ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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またしてもギリギリでの完成です…!?誤字脱字あったらすみません!

買い物回ならぬデート回(?)…の筈だったんですが、どうしてこうなった…!
そんなお話となっております!

それではどうぞ!



第3話 「Do you think is dating? 」

「ふわぁぁ…」

 

残暑の名残りが続く温度を認識すると共に、眠りから覚めた俺は体を起こしながら欠伸を零していた。

 

カナデ…カーディナルと別れた後、22層のホームに戻って、ユウキとのんびりした後に、互いに勉強(俺は受験、ユウキは予習という形だが)してから眠ったわけだが。しっかり寝てから起きた今の時刻は七時少し前…普段よりは少し遅めだが、今は夏休みなのでゆっくりしても問題がないのである。

 

「すぅ……すぅ…」

 

「…フフッ」

 

隣で寝息を立てている木綿季はまだ起きる気配がない。食事当番であれば、この時間に起きているが、今日の当番は俺なのでもう少ししてから起きることになるだろう。

 

そんな彼女の頭を優しく撫で、起こさないように静かにベットから降りてリビングへと移動する。一旦、洗面所で顔を洗ってからダイニングキッチンへと辿り着く。

 

(今日はちょっと手抜きでもいいかな…卵かけご飯に、みそ汁と、昨日の和え物の余りを使う感じで…)

 

『こんなに早い時間から起きておるのじゃな』

 

なんとなく献立を組み立てていた思考を遮るようにその言葉が聞こえてきて、俺は発生源であるスマホをポケットから取り出した。

 

「おはよう、カーディナル…悪い、起こしちまったか?」

 

『気にするでない。初めてぱそこんという環境で過ごしたから、いつもより早く目が覚めただけじゃ』

 

「そうか?なら、いいけど。ちょっと待っててくれ。今、オーグマーを取ってくるから『このままで構わん。こちらからは見えておるしな』…そういえば、そうだったな」

 

 

スマホの画面に映るカーディナルに挨拶してから、一旦、オーグマーに切り替えようとするも、彼女の言葉にアプローチカメラがリビングにあることを思い出し、止めた。どうにも、今までとは異なる環境に慣れていないのは俺もだったらしい。

 

『あっちでもそうじゃったが、お主は早起きではあると思っておったが…元よりそうじゃったのじゃな』

 

「習慣ってやつだな。昔から一人で色々やることが多かったから、今でもその癖が抜けきってないんだよな…木綿季の食事当番の日にも同じ時間に起きたりするし…」

 

『…そういうものなのか。それでは、今から何かを作るのか?』

 

「いや、今日は手抜きに近いものだよ。料理と呼んでいいのかちょっと怪しい、けど、美味しいものにはしようかなって感じ」

 

『あっちでは毎回作っておったから、今回もそうかと思ったのじゃが…そうではないのじゃな』

 

「まぁ、あっち…アンダーワールドには冷蔵庫とかそういう便利なものが普及し切ってなかったからな」

 

カーディナルの言葉に苦笑しつつ、俺は渇きを覚えていた喉を潤すため、冷蔵庫から麦茶が入ったピッチャーを取り出した。

 

アンダーワールドには電化製品の類はほとんど存在しなかった…冷蔵庫はおろか、電気がないから夜の明かりも蝋燭や松明に火を灯すことが主流となっていた程だ。まぁ、化学よりも魔法主体の世界観だから仕方がないのかもしれないが…

 

アリスがセントラル・カセドラルに連れて行かれることとなった幼少期のあの一件も、元を正せば、冷蔵庫のような保管機能を持つ品がなかったこともある意味では一因になるわけで…

 

そのため、余程の品でない限り、作ったものは天命…耐久値が消耗し切ってしまう前に消費することが当たり前となっていた。そのため、俺が安息日に何か料理を作っても、その日に食べきってしまうことがほとんどだったわけである。

 

それを、シャーロットを通して見て知っていたカーディナルからすれば、現実世界の俺の行動は不思議に見えるのかもしれない…今、覚えば、大量消費・生産からの産廃問題が提言されている現実からすれば、アンダーワールドの実態は見倣うべき習慣なのではと思ったのは余談だ。

 

そんな他愛もない会話を交わしていると、

 

「…ふああああぁ…ぉはよぅ……」

 

『おはよう、ユウキ』

 

「ぁあ…おはょぅ………?!誰、今の!?」

 

寝ぼけ眼に、半分口すぼみになっている朝の挨拶をしながら、木綿季が寝室からやってきた。そんな彼女に何げなくカーディナルが挨拶するも、眠気が吹っ飛んだかのように回りをキョロキョロさせる光景が出来てあがってしまい…

 

「ここだよ、ユウキ。さっきのはカーディナルだよ」

 

「…あー…そっか。昨日の今日だから完全に忘れてた。ゴメンね、カーディナル」

 

『気にするでない、今のはわしも声を掛けたタイミングが悪かったしのう』

 

「目が覚めたなら、顔を洗っておいで。その間に朝食の準備しておくから」

 

「はーい!」

 

どうやら変わった環境に慣れてなかったのは俺だけではなかったようだ。声の主が分かり安堵しつつ、驚いてしまったことを謝罪する木綿季を見ながらそんなことを思いつつ、俺は朝食の準備へと取り掛かった。

 

 

 

「ゴメン、二人とも!?」

 

 

「『…えっ?』」

 

インスタントの味噌汁に、アスパラガスのゴマ和え、そして、TKG…卵かけご飯という朝食に、特売品だった佃煮が並ぶ朝食の最中、そんな一言が木綿季から飛び出し、俺と(オーグマーを介した)カーディナルの声が重なる。

 

「じ、実は…その……急遽スリーピングナイツでの活動が入っちゃって…今日、ALOで同行するのが難しくなっちゃって…」

 

「なんだ、そういうことか…それなら、大丈夫だよ。昨日の感じからして、俺一人でも大丈夫そうだったし。そこまで高レベルのところに行くつもりはなかったからな。カーディナルも大丈夫か?」

 

『…そうじゃのう。お主が大丈夫だと言うのならな…昨日のような暴挙をやらぬ限りは大丈夫じゃろう』

 

「…流石にユウキがいないのに、あんな無茶ぶりはしないよ」

 

理由が分かり安堵したところで問題ないと木綿季に返し、カーディナルに同意を求めるも、昨日の最後にやった件(疑似モンスターハウス)を咎められ、AR空間に浮かぶ彼女から視線を逸らしながら答えた。

 

『まぁ、よいわ…そういうことじゃ。こっちのことは気にせんでよい』

 

「ありがとう、カーディナル。それじゃ、もう集合時間迫ってるから、先にダイブしてるね!ごちそうさま!」

 

「…って、今からなのか…!」

 

残っていたご飯を掻き込み、食器一式を流しに漬けたと思えば、嵐の如く寝室へと飛んで行った木綿季に声は届かず、唖然とする俺だけが残されたわけで…

 

「…ということなんだが…これからどうする、カーディナル?」

 

『お主の予定はどうなのじゃ?』

 

「まぁ、洗い物とか洗濯とかあるし…午前中は勉強に回したいとも思っていたからな」

 

『ならば、午後からでわしは構わんぞ。それまで、ネット空間を漂っているのもアリじゃろうしな』

 

「…そうしてもらっていいか?途中でログアウトしないでいいように、昼食も取っておきたいし…とりあえず12時半に、昨日と同じアルンの中央広場に集合でどうだ?」

 

『大丈夫じゃ。それでは、わしも行くとしよう。また後でのう、フォン』

 

ともかく段取りを決めるべく、カーディナルに話を振るもこちらの都合を考慮してくれたことで、ALOには午後からダイブすることになった。

 

その言葉を最後にAR空間から姿を消したカーディナルに続き、自分もやるべきことをしようと思い、残っていた和え物を食べ終え、まずは洗い物から終わらせていこうとキッチンへと向かった。

 

 

 

「…ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ…!?」

 

そんな言葉が思わず出てしまう程に俺は焦っていた。

 

やらかしたという後悔と、一秒も惜しいという焦りが混濁する思考をなんとか抑えながら、俺はアミュスフィアを頭部に装着し、先にALOへとダイブしていた木綿季の横に寝る形で転がる。

 

「…リンク・スタート!」

 

いつもならもう少しゆとりを持ってダイブするのだが、木綿季の寝顔さえ拝む時間がもったいないほど、焦りながら俺はいつもの言葉と共に意識を仮想世界へと飛ばした。

 

俺が焦っている理由…それは遅刻である。大遅刻とまではいかないが、もう既に約束した時間…12時半を3分ほど過ぎており、まさしく『ヤバイ』状態なわけで…

 

どうしてこんな状況になったかというと、家事とかは問題なく終わったものので、その後の受験勉強で時間を食ってしまったのだ。解ける範囲で解いていこうとしたのだが、調子にのって難解問題のものにいくつか手を出して…気が付けば、約束の5分前という事態に陥っていたわけだ。

 

慌てて昼食代わりに食パンを2枚ほど胃に納めて、今に至る…そんな自分の失敗を頭で振り返りながら、ALOへと来た俺は22層のログハウスから飛び出ていた。

 

迷宮区以外は飛行が可能とはいえ、転移石のある町まで向かうのにここから3分は更に掛かる…これは何を言われてもしょうがないと思いつつ、俺は出せる速度でアインクラッドの空を駆けていく。

 

「…はぁ…!…はぁ…!つ、着いた…」

 

12時半を過ぎて10分ほど…ようやく転移石から央都アルンへと来た俺は、息切れを収める間もなく、カナデの姿を求めて顔を周囲へと動かす。

 

ここに集合ではあったが、彼女の姿は近くには見えない。もしや一人で散策にでも行ってしまったのだろうか…時間潰しがてら、そうしてもおかしくはないかと思い、ともかく場所を知ろうと、昨日登録したフレンドリストを開こうと…

 

「だから…わしは連れを待っておるだけじゃと言っておろう!?」

 

聞き覚えのある声が聞こえ、俺はようやくその光景に気付いた。声のした方向…視線の先には、少し怒気を孕みつつも困った顔をしたカナデの姿と、彼女を取り囲む水妖精族、火妖精族、そして、猫妖精族の男プレイヤー3人の姿があった。

 

…どうやらそういうわけらしい。彼女の姿を見つけられたことに安堵しつつ、それと併せて俺が遅れたりしなかったらと後悔と苛立ちが募り、その怒りをプレイヤーたちにぶつけたいのを押さえながら、俺はカナデたちに近づき、

 

「お取込み中すみませんが…そこの彼女は俺の連れなんで、それ以上絡むのは止めて貰えませんか?」

 

「あぁ…?…っ…て、てめぇは!?」

 

こういう人たちがいるから、時折変な悪評が出たりするんだろうなと思いつつも、急に声を掛けられたことで振り返った男たちと、こっちに気付いたカナデの視線が俺で交差する。

 

しかし、両者の反応は真逆なもので、どこか安堵しているカナデに対し、男たちは驚きのあまり、固まってしまっていた。その隙にカナデの腕を掴み、こちら側へと引き寄せる。そのままの勢いで、ここから離れようとしたのだが…その前に男が言葉を発してしまった。

 

「…夢幻の戦鬼?!なんでこんなところにいやがる!?」

 

その大声で叫ばれた二つ名が広場のいた面々に届き、彼らの視線までもが俺の方へと集中するわけで…

 

「…マジだ、あれって夢幻の戦鬼のフォンじゃないか?」

「あいつら、戦鬼の知り合いに絡んでたのかよ…正気か?」

「っていうか、いつもはアインクラッドの方をメインに活動しているのに、どうしてこんなところにいるのかしら?」

「それよりも、あの猫妖精族の子カワイクない!?是非ともおもちか…お友達になりたいわ!」

 

(…こうなるからさっさと離脱したかったんだよ…)

 

大変不本意だし、全く望んでいないが、俺はALOではそれなりの有名人だ…だからといって、そういつも見つかることはないが、二つ名までも出されてしまっては気づかれるのは必然で…

 

俺がここにいることに気付いたプレイヤーたちが色々と話をしているのが否が応でも聞こえてくる…一部は危険な香りがする話もあったが、今はそれを気にしている場合ではない。

 

俺の知名度に驚いて、周りをキョロキョロしているカナデを連れてこの場を一刻も早く去るべきだと考えた俺は、彼女を先導して移動しようとしたのだが、

 

「ちょっと待て?!どこに行こうとしてんだぁ!」

 

3人のうち、一番先に我に返った火妖精族に呼び止められてしまい、離脱に失敗した。舌打ちしたいのをなんとか堪えながらも、俺は不満を隠すことなく視線をプレイヤーたちに向けた。

 

「…まだ何か御用ですか?」

 

「その女の子は、俺たちが最初に声を掛けてたんだよ!急に現れた癖に横取りすんじゃねぇよ!」

 

「さっきも言いましたが、先約は俺の方です。それに、さっきの様子からして彼女は貴方たちに付き纏まれているのが迷惑そうでしたが?」

 

「そ、それは…慣れてないから、戸惑っていただけだよ。その子、見た感じニュービーだろう?だったら、優しい俺たちが道案内してあげようと思っただけさ」

 

「わ、わしは…わしからそんなことを頼んだ覚えはない!?」

 

冷たい視線に合わせた低い声で切り返すも、続けて我に返った水・猫妖精族の男までもが食い下がってくる。流石のカナデも当事者ということで言い返すも、男たちは聞く耳を持たないわけで…

 

「…はぁ。いい大人が女性にそんな下劣なところを見せて恥ずかしくないんですか?それとも、子供の言うことだからってどうでもいいって聞き流しちゃってるんですか?」

 

「「「…はあぁ!?!?」」」

 

「こっちはできるだけ早くここから移動したいんです…そっちが望む方法でいいので、白黒決めましょうよ」

 

「…ぐっ!だったら…デュエルで勝った方がその猫妖精族の女の子を好きにする…それでどうだぁ!?」

 

このまま平行線を続けるぐらいならと軽く煽るつもりで放った挑発が、ものの見事にぶっ刺さったらしい。冷静さをなくした男たちを代表するように、キレながら火妖精族が俺にデュエルの申請をしてきた。

 

『Koromaru がデュエルを申請してきました』

 

Koromaru…コロウマルと読むのだろうか?クラインたち『風林火山』ギルドにとてもお似合いなネームだと思いつつ、俺は『承認しますか?』のシステム画面で承諾のタブを選択する。すると、専用のフィールドが形成され、俺とコロウマル以外のプレイヤーたちがフィールド外へと強制的に移動させられた。

 

「…フォン」

 

「悪い、カナデ。待たせてばっかりだけど…すぐに終わらせるから、もう少しだけ待っててくれないか?」

 

どこか不安そうにこっちを見ているカナデにそう言葉を返し、デュエルのカウントダウンタイマーが鳴る中、俺は左手でシステムメニューを呼び出す。

 

慣れた手つきで発動させるのは、おなじみの『高速換装』スキル…一瞬にして俺の装備が『骨織りの海装束』…軽量型の高速戦闘を得意とするものに変わり、そして、武装も鎌のカテゴリーに分類される『クロノ・スワール』へと変えた。

 

対する相手は俺の武器が鎌だと分かり、当初は驚いていたも、落ち着いたところで少しばかり笑みを浮かべていた。

 

周囲の観客と化したプレイヤーたちも、俺の闘いが見れることへの興奮や、最近導入された鎌に驚いていたり、どっちが勝つかに賭ける、みたいな色々な話を飛び躱していた。

 

そうこうしている内に60秒間の猶予時間がほとんど過ぎ、空中に浮かぶカウントタイマーがもう間もなくデュエルの開始を告げようとしていた。

 

それに併せて刀を構えるコロウマル…俺も右足を引き、腰を落とすようにしながら、反射するほどの光沢をみせる黒曜石を想起させる大鎌を背中へと隠すように左半身で構える。

 

…3、2、1…0…!

 

「…はあああぁぁ!」「…!」

 

タイマーがゼロとなった瞬間、先に飛び出したのはコロウマルの方だ。俺はその動きを見てから動き出しため、少しばかり遅れた形となった。

 

俺の方が反応が遅れたと取ったのだろう…薄ら笑みが更に深めた奴は、飛び出した推進力をも加えたソードスキルを発動さえようと、刀にライトエフェクトを宿した。

 

足元から刀の向き的に斬り上げるうような構え…おそらく刀単発ソードスキル<辻風>だろう。単発ながら、発動がとても速い技を選んだのは確かにいい選択肢だろう。けど、単発ということは、その分、軌道も読みやすいということで…

 

相手の頭の中には、最近導入されたばかりの大鎌では、熟練度も大したことはない・使い慣れてるわけがないという魂胆もあったのだろう…ただ残念なことに、大鎌は元々SAOに存在した武器カテゴリーであり、当時の俺がスキルをカンストしていないわけがなく…

 

「…遅い!!」

 

相手の間合いをも予測し、技を放つ直前に踏み込んだことで、俺が先にソードスキルを繰り出すことになる。

 

鎌4連撃ソードスキル<シェーブオ・スクエア>…初撃で刀を相殺し、ノックバックで耐性を崩したところに2撃目で根本を狙って武器破壊、残る3・4連撃でボディを掠めるように斬り割く…平行四辺形を描くかのような4連撃に、火妖精族は抵抗する間もなく、HPをレッドへと削られた。

 

…本当なら、初撃で武器破壊して、残る3連撃で両足と腕一本を削り飛ばす…達磨の一歩手前にすることもできたが、流石にそれはやりすぎかと思い、留めたのだが…一瞬で起こった出来事に唖然とする男に、俺は鎌を突き付けて尋ねた。

 

「まだ続けますか?」

 

その問いに返ってきた答えは、

 

『アイリザイン』

 

降参を表すシステム画面だった。そして、それを見ていた観客の一人がぽつりと呟いた。

 

「やっぱりな…賭けが成立するしない以前の問題だぜ」

 

 

 

「…えっと…悪かったな、あんな騒動に巻き込んで」

 

デュエルを終え、残りの二人も流石に分が悪いと思ったのか、それ以上絡んでくることはなく、俺とカナデはようやく解放されることとなった。

 

デュエルを見ていた観客たちも、終わった直後は盛り上がっていたが、ほとぼりが冷めると散り散りになっていったので、俺たちが絡まれるということはなかった。

 

ひとまず広場から離れ、様々な店が並ぶ商業街の一画へと来たところで、俺はカナデに謝罪していた…あまりにも遅すぎるし、更にはトラブルまでもを誘発する一因となったわけだから、これは怒られてもしょうがないと思っていた。

 

「まったくじゃ…お主がちゃんと時間通りに来ておったら、あんな奴らに声を掛けられずに済んだのじゃ」

 

「…はい。おっしゃる通りでございます。もう、本当にゴメン」

 

「…(ボソッ)まぁ、お主が助けてくれたから悪い気はしなかったがのう」

 

「…えっ、何て?」

 

「なんでもないわい。さてと、遅刻したのじゃから、分かっておるじゃろう?その分は、この後にしかりと挽回してもらうぞ、フォンよ」

 

「…ああ、もちろんだとも。挽回どころか、プラスにして返してみせるから」

 

「うむ、期待しておるぞ。それで、ここに来たのにはどういう目的があってなのじゃ?」

 

予想よりもお小言は少なかったことにホッとしつつ、ここからのエスコートは気合を入れなければと思い、俺は先導しながらカナデの疑問に答える。

 

「ここに来たのは装備品の調達とアイテムの補充だな。昨日はいきなり実戦をしたけど、そのおかげでカナデの所持金もそれなりには貯まった筈だろう?初期装備から鞍変えしようって思ってな」

 

「ふむ。まぁ、今使っておる杖はかなり短いしのう。もっと手に馴染んだものにしたいとは思っておったが…」

 

「でも、初期の1000ユルドだとほとんど買えないからな。それに防具も、カナデの戦い方に合わせた方がいいだろうし、ポーションはともかく、魔法主体ならマジック・ポーションもいくつか常備しておいた方がいいだろうしな」

 

ALOにおける魔法は遠距離から高速攻撃、属性を選べる単純性、攻撃だけでなく補助・回復までできるといったメイジだけでなく、ヒーラーやバッファーといった役割を複雑にこなすことができるメリットがある。

 

一方で、上位魔法になるほど詠唱が複雑で時間が掛かる、とっさの使い分けができないと発動自体ができない、タンク役がいない場合の立ち回りが非常にハイレベルといったデメリットも存在するわけで…

 

何よりもMP自体もステータス値に合わせたものなので無尽蔵に使えるわけでなく、自然回復による量もそこまで多くはないので、上位魔法プレイヤーはマジック・ポーションを常備しているのが当たり前だったりする…まぁ、その辺りは魔法をも使うアスナやリーファからの請け合いなんだが…

 

「まずは杖と、サブウェポンだな。ということで、武器屋に行くか。本当だったら、俺が作りたいんだけどな…」

 

「作るとは…お主、そんなことまでできるのか?」

 

「といっても、流石の神器級は無理だぜ?SAO…昔の名残で鍛冶師系のスキルを習得してたんだよ。まぁ、俺は自分のものとかユウキの武器ぐらいで、キリトたちの分はリズが全部面倒みてるんだけど…

 

話が逸れたな…もちろん作ることもできるけど、オーダーメイドという形になるから流石に材料とか費用もそれなりに掛かるんだよ。だったら、費用が貯まるまでは武器屋で買い換え続けて、自身のステータスやスタイルに最適化したものを作ってもらう方がいいんじゃないかって、俺が思ってるのもあるんだけどな」

 

最初はカナデ、それにユージオとアリスの分は作って用意しようかと考えもしたが、そこまでの行為は過保護ではないか、そもそもVRMMOの序盤の楽しみを奪うことになるのでは?という考えが出てきて、当面の間はしないことにしたのだ。

 

それに、俺は(リズもそうだが)マスタースミスであることもあって、適当に作ったもの(そんな生半可な仕事は絶対にしないが)であっても、それなりに高ステータスのものが出来上がってしまう。ステータスに伴ってない武器は色々な危険を孕むので、そういう懸念もあったのも大きい。

 

昨日のあれで慣れたのか、そこまで驚いていないカナデを案内しながら、俺たちは武器屋へと足を進めた。

 

 

まぁ、武器に関してはすんなりと話が纏まった。

 

もともとアンダーワールドでも長杖を殴打突用としても兼用していたということで、中級レベルの『シルバーワンド』をカナデは購入した。

 

銀色の杖部分に先端の青い魔法石が埋められた片手杖で、魔法に関するステータスを全面的に上げてくれるので、使い勝手がいいということもあってセレクトした。

 

まぁ、本人は今の予算で買える最大の『ラピスリーワンド』に心惹かれていたが、流石にそれを買うと、他の物が買えなくなってしまうので断念していた。

 

あとはサブとして短剣を3本購入していた。杖自体が打突として利用できるとはいえ、耐久値の問題もあるし、いざという時に小回りが利かせられる武器を持っておくべきだと俺が助言し、購入に合わせて短剣スキルを解放した。

 

短剣は投的武器としても使えるので汎用性も高い…狙った部分に投げるのは経験やコツがいるが、乱戦以外なら牽制用で投げることは誰にでもできることだ。

 

そういうことで、今度は防具の購入ということでそっちのお店に向かったのだが、意外に時間がかかったのがこっちだった…というよりも、現在進行形で掛かっていると言った方が正確か。

 

「…難しいところじゃな」

 

「まぁ、そうだよね。既製品だとステータス値が固定だからな」

 

NPCが見せてくれている二つの服…それを前に、カナデは悩み続けていた。俺も何かアドバイスができたらいいのだが、こればっかりは本人の意志次第のところもあって、はっきりしない言葉しか出なかった。

 

何を悩んでいるのかというと、服の性能に関してであった。

 

ALOも(SAOもそうだったが)防具は、鎧・服・軽装といったカテゴリーがあり、防御力に特化、俊敏性に優れて…という差別化が図られている。特に服カテゴリーは、法衣という細かいカテゴリーが存在し、魔法系統のステータスに関与するものが多いのだ。

 

それでカナデが迷っているのがそのステータスということで…

 

一つは胸元に赤い小さなリボンが施された、黒をメインとした法衣…というよりもお嬢様学校にありそうな制服に近いデザインをしたものだ。

こちらは防御に重点を置いたステータスになっていて、属性耐性値もそれなりに高い。魔法だけでなく、属性が含まれるソードスキルのダメージを軽減できるという点では魅力的だ。

 

そして、もう一方がまさしく魔法使い…ローブを纏い、白のドレスシャツの上にブレザーを重ねたようなデザインをした法衣だ。これでとんがり帽子を被ったら、とても良く似合うだろうと思えるレベルだ。

こちらの性能は魔法攻撃強化がメインで、ダメージ加算値はそこまで大きくはないが、MP消費を5%軽減という、また魅力的な能力があるわけで…

 

真逆な性能だが、どちらも大事なものを持っていることもあり、それがカナデを悩ませているわけだ。なら、デザインで決めたらいいじゃないかと思うかもしれないが…これがまたどっちも似合うのだ。

 

前者は魔法学校に通ってる感じに、後者はアンダーワールドの時にいたカーディナルの面影を感じさせる魔法使いの感じに…どちらも似合い過ぎていて、そっち方面での助言もできないわけだ。

 

「防御はあった方が……しかし、攻撃こそが最大の防御となる時も……しかし、今の力では……じゃが、上乗せできるのだったら…」

 

絶賛悩みまくりの彼女に、俺も苦笑いするしかない。まぁ、今日はたっぷりと時間があるわけだし、こういうのもいい経験ということで、もうしばし見守っておこうと思っていると、

 

(アンダーワールドの時のカナデか…)

 

あれやこれやと呟き続ける彼女を横目に、先程頭を過ぎったことが思い浮かんだ。分け合って、一緒に住む(と言っていいのかは微妙なラインだが…)カナデことカーディナル…彼女に対し、俺は複雑な思いを抱いていた。

 

アンダーワールドでは当初は協力者という立場だったが、あまりにも大きな物を背負っている彼女が…いつか折れてしまいそうなその姿が、どこか自分と被って見えたのもあったとは思う。

 

記憶を封じていた時のことも覚えていて、一連の彼女の行動も知る限りではあるが把握していた。まさしく『戦争』といっても差し支えない大局を乗り越え、ようやく眠りに就いたと思えば、俺のせいでこっちの世界に来ることになって…

 

『やっと報われた…私の200年は間違いじゃなかった。この温かさを知っただけで私は満足…報われた…』

 

大図書室で零れ出たあの言葉は今でも…いや、きっと忘れることはできないのだろう。そのことを知れたことで爆発させた喜びに悲しさが、それ以上のことがまだまだあることを知ってほしいという願いが、今のカナデに対する俺の気持ちだ。

 

まぁ、罪悪感とか責任感とそういうのも入り混じって複雑な感情になっているんだが…それでも、俺にできることはしてあげたいと思うのもまた本心だ。

 

「…よし…」

 

「おっ、決まったのか?」

 

結構長いこと思考の海に入っていたのか、何かを決断したかのようなカナデの声に、意識を戻された俺はどちらの防具に決まったのかを聞こうと…

 

「すまぬが、お主が決めてくれぬか…わしだけだと、今日一日悩みそうじゃ」

 

「…了解」

 

俺に判断を委ねるということを決断したらしい…気まずそうにそう呟いた彼女に、苦笑いしつつも俺は快諾した。

 

 

 

防具のカラーが変えられるとのことだったので、NPCによって店の奥に連れて行かれたカナデを待つ間、俺は別の店へと行っていた。もしかしたら、今日中には難しいかもしれないと思っていたが、目当ての物があったのでそれを買ってから、防具屋へと戻ってきた。

 

すると、ちょうど色替えが終わったのか、店から出てきたカナデと合流する形となった。

 

「どこかに行っておったのか?」

 

「まぁ、ちょっと野暮用でな…そのカラーにしたんだな」

 

「…やはりこの色が落ち着くものでな」

 

俺の姿が確認できたこともあってか、先程の失態よりは棘が少ない言葉がカナデから飛んできた…少ないだけで、また席を外していたことには思うところはあったらしい。

 

流石に何をしていたのかをここで言うわけにもいかず、誤魔化しつつ、俺はカナデが纏っている法衣の色へと話を移した。

 

初期装備のものと同じ…いや、色合い的にはアンダーワールドの時と同じ暗めの朱色をメインとしたローブとブレザーに、白のアクセントが目立つドレスシャツ…魔法使いにより一層らしくなったカナデが恥ずかしそうにしていた。

 

「…やはり地味かのう…もう少し明るい方が良かったか?」

 

「そんなことはないさ。むしろ、よく似合ってる」

 

「そ、そうか……そうなのじゃな」

 

本人も不安に思うところがあったらしいが、似合ってないどころか、似合い過ぎているくらいだ。見た目がちい…子供っぽいのに対し、言動が大変大人びたものであるカナデのギャップ差を表しているかのように、デザインと色の組み合わせがカナデ独自の魅力を引き立てていると表現すべきなのだろう。

 

カナデだからこそ…まさしくその言葉の通りに似合っている旨を告げると、自信が持てたのか少しばかりカナデも微笑んでいた。

 

(後者の防具を選んだけど…これは予想外だったな)

 

二つあった候補のうち、ローブ付きの魔法使いっぽい防具を選んだのだが、実際に好みの色に変えて着ると…想像以上だったので内心驚いている。

 

ただ、もう一つの方もデザインとしては捨てがたかったので、俺がオーダーメイドで作る時にでも参考にするのもありかもしれない…まぁ、それはまた後の機会に置いておくとして。

 

「それじゃ、次は道具屋に行って…そしたら、また熟練度稼ぎにフィールドに行くのか?」

 

「いや…そのつもりだったけど、予定変更だ」

 

「えっ…?」

 

最後の予定としていたことを否定され、驚きの声が出るカナデ。どういうことかと視線で物語っていたが、俺はその真意を説明する。

 

「カナデ、確かに冒険もVRMMOの醍醐味の一つであるけどさ…そうじゃない時、嗜好の時間を楽しむのだって醍醐味の一つなんだぜ?」

 

「…どういうことじゃ?」

 

「昨日は冒険だけで一日…といっても、ほんの数時間だけど…それだけで終わったから、この街をそこまで散策できてないんじゃないかって思ってさ。今日はまだ時間があるし、まずは他の店も見たりとか…良ければ、俺に案内させてくれないか?」

 

「………はぁ!?」

 

…あれ?普通に街案内の提案をしただけなのだが…先程以上のリアクションと共に驚いているカナデに、俺は首を傾げる。そんなに変なことを言っただろうか?

 

「お、お、お主!?自分が何を言っておるのか、分かっておるのか!」

 

「…何って…街の案内をしようって言っただけだぞ?まぁ、流石に情報屋さんたちみたいに知り尽くしてるわけでもないし、俺もそこまでこの街を利用してるわけじゃないから、大したものじゃないかもしれないけど…」

 

「……お主は…」

 

何がマズかったのか分からず、とりあえずこちらの意図を伝えたのだが…何かを言い淀んだカナデはその先を続けることはなく、しかし、一転して笑みを…本当にしょうがないといったばかりの笑みを浮かべたかと思えば、

 

「本当にお主は困ったものじゃな……ならば、最後までエスコートしてもらおうではないか」

 

「…!おう、任せとけ!それじゃ、行くか」

 

了承の意をもらったこともあり、俺の案内の下、央都アルンの散策ツアーが始まった。

 

 

プレイヤーが経営している菓子店に立ち寄って、食べ歩きのクレープを買った…知識では知っていても、食べるのは初めてとのことで食べ方をカナデに教えたり、

 

(形だけとはいえ)大図書室の司書を勤めていた関係で本屋にも行った。あっちとは異なる神話の話は、カナデにとっても強く関心を惹かれるものがあったらしく、余裕ができたら買ってみたいと反応を示していた。

 

日常品や服とかの雑貨店は敬遠していたが、宿生活とはいえ、寝間着などは持っておいた方がいいのではと俺が言ったら、考えておくと逃げられてしまった…そういうのはあんまり好みではなかったのでは?と思い、ちょっと失敗したかもしれない。

 

今や観光スポットと化した世界樹を見た時には、セントラル・カセドラルよりも大きいそれに、流石のカナデも圧倒されていた。以前に実装されていたグランド・クエストのことを教えたら、とても憤慨していた…そこはカーディナルとして許せない部分があったのだろう。

 

 

…一応、素人案内ながらできるかぎりのトークと知識で説明していったのだが…その道中、どうしても気になってしまうことがあった。

 

「…と、まぁ…央都アルンはこんな感じだ。アインクラッドにはもっと色々な街が階層ごとにあるし、階層それぞれに違ったギミックやエリアがあったりするから、慣れた人は一層から観光で登っていく人もいるな」

 

「そうなのじゃな……うむ、よく分かった。昨日は宿屋だけしか探していなかったが…この街一つに様々なものが集まっておるのじゃな」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「…?どうした、フォン…変な顔をして」

 

「えっと…ちょっと感じたことがあってさ。カナデ、正直に答えてほしい……もしかして、つまらなかったか?」

 

「…!?」

 

なんというか…カナデ自身がどこか遠慮しているというか、あんまり楽しそうにしていないような気がしたのだ。

 

どこか距離を置こうとしているのか、イマイチ乗り気ではないというか…カナデが楽しそうには見えなかったのだ。

 

やはりこういうのは嫌いだったのだろうか?それとも、どこか気に障るようなことをいつの間にしてしまったのか…やはりユウキに頼むべきだったのでは、出しゃばった結果がこれだとなんともお粗末な話かと…そんな悪い想像が頭に浮かんでしまい、尋ねたはいいが、俺の方は気が気でないわけで…

 

「だ、だから……その……もし嫌だったのなら、はっきり言ってくれた…というか、今さらここまでやっておいて…えっと…」

 

「ククッ…フフフフッ、フフフフフッ!お、お主は…本当にお主という奴は…!」

 

「カ、カナデ…?」

 

キョトンとしていた姿から一転、我慢ならぬとばかりに堪えていた笑いを吹き出すカナデに、今度は俺が唖然とする番だった。

 

「はぁ…はぁ…そんなことを思わせておったとは、すまんかったんのう。別にお主の案内がつまらなかったとか、そういうのではないから安心せい」

 

「そう、なのか…?」

 

「もちろんじゃ…こういう穏やかな雰囲気と人混みが慣れておらぬだけで、少し気疲かれしただけじゃ。それと…少し思い出したことがあっただけじゃ…お主にいらぬ心配をさせてしまったようで悪かったのう」

 

「そっか……思い出したことって?」

 

どうやら俺の懸念は外れていたらしい。そのことに安堵しつつも、カナデの言葉に引っ掛かったものを覚え、そう切り返すも、

 

「………なに。アンダーワールドの央都もこれぐらい賑わっておったなと思ってな。わしはずっと図書室に閉じこもっておったが…こういう感じだったのじゃろうなと思い、ちょっと懐かしくなったんじゃよ」

 

そう言われて、思い出した…カナデはずっと秘匿された大図書室にいたんだったな。知っているのと、直接見たり聞いたりといった体験するのはまた違うことで、そう感じるのが彼女の中ではまた当たり前なのだろう。

 

「だったらさ…カナデの知らないことを、知りたいことを、体験したいことを、いつでも言ってくれよ」

 

「…えっ?」

 

「全部を叶える、っていうのは難しいけどさ…少なくとも、俺にもユウキにもできることは色々とあると思うから。もうカナデは一人じゃないんだし…俺たちを頼ってくれないか?」

 

「………分かった。その時があれば、声を掛けるとするわい」

 

(…いきなりそう言われても、まぁ、難しいよな…)

 

こっちも無理強いするつもりはなく、焦る必要もないだろうと思い、カナデにそれ以上どうこう言うことはしなかった。

 

「さてと…そろそろ散策はこの辺でいいじゃろう。今からはまた実戦にでも行かぬか?」

 

「そうだな…その前に」

 

カナデからそんな提案が出てきたところで、俺はストレージからある物を取り出し、カナデの頭へと乗せた。

 

「…フォン、これは…?」

 

「まぁ、俺からのプレゼントってことで…その防具にするって決めた時に、やっぱりそれがあった方がいいかなと思ってさ」

 

「…!お、お主…!?」

 

近くの店の窓ガラスに映る自分の姿…その頭部にある獣耳の真ん中に置かれた小さな帽子に気付いたカナデはかなり驚いていた。

 

俺が贈ったのは、アンダーワールドの時に身に着けていた帽子によく似たものの、二回りほどサイズが小さくなったミニハットだ。

 

お洒落というよりも、カナデらしいというか、俺の中でのイメージ的に絶対に有った方がいいと思い、さっきの時間に装飾店に探しに行っていたのだ。想像していたものとそっくりなものがあって幸運だった。

 

「~~~~~~!?」

 

「えっと…もしかして嫌だったか?」

 

「そ、そうではなくってのう…お、お主!こういうことを他の女性にもしておるのではないじゃろうな!?」

 

「えっ?!い、いや…流石にしてないって!?親しい友人にぐらいだって!」

 

「…そ、そうか…まぁ、それなら……気をつけい!?そういうことが誤解を生んだりするのじゃからな!」

 

「…ご、誤解…?」

 

「っ…!な、なんでもないわい!?ほら、さっさと行くぞ、フォン」

 

「…?…?…あ、ああ」

 

怒ったかと思えば、先を行きだしたカナデに首を傾げつつもついていくしかなく、慌ててその後を追う。すると、

 

「…ありがとうなのじゃ、フォン」

 

「…どういたしまして」

 

照れていたのか、か細くも、しかし、はっきりと呟いた彼女の言葉にそう返す。

 

そのまま、転移石から俺たちはフィールドへと移動した。

 

 




フォンさん、天然誑しか、お前は…

そんな甘酸っぱいお話(?)でした。
ちょっと駆け足で書いてますので、詳しいお話などはまた後程追記します!?

追記
落ち着いたのと、抜け部分の補正も完了したので後書きの補足です。

武器・ソードスキル解説
鎌(大鎌)
適正レンジは近~中距離。攻撃値がそこそこ高いことと、クリティカル率が高いのも魅力的なアタッカー向けの武器だが、その分、独特の形状からなる取り回しや重心といった癖が強い面もあり、玄人以上向けの武器でもある。
SAO時代には初期から存在したが、ALOではリストラされていた(正確には武器アイテムとしては存在したが、武器スキルがなく、ソードスキル追加時も大剣カテゴリーに統一されるという憂き目に遭っていた)もちろん、幻想剣の効果もあって、SAO時代にフォンはスキルをマスタリー済み。
幻想剣での追加効果は「常時HPが減少していくが、全てのダメージ値が1.5倍+ダメージ値の半分をHPドレイン」という、リスクがそこそこ高いものだったため、フォンはあまり使用していなかった(というよりも、使いどころが限られていた)。

鎌4連撃ソードスキル<シェーブオ・スクエア> 
ディープイエローのライトエフェクトを纏う連撃ソードスキルの一つ。名前から分かるように鎌版<ホリゾンタル(バーチカル)・スクエア〉。
鎌ソードスキルの中でも癖がなく、移動しながら攻撃できる利便性に長けていることから、SAO時代は多くのプレイヤーが使用していた。斬撃の軌道が平行四辺形を描くように連撃を放つ。
名前の由来は英語で削り取る『shave off』を捩ったものに、スクエアを組み合わせたもの。

鎌『クロノ・スワール』
 鎌のカテゴリーに属する武器。等級はエピック(本作だとエンシェント(古代武器級)の一つ下のクラス)
 フォン自作の武器の一つ。最近作ったもので、まだまだ発展途上中。STR・AGI値に優れている。刀身から柄まで真っ黒だが、重厚感を与えるそれは、防具次第では使用者を死神にように見せることもあるほど。
 SAO時代に使用していた武器を元に再設計されたものであり、空中戦ができるALOに合わせたものになっている。
 名前の由来は「黒(クロ)」と「ノワール(黒)」の文字を組み合わせて捩ったもの。どこぞの『オ●ブダークノワールブラックシュバルツ』に影響されたのかもしれない…(「同じこと繰り返してるだけなんだよ? 何なの? アホなの?」と突っ込むのはなしです!)

意外に描写が少なかった蓮(こっちは元の世界にいた時のものは書きましたが…)と木綿季の日常…そこにカーディナルが加わるという冒頭から始まり、まさかのメインヒロイン離脱というお話でした…ちゃんと次回以降も出ますのでご安心下さい(苦笑)

そんな感じでフォンとカナデ(カーディナル)が二人っきりになるというお話になったわけですが、あれやこれやと詰め込んでいたらまたしても長くなる…書きたいことが多すぎるというのもまた辛いもので…
フォンに挑んだモブ三人衆…ある意味で勇者です!実はもう少し出番があったのですが、ちょっと書く時間がなかったので、それは次回の冒頭にでも回すことに…

本話ではカナデの防具が決まりましたが、これの描写がまた難しいのなんの…ロスト・ソング辺りにもまた変わる予定ですので、今回のはその繋ぎの防具という感じです。
ちなみにですが、初期防具の色は原作・アニメ版のように暗い色をイメージしておりますが、今回フォンが選んだ防具のカラーはアリリコのように明るい朱色をイメージしたものとなっていたりします。

また、鍛冶関係のお話なども出たり、フォンのカナデに対する感情も伺えるお話だったわけですが、前者は結構先になりますが、リズとのキャラエピに関するお話で触れることになるかと思います。後者はこの先のお話に…というよりも、本話のオチでも指摘されてることに繋がるわけで…

コミカルなお話はここまでで、次回から本章の核となる真面目なお話に突入していきますので、ご期待下さい!…といきたいのですが、来週はもう一つの作品を更新しますので、お休みします。

それでは、また!

…200…?

  • 学園IFストーリー
  • 戦乙女戦隊SAOジャー
  • こぼれ話集(短編集)
  • AmongUs
  • 懲りずに、おふらいんしりーず!
  • アイドルIFストーリー
  • クイズ!音弥蓮!(誰得だよ!?)
  • パーティゲーム風ストーリー
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