どうしてこういうことを書くかって…?展開があまりにも急すぎるお話だからです。
アインクラッド(SAO)編の第一話の別ルート…もしものお話っぽくなっていますが、ある意味では本作のコンセプトに原点回帰したお話にもなっております。
それでは、現世と虚構が入り混じったお話の始まりでございます。
…覚悟が決まった方から、お進みください…
(…いつの間にか寝てたのか…?)
目を開いた瞬間、飛び込んできた光景が自室の天井だと認識した時、自分が気づかぬうちに眠ってしまっていたのだと思った。
(6時20分…いつもよりは早いが、起きるか…)
まだ覚醒し切っていない鈍い体を起こし、ベットに置いてあった時計へと視線を移す。いつもは、6時半に起きるのだが、今はもう二度寝する気分でもなく、俺はベットから離れる。
(それにしても、いつの間に寝てたんだろう…昨日は、家に帰って、夕飯を作って…それから本を読んだ後、予習をしてから寝た…筈だが、
(にしては、なんで布団をかぶってなかったんだ?それに、イマイチ昨日の記憶が朧気というか…)
二階の自室から階段を降り、一階のリビングへと向かう中、言葉にし難い違和感を覚えていた。昨日の出来事を覚えていないというわけじゃない…でも、何かが欠けているように思えてならないのだ。
そんな曖昧な感覚に襲われながらも、リビングに着いた。カーテンに朝光を遮られたそこには人の影はなく、昨日の夜から誰も戻っていないような雰囲気があった。
『蓮 今日は泊まり掛けでの仕事になるから、帰るのは明日の夜になる。いつもお前には世話を掛けっぱなしだが、戸締りはしっかりしておくようにな』
『ゴメンね、蓮!明日までに修正しないといけないデザインが舞い込んじゃって…明日のお昼までには戻れると思うから、お願いね』
案の定、家の電話に両親それぞれからの留守電メッセージが残されていた。おそらくラインの方にも連絡が来ている筈だが、そっちが既読にならないのを見て、こっちにも連絡したのだろう。
「この時は、父さんも事務所が大きくなりつつあったし、母さんもチーム全体を支える役職に就いたばかりだったっけ…」
ふと、そうだったなと思いつつ、俺は留守電のメッセージを消去する。残念ながら、深夜に帰ってきた時用に作っていた夜食のオムレツたちは、俺の昼弁当の材料に変わるようだ。
「さてと…それじゃ、準備しますか」
そう自分に言い聞かせ、俺は学校に行く準備を始めた。
『2017年も残すところ、あと二ヵ月となりました!11月が終われば、年末年始の予定を皆さん、立て始める頃ではないでしょうか』
点けたテレビから流れてくるニュースをBGMにして、朝食を作っていく。昼に卵料理が多くなることは決定事項なので、トーストに合わせるのあって、ミニサラダに、牛乳とコーンスープの素をミキサーで混ぜたものに、ドライフルーツを入れたヨーグルト、と簡単に作れるメニューにした。
他の品は出来上がり、あとはレンジオーブンで焼かれているトーストが出来上がるのを待つだけ…その間に、弁当の準備を進める。といっても、昨日のうちにあらかた作ってはいたので、ほとんど詰める作業だけなんだけど…
チーン!
「おっと……もうちょっとで弁当が詰め終わるから、もうちょっと待ってくれよ……………………よし」
1人で料理をする時間が長かったせいか、思わず誰かに話すかのように独り言をつぶやきながら作ることが当たり前になっていた…急かすかのように聞こえたレンジの音に、(返事が返ってくるとはもちろんないと分かっているけど…!)そう言って、弁当を詰め終える。
蓋をして、あとは専用のポーチに詰めるだけにして、俺はレンジオーブンからトーストを取り出そうとして…
「…あれ…?なんで二枚も入ってるんだ…?」
レンジのトースト網の上には、こんがり焼けたきつね色のトーストが二枚並んでいた。基本、俺は一枚しか食べないのだが…
「…って、サラダからヨーグルトまで…二人分準備しちまってるし…」
トーストだけではない。ミニサラダからスープ、ヨーグルトに至るまで二人分ずつ用意してしまっていたのだ。
「……考え事しながら作るもんじゃないな。はぁ~…サラダとヨーグルトは、帰ってきた母さんにでも食べてもらおう」
あまり朝はそこまで沢山食べるタイプではないのだが、流石にトーストとスープは置いておけないと思い、自分で食べることにした。
どうにも今日は調子がイマイチのようだ…思考がうまく働いていない感じだと言えばいいのだろうか?
でも、その行動に違和感を覚えなかったのもまた事実で…マーガリンを塗ったトーストを齧りながら、俺は頭を捻っていた。
「昨日のやつ、見た?」
「見た見た!オープニング変わってて良かったよね!」
身支度を整え、戸締りをしてから家を出た俺は、徒歩9分程の最寄り駅から電車に乗っていた。高校までは5駅…乗った車両には、同じ高校の女子生徒が乗車しており、珍しく空いている車内で談笑していた。
ちょっとうるさいと感じたのもあり、時間潰しにニュースでも見ていようかと、俺は耳に装着していたそれに…
「…?(それって…何だ?)」
耳に素手が触れるも、そこには何もないわけで…まるでその行動が自然のように行われたことにビックリしていた。別に音楽を聴くような趣味もないのにだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
表現することができない靄が胸に重なっていく…そんな奇妙なことが、今日は起こってばかりだ。
(やめだ、やめだ……どうにも調子が狂う。もう少しで電車も到着するし、ボーっとでもしていよう)
まだ頭が回っていないのだろうか…降りる一つ前の駅を出発した電車の揺れに身を任せ、頭を空っぽにする俺。そんな空白の思考は、ぼんやりしている昨日の記憶へと流れ、
(…そういえば、昨日読んだ小説の続きを買いに行こうと考えてたんだっけ…確か、タイトルは………何だっけ?)
寝る前に読んだ小説…まだ一巻しか買わず、続きを一緒に買っておけば良かったと後悔していたことを思い出し、また本屋にでも寄って帰ろうかと思いながら、そのタイトルを思い出そうとするのだが…
タイトルどころか、昨日読んだはずの内容までが思い出すことができなかった…いや、性格には、読んだという記憶は確かにあるのだが、その物語自体が何故か曖昧にしか覚えていないのだ。
『次は▲▲駅、▲▲駅~…お降りの方はお忘れ物に……』
「…!」
もう間もなく到着だというアナウンスに、思考を引き戻され、俺はそれを思い出すことを一旦諦めた。休み時間にでも、スマホで調べればいいだろうと思い、駅に停車した電車から降り、学校へと向かった。
「おはよう」
「おはよう、音弥君」「おーっす」「よう、音弥!」
教室に入ると、SHR前ということで、クラスメイトたちが談笑したり、宿題を見せ合ったりしている光景があった。
席に向かう傍ら、挨拶をすると、周りからそれぞれ返事が返ってくる。そして、自分の席…左端から二番目…六列7行、計42席ある座席の、後ろから2番目の自席に着いた時だった。
「オッス、音弥!今日はえらくゆっくりだったな?」
「…酒井。おう、おはよう」
「おいおいおい…朝から低テンションすぎだろう?お前、大丈夫か?」
窓際の隣の席…見た目はチャラ男っぽいが、言動はそこまでチャラチャラしていない男子が声を掛けてきた。
朝から元気だなという本音は潜めつつ挨拶を返すと、あまりのテンションの差に逆に心配されてしまった。
「俺はいつもこんな感じだろうが…というか、いきなりどうした?…俺に何か用事があったのか?」
「……えーっとな……その…音弥さんにどうしてもお願いしたいことがありまして…!」
「…お前、まさか…?」
「すまん!?一限の古典の現訳、出来てるのを見せて貰えませんか、この通りぃ!?」
あー、そういうことかと思った俺の予測は当たっていたようで、敬うような言動から一転、そのまま土下座しそうな勢いで嘆願してきた酒井の姿に、思わず溜息が出てしまう。
「…いいよ。ほら、これノートな」
「…!マジで助かる!今日、俺が当てられる番だったからさ!」
「いや、昨日の時点で分かってたことだろうが…何でやってきてないんだよ」
「フッ…しょうがねぇだろう?昨日は深夜まで、あかりちゃんと熱い夜を過ごしていたんだからさ」
「そうか…なら、リア充にはこのノートは必要ないってことだな」
「待った待った待ったぁ!?頼む、助けてくれ、神様仏様音弥様!?」
「冗談だよ…ほら」
ちょっと灸を据えてから、古典のノートを酒井へと渡す。それを受け取った途端、急ぎ自分のノートへと書き写し始めたのを見て、苦笑してしまう。
酒井 明人…話し始めたのはここ最近…ちょうど先月辺りからだ。
『頼む!?数学の小テスト、どこが範囲か教えてくれ!』
隣の席とはいえ、同じクラスになってから話したことなどなかったクラスメイトに、そんなことをいきなり頼まれて、ビックリしたことを今でもよく覚えてる。
というよりも、俺は酒井を苦手なタイプだと思っていた。
外見がチャラ男だし(入学当初は黒毛だったが、すぐに茶髪に染めた)、女子に所かまわずナンパっぽく声を掛けているわ、話を聞くたびに女の子と遊んでいるわと…
よくこんな進学校に入れたと…まぁ、悪く言えば、ちょっと見下していたところはあった。(もちろん、そんな態度は出してはいなかったが…)
2学期になって、席替えによって隣席になったわけで、前述のやりとりの後で、酒井の方からよく話し掛けてくれるようになったわけだ。もっとも、酒井の方も、
『いや~…音弥って、優等生って感じの堅物キャラだとばかり思ってたから、頼んだところで冷たく返されることを覚悟しての、玉砕前提で頼んでみたんだけど…アハハハ!』
俺に対してそういう印象を持っていたらしく、苦手だと感じていたらしいので、どっこいどっこいといったところだったのだが。
ちなみに、「あかりちゃん」というのは、酒井の妹だ。両親は共働きで、酒井も自分の学費を稼ぐためにバイトをしているらしい…そのバイトがバーテンター関係ということで、髪も染めたのだと。(まぁ、校則違反ではないレベルにとのことだが…)
塾に通わせる余裕はあまりなく、妹に勉強を教えたり、家のことをしながらバイトをしたりなど、俺と似ているようで、俺以上に大変な学生生活を送っているのだと、話しているうちに親近感が湧いたのも大きかったと思う。
『えっ…女の子に声を掛けてる理由?フッ、決まってるだろう、音弥…この学校の女子のレベル高けぇだろう!?そんなカワイイ子ちゃんたちに癒しを求める為にきまってるだろうが!?』
…前言撤回…その部分だけは、ちょっと受け入れられなかった。
「…よし、写し終わったぁ!?サンキュー、音弥」
「ああ…大変なのは分かるが、少しぐらいはやる時間を確保した方がいいんじゃないか?それなら、こんなにギリギリになって慌てる時間はないだろうに…」
「フッフッフ…!そこは、音弥がきっとやってきてくれてるに違いないと信頼して、睡眠時間の確保を優先したからな!」
「そんな信頼はしてほしくもないし、欲しくもないんだがな…これで、1学期からトップ10から落ちたことがないんだから、凄いよな、お前…」
「おいおいおい…1学期中間テスト2位、期末テストと2学期中間は1位を取ってるお前に言われても皮肉にしか聞こえないぞ…」
「そういうのを抜きにして、半分皮肉で言ってんだよ」
結構量があった筈だが、あっという間にノートを写し終えた酒井に思わずそんな言葉が漏れてしまう…まぁ、当の本人は全くダメージを受けていないようなので、何言っても徒労に終わってしまうわけだが…
「でも、大変なのはお前もだろう、音弥?勉強できるってみんなに頼りにされてさ…この前、生徒会にだってスカウトされたんだろう?」
「別に頼りにされるのは…いいことだろう。それに、生徒会のことは断ったよ。俺はそういう柄じゃないし…」
「えー、もったいねぇ…部活もやってないんだったら、入ればいいじゃねーか。勉強できて、生徒会役員とか…モテる要素揃い踏みだぜ?」
「そういう視点はどうでもいいとして…そんな大役を背負うのは、俺以外の生徒の方がいいに決まってるよ」
「…まぁ、お前のことだから、これ以上は口出ししないけど…損してねぇか、その異常な謙虚さ」
酒井の指摘通り、確かにもったいない話なのだろうが…俺みたいな人間が、そんな責任を持つような役職に就くべきじゃないと思ったのもまた事実だ。
話題が重くなったことを気にしてか、それとも、俺の表情が暗かったのを気にしてか、酒井は話を切り替えた。
「そういえばさ…昨日、薦めたあれ、読んだか?」
「…あれ…?」
「いやいやいや…さすがにとぼけられるのはキツいぞ…あれだよ、あれ!クラスの連中が話していたのが聞こえて、お前が聞いてきたんだろうが…」
酒井の言葉に、昨日の出来事が思い出させられた。そういえば、男子何人かが、好きなアニメだとかラノベ(?)とかを語り合っていたのが聞こえて、酒井にそれらが面白いのかどうか尋ねたのだ。
「…マジで忘れてたのか…?」
「お、覚えてはいたぞ…」
「まぁ、いいや…昨日、本屋に行くって言ってたが、結局買ったのかよ?薦めた、■■■■■■■■■■■■は…」
「…えっ…?」
酒井が勧めてくれたシリーズを買って読んだのだと思い出したものの、今朝からタイトルを思い出せずにいたのだが、そんな疑念を置き去りにする程の、おかしなことが起こった。
正確には、耳にしたという方が合っているだろう。
酒井の放った言葉の一部が、日常生活ではまず聞くことのない歪なノイズ音に聞こえたのだ。文脈の前後からして、薦められた小説のタイトルだった筈だが、いきなり起こった現象が理解できず、思わず声が漏れてしまった。
「『えっ?』って…お前、剣道やってるって聞いたし、なかなかゲームとかに触れることもないって言ってたから、結構ハマるかと思って薦めたんだぜ?」
「いや…そういうことじゃなくって……酒井、その小説のタイトル…何って言った?」
「…えぇ…大丈夫かよ、音弥。この年でもう耳が遠くなり始めてるとかヤバイぞ…だから、「おーい!授業始めるぞ!」…おっと。そろそろ授業が始まっちまうな」
その肝心な部分を聞きたかったのだが…なんとも間の悪いタイミングで、古典担当の教師が来てしまい、聞けずじまいのまま、酒井は席に座ってしまった。
(…しょうがない…またあとで聞くか…)
逃してしまったものは仕方ないと思い、俺も鞄から古典の教科書を取り出し、広げたの^との上に重ねるように広げ、授業へと意識を向けた。
…キーンコーンカーンコーン…!
(…ようやく昼飯か…)
4限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り響き、数学の計算式が書かれていた黒板が日直により消されていくのを見ながら、俺はそんなことを思っていた。
やはり今日はどこか変な感じがしている…具体的にどうとは言えないのだが、ここまで授業に集中できてないのは、結構久しぶりな気がする。
「お疲れ、音弥。それにしても、今日はどうした?ずーっとボーっとしてたが…」
「…やっぱり分かるか?」
「うーん……いや、なんとなくだけどな。当てられた時には、いつも通りテキパキと回答してたから、他の連中は気づいてないんじゃないか?」
酒井から見ても、今日の俺はどうにも集中力を欠いているらしい。別に体調が悪いというわけでもないので、気持ち的な部分が原因なのかもしれない。
「まぁ、それよりも…今は早く学食に行こうぜ?今日の日替わりAセットは、大人気のミックスフライだぜ?急がないと売り切れになっちまうからな」
「そうだな…あっ、なら俺は席を確保しとくわ。今日、弁当作ってきたから」
「…は…?」
そう言う酒井の提案に、俺は席を取っておこうと告げたのだが、弁当のポーチを見た酒井は驚きの声と共に目を丸くしていた。
「ど、どうした…?変なものを見るような目をして…?」
「どうしたって聞きたいのはこっちの方だぜ?!なんで、いきなり弁当なんか作って来てるんだよ!」
「な、何言ってるんだよ。そりゃ毎日ってわけじゃないが、これまでも時折作って来てただろう?」
「いやいやいやいや!お前が弁当を作ってきたのなんて、今日が初めてだろうが!?」
「…えっ…」
驚きの余り、大声を上げる酒井にクラスメイトの視線が集まるが、その口から放たれた言葉が、俺の心を大きく揺さぶった。
「少なくとも、隣の席になってから、お前が弁当を持ってきたところなんて見た事ねぇぞ!?いつも学食で昼食は済ませてて、家で料理することが多いから、せめて昼食ぐらいは料理から離れたいとも言ってただろうが…」
「いや…だって……確かに時折面倒に感じることもあるけど、別に俺だけが作ってるわけじゃないし…時には、彼女が………彼女…?」
思わず口から出たその言葉に、自分が放った言葉の筈なのに心当たりがなく、自分で言って困惑するという意味不明な状況に陥ってしまった。
酒井の言う通り、確かに俺は学食で昼食を済ませていた…けど、今朝に限っては何故か弁当を作らなければと思っていたのだ。
自分のことの筈なのに、自分がどうしてそんなことをしてしまったのか、理由が分からず、頭の中がグルグルしているような感覚に襲われる。
そんな俺の様子が、普段と比べておかしいことに気づいた酒井が心配してくれているようだが、今の俺はそれに応える余裕もなかった。
…そんな時、その声が聞こえた…
『…・・ン…!?』
「っ…!?うううぅぅぅ…!?」
「音弥…!?」
誰かに呼ばれたような…そんな声が頭に響いた瞬間、頭に痛みが走った。思わず左目を押さえ、その場で膝を突いた俺の姿に、酒井から心配する声が飛んでくる。
「だ、大丈夫…ちょっと眩暈がしただけだ」
「本当に大丈夫かよ…なんなら、保険室に行くか?」
「いや……もう治まったから…本当に大丈夫だよ」
「なら、いいけどよ…あんまり人混みには行かない方が良さそうだな。俺、今日は一人で食ってくるよ」
「…悪いな」
「気にすんな…それじゃ、売り切れる前に行ってくるわ」
気を遣ってくれた酒井は、そのまま教室を出て行った。頭痛は確かにもう消えていたが、昼食を取る気分でもなくなってしまったため、俺は大人しく席へと座り休むことにした。
(…今朝から一体どうなってるんだか…あんまり酷いようなら、早退も視野にいれるべきか)
更に心に靄が増え、それに引っ張れるかのように気持ちが沈んでしまう。あんまり体調が戻らないようであれば、教師に相談して帰るべきかもしれないと思いつつ、俺は机に突っ伏し、目を閉じた。
…ところが、そんなことは杞憂だと言わんばかりに、それからは何か異常が起こることもなく、6限目の現代社会で今日の授業は終わりを迎えた。
「俺、用事あるから…おっさきー!」
そう言って、いの一番に酒井は教室を飛び出していった。妹さんの世話とか夕飯の準備とかあったのだろう。
俺も、今日は早めに帰ろうと思い、机にしまっていた教科書やノートを鞄に移し、クラスメイトたちに声を掛けながら教室を出た。
(…そういえば…結局、本のタイトルは分からなかったな…)
あの後も、酒井となかなか話すタイミングが得られず、俺は薦められた本のタイトルが思い出せずじまいになったことに、思わず溜息を吐いてしまった。
(まぁ…帰りにまた本屋にでも寄って帰るか…有名なラノベらしいし、表紙を見たら思い出すだろう)
タイトルは忘れても、表紙までもは見れば分かる筈だ…そんなことを考えながら、廊下を歩いて玄関へと着いた時、上履きから靴に履き替えようとした俺に声を掛ける人が来た。
「やぁ!音弥君!今から帰りかい!」
「うぉ…いきなり大きな声を出さないで下さいよ、京獄先輩」
耳がキーンとなるような大声が、かなり近い距離から飛んできたこともあり、思わず耳を押さえながら、俺は抗議の言葉を、その声の主へと向けていた。
「いやはや、これは申し訳ない!できるだけ気を付けているのだが、小さくしようとも、『お前はうるさすぎる』と親や教師たちに言われてしまうものでな!参ったものだ、全く!」
「そ、そうですか…(うん…確かに、今でも十分うるさいな)」
「それで!音弥君は今から帰るとこなのか!」
「…そうですよ。ちょっと気分がすぐれない感じなので、早めに帰ろうかと…寿先輩は今から部活ですか?」
「うむ!と言いたいところなのだが、今日は休息日でな。だからといって、体をあんまり動かさないのもどうかと思い、家まで走って帰ろうとしていたところに、君に出会ったわけだ!」
先程よりは多少小さくはなったものの、聞き逃すことがない程の大声かつ活発にそう話す人物…寿先輩は満面の笑みでそう答えていた。
京獄 寿之…一つ上の先輩で、剣道部主将にして、部内最強の剣士と呼ばれている。いつも明るく、挫けたり落ち込んでいるところを見たことがない、試合に負けても明るく前向きな姿勢しか見せない…という、まさしく『熱血』という言葉がこれでもかと似合いそうな先輩だ。
…ちなみに、本人も認識しているぐらいに声が大きい…音楽の授業では、一人だけ声が大きすぎて、指揮者に回されてしまったとかなんとか…(それでも、本人は嬉しそうにその役を引き受けたらしいが…)
「…ちょっと待ってください…確か先輩の家って、学校から結構な距離があったと記憶してるんですが…」
「うむ!5キロ弱だな!なあに、汗を流すには丁度いいくらいだ!」
超絶熱い…そして、日常すらも自身を鍛える糧と化する猛者だ。いや、そんな簡単にやってのけるみたいに言えるのは、あんただけだと思いつつ、笑みが引き攣ってしまう。
「…君の通っている道場も今日は休みなのだろう?もしやっていたらのなら、前みたいにお邪魔しようかとも思ったのだがな!」
「アハハ…勘弁してください。そう言ってても、本音は別でしょう?」
「うむ!君ともう一度戦いからだ!」
「……もう30分も剣をぶつけ合うのは、勘弁願いたいのですが…」
京獄先輩のにこやかな言葉に、俺は以前にやった試合のことを思い出し、思わずガクッと頭を落とした。
たまたま、俺が通っている道場に、京獄先輩たち剣道部と合同練習の話が舞い込み、その流れで本番形式の試合を行うことになったのだ。
その時、道場からは(先生からの半ば強引に推薦された)俺が、剣道部からは京獄先輩が、それぞれ代表として選出され、互いに一歩も引かない激闘を繰り広げることになったわけだ。30分以上にも及び、竹刀を交え合った結果は、
「そう遠慮しないでもらいたいな…君は、全国3位の俺を破ったんだぞ?そんな君に負けたままというのは、俺も悔しいのだ!是非機会があるのなら、リベンジさせてもらいたいものだ!」
ということで、それもあって、俺は京獄先輩からよく声を掛けられるようになったわけだ。最も、試合をしたくないのには他にも理由があって、京獄先輩は剣を握ると、雰囲気が滅茶苦茶変わるのだ。
あの圧倒される闘気と圧迫感は受け続けるだけで、こっちの精神がガリガリと削られていくものだ…できるなら、もうしばし再戦は控えてほしいぐらいにだ。
「でも、3位といっても、先輩が負けた相手は3年で今年の優勝者…しかも、ほとんど京獄先輩が押していたも同然だったんでしょう?」
「だが、一瞬の隙を突かれて負けたのもまた事実だからな!まぁ、次闘った時には、必ず勝つ!そして、来年こそ優勝を勝ち取るつもりだ!そのためにも、やはり鍛錬を重ねばというところなのだがな!」
「…そう、ですか…」
確かに…京獄先輩なら来年の夏の全国大会で、今度こそ優勝を勝ち取ることができるだろう。だが、俺としてはできるだけ避けたい話題でもあり、思わず反応が歯切れの悪いものとなってしまった。
「だからこそ解せん…君が剣道部に入らないことがな」
「っ……」
だが、残念ながら京獄先輩は見逃してはくれなかった。
疑問と残念だという感情を隠すことなく表情に表す先輩の視線を受け続けることができず、俺は思わず目を逸らしてしまった。
「若き天才剣士…小学生時代、そう呼ばれた君が突如として大会に参加するのを止めた…噂を聞いて、戦えることを楽しみにしていた俺はそれが残念だった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「だが、君は剣道を止めたわけではなかった…道場に通いながらも、剣の道を極めている。そして、その腕は以前同様…いや、噂に聞いていた以上のものとなっていた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「…音弥君。あの時にも言ったが…剣道部に入らないか?君の実力ならば…」
ほぼ確実に俺のことを気づかい、京獄先輩なりに考えての言葉なのだろう。以前、道場で戦った時にも、試合後にすぐさまスカウトされたぐらいだ。
本気で…心の底から俺の実力を買ってくれて、無駄にすべきではないと心配しての言葉だと分かっているが…それでも、俺の答えは決まっており、
「すみません、先輩……
もうそういうことはしないって…決めたんです」
なんとか笑いながら、キッパリとそう告げた…いや、本当に笑えているのかどうか、自信がなかったと言うべきだろう。何故なら、俺の反応を見た先輩の表情が、その日初めて驚いてい…そして、どこか悲しそうになっていたからだ。
「…いや、すまない…無理にどうこうというわけではないのでな。君の気持ちがそこまで固まっているのなら、俺がこれ以上どうこう言うのはお門違いという奴なのだろう」
「すみません……」
「何を言う…君が気に病むことではない…それに、我が剣道部は年中部員を募集している!もしその気になったら、俺は大歓迎だからな!それでは!」
これ以上は気に障ると思ったのだろう…人の良い京獄先輩らしく、申し訳なさそうな俺の反応に気にするなと言ってくれた。それに加え、気遣いの言葉まで掛けてくれ、駆け足で帰って…
「あと!俺との再戦もしっかりと検討してもらえるとうれしい!それではな!」
言い残しがあったらしく、5メートル走ったところで急停止・急転換してから、それを告げてきた先輩は、今度こそ帰って行った…走って。
…最後まで落ち着きがない、ある意味では京獄先輩らしいと思った…
『若き天才剣士…小学生時代、そう呼ばれた君が突如として大会に参加するのを止めた…』
(…天才剣士、か……そんな名声で喜んでいられるガキだったら、どんなに良かったのかな)
電車に乗り、家の最寄り駅のアーケードを歩いていると、京獄先輩のあの言葉が脳裏をよぎった。それを素直に享受できる程に子供だったらと思ってしまったのは、久々にそのことを指摘されたからだろうか。
そういう意味では、京獄先輩のあのポジティブシンキングは見倣うべきなのかもしれない…いや、きっと無理だろう。そこまで俺は…
(はぁぁぁ……止めだ、止めだ…久しぶりにそんなことを言われたせいで、変な方向に考えがいっちまってるな…おとなしく帰って……あっ…)
気持ちが落ちてしまうのを止めるべく、そんな考えを頭から払う。体調が悪い、というか、イマイチ調子が悪いというのもあってか、気持ちにまで影響が出てしまっているのだろう。
早めに帰って休むべきだ…そう思い、帰る足を早めようとしたその時、目に入ってしまったものがあった。
(本屋………そうだ。あの小説…探してみるか…)
気分転換というのもあって、俺は本屋へと入った。
小さい頃に駅の再開発に合わせて出来た店で、品揃えはかなり豊富な本屋だ。一人でいることが多かった俺も、嗜むものも知識を身に着けるものも、よくここで買っている。勝手を知った店は、夕方ということもあってそれなりの人で賑わっていた。
(ライトノベルのコーナーは……あっちだったな)
場所は知りつつも、これまでは訪れたことのなかったエリアへと足を運ぶ。今月の新刊と題された本が並び置かれたスペースを見かけ、そこに連なる棚へと向かう。
(…本当に種類があるんだな。20以上までナンバリングが続いているシリーズもある…こういうのを、メガヒットしている人気作というのだろうな)
髪がツンツンしている少年とシスター服の少女、蝶を模した黒い装束に身を包んだ少女、スマホらしきものを持った黒髪の少女とその背中を守る様に銃を持って立つ少年、ピンク色のショートカットが特徴の小学生らしき少女…
見るだけで関心を惹かれる本が多い…改めて見ると、面白うそうだと思った。こういうのをこれから読んでみるのもありかもしれない…そのうち、アニメ化した時にもそっちも見てしまいそうで怖い…さらに、全部読もうとしたら、お小遣いが足りるかどうかも怪しくなってきた。
「っとっと…目当ての本を探さないと…タイトルが分からないのなら、表紙で探せられるならと思ったんだが…」
それらの綺麗な絵に目を奪われている場合ではないと思い、俺は目的のものを再び探し始めた。どれだったかと目を色々と動かしていると、
「…おっ。確か、こんな表紙だったような。…ソードアート・オンライン……こんなタイトルだったか…そうそう、この黒の剣士と紅白の女性剣士が……あ、れ…?」
目に留まった表紙が自分の記憶にあるものと一致し、それが目当ての本だと理解した時、違和感を感じ、言葉が出ていた。
昨日読んだ小説の表紙そのもの…その筈なのに、何かが違うと…記憶が、心が訴えかけている…そんな感覚に襲われた。
表紙に描かれた二人。だが、それは知っている二人とは違う…そんな気がしてならず、どういうことかと記憶を探ろうとすると、またしても左目の辺りがチクリと痛んだ。思わず左目を抑えた時、その文字が目に入った。
【これは、ゲームであっても遊びではない】
『プレイヤー諸君の――――健闘を祈る』
「…っ?!?!」
その一言…帯に書かれたその言葉がトリガーとなったのか、赤フードの化物の姿と男の声が突如として頭に浮かんだ。そしれ、それに連動したかのように左目の痛みが更に激しくなった。
立っていることすらままならず、咄嗟に体を支えようとして棚へと手を掛けるも、本を掴む様にして擦り落としてしまい、崩れ落ちた本たちと共に蹲ってしまった。
(ヤバい…流石にこんなことしたら、人が集まって…店員さんも来るよな…何なんだよ、この頭痛は…?!)
本たちが一気に落ちたことで大きな音がその場に響いた。音を聞きつけ、心配した店員がやってくるかもしれないと思いつつ、すぐに立ち上がることができなかった。
左目を中心に頭痛が止まらない…地面に散らばった本を元に戻さなければ、なんてことにも思考を回す余裕がない!?
ともかく、なんとか頭痛が治まるのを待たなければと考えていた時、頭を抑えるのとは逆に空いていた左手が…その一冊へと触れ、俺は右目でその本を捉えた…見てしまった。
「…マザーズ……ロザリオ…?この娘は………」
『ここからは…俺が闘う。もう誰も…お前やお前が救った命を奪わせたりしない!』
『ゴメン…でも、こうしないと、■■■がどっかに行っちゃいそうで…』
『それにさん付けはいらないわよ、年もそう違わないだろうし…』
『お待たせしました!ピナ、この人たちが私たちを助けてくれたんだよ!』
『実は…SAOでのお兄ちゃんの話…もっとお聞きしたいんです!』
『決着は次のBoBまで預けておいてあげる』
『そうか…なら、ここでお別れだ。■■■、■■■…次あった時には、強くなった姿を見せてやるからな!』
『迷わず一直線に■■■のことを考えるお前さんが選んだものなら問題はない、そう思っただけだ。いつも傍で■■■のことを見ているお前さんならな』
『…僕は強くなりたい!もう二度と…同じ間違いを繰り返さないために…自分に嘘を…後悔なんて残さないように…強くなりたいんだ!!!』
『いいでしょう。お前たちの邪心がいか程のものか、その剣筋で試すことにしましょう』
『やっと報われた…私の200年は間違いじゃなかった。この温かさを知っただけで私は満足…報われた…』
「…?!……?!!?」
覚えのない光景と言葉が次々と頭へと流れ込んでくる…ノイズが混じりながらも、蘇ってくるその記憶に、俺は自分がどうなっているのかも分からず、ただただ受け止めることしかできず…!?
『へへっ!当たらないよ!■■■、今の内に体勢を立て直して!』
『…ぼ、僕は■■■…■■■■■・・・ありがとう』
『…やっぱり、強いね…■■■』
『…う、うん…それは分かるけど……ねぇ、■。何か…あった?』
『いつもそうだ!■■■は、大事なことはすぐに言ってくれない!全部、一人で背負いこもうとする!そんなに、ボクが信用ならないの!?そんなに、ボクが………嫌いなの!?』
『それでも僕は……■■■のことが好きだよ』
「っ!?!?…はぁ…!はぁ…!はぁ…!?」
思い出した…思い出してしまった…息がうまく吸えず、呼吸の速度が一気に加速していく。自分がどこにいるのか、何をしているのか…全てが分からなくなってしまった。
今、見ているもの、聞こえているもの、触れているもの……もう何もかもが受け入れらなくなってしまった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
「はぁ…?!はぁ……!?うううぅ……うううううううううぅぅぅ!?」
そこからどうやって帰ったのか…その場から逃げる様に走り出し、家へと帰った俺は、家にいる人たちに声を掛けることなく、自室へと駆け込んでいた。
乱れた呼吸を落ち着けたくても、一向に収まる気配がない。
(そうだ…俺はいたんだ、あの世界に…!?いきなりSAOの世界に放り込まれて……だったら、この世界は何なんだ…!?
帰ってきた…?それとも、あの世界の出来事は、俺が見ていた夢…?あっちが幻で、こっちこそが現実…?もしくは、ここ自体が夢か幻なのか…?!)
現実と幻…あの世界とこの世界…自分がいた筈の世界がどちらなのか、困惑するも、誰もその真実を教えてくれる人はいない。左目の激痛などもう気にする余裕もなく、その驚愕の事実を受け止めることもできず、俺はもう限界だった。
(もういい……どっちでもいい…もう、疲れた…)
ここが現実だろうと、虚構の世界だろうと…もうどうでもよくなってきた。
だって…帰ってきたのだから。夢から覚めたのだと…そう思えば、幾分か気持ちが軽くなってきた。
帰ってきたのだから…もう何も考えなくていいんだ、もう何にも悩まなくてもいい…もう何とも闘わなくていいのだから……誰も傷つけないでいいんだ、誰も悲しまない、誰にも…何を言われることも、攻撃されることもないのだから…
(だって……もう何も背負わなくていいんだから……)
…そう思った瞬間、世界が崩れ出した…
家の形をしていた物は崩壊し、人だった者は影となり地面に溶けていく…周りが血のように赤い空へと染め上がり、地はどこまで深い黒き海が広がる。
そして、その海へと俺の体は沈もうと…
『…フォン…!』
一切抵抗せず沈もうとした俺を制止するべく、誰かが俺の腕を掴んだ。聞き覚えのあるその声に視線を上げると、
『フォン…迎えに来たよ…!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
知っている…一番会いたかった人の顔だ。
姿は今まで見たことのない、神々しいものではあるが…その顔を見間違える筈がなかった。優しい笑みの中に、どこか悲しみが混じったその表情と共に、彼女は俺へと声を掛ける。
『さぁ、行こう…?みんな、待ってるよ?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『みんな、闘ってる…みんな、フォンたちが守ろうとしたものを守るために、必死に闘ってるよ?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『だから、お願い…フォンが一人で立てないのなら、ボクが支えるから…!受け止められないぐらい辛いことがあったら、一緒に受け止めるから…!フォンがしてくれたように、今度はボクがフォンを守るから…!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『だから……お願い…!手を取って……フォン!?』
涙が顔に当たる…その言葉全てに温かみを感じる…どれだけ彼女が俺のことを想ってくれているかがよく分かる。
だからこそだった…手を懸命に伸ばす彼女に俺は…
「…ゴメン、ユウキ…」
『…えっ…?』
掴むどころか、拒絶の言葉と共にその手を叩き払った。まさかの俺の行動に、彼女の…ユウキの目が見開かれた。そして、拒絶されたユウキまでもが、ノイズと共にその姿を消すこととなった。
その言葉を言われる度に、その想いが分かる程に、その愛を感じる程に、だからこそ、俺はそれをこれ以上受け止めるわけにはいかなかった。
俺には…そんな資格も、権利も…いや、あの世界にいるべきですらなかったのだから。
「もう駄目なんだ……俺はみんなの…君の傍にいる資格なんてなかったんだ…!俺は、俺じゃないんだ…!?俺が殺したんだ…!俺が…俺があの世界に行ったから…?!」
その罪悪感が、その記憶が、いくつものの鎖となって俺へと纏まりつく…そして、虚無の黒海へと俺は引きずり込まれ、その意識を手放した。
…俺は…居場所が欲しかった…
…いていい意味を…求めていた…
でも、俺が手に入れた場所は、俺がいるべき場所じゃなかった…
…俺は…この世界にいるべきじゃなかったんだ…
否定と罪と拒絶の闇と影が全てを包み込もうとした時…聞こえてきた声に俺は…
次回 「 」
ミトを本作に登場させるとしたら、その後はどういう感じで登場してほしいでしょうか?
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半レギュラー化(物語にもがっつり絡む)
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スポット参戦(閑話に出てくるレベル)
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まさかのサブヒロインポジ