SAO編、最大のカオス回となります!
もう色々なキャラがぶっ壊れます、ご注意ください。
それでは、どうぞ!
「こんにちは!そーどあーと・おふらいんのお時間です。司会のアスナです」
「同じく、司会のユイです!」
「解説の、キリトです」
「レギュラーのフォンです、よろしく」
3回目となると、もう突っ込むことを諦めたフォンを加え、定番となった番組のあいさつを終えたところで、番組がスタートした。
「さて、今回は第7話から第9話のプレイバックに伴い、この方々に来て頂きました!どうぞ!」
「みなさん、こんにちは!シリカです!」
「こんにちは、リズベットです!」
アスナから紹介され、シリカとリズが登場し、それぞれ挨拶をした。
「シリカ、いらっしゃい」
「エヘへ、呼ばれてきちゃいました!」
「リズ、来てくれて、ありがとう!」
「来たわよ、アスナ!いつも見てるけど、フォン……あんた大変そうね」
「そう言ってくれるなら、この位置代わってくれないか?」
「…………ゴメン、無理」
キリトとアスナの歓迎の声に、シリカとリズが応える。リズが苦労人のフォンに同情の目を向けるが、自分に危険が迫ると、容赦なく切り捨てた。
「それにしても、二人同時のゲストは初だな」
「少しは俺の負担が減ればいいだけどな……」
「フォン君、そんなにこの番組苦手?」
「…………元凶のお前らがそれを言うのか」
アスナの言葉に、キリトたちを睨むフォン。その姿を見たシリカとリズは、
「た、大変ですね。フォンさん」
「ア、 アハハ……とりあえず、フォンの胃が限界に来る前に、早くVTRに行きましょうか!」
苦笑いしながら、VTRへと話を移したのだった。
〈リズ、フォンの顔面にハンマーを叩き込むシーン〉
「ちょ、ちょっと!?なんで、このシーンなのよ!?」
「うわぁ、リズ……これはやりすぎだよぉ」
親友の暴行シーンにアスナは引きながら、コメントしていた。
「あの時、俺、死を覚悟したな……園内なのにな」
「俺もリズの店で商品の剣を折ったけど、ここまではされなかったな」
当時のことを思い出し、ミンチに……いや、ぐちゃぐちゃのトマトにされかかったフォンは遠い目をし、同じくリズの店でやらかしたことのあるキリトはフォンに同情の目線を向けていた。
「この時、フォンさんが殴られたのは、ママを泣かしたからですよね?」
「うっ!?ユ、ユイちゃん?それを言われると、辛いところなんだが……?」
「ま、まぁまぁ。ユイちゃん、その辺で」
ユイの追及に、痛いところを突かれたフォンは冷や汗を流していた。そんなユイをシリカが宥めていた。
「というか……今、思えば、この時から、色々な酷い目に逢い始めた気がしたな」
「「「「「えっ?」」」」」
フォンがまた遠い目をして、そんなことを言ったので、フォン以外の全員が疑問の声を上げた。
「リズに殴られるは、キリトとアスナのいちゃいちゃに何回もツッコミを入れるは、自分が元の世界に帰れないと言われるは、茅場には殺されるわ(未遂ですが)……」
「フォ、フォン……?」
黒い笑みを浮かべながら話すフォンに、キリトが思わず後退る。
「どこぞの天才(笑)にはブレインコントロールで駒にされるわ、気がついたら別の世界に来ちまってるわ、腹黒公務員は信用できないわ……」
「「フォ、フォンさん……!?」」
遂に黒いオーラまで漏れ出したフォンに、シリカとユイも怖がり出してしまった。
「しかも、その公務員がまた無理難題を言ってくるわ、逆恨みで襲われるわ、キリトハーレムはどんどん増えていくわ…………
……笑えよ。誰か、俺を笑ってくれよ……?」
「フォン!?頼むから、帰ってきてくれ!?」
「しょ、少々お待ちください!?」
そのオーラが完全に地○兄弟と化したフォンに、遂にキリトとアスナが限界を超え、止めに入ったところで画面がタイトルに差し変わった。
『皆様、現在オリ主が映像では大変お見せできない状態になっております。それまで、次のVTRをご覧になって、お待ちください。それでは、第8話よりこちらのシーンをどうぞ』
そんなアナウンスと共に、VTRが再生され始めた。
〈フォン、(空気を読んで)キリトからのラグーラビットの調理依頼を容赦なく断るシーン〉
「…………(シュゥゥゥ……)」
「えー、フォンは色々と限界を超えてしまったようなので、当分はこのまま放置でいきましょう」
「そ、そうだね。それにしても、ラグーラビットか……あれは本当に美味しかったよね!」
「ああ、まさしく絶品、その一言に尽きるな、あれは!」
瞼に冷たいおしぼりを当てられ、寝かされたフォンを横目に、リズが話を進めた。
アスナとキリトがその味を思い出したように、満面の笑みを浮かべていた。
「むー、パパとママだけずるいです!」
「わ、悪かったって!」
「ゴメンね、ユイちゃん!……そうだ!確か、ユウキがこの前、フォン君がS給食材を手に入れたって言ってたから、もしかしたら!」
「あんたら……フォンのこの状態を見ても、そんなこと言えるの?」
「「…………す、すみません」」
リズの、あんたらいい加減にしなさい、といった表情の一言に、流石の親バカ二人も自重するのであった。
「ユイちゃん、今度、一緒に探しに行ってみようか?」
「そうですね!その時はお願いします!」
シリカがユイにそう提案し、その場はなんとか収まるのだった。
「フフフ、それでは、次のシーンも第9話からの映像です。どうぞ!」
シリカの言葉に、最後のVTRがスタートした。
〈フォン、キリトとアスナと共に安全地帯で昼食を摂るシーン〉
「うわぁ、美味しいそう!」
「アスナって、キリトのために料理スキルカンストしてたもんね!」
「リ、リズ、それは言わない約束でしょう?」
映像の料理を見て、感嘆の声を上げるシリカ。リズに秘密を暴露されたアスナは赤面で慌てだした。
「ママの手料理はいつも美味しいです。ねぇ、パパ?」
「そうだな。俺的には、もう少し、辛い物を増やしてもらえると嬉しいだけどな?」
「……そんな我が儘言う人には、もう作ってあげません!」
「わ、悪かった!お願いですから、これからも美味しいご飯を作ってください、アスナさん!?」
「よろしい!」
と、いつもの夫婦漫才を繰り広げるキリトとアスナに、
「うん、これはフォンがああなる理由も分かるわね」
「フォンさん、この漫才やあんな甘々空間にいつも近くにいたんですよね……
私は、フォンさんの負担にならないように気を付けないと……」
リズとシリカがそんなことを言っていると、話題はフォンの料理スキルに移った。
「でも、フォン君も料理スキルカンストしてるのよね。ALOでも、一緒に料理することあるけど、スキルが補正しているとはいえ、もの凄い手際がいいのよね」
「そうなんですか?」
アスナがその時のことを思い出しながら、苦笑し、シリカはその様子に驚いていた。
「そうなんだよね。あっという間に、複数の品を作っちゃうから、同じスキルをコンプリートしてる立場としては、あの手際の良さは見習いたいのよね」
「料理でも、『夢幻の戦鬼』の実力は全開って、わけね」
アスナのフォンに対する評価にリズは呆れ半分笑い半分といった感じでそうコメントした。
「ママの料理は懐かしい味ですが、フォンさんは味の組み合わせを考えて、料理を作ってますからね。頭の中で、そういったシミュレーションができてるでしょうね」
「……俺、フォンに料理教わろうかな?」
ユイの冷静な分析に、同じ男として、思う所があったキリトはそんなことを覚悟するのだった。
「ではプレイバックのコーナーは以上となります!
……それで、ここでみんなに相談があるんだけど……」
「「「???」」」
アスナがコーナーの終了を告げ、相談という言葉に全員が疑問マークを頭に浮かべた。
その相談とは……?そうこうしていると……
「……うん?あれ、俺どうして?」
気絶していたフォンが意識を取り戻したのだった。
「そ、それでは、次のコーナーですが……本当に大丈夫、フォン君?」
「あ、ああ。悪い、迷惑かけちまったな。でも、なんで倒れたのか覚えてないんだよな…………なぁ、どうして俺倒れたんだ?」
アスナの心配にフォンは頭を抱えながら、大丈夫だと言った。
そして、その理由を尋ねた時、全員が一斉に慌てだした。
「つ、疲れがたまってたのよ!」
「そ、そうだな!きっとそうだよ!うん!」
「パ、パパとママの言う通りです!」
「そ、そうよ!きっとそうよ!」
「も、もっと休んでた方がいいですよ!」
「お、おう……?」
もう二度とあんな暴走状態を引き起こすわけにはいかない、気持ちが一致した全員の嘘の言葉の勢いに押され、フォンは思わず頷いてしまった。
「そ、それでは、次のコーナーは『教えて!キリト先生!』のコーナーです!」
「えっ?コーナー変わったのか?聞いてないぞ……?」
「今回は、方針を変えてみようって、ことになったんだよ」
「そうなのか?」
「そうなんだ」
「「「うんうん」」」
自身のコーナーかと思っていたフォンは、アスナの進行に思わず、首を傾げた。
いつもなら、ここで慌てるところだが、自分が嫌がってるコーナーでなくなったことで、ちょっと安心したこともあり、アスナとキリトの言葉に疑問を感じず、素直に受け入れた。
……これが、フォンへの負担を減らそうと、番組総意で急に決まったことだとは知らずに。
「それでは、キリト先生。本日は『幻想剣』について、説明お願いします」
「……えっ!?げ、幻想剣についてか、えーっと、その、それはだな!?」
「はぁぁ……キリト、俺が説明するよ」
「わ、悪い、フォン」
もちろん、急遽決まった事に対応できるキリトではなく、分からない幻想剣について、困惑するキリトに、しょうがないと思い、フォンが助け舟を出すことにした。
「さてと、幻想剣についてだが、まぁ、具体的なスキルはオリ主設定とかで、説明してるから、省略するとして……」
メタ発言しながら、幻想剣の説明を続けるフォン。
「本編では、両手剣と片手剣の固有効果は説明してるから、今回は他の武器の説明をしていこうか。それでは、こちらをどうぞ」
そう言って、フォンが指パッチンを鳴らすと、空間に画面が表示された。
『幻想剣 固有効果一覧
細剣:全ステータスを1,3倍。通常攻撃に残撃が発生する。攻撃を受けた時、20%の確率でダメージを無効化。
短剣:幻想剣〈短剣〉ソードスキル発動時、分身が発生する。クリティカル発生率・クリティカルダメージ1,5倍。急所にヒットした時、ダメージが2倍になる。
槍:攻撃速度1,5倍。戦闘時に攻撃と防御が5秒ごとに元の値の1%上昇していく。この効果は50スタックまで重複する。
両手斧:相手の防御力・防御バフを無視して、ダメージを与える(一部防御スキルは貫通不可)。ソードスキル発動時に、ショックウェーブが発生する。
片手棍:部位攻撃時に、与える武器破壊ダメージが2倍になる。幻想剣〈片手棍〉ソードスキルで攻撃する際に、(装備を含めた)体重がダメージに加算される。
刀:幻想剣〈刀〉ソードスキルで攻撃する際に、一部ステータスを他のステータスに変換する。ソードスキルのバフ効果が2倍になる。
曲刀:ノックバックを緩和。AGIを2倍にする。対モンスター攻撃時、ダメージが2倍。対プレイヤー戦闘時に、被ダメージを70%に軽減する。』
「と、いった感じだな」
「「「「……………………………………………………」」」」
「お、おーい……大丈夫か?」
全員が白目を向き、口をポカーンと開きぱっなしになっていた。
あのユイでさえも、驚きで言葉を無くしていた。
呼吸をしているのかどうかも怪しいもので、心配になって、フォンが声を掛けた。
「え、ええっと……なんと言えば、いいのかな?」
「フォ、フォン……あんた、この効果、全部覚えてるの?」
「まぁな。覚えてないと、いざという時に適切な武器に持ち変えられないからな。
刀や曲刀だと、メリットとデメリットが表裏一体だから、尚更な。
ソードスキルの効果やバフも同じ様に覚えてるよ」
未だに言葉が見つからないアスナの代わりに、リズが質問した。その質問に、フォンは当然だというように答えた。
「なぁ……もうどんなクエストでも、フォン一人で全部いいんじゃないか?」
「お前、またありふれたネタを持ってくるなよ」
苦笑するキリトの言葉に、ネタを理解したフォンは呆れたのだった。
「「…………………………………………」」
「というか、シリカとユイちゃんがまだ復活できてないぞ?」
「あー、これはこのコーナー継続不可だな」
「ア、アハハ……えーと、とりあえずフォン君、というか、幻想剣がとんでもなく凄いということが分かって何よりでしたね。
それでは、『教えて!キリ……フォン先生』のコーナーでした」
カオスとなった空間を無理やり切り上げたアスナの一言によって、終了したのだった。
「シリカちゃん、もう大丈夫?」
「は、はい!そういえば、キリトさんは?」
ようやく復活したシリカは、キリトの姿が見えないことに疑問を感じ、質問した。
「あー、ユイちゃんがさっきのコーナーのショックで頭痛を起こしてな。キリトはその看病で、控室に行ってて、不在だ」
「フォン、あんたも少しは自重しなさい」
「……何の話だ?」
リズのツッコミに、自覚のないフォンは思わず首を傾げるのだった。
「えーと、まさかの被害甚大という結果になってしまいましたが、ゲストのシリカさん、リズベッドさん、今日はいかがでしたか?」
「そ、そうですね。キリトさんやフォンさんの活躍や色々なことを知れて、良かったです」
「私は疲れたわ。フォンの苦労がよく分かった気がするわ。そして、フォンも化け物だってこともね」
「リ、リズ……流石の俺でも、鋼の精神じゃないんだぞ?」
「知ってるわよ。それで、さっき倒れたんでしょうが!」
「あ、ああ……!」
リズの言葉に押され、頷くフォン。今日倒れたこともあってか、素直に頷くフォンだった。
「と、ともかく!色々ありましたが、第3回 そーどあーと・おふらいん SAO編 はこれにて、終了です!次回、第4回でお会いしましょう!」
「これ、俺達、生き残れるのか?」
冷や汗を流しながら、笑顔で締めの言葉を言うアスナに、最終回への不安を感じたフォンはそんなことを呟くのだった。
『この番組は、かわいい店主が、リーズナブルなお値段で強力な武器を提供する、リズベット武具店の提供でお送り致しました』
オリ主、地獄兄弟の仲間入り(未遂)
本編でこうならなかっただけ、奇跡と言えるのかもしれない、と思ったのは作者だけでしょうか?
それでは、SAO編④に続きます