ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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遅刻してしまい、失礼しました!

書きたいこと書いてたら、滅茶苦茶長くなるといういつもの悪い癖が発生したのが原因でございます…本当、すいません…

ということで、本話こそ正真正銘のWoU編最終話となります!
超真面目なお話となります…メインはフォンにユウキ、そして、色々な意味で才能を発揮してくれる比嘉とのお話になります。

それと併せ、暗躍の影が見えていた星王様もチラリと登場します。

それでは、また後書きにてお会いしましょう…どうぞ!


第ⅬⅥ話 「もうひとつの結末」

人界歴380年11月末

 

『本当にいいのか、これで…?』

 

『もう話し合いは済んだじゃろ?』

 

セントラル・カセドラル96階…以前、元老院という名の監視ユニットである操り人形たちが鎮座していたその場所…今は何も置かれていない広い空間に、黒一色の恰好をした少年と、小さな少女がいた

 

少女はいつも所有していた杖ではなく、少年との相談の上、処分を決めた…この世界にいたであろうもう一人の少年を持ち主とする『世界を映し出す剣』を持っていた。

 

『それは…そうだけど…』

 

『お主という奴は…この世界のこれからを任せるというのに、そんな顔をするでない。わしと違い、お主にはアスナが、仲間たちがおる。それに…わしというものが、これ以上アンダーワールドに介入するべきではない』

 

『…それも分かってるつもりだけど…』

 

『まったく…お主たちは本当に優しすぎる。わしはあるべき場所へと還るだけじゃ。その過程で、この剣が誰にも悪用されぬように連れていくだけじゃ』

 

『もしあっちに戻れたら、このことはフォンに伝える…いや、そもそもあいつはあんたがこんな人柱になることも絶対に望まない筈だ』

 

『じゃろうな……それでも、誰かがこの役目を担う必要があるのもまた事実じゃ。さぁ…このままズルズルと引き延ばすのもあまり良くはないじゃろう。そろそろ始めるとしようかの』

 

少年を説き伏せるように、放たれる言葉を次々と返していく少女…その決意はもう既に堅いのだと少年もそれ以上の言葉を掛けることを止めた。

 

自分から離れた少女が広場の中心に立ったところで、少年は事前に壁と床に描いていた陣を媒体に、式句を唱え神聖術を発動させる。

 

少年と少女…少年が持つ圧倒的な神聖力と、あらゆる神聖術の知識を持つ少女それを計算し考案した…神級といってもいい封印特化型神聖術が、神聖力が陣に浸透していく度に輝きを増しながら発動していく。

 

『…では、さらばじゃ…キリト』

 

『ああ……ありがとう、カーディナル』

 

短く最後の会話を交わしたところで、映現世の剣を持ったカーディナルは光に包まれ…その姿をキリトは最後まで見送っていた。

 

 

 

「…本当に…なんでそういうことをするんだよ…」

 

限界加速フェーズにより200年が経ったアンダーワールドに降り立った俺は、様変わりしていた世界に驚きつつも、無事にキリトたちと共に人界に来ることができた。

 

だが、俺はみんなとは別行動を取っていた。

 

セントラル・カセドラル96階…今は『賢者の封場』と呼ばれるそこで、部屋の中心に顕在する、床と天井を繋ぐかのようにそびえたっている水色の結晶柱の前に立ち、そう呟いていた。

 

『異世界を映し出すあの剣は…誰にも触れられないように、カーディナルがその身を挺して封じている』

 

限界加速フェーズによる200年という時間を経験し、奇跡的に生還したキリトは告げた言葉に、俺は驚くことしかできなかった。

 

キリトが、映現世の剣の真実に気付いていたこともそうだが…何よりも、カーディナルが人柱となって封印していると事実に、俺は言葉を失ってしまったのだ。

 

『「世界を映し出す者…夢幻の戦鬼の名を知る者がこの世界を再び訪れ時、この場所へと案内するように」…それが曾祖母の時代から我が一族に伝わる星王様との約束でした』

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そう言って、マーベルの玄孫であるアーミリア・ネフィリアムは俺をこの場所へと連れてきてくれた。俺たちがアンダーワールドと去った後、ティーゼ、ロニエ、そして、マーベルたち傍付きトリオは、整合騎士となったという話も道中、彼女から聞かされた。

 

そして、限界加速フェーズ開始から、アンダーワールド時間で一ヶ月の間の記憶は覚えていたキリトが、カーディナルとの最後のやりとりを教えてくれたのだ。

 

「…ありがとう…」

 

俺は、目の前の結晶柱に頭をくっつけそう呟いた。結晶柱は部屋の半分を占める程の直径を持っており、その中は密度が高すぎるせいか、それともそういう仕様であるせいか、中がどうなっているのか伺うことができない。

 

聞こえないと分かっていても、届くことはないと理解していても、口が動いていた。

 

「…ゴメン…」

 

そして、それと同時に後悔が募った…もしかしたら、彼女の可能性を縮めてしまったのではないかと。カーディナルの性格からすれば、映現世の剣のことがなくても最初からこうするつもりだったのかもしれない。

 

それでも…こんなことをさせたくはなかった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そう思ったからこそ、すべきことなど決まっていた。カーディナルがその身を削って、映現世の剣が誰の手にも届くことがないよう、200年も守り続けてくれたのだ。そして、キリトとアスナがその可能性を躍進させたこの世界に…あらゆる正負の可能性を孕んだこの剣を置いておくわけにはいかないと…俺は覚悟を決めたんだ。

 

 

「やぁ、ようこそッス、音弥君、木綿季ちゃん」

 

8月20日…短い滞在ではあったが、アンダーワールドから戻ってきた俺は木綿季にあることを伝え、すぐさま…今、出迎えてくれている比嘉さんへのアポイントを求めた。

 

「すみません、滅茶苦茶忙しい時なのに…」

 

「いえいえ、気にしないでほしいッスよ!確かに、今、ラースはアンダーワールドへの新らたな接続方法を発見したことでバタバタしてるッスけど、その立役者たる君や桐ヶ谷君を雑に扱うことなんてできないッスよ」

 

笑顔でそう告げてくれた比嘉さんの目元には薄っすらと隈ができており、下手したら徹夜で作業をしていたのかもしれない。もっとも、そんな様子を見せない辺り、慣れているのか、気を遣ってくれているのだろう。

 

「でも…驚いたのは誰にも知らせずに内緒で会ってほしいって言われたことッスよ。その要望を叶えるためにこんな遅くに来てもらったのは助かるッスけどね」

 

比嘉さんの言う通り、今は夜の21時を少し過ぎた頃だ。今日の夜勤当番は比嘉さんとのことで、人知れず会うためにはちょうど都合が良かったとのことで、俺は木綿季と共にラース六本木室を訪れていたのだ。

 

「…比嘉さん…この部屋には監視カメラはありますか?それと、音声を録音するようなものも稼働しているなら今すぐに切ってもらえませんか?」

 

「なぁ…!お、音弥君!何を言って…」

 

「お願いします、比嘉さん…比嘉さんを信頼して、頼みたいことがあるんです!誰にも知られることがないように…!」

 

「……ともかく一旦話を聞かせてほしいッス」

 

突然の申し出に、流石の比嘉さんも困惑を隠し切れていなかった。しかし、俺の必死さから何かを察してくれたのか、話を聞く体勢になってくれたようで、モニタールームのシステムを弄ってから、俺と木綿季に座るようにと促した。

 

「ちょっと待って………よし、ダミー映像の作成に再生を開始。これで、当面の間は、普通に話しているように監視カメラの映像は残らないッス」

 

「…比嘉さん、凄い…!」

 

「エヘン!まぁ、僕からすれば、これぐらいは朝飯前ッスよ、木綿季ちゃん」

 

「うん!なんか、映画に出てくるハッカーみたい!」

 

「すみません、比嘉さん…それで、本題なんですけど…」

 

手際の良さに木綿季の口から感嘆の声が出て、それを聞いた比嘉さんは満更でもない様子を見せていた。ともかく話を進めなければと、俺は本題を切り出した。

 

「比嘉さん…アンダーワールドに存在しているあるオブジェクトを回収したいんです。教えてください…そのデータをサルベージすることはできますか、できませんか?」

 

「……結論から言えば、可能ッス。それを誰にも知られない様にという条件であれば…このジーニアス比嘉レベルじゃないと難しいだろうけどね」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「音弥君。君が言っているデータは……君がSTLで桐ヶ谷君とアンダーワールドにダイブした時に…突如として生み出された武器のことッスね」

 

「…そうです。やっぱり比嘉さんならすぐに気付かれますよね」

 

俺がしてほしいことを理解し、求めているものすらも察した比嘉さんの表情が真剣なものに変わる。その目は、俺の真意を見極めようとしているようにも思えた。

 

「音弥君…確かに僕たちラースは君たちにとても大きな借りがあるッス…けど、この話とそれはまた別だよ。分かってるいるのかい…今、音弥君が言っているのは、ラースの財産を無償で譲ってくれと言ってるようなものだ。

それも、秘密裏になんて…下手をすれば、業務上横領の罪にあたるかもしれない。そこまでしてまで、あのデータを欲しがるのはどういう理由があってなんだい?

 

途中から真面目な口調になった比嘉さんは、俺を試すかのような問いかけをしてきた。そこまで拘る、そして、リスクを背負ってまでも関わろうとする理由は何なのだと…

 

比嘉さんの反応は当然のものだと思う。俺が同じ立場だったら、きっと同じことを聞いていただろう。しかし、映現世の剣のデータをサルベージするには、比嘉さんの協力が必要不可欠だ。

 

だからこそ、俺は覚悟を決めてここに来たのだ。隣に座る木綿季が心配そうにこちらを見ていたが、大丈夫だと視線を向けてから、俺は比嘉さんへと向き直った。

 

「比嘉さん…平行世界の存在をあなたは信じてますか?」

 

「えっ……な、何をいきなり言ってるんッスか!?そんなものは…可能性としては存在するかもしれないって話で…」

 

「俺が求めてるデータは…映現世の剣と呼んでいたそれは、あらゆる平行世界の記憶を読み取る力を持っている武器です…そうだとしたら、どうしますか?」

 

「…お、音弥…君…?記憶を…読み取る…?そんなことは…」

 

「俺は…この世界の住人じゃありません」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

立て続けに畳み込んだ情報に比嘉さんはなんとか反応していたが…最後に放った、俺の最大の秘密に完全に言葉を失くした。

 

目を見開き、ズレた眼鏡のことなど気にする余裕など全くないその様子は、思考が完璧にフリーズしてしまっているようだ。

 

「………今、なんって言ったんッスか……」

 

「俺は…音弥蓮は、この世界の住人じゃない。正確にいえば、俺は他の平行世界から記憶を持ってこの世界にやってきた…そういう人間なんです」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

思わず立ち上がり、呆然と俺を見下ろすも…視線をずらすことなく見つめ返す俺の姿に一切の偽りがないと分かったのか、力が抜けたように座り込んだ比嘉さんは…何かを悟ったかのように軽く笑った。

 

「まさか…まさかッスね。いや、本当に……本当に君やキリト君には驚かされっぱなしッス…」

 

「…キリトも…?それはどういう…」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

思わず顔を片手で覆い、そんな言葉を零した比嘉…突然、キリトの名前が出たことに違和感を覚え尋ねるも、比嘉さんは黙ったまま俺を見ていた…けど、その視線は俺だけでなく、何か別のものを見ているように感じられた。

 

(…なるほどッスね…『異世界を観測する者』……あのキリト君が言っていたのは、このことだったッスね)

 

『比嘉さん…フォンは必ず貴方を頼りに来る。いや、来させてみせるよ。その時は、フォンが言うことを疑うことなく信じて欲しい。

 

フォンの剣…いや、フォンという異界の者が使うことでその真価を発揮するあの武器は…このアンダーワールドに…いや、どのVRワールドにおいても存在することが、世界を滅ぼしかねないほどの可能性と危険を秘めている。

 

世界を映し出す剣…異世界を認識しているフォンを、まさしく『異世界を観測する者』とさせてしまうあの武器のデータはアンダーワールドで保管しておいてはいけない。今は、どうにか誰にも触れさせてはいないけど…

 

世界を繋ぐ力の片鱗たるあれは…少なくとも、蓮の手にあるべきだと俺は考えてる。STLに搭載されている量子演算回路との平行演算による一時的な異世界との接続を果たすあのデータは…あるべき者が持つべきだ』

 

(…200年以上という時間を耐え抜いた桐ヶ谷和人のフラクトライトのコピー…あの時、茅場先輩の話が出てきたことで驚く一方で、一体何のことを言っているんだと思っていたけど…キリト君。君が想定していたのは、このことだったんッスね)

 

ズレていた眼鏡を元の位置に直し、何度か深呼吸をして息を整えた比嘉さんの目は…何かを決意したように見えた。

 

(…なるほど。確かに…これは僕が見てみたいもう一つの可能性でもある。キリト君という恐るべきフラクトライトのコピーと、電子生命体と化した茅場先輩…そして、平行世界から来たという音弥蓮と彼によって生み出されたかもしれないとされるイレギュラーデータの存在…!

 

これを見逃すことなんて…男としても、研究者としても…できるわけがない!?その先を僕は…知りたい、見てみたい…!)

 

「…その…それを証明しろって言われても難しいのは分かってるんですけど…」

 

「…信じるッスよ」

 

「えっ…?」

 

どうやって比嘉さんに納得してもらおうかと、ともかく元の世界のことを話しまくろうとした途端、あっさりと告げられたその言葉に、思わず言葉が止まった。

 

「信じるッスよ、音弥君…いや、そうなんだと言われた方が色々と納得することが多いッスよ。あの突如として生まれたデータのことも、あの意味深な言葉もね」

 

「…?は、はぁ…ありがとうございます?」

 

「なんで君がお礼を言ってるんッスか…まぁ、いいッスけど」

 

「なんかよく分かんないけど…上手くいったってことなのかな?」

 

「そうっぽいけど…なんかしっくりこないというか、ここまですんなりと受け入れられるのも違和感が凄いというか…」

 

(まぁ、キリト君の言葉がなかったら、正直微妙なところではあったッスけどね。音弥君と木綿季ちゃんが困惑するのも仕方ないッスかね)

 

いや、上手くいってよかった筈なんだが…ここまで都合よく話が進んでいいのかと思ってしまう。木綿季も同じ思いだったらしく、笑みが引き攣っていた…きっと俺も同じ表情をしているのだろう。

 

そんな俺たちを見てか、比嘉さんが苦笑いしていた。

 

 

 

「さてと…それにしても、平行世界の人間とは…STLのテストダイブの時にも話が出たッスが、本当に存在したんッスね」

 

「あの時は内心ヒヤヒヤしてましたよ。まさかの技術的な面で実現する可能性があるなんて、驚いてましたからね」

 

「それって、5月の時の話しだよね?あの時から、蓮と和人はSTLに関わっていたんだよね」

 

「そうッスね。STLと言えば…今回、音弥君がサルベージを希望しているデータなんッスが…音弥君はそのデータがどんなものか分かってるッスよね?」

 

秘密をカミングアウトしたとは思えない程、すんなりと話は進み、話題は今回サルベージを予定しているデータに関して、比嘉さんが尋ねてきた。

 

「ええっと…元のデータはアンダーワールドのプロトタイプが運用されていた時にデータだけ存在したものが合体したもの…確か、天日剣と月影剣がそうだったんですよね?」

 

「そうッス。木綿季ちゃんがダイブした時に使っていた月夜神ルナリスと同じ…アンダーワールドを本格稼働しようとした時に見送られたデータたちッス」

 

「う~ん…ねぇ、比嘉さん。ちょっと気になったことがあるんだけど…」

 

「なにッスか、木綿季ちゃん」

 

木綿季から聞いていた情報を思い出しながら答え、それを補足するように比嘉さんが応えてくれた。すると、木綿季が気になることがあると言い出した。

 

「どうして蓮がダイブした途端に、いきなりそのデータが動き出したのかな?あの時は原因が不明だって言ってたけど…」

 

「そのことッスね。これは僕の私見も入るッスがいいッスか?」

 

「「(コクッ)」」

 

「僕もあの時はその原因についてはさっぱりだったんッスが…音弥君が平行世界からやってきたと仮定すれば、ある種の推論が成り立つッス。そのデータを構成する核たる何かが、音弥君に…いや、正確に言えば、君のフラクトライトにあったじゃないかって」

 

「俺に…?」

 

「そうッス。音弥君。君はこれまでテストライブを含め、そのデータが生まれるまで三回STLを使用していたッス。二回目は君の記憶をロックしたままアンダーワールドに行ってもらったッスからノーカンだとして、初回…テストダイブの時、何かおかしなことが起こったんじゃないッスか?」

 

「……ええ。あの時は、同じ現象が起きなかったんですけど…知らない人たちと会って、その内の一人とは剣を交えたりもしました」

 

「…!もしかして、蓮が勝てなかったって話してたのって、その人のこと!?」

 

「そうそう…今、思ったら、あの人も別世界の人間だったのかもしれない」

 

「とてつもなく気になる話が出てきたッスが…ひとまずそれは置いておいて…おそらく、その時にSTLに搭載されている量子演算回路に触れたことで、音弥君のフラクトライトに眠っていた何かを刺激したッス。

 

そして、三回目…桐ヶ谷君の治療の為に、一緒にアンダーワールドに行った時…記憶ロックの処理が上手くいかず、音弥君自身としてアンダーワールドにダイブした直後、覚醒しかかっていたその何かが、データとしての身体を求め、廃棄していた武器データたちを引き寄せた…そう考えてみると少しは辻褄が合うじゃないと思うッスよね」

 

比嘉さんの推測通りなんだとしたら、俺の中には何かが眠っていたということになる。つまり、それによって俺はこの世界にやってくることになったということなのだろうか?

 

「音弥君の想像通りだと思うッスよ。常識という概念を無視して…というのは科学者としてはどうかと思うッスが、君一人が突如としてこの世界にやってきたには何かしらの要因があった筈ッス」

 

比嘉さんも、俺の考えを読んで同意してきた…これまでどうしてこの世界に来てしまったのだろうと、深く考えることはなかった。

 

そもそもSAOが終われば、俺はこの世界からいなくなるんじゃないかって思っていたこともあって、ALOから現実世界に戻ってきた時には酷く狼狽したわけなのだが…

 

それで、この世界の自分の居場所を奪ったことを気付かないフリをして過ごしてきたわけで、その撥ねっ返りが今回の一件でとんでもない事態を引き起こしたんだよな。

 

(俺がこの世界に来た理由…いや、来てしまった原因か…いつか分かる日が来るんだろうか)

 

今となっては、手掛かりは映現世の剣だけで…それすらも本当に手掛かりとなるのかどうかも怪しいもので、俺がこの『ソードアート・オンライン』の世界に来てしまった原因を知る日は来るのだろうかと思ってしまったのだ。

 

「…まぁ、難しい話はこの辺にして…時間ももういい時間ッスから、そろそろ作業に入ろうとしますか…!」

 

そう言って、時計を一瞥した比嘉さんに釣られ、視線がそちらへと向いた。いつの間にか結構な時間が経っていたようで、時刻は23時を迎えようとしていた。

 

「さぁ~て…!音弥君、データのサルベージを開始するッスが、その…映現世の剣だったッスか?それは今、アンダーワールドのどこにあるッスか?」

 

「央都のセントラル・カセドラルの96階…そのフロアの中心部にあるクリスタルで構成された柱に封印されてます」

 

「セントラル・カセドラルの96階ッスね………これッス。よ~し…それじゃ、始めるとしますか!………抽出データの座標設定………アンダーワールドのザ・シードプログラムとの接続部分をチェック………切り離して…次にサルベージ用のデータ転送、容量を確認して……………全項目完了…サルベージ開始ッス!」

 

いつになく真剣な表情で、しかも恐ろしい程の早さでタイピングしていく比嘉さん。ブラインドタッチは当然なのかもしれないが、モニターに次々と増えては減ったりするいくつもの画面と数字を目だけで追い、時折何かを確認するようにつぶやくその姿は…いつもの明るく気さくなものとは真反対の、プログラマー比嘉健の姿なのだろう。

 

素人目線から見ても、明らかに常人には理解できない、そして、恐らくだが、こんな短時間で終わらせられるものではない作業を完了させた比嘉さんは、キーボードのエンターキーを勢いよく叩いた。

 

「あとはデータがサルベージされるのを待つだけッス」

 

「えっ…もう終わり?こんなに簡単に終わるものなの?」

 

「チッ、チッ、チッ!木綿季ちゃん。この比嘉健のことを舐めて貰っちゃ困るッスよ。このぐらいの作業、あっという間に終わらせられるのは、自分を除いては片手で数えられるくらいしかいないッスんから!」

 

木綿季もここまですぐに作業が終わるとは思ってなかったのだろう、目を丸くして比嘉さんの方を見ていた。伊達に「ジーニアス比嘉」と名乗っているわけではないのだろう。

 

あと、その片手で数えられる人の中には、多分茅場も入っているのかと思ったのは余談だ。

 

「…にしても、かなり重いデータッスね。オブジェクトデータのくせに、フラクトライトよりもデータ容量があるとは…」

 

「あー…それ、多分ですけど俺が記憶解放術…剣の力を全解放した所為かもしれません」

 

モニターにはデータをサルベージするにあたっての進行度を表すゲージが表示されたが、その進みが思った以上に悪いこともあり、比嘉さんが難色を示していた。

 

灰色のゲージを、緑のバーが少しずつ浸食しつつあるのだが、前々進まないのだ。5分とか10分では終わらなそうなそれを見て、その原因に心当たりがあった俺は映現世の剣の力のことを話すことにした。

 

「さっきも言った様に映現世の剣は、並行世界の記憶を読み取って、この世界…えっと、敢えて俺たちがいる世界ということですけど…その世界に合わせたものに再反映させる力を持っている……みたいなんです」

 

「……What…?」

 

今日二度目となる比嘉さんの驚きのリアクションが出た。もっとも、さっきのと比べて言葉が出ただけ、まだ衝撃度はマシだったのだろう…突然の英語発現からして困惑はしているようだけど…

 

「ちょっと待って…………えっと………ゴメン、音弥君。もうちょっと理解できるように話してくれるかな?」

 

「えっ……そうですね、例えば、この世界とよく似た世界にあった剣や、魔法とかが飛び交ってる世界で使われていた魔法杖とか、聞いたこともない貴金属らしきもので作られた弓とか槍とか…比嘉さん?!」

 

何とか理解しようとはしてくれたようだが、もう一度…今度は理解が及ぶようにという形で説明を求められ、俺は武装換装術で呼び出した武器をあいまいに引き出すことで説明しようとしたが、途中で比嘉さんが地面に膝を突いてしまい、中断させられてしまった。

 

「いやいやいやいや…ただでさえ、茅場先輩やらキリト君やらで耐性はできたつもりだったのに…音弥君。常識人っぽい君が、一番とんでもないことをやっているってどういうことッスかぁ?!」

 

「え、えぇぇ…」

 

悲鳴を上げるかの如く捲し立てる比嘉さんに、俺も思わず引いたように反応するしかなかった。そこまで引くようなことをしたかと思っていると、木綿季がシャツの裾を引っ張りながら

 

「蓮、多分これが普通の反応だよ。僕は最近耐性できたせいか、ここまで驚くことは少なくなったけど…」

 

「…しまったな。2年もアンダーワールドにいたせいか、そこら辺の感覚がちょっとバグってるかも」

 

「…いや、割と蓮はそんな感じだよ。今の比嘉さん見てると、再開した時の僕を見てるようだもん」

 

どこか責めてるような視線と共にそんなことを言われ、その視線が同情の色を秘めて、今度は比嘉さんを見ていた。あっちにいた時だと、ちょっと当たり前になっていたところがあったからな…本当に自重するようにしよう、うん。

 

「音弥君、ちょっといいッスか?」

 

「え、ええ…なんでしょうか?」

 

「…さっきは聞きそびれていて、サルベージが完了した後にでももう一度聞こうとおもっていたッスが……君はこのデータを手に入れて、どうするつもりなんだい?」

 

一周回って冷静になれたのか…真面目な口調でそう問いかけられ、そういえば、さっきは有耶無耶になってしまって答えられていなかったことを思い出した。

 

その原因もまた俺にあるのだから、自重を…いや、大体俺に起こったことを説明しようとすると、自重が意味を為さないレベルなのではと思いつつも、俺はその問いに対する答えを伝えた。

 

「そのデータが悪用されないよう、管理することです。少なくとも、武器として使えてしまう、ザ・シード連結体に接続されてるVRMMOに…いや、ネットワークそのものに触れることがないようにするべきだと思っています」

 

「……理由を聞かせてもらってもいいかな?」

 

「比嘉さんも察しているとは思いますが…あれは危険すぎるんです。使っていた俺でさえ、時折底知れない力を感じることが何度もあったくらいです。今はある人物が身を挺して封印してくれていますが…

 

もしも誰かの目に触れることがあったりしたら?

それで、とんでもない発見をしたりしたら?

 

俺という実例がある以上、世界の均衡を容易く壊してしまうような何かが、このデータには…剣にはある可能性が高いんです。なら、少なくとも俺の目の届く範囲と、信頼できる人に預けるべきだって……現実世界に戻る前から、何かしらの対策は取らないといけないとは考えていたんです。

 

…まぁ、オーシャン・タートルが封鎖され、アンダーワールドへの接続手段がないと聞いた時には結構焦りましたけどね」

 

PoHとの闘いを終えて…いや、死霊人形師を倒した後に、俺は映現世の剣の危険性を考慮していた。アンダーワールドからログアウトする際、置いていく形になってしまったのだが、そこはキリトたちが上手く立ち回ってくれたのでなんとかなった。

 

しかし、これからはどうだろうか?

 

アンダーワールドとの繋がりが再びできた今、映現世の剣がアンダーワールドに何かしらの影響を与える可能性はないのか…見る人が見れば、その力の価値に‥‥いや、危険を分かっていても、その技術に触れようとしてしまう危険があるんじゃないかって。

 

そんなことを避けるためにも、俺は映現世の剣をなんとかしなければと考えて…そして、比嘉さんに協力を頼んだのだ…自身の秘密を明かしてでも。

 

あの剣を生み出してしまった…比嘉さんの話を聞いて尚更だが…責任は俺にある。だからこそ、その力を知っていることも合わさって、今こうしているわけだ。

 

「…それに…」

 

「それに…?」

 

「……いつまでも、あいつにそんな役目を背負わせたくないんです。やっとアンダーワールドに平穏が訪れたのに、世界への干渉を避けるためにって自ら身を引いた…自分のことなんか後回しにしたチビッ子賢者をね…」

 

さっきの理由を7割とするのなら、残りの3割は完全に俺のエゴだ。偽善者らしい勝手な思いでやっていることだ。

 

元々、映現世の剣のデータはなんとかしてでも回収するつもりだった。けど、すぐに行動に移したのは…人柱として封印してくれているカーディナルのことがあったからだ。

 

別に剣のデータを抜き取ろうと、そうでなかろうと、何も変わりはしない。システムの奥深くで眠りについているカーディナルには、何の影響もないだろう。

 

…ただ、俺が嫌だったんだ…

 

世界に絶望し、自身までが死ぬと分かっていながら世界を滅ぼすことで一矢報いることを選ぼうとし、作為的に引き起こされた戦争を味わい…その上で、剣を封印するための人柱も担うなんて…

 

…人に振り回されてきたカーディナルを…これ以上何かをあいつに背負わせるのが、嫌だったんだ。

 

『…余計なことをするでない…』 

 

俺がそう思ってこんなことをやっていると知ったら、カーディナルはきっとそう言うのだろう。でも…余計なことだと分かっていても、俺はその現状を受け入れることが嫌だったんだ。

 

「理由というか…目的としてはその二つですよ。責任を果たさないといけないのと、単なる子供っぽい動機…それだけですよ」

 

「…いいや…全然子供っぽくない…良い理由じゃないッスか」

 

苦笑と共に自虐するような言葉が出たのだが、比嘉さんが茶化すようなことはなかった。木綿季もそんなことはないという風に寄り添ってくれていた。

 

…これがあの腹黒眼鏡だったら、確実に余計なことを言ってきただろうけど…そういう意味でも、比嘉さんに頼んだのは正解だったのかもしれない。

 

 

 

「それにしても、世界を映し出す剣ッスか…その名は音弥君が決めたッスか」

 

「ええ。っていっても、力の本質を完全に理解した時に勢いで銘を名付けたようなもんですけどね」

 

10分ほどして、データのサルベージも7割ほど終えたところで、時間を潰すための話は映現世の剣や俺のことへと移っていた。

 

「にしても…まさか、音弥君が異世界人…と言っていいのかは分からないッスけど、何かあるじゃないって、菊さんも言ってたッスが、よもやこういうことだったとは夢にも思ってみなかったよ」

 

「まぁ、異世界と言っても、あくまでも平行世界…俺がいた世界と、この世界じゃいくつからの類似点もありますから…正座とか歴史とか、そういうので大きな違いはないですし」

 

「僕も前に聞かせてもらったけど…違うのって、VR技術とかそういうのなんだよね?」

 

「…多分。他にも何か相違点があるのかもしれないけど…まぁ、平行世界って概念からすればそういうもんじゃないかな?」

 

「…平行世界、ね…」

 

木綿季は秘密を打ち明けてから、何度かそういう話をする機会があったから分かっているが、世界毎の違いといってもそこまで大きなものは案外なかったりする。

 

木綿季が挙げたようなVR技術もそうだし、電子タブレットといった科学的技術面はこっちの方が進んでいるといったレベルだ。

 

けど、比嘉さんは何か思うところがあるのか、首を捻っていた。どうしたのかと思い、その理由を尋ねてみると、少し考えてから比嘉さんは口を開いた。

 

 

「音弥君…確認したいッスが、映現世の剣は『平行世界の記憶を読み取る』ことが、能力の一つだと君は認識してるッスよね?」

 

「…?ええ、そうですけど……それがどうかしましたか?」

 

「……ふむ。二つ気になることがあってね。まず一つ目…音弥君、木綿季ちゃん。パラレルワールドと異世界の違いを説明できますか?」

 

「「…えっ?」」

 

突然そんなことを問われ、俺と木綿季は顔を見合わせる。比嘉さんの心意は分からないが、ともかく答えようと俺たちは考えを述べた。

 

「パラレルワールドは平行世界の別の言い方で、もしもああだったら、もしこんなことが起きてたら、みたいな枝分かれしてる別の世界みたいなことで」

 

「異世界は、文字通り異なる世界のこと…そういうことですよね?」

 

「…なら、更に質問ッス。異世界はパラレルワールドに入れるかどうか…どっちだと思うッス?」

 

「えっと…僕は入れると思う」

 

「俺は…場合によるのかと。そうであるパターンと、そうでないパターンがあるかと…」

 

木綿季と交互に答えていくが、俺たちの回答を聞いてやっぱりという表情をした比嘉さんは質問をした意図を明かしてくれた。

 

「はい、二人とも、残念ながらちょっと違うッス。正確にはそうであり、そうでないというのが正解なんッス」

 

「…どういうことですか?」「どういうことなんですか?」

 

「簡単なことッスよ…というよりも、音弥君。君はもう答えに触れたことがある筈ッスよ?」

 

「えっ…?うん……?」

 

悪戯されたかのような質問に、俺はどういうことかと頭を捻るも心当たりがない。そんな俺の様子から答えに辿り着けなそうだと判断した比嘉さんが説明を始めた。

 

「平行世界といっても、その考え方はまだ確定されたわけじゃないッスよ。まぁ、当然ッス…確かめるどころか、アプローチする方法すら確定してないんッスからね。

しかし、考えてみてほしいんだけど…もしも今の世界とまったく同じ状態の平行世界があったとして、その世界で例えばVRでよくある魔法が使えていると君たちは思うかい?」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

「巨大ロボットが街を歩いている世界は?空飛ぶ車が自然と飛び交う科学が発達した世界は?怪獣やヒーローが活動しているのが常識的な世界は?」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

「もちろん、これは仮定の話…もしかすれば、本当にそんな平行世界があるのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない…それを確かめる方法は、さっきも言ったようになかったッス。なかった筈なんッス…君が使っていた映現世の剣が出てくるまでは…」

 

「えっ…?」

 

いきなり話が映現世の剣へと戻り、ますます話についていくことができないように思える。しかし、比嘉さんはそんなことなどお構いなしに話を続けていく。

 

「平行世界の論説にこういうものがあるッス…『多元宇宙論』…いわゆるマルチバース理論といった方が君たちには理解しやすいッスかね。分かりやすい解釈で言うのなら、干渉することが不可能、もしくは難しい宇宙がいくつもあるっていうことッス」

 

「………あぁ…!?そういうことか!」

 

「ようやく話が繋がったみたいッスね?」

 

いくつもの宇宙が広がっているかもしれないというマルチバース理論…そう言われ、俺は全ての線が繋がったことで話の本質を理解することができた。そんな俺の反応に、比嘉さんも笑みを浮かべていた。

 

「今のこの世界の他に、他の宇宙が広がっているってことは、その宇宙それぞれに何かしらの特徴があるってことで…魔法や科学や…そういう空想的なことが当然ともいえる世界があるってことで…」

 

「そうッス…そして、映現世の剣はそれらをサーチするものだと考えれば…分かるッスね?」

 

「映現世の剣は平行世界だけじゃなく…マルチバースに広がるあらゆる異世界の記憶を読み取る力を持っている…という認識が正しいかもしれない、ってことですよね?」

 

「そういうことッス…もちろん、君が平行世界出身で、マルチバース理論が正しいとすれば、という前提の話になるッスけどね」

 

正解に辿り着いたことで、比嘉さんの意図がようやく分かった…そして、俺がある勘違いをしていたことに気付かされた。

 

俺は呼び出した武器を全て平行世界なんだと認識していたが、それは一部間違っていたのだ。言われてみれば、魔法やら召喚やらヒーローやら、そんな要素のものがこの世界をベースにしてあり得るのかという話になってくるわけだ。

 

平行世界だけでなく、あらゆる異世界の記憶を読み取る…マルチバースという無限に広がっているかもしれない宇宙があるのかもしれないと理解した時、その説が正しいのかもしれないと思う心当たりが俺にはあった。

 

映現世の剣の記憶を始めて認識した時や、記憶開放術を始めて使った時…その時に垣間見た宇宙と幾多ものの可能性の世界が広がる光景…あれは暗示だったのではないかと思えてならないのだ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それと、もう一つ…音弥君。その剣で呼び出した武器のことは覚えているッスよね?」

 

「…はい」

 

「それじゃ…呼び出した武器の…その世界のことは、今でも覚えているッスか?」

 

「それは………あれ…?」

 

そして、比嘉さんはもう一つの気になることを確かめるために、そう話を切り出してきた。けど、俺は二つ目の質問に答えようとして…言葉に詰まった。

 

「武器の記憶はあるのに、その世界のことは覚えていない…そうじゃないッスか?」

 

「…で、でも…武器を元に戻した後も、その世界のことは覚えていましたよ!ユージオにもその時、話しましたし…!?」

 

「アンダーワールドにいる時は、だよね?そして、今は覚えていない…思い返せば、そうなんじゃないッスか?」

 

「…あっ……」

 

そう指摘され、思わず息を呑んだ。

 

そうだ…確かにアンダーワールドにいた時には鮮明に思い出せれていた。けど、今は武器の能力や詳細のことしか思い出すことができないでいた。

 

「二つ目がそれッス。話を聞いていて、世界の記憶までもを音弥君が記憶しているなんていうのが不思議だったッス。

確かに、人間の脳は一生では使い切れないくらいの記憶量を秘めているとされている…けど、別の世界の記憶を、それも数十のものを知って記憶することなんてできるのか…

けど、こう考えれば話は変わってくるッス…音弥君は武器のことは記憶しているが、その元となった世界に関しては映現世の剣を通して見ていただけに過ぎないじゃないかって」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「もっと正確に言えば、その記憶に関するものは映現世の剣の方へと記憶されるようになっていたんじゃないかな。剣自体がデータベースとなり、アンダーワールドにいる時だけ…いや、剣と繋がっている時は閲覧することができるから覚えていられるか、思い出せる…けど、現実世界に戻ってくると参照できなくなり、思い出せなくなる。

原理としてはフラクトライトの記憶ロックに似てるッスね…おそらく剣を作成する際に、STLのシステムからそれを模倣したのかもしれないッスね」

 

「はぁ……なんか知ったような気でいましたけど…まさかのとんでもないことがまだ隠れていたなんて…」

 

「まぁ、気が付かないのも無理ない話ッスよ。そこまで複雑化しているとは思えという方が難しいッスよ」

 

「なんか…鍵みたいだね」

 

「「えっ…?」」

 

次々とまさかの事態が出てくるにあたって、困惑を深める俺を比嘉さんが励ましてくれていたが、あまりの展開に沈黙していた木綿季がふと呟いたことで、俺と比嘉さんの視線が彼女に集まる。

 

「えっとね…色々な世界の記憶を読み取るっていうのが、その世界にアクセスするキーみたいで、それで記憶を出し入れするっていう感じからも、『鍵』みたいだなって思ったんだ」

 

「鍵…言い得て妙ッスね。そういう意味では、記憶を元に武器を反映させるところは…世界を映し出す『筆』とも取れるかもしれないッスね」

 

「…剣であり…鍵であり…筆、か…」

 

木綿季と比嘉さんからキーワードに、どこか納得してしまった。確かに…あれは剣という概念だけで表し切れないものだ。分かっているようで、分かっていない…映現世の剣の全てをいつかは知ることができるのだろうか。

 

「…まぁ、僕が気になったのはその辺ッス…いい時間つぶしにはなったかな?」

 

比嘉さんのその言葉で、意識を現実世界へと戻された俺は再びサルベージの進行状況を表わすゲージへと視線を向けた。もう9割を超え、あと少しというところまで迫ってきていた。

 

「音弥君…データは君が管理するッスか?それなら、僕オリジナルのセキュリティを仕組んだUSBを用意するッスが…」

 

「それに関して…比嘉さんに重ねてお願いしたいことがあって…データを半分ずつに保管して、その片方を比嘉さんに持っていてほしいです」

 

「僕が…?」

 

データの管理方法について問われ、俺は考えていたプランを比嘉さんに伝える。流石の比嘉さんもそれは想定していなかったらしく、目を丸くして驚いていた。

 

「それは…確かに有難い申し出だけど…君はいいのかい?こういうのはどうかと思うけど、僕なら勝手に調べるかもしれないのに…」

 

「流石に勝手は止めて欲しいですけど…でも、いつかこのデータを調べないといけない時が来たらと思うと…それに、俺一人が持っていて何かあった時のことを考えたら、信頼できる人と分割しておいた方が安全でしょ?」

 

「…音弥君は、僕を信頼してくれてるってことッスか?」

 

「…ええ…でないと、秘密を明かしたりなんかしませんよ。それに…勝手に調べたとしても、比嘉さんなら間違ったことには使わないって…信用してますから」

 

これは比嘉さんに秘密を打ち明けると、木綿季に相談した時に二人で決めていたことだった。こういった分野に詳しくて、有事の時に頼れて、信頼できる人物…そう意味で、比嘉さんにしか預けられないというのもあった。

 

「…そう言われたら、勝手に調べるなんてことできないじゃないッスか…ズルい言い方をするッスね」

 

「ゴメンなさい…引き受けてもらえますか?」

 

「……僕自身、隠しているものの一つや二つはあるくらいッス。今さら一つ増えたところでッスよ…任せてほしいッス」

 

つまりは引き受けてくれるということらしい。安堵と共に笑みが零れたところで、

 

ビー!ビー!ビー!

 

「…サルベージが完了したッスね」

 

機械音と共に進行ゲージが満タンになり、モニターに『Complete』の文字が表示されたことからも、比嘉さんが言う様にデータのサルベージ作業が完了したことを知らせていた。

 

「……うん。オーシャン・タートルと見た時と同じデータッスね」

 

「良かったです。なんか、作業よりもサルベージに掛かった時間の方が長かったですね」

 

「それほどのデータで構成されていたってことッスね。さてと…それじゃ、USBを用意して、データを二分割するとしますか」

 

何事もなく、無事に作業が完了したことにキーボードに併設されたPC画面を見て、俺と比嘉さんは安堵する。あとはデータを二分割して、俺と比嘉さんのそれぞれで保管しておけばいいだけだ。

 

最後の作業に取り掛かろうと比嘉さんが動こうとした時だった。

 

「…?ねぇ、比嘉さん…何かモニターが動いてるよ?」

 

「えっ……本当だ。他のプロセスは終了してるのに、何が……あっ…」

 

サルベージが完了したことで表示された画面…映現世の剣を構成するデータが表示されているそれとは別のプログラムが動いていることに木綿季が気が付いた。

 

何が起動しているのかと比嘉さんが再びキーボードを操作して調べている中、思いの外早く原因が分かったようである…もっとも、その声色は…

 

「……やっちまったッス…」

 

その言葉通りの意味を含んだものであったわけで。

 

さっきまでの余裕やら安心した姿はどこにいったのやら、比嘉さんはPC画面へと注視したまま動かなくなっていた。冷房が利いてる筈なのに汗を流し始めた姿は、冷や汗のオンパレードなのだろう。

 

「えっと……何があったの?」

 

聞きたくはないが、そうしなければ話が進まなそうなので、木綿季が恐る恐る尋ねる。しかし、それが聞こえていないのか、比嘉さんは頭を両手で抑え込み、錯乱したかのように動揺し始めた!

 

「…ヤバい…ヤバい、ヤバい!?やっちまったッス!いや、なんでだ!?…まさか、異常にデータのサルベージに時間が掛かったのはこれが原因か?!ライトキューブへの直接ダウンロードじゃなかったから、剣のデータと連動してきちまったのか!僕としたことが…!」

 

「ひ、比嘉さん…一体何があったんだ?もしかして、どこか失敗があったのか?」

 

「……いや。剣のデータのサルベージは完璧に成功してるッス。けど、それと同時にとんでもないものをサルベージしちまったんッス…!」

 

余計なものまでもサルベージしてしまったということなのか?比嘉さんの言葉からそういうことなのかと推測するが、それにしても比嘉さんの動揺が半端ない理由が分からない。

 

イマイチ危機感が伝わってこないせいか、俺と木綿季は不思議そうに比嘉さんを見ていたが、比嘉さん自身も動揺しているせいか、構うことなく話を進めていく。

 

「…と、ともかく!音声通信をオンにするッス!?」

 

音声通信という予想もしていなかった単語が比嘉さんの口から飛び出し、何の音声を繋げるつもりなのかと問おうとしたが…それよりも早く、その答えとなる声が聞こえてきた。

 

『聞こえておるのか!?こちらの声に応えよと言っておるのじゃ!?』

 

「「っ!?」」

 

その声に…記憶にある彼女の声と同じそれに、俺と木綿季は衝撃を受ける。そして、瞬時に理解してしまった…比嘉さんがやらかしたという『とんでもないミス』が何かというのを…

 

「…カーディナル、なのか?」「…カーディナル、なの?」

 

『…!その声は…フォンにユウキか…!ようやくこっちの声が届いたようじゃな』

 

彼女の名を確かめるように呼んだのだが、どうやら間違いなく彼女自身で間違いないらしい。向こうも俺と木綿季の声に気付いたようで、さっきまでの怒気が籠っていた声から、安堵が混じった声色に変わっていた。

 

さっきからずっと語り掛けていたらしく、木綿季が気付いたのはカーディナルがコンタクトを取ろうとしていたことで、モニターが動いていたことに対してだったわけか。音声をミュートにしていて、画面だけが動いていたのだろう。

 

『…それにしても、ここはどこなのじゃ?確か…セントラル・カセドラルにて眠りについておった筈なのじゃが…何も見えないところにおる……ちょっと待て。どうして、お主たちの声がする…?お主たちはアンダーワールドからログアウトしたのじゃろう?それとも、またアンダーワールドにダイブしてきたのか?』

 

「…!…お、音弥君…彼女は一体…!」

 

「…カーディナル。落ち着いて、俺の話を聞いてくれるか?」

 

流石はカーディナルというべきか…すぐさま現状を把握し、何が起こっているのかを推測したようだ…もっとも、その推測を大きく上回る事態が起こっているわけなんだが…

 

一方で、フラクトライトにしてはこちらの事情に精通し過ぎていることに気付いた比嘉さんがカーディナルのことを聞いてきたが、今は彼女と話すことを優先させてほしいと、手でそれを制止してから、カーディナルに語り掛ける。

 

「まず…ここは現実世界だ。俺も木綿季も…お前もリアルワールドにいる状態だ」

 

『…ちょっと待て……ここがリアルワールドじゃと…?』

 

「そうだ。俺たちは今、ラースの人に協力してもらって、お前が封印してくれていた映現世の剣を回収しようとしていたんだ。それ事体は上手くいったんだけど…」

 

『…なるほどのう。剣のデータを引き上げた時に、共に眠りに就いておったわしのデータ…いや、フラクトライトまでもがリアルワールドの方へと引っ張られてしまったのじゃな』

 

「多分、そういうことなんだと思う…突然、叩き起こすような形になって悪かったな…それと、ありがとう。映現世の剣を人の手から遠ざけてくれて」

 

『礼を言われるようなことではない。お主たちがしてくれたことに比べればな…フォンよ。ユージオたちは元気にやっておるのか?キリトたちはあれから…無事にそちらへと戻れたのか?』

 

「ああ…ユージオたちも元気だよ。っていっても、この前、プチ家出を二人してやらかしたけどな。キリトとアスナも無事に戻って来れたよ」

 

『…そうか。眠りに就いた後、気になっておったのじゃが…そうか、そうじゃったか』

 

眠りに就いている間、カーディナルの中では時間が止まっていたといっても状態になっていたのだろう。聞きたかったことを聞けたことで、どこか満足したような雰囲気が感じられた。

 

「…ともかく、そういうことなんだ。今から、アンダーワールドに戻す…「それは…無理なんッスよ…音弥君」…えっ?」

 

こっちの不手際で引っ張り出したくせに、このままの状態でいることもよくないと、これからカーディナルをアンダーワールドへと戻す旨を伝えようとしたのだが。割り込んできた比嘉さんの言葉に、まさかの不可能宣言だった。

 

「確かにアンダーワールドへは接続回線があるんッスが…それはダイブする時の話ッス。今回、データをサルベージ…彼女の場合だと、彼女のフラクトライトそのものをここに持ってきてしまった状態なんッス。

言ってしまえば、ユージオやアリスのようにライトキューブクラスターから排出された状態…データだけがそうなっている状態なんッス。オーシャン・タートルのクラスターに保管されている彼女のライトキューブは空っぽになっている状態なわけッス」

 

「…?でも、そういうことなら、その空っぽのライトキューブにカーディナルを戻せばいいってことじゃないの?」

 

「木綿季ちゃん…残念ながら、話はそう単純なものじゃないッス。ライトキューブクラスターから排出されたのと、ライトキューブが空っぽになったことは全くの別物なんッス。後者においては、フラクトライトが死亡などにより初期化された時に起こる現象なんッス。

 

そして、空っぽになったライトキューブにはまた新たな人工フラクトライトのデータがすぐさま補填されるようになってるわけで…しかも、それを新たに空ける為の操作はオーシャン・タートルのメイン、もしくはサブコンからしかできないッス」

 

「「『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』」」

 

とてつもなく気まずそうに事実を伝える比嘉さん…その宣告に、俺たちも沈黙し、場の空気までも凍ってしまったように感じられた。

 

「…これは参ったッスね。ラースで彼女を保護するっていうのも…流石に勝手な人工フラクトライトの保護はかなりの問題になるし…確実に剣のデータを抜いたことが露見しちまう…!」

 

比嘉さんの方は完全に打つ手なしという状況らしい。ラースは頼れない、アンダーワールドに戻すこともできない…だからといって、俺たちのせいでこっちに来てしまったカーディナルを見捨てることなどもできるわけもなく…

 

(ここは、俺がカーディナルを引き取るしかないか…けどな…)

 

こうなってくれば、カーディナルを助けようとするには俺がどうにかするしかないわけだが…懸念が一つあった。

 

木綿季はカーディナルのことを受け入れてくれるかどうかだ。

 

理由は分からないが、木綿季はカーディナルのことを意識していた。俺から話を聞き出す際の反応からそれは分かっていたが、その理由が分からない以上、どうしたものかと俺は迷っていた。

 

…しかし、彼女は意外な一言を放った…

 

「ねぇ、蓮…カーディナルには僕たちと一緒にいてもらうっていうのはどう?」

 

「『…えっ…?』」

 

まさかの…いや、考えていた提案が逆に木綿季からされる形となり、間抜けな声がカーディナルと揃って零れた。確かに、それをまさしく考えて迷っていた訳だが…

 

何の抵抗もなく、むしろ、前向きな態度で尋ねてきた木綿季…どういうことかとその真意を尋ねたかったが、そんな俺の思考など置いてけぼりに、比嘉さんが割って入ってきた。

 

「それは…そうしてもらえると助かるッス!ライトキューブとPCに接続させる器具一式はここにあるッスから、心配しないでほしいッス!」

 

「ちょ…ちょっと待って下さい!比嘉さん、勝手に話を進めないで下さい!木綿季も…カーディナルの意見を聞かずに先に進めようとしないでくれ」

 

「…でも、蓮だってカーディナルを見捨てるつもりはないんでしょ?」

 

「そ、それは…そうだけどさ…」

 

比嘉さんと木綿季に待ったの声を掛けるが、こちらの考えを見通している木綿季の言葉に口ごもってしまう。

 

「ねぇ、カーディナル…あなたはどうしたい?」

 

『わ、わしは……その…』

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

『……本当によいのか?迷惑にはならぬか?』

 

「いいって言ってるじゃん!迷惑とも思ってないから…蓮もそうだよね?」

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「…そうだな。俺も思ってないよ」

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

不安が混じった問いかけに、木綿季と俺はそんなことはないと応えるも、カーディナルはすぐに判断することはなかった。迷いに迷い…しかし、答えは出さなければならないわけで…数十秒の沈黙後、ようやく彼女は口を開いた。

 

『…!………ならば…お主らの元で世話になってもよいか?』

 

「…!もちろんだよ!今日からよろしくね…カーディナル」

 

遠慮がちにそう頼んできたカーディナルを、木綿季は躊躇うことなく承諾したわけで…木綿季に押される形ではあるが、突如として同居人が増える形になった。

 

…けど、俺はどうしても分からなかった…

 

木綿季は何を思い、どんな考えでカーディナルを受け入れたのかと。

 

こんな結末になるとは思ってもいなかった俺は…明日からまた色々としないといけないなと考えつつ、またしても謎が増えてしまったでのはと思わずにはいられなかった。

 

 




…まぁ、皆さん想像はしてましたよね?そうです、そういうことです!このラストの為だけにこのお話があったわけです!

映現世の剣の細かいお話やら、蓮の秘密を比嘉がすぐに信じられるように星王様が手を回していたりとか、そんなもの…おまけにすぎないわけです!!(確かに重要ですけど、そんなものすらも置いていくレベルだったわけです!)

ということで、カーディナルも現実世界にやってきたわけで…
次回更新からは後日談…カーディナルをメインとしたお話を展開していくこととなります!基本メインは彼女に加え、フォンとユウキの三人になります。
原作キャラもほんの少しだけ出ますが、あんまり出番はないです。

まぁ、後日談のお話はまた更新した時にでもするとして…
本話というか、WoU編を振り返るのもあって、少し長めの解説兼総括を…

まず、サブヒロインポジのカーディナルに関して…
WoU編では、フォンサイドのヒロインとしても活躍しておりました。このアリシゼーションにおけるヒロインはかなりハードルある立ち位置でもあったわけです。

現実世界に渡る手段がなければ、接する機会が激減してしまうわけで(感想でも現地妻という指摘もありましたが)、それは流石に不憫&可哀そうと感じたこともあり、だったらサブヒロインになる者はアンダーワールドから現実世界へと渡れるようにしたい…そういった意味ではカーディナルは幸運だったのかと。

カーディナルを現実世界に引っ張ってくるためだけに、映現世の剣をアンダーワールドに置いてくるという設定(第ⅬⅠ話参照)にしたわけです。

そして、前話で大暴れしておりましたユージオとアリス。
前半終盤からキリトだけでなく、フォンもほとんど闘えない状態にすることは決めていたわけで、後期主人公として白羽の矢が立ったのがユージオだったわけです。
アリスの出番を奪い過ぎず、しかし、かなりの活躍をしてくれました!

ユージオ生存ルートから、全員とはいかなくとも、原作では死亡してしまったキャラ達を生存させられ、オリジナル戦闘へと持っていけたわけです。

アリシゼーション以前は結構原作通りに沿った闘いをそのまま書くことがほとんどでしたが…結構独自の戦闘描写も多かったなといった感じですね。
作者的にはユージオがベルクーリとイーディスと共に、ベクタを打ち倒したエピソードが一番気に入っております。

…まぁ、反省点としてユージオを強化し過ぎたのと、フォンをとんでもないレベルにまで強化し過ぎたことですね。まぁ、当面それらのチートパワーが発揮されることはないので…

様々な謎が解かれたアリシゼーション・WoU編でしたが…この章において、生まれた謎もまた多いのもまた事実です。それを解き明かしていくのが、これからのお話の軸の一つにもなってきます。

まぁ、当面はサブヒロインたちにスポットを当てる章が続くですが…
まずはカーディナルをメインとしたお話にご期待頂ければと存じます。

さてと、最後に次回の更新についてお知らせします。
まず、来週は…すみません。お休みさせて頂きます!?

前話と本話書くのにかなり睡眠時間を削ってまして…ちょっとお休みを兼ねたいのと、もう一つの作品をそろそろ更新したいのもあり、こっちを一週間だけお休みさせて頂きます。

なので、次回更新は3月6日となります。

そして、前々よりお知らせしておりました、キャラエピソードの残りを本日のお昼頃に活動報告にアップ致します。
あらすじはそちらをご覧頂ければと思いますが、該当キャラをここで発表致します!
…まぁ、予想されていた方も多いと思いますが、対象となるキャラは、カーディナル、そして、ユージオとアリスのお話となります。後者は二人で一つのお話を描く予定です(ユウアリファンの方々は是非ともご期待頂ければと思います!)。

色々と問題作やら挑戦したことなど多かったアリシゼーション編…何度も言う様にここまで長期化するとは思ってなかった半面、無事に書き終えることができたことに安堵と達成感を覚えております!

様々な方にご感想を頂き、読んで頂いたことが何よりもうれしく、そして、書いていくモチベーションにも繋がりました!

まだまだ『夢幻の戦鬼』は続いていきますがこれからも温かい目で見守って頂ければ、大変有難いです。

まずは…アリシゼーション完走までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました!!

P.S. ハマTさん、
ご評価ありがとうございました!!

…200…?

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