うん?アスナ、気になるのか?」

「ちょっとね……私もSAOの時、『閃光』って呼ばれてたことがあったでしょ?それでちょっと興味がね」

「ママ!ママになら、『神速』のユニークスキルは絶対にふさわしかったと思います!」

「フフッ、ありがとう、ユイちゃん!さて、以上でプレイバックのコーナーは終わりです!」

 

「では、続きまして、『フォンの部屋』のコーナーです!」

「はぁ……来ちまったか、この時間が。あー、もう!なんでもこい!」

 

自分が一番嫌なコーナーがきたことにやけくそになりながら、フォンが叫んだ。

 

「では、本日は、ユウキさんからの質問です!お題は『フォンの好きな物』についてです!」

「好きな物……?」

「うんうん!」

 

ユイが提案した話題に首を傾げるフォンと対照的に、上下に揺れながら興味津々といった態度のユウキ。

 

「それはこの前のプロフィールで言ったよな?」

「そうだけど、服装とかスポーツとかもっと具体的に知りたいなぁって、思ったんだ」

「ああ、なるほどな」

 

ユウキの言葉に納得したフォン。とりあえず思いつく限りで各自で質問していくことになり、質問コーナーが始まった。

 

「(アスナ)好きな紅茶は?」

「レモンティーとかのフレーバーティーだな。最近は、バニラの茶葉がお気に入りだ」

 

「(ユウキ)どういった服を好んで着るの?」

「動きやすい奴かな。上は七分だけとかを多く着るかな。色は、あんまり派手じゃない色が持っているのは多いかな」

 

「(キリト)好きなゲームは?」

「うーん……あんまりゲームとかしてこなかったからな。脳トレとかはよくやったけど」

「お、おう……」

 

「(ユイ)好きなテレビ番組はなんですか?」

「ドラマかな?推理物とかかなり好きだな。ドラマを見て、原作小説を読んだり、その逆も然りだな」

 

「(アスナ)好きなスポーツは?」

「うーん……好きというか、昔から剣道一筋といった感じかな。今でも、週2で通ってるかな。一応初段は取得してるけど、昔に比べたら腕が落ちた感は否めないな」

「昔はそんなに凄かったの?」

「SAOに閉じ込められる前……というか、元の世界では週5で通ってたからな。その時と比べて、VRでの戦闘経験と引き換えに落ちたのは事実だな」

ユウキの質問に、苦笑いしながら答えるフォン。

 

「(ユイ)好きなスイーツはなんですか?」

「紅茶に合うものなら、なんでも好きかな?その中でも、カステラやバウムクーヘンには目がないかな」

 

「(キリト)好みの女性のタイプは?」

 

……と、キリトがKYの質問をした瞬間だった。

 

「…………………………………………」

 

ユウキが完全に硬直した。キリトはしまったといった表情をしたが、もうすでに遅かった。アスナとユイが笑顔でキリトの足を踏んづけていた。

そして、フォンは……

 

「そうだな。笑顔が似合って、元気いっぱいで、見てて放っておけなくって……いつも一生懸命、何事にも全力全開の人、かな?」

「フォ、フォン!」

「こ、これ以上は言わせないでくれ!?

と、ともかく、大体質問は出尽くしたか?それじゃ、このコーナーは終わりでいいよな?それじゃ、『フォンの部屋』のお時間でした!」

 

照れて、ユウキのことをまっすぐ見れないフォンは、慌てて、コーナーの終了を宣言するのだった。

アスナに制裁を受けたボロボロのキリトを放置して……

 

 

 

「さて、今回も終わりのお時間は迫ってまいりました!ユウキ、今日はどうだった?」

「すっごく楽しかった!それに知りたかったフォンの好みも知れたから、良かったよ!」

「それは良かった。でも、遠慮なんかせずに普段から聞いてくれてもいいぞ?」

「そうなんだけど、いつも家じゃ色々な話をしてるから、面と向かって聞くのが恥ずかしかったから」

「…………かわいい奴め」

「え、えへへ……」

 

完全に落ちたフォンがユウキを優しく撫で始めた。ユウキもされるがままになっていた。

 

「えーっと、フォンとユウキが完全に二人の世界に入ってしまったので、本日はここまでです」

「次回、SAO編第3回でお会いしましょう!バイバーイ!」

『この番組は、あらゆる品物を高価買取、ALOの快適な冒険をサポートする『エギルの店』の提供でお送り致しました』

キリトとユイが締めの言葉を言い、提供のテロップと共に番組は終了したのだった。

 




SAO編③に続きます

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