まさかの戦闘回になります…当初はこんな予定ではなかったのですが…あの原作ヒロインも(ちょっとですが)活躍します!
それでは、どうぞ!
追記 UA300,000達成しました!読者の皆様、誠にありがとうございます!
『央都アルンにて、デュエルによる抗争が二度勃発!』
そんな一面がALOの日刊紙に掲載されたのを見て、俺は思わず溜め息が出た。その一面には、俺と…そして、もう一人の当事者であるキリトが闘っていた写真が写っていて…
どうしてこんな写真と記事が掲載されることになったかというと…
まぁ、俺だけであれば、ここまで話が大きくなることはなかった。ニュービューに対する絡み(VRハラスメント?とでも言うのか…)はどのゲームにおいても多少はある。それを守ったという話なので、美談にされることはあっても、ここまで大きく注目されることはない。
問題はキリトの…いや、絡まれたメンツにあった。絡んだのは、カナデ…カーディナルにしつこく迫っていたあの三人衆で…よりによって、絡まれたのがユージオとアリスだったのだ。
カーディナルと違って、公の場で嫌という程に顔を知られている二人が騒動に巻き込まれたとなれば、それは情報屋の方々が放っておく訳もなく、そして、その前に俺が同じしていたことを知って…こんな記事が出来上がってしまったわけだ。
…まぁ、そんなひと悶着はあったわけだが、カナデと同じようにユージオとアリスも無事にALOデビューを飾れたわけで…代償として、事を知ったアスナとユウキに苦言を呈された(俺の場合は明らかに巻き込まれなような気もしないが…)のは余談だ。
「…有名人って、こういう気持ちで記事を見てんのかな…」
「あー…なんか悪い、フォン。俺のせいで…」
「キリトのせいじゃないだろう…ただタイミングが悪かっただけだ」
記事が書かれたのがその翌日で…今日はアンダーワールド組がALOにやってきてから三日が経った8月25日だ。
緑色の液体でありながら、コーヒーの味がする珈琲もどき(こればっかりはSAOから変えるべきだったのではと今でも思う)を啜りながら、その記事を見つめている俺。その対面にいたキリトが目を逸らすも、苦笑しながらも気にするなと告げる。
どうしてこんなのんびりしているのかというと…いつまでも付きっきりというのもどうかと思い、カーディナルたちからの要望がない限りは個別行動という形になったのだ。まぁ、カナデはともかく、ユージオとアリスは付き合ってるわけだし、二人だけの時間も欲しいだろうし…
そういう気遣いもあって、さっきALOにダイブしてきた俺は、暇を持て余していたキリトの訪問を受け、お茶を出してそんな談笑をしていたわけだ。
お隣さんという距離なので、いつもの黒コートではなく、ラフな黒Tシャツに身を包んだキリトはやってきて、出迎えた俺も、自作のゆったりした足首まで裾がある洋服に身を包んでいた。
ちなみにユウキはアスナ、ユイちゃんと一緒に夕飯の買い物へと出かけている。今日はこのままキリト家で夕飯をお邪魔する流れになるんだろう…そんな予想が頭を過ぎっていた。
「にしても、ユージオにアリスとも、まさか、猫妖精族を選ぶなんてな」
「驚きだよな…それでカーディナルまでもが猫妖精族を選んでいたなんて」
話がユージオたちに移ったわけだが、まだこっちに二人が来てから俺は会えてなくて、キリトたち経由で話を聞いているだけになっている。
そんな中、やっぱり話は二人のアバターになるわけで…俺的にはアリスは水妖精族、ユージオは風妖精族あたりかと予想していたのだが、その予想を大いに裏切る形になったわけで…
何でも、アリスは『いつか飛竜に乗れるようになりたい』という真っ当な理由からで猫妖精族を選択したんだと…ちなみにどうしてユージオが猫妖精族を選んだのかというと、
『一度決めたら、種族は変えられないのか…魔法も興味があるから、僕は水妖精族か風妖精族にしようかな…』
『…ねぇ、ユージオ。ユージオも猫妖精族にしない?』
『猫耳か…でも、可愛いのはちょっとな…』
『何を言ってるの!?可愛いとかそういうのじゃなくって…猫妖精族のデフォルトカラーなら、あっちの世界と同じ髪色にできるかもしれないのよ!…私、ユージオの髪、好きだったのに…』
『…えっと……その…』
『それに…お揃いって、なんか良くないかしら…?』
『…分かったよ』
なんていうやりとりがあったらしく、ユージオも猫妖精族を選ぶことになったらしい。もちろん髪色を変えることはALOでもできるが、それができるようになるまでは多少の時間が掛かるし、今や種族だけで強弱が決まらなくなっているALOにとってはそういう判断基準も悪くはないのだろう。
もっとも、その後に『僕の髪が好きって言ってくれたけど…僕もアリスの金に光る髪が好きだよ』というカウンターを繰り出したというおまけがあるのだが、今は置いておこう。
「シリカにシノンに続き、カーディナル、ユージオ、アリスが猫妖精族入りとはな…ああ、アルゴさんも入れたら更にか…」
「俺たちって、選んだ種族が結構バラバラだったもんな。まぁ、フォンとリズが工匠妖精族ってダブりはあったわけだけど、そのパワーバランスが崩れた形になるのか」
「といっても、戦闘スタイルが脳筋というところで統一されていた感じはあったから、魔法にも関心がる三人が入ったのは、そういう意味でもバランスを崩すことになって良かったんじゃないか?」
「アハハ…フォンも魔法とか極めそうなイメージあったんだけどな」
「多少は使えるけど、戦闘になったらどうしてもな…足が止まりやすいデメリットを考えると、幻想剣とか戦闘スタイルに噛み合わせずらいんだよな」
キリトの言う様に、一回試してみたことはある…しかし、どうにも上手く組み込むことができずに断念したのだ。だから、俺も脳筋プレイに近いせいで取れる戦法が力技に限られるわけで…
「二か月後に予定されてるアップデートのクエストまでには、ユージオたちの剣や防具も整えられたらとは思うけど…やっぱり性能を考えるとアインクラッドで手に入れられる素材がいいよな」
「問題は新生アインクラッドに求められる熟練度とかスキルが最前線レベルってことだよな…間に合うか?」
「間に合わなくても、そっちの攻略途中にアップグレードする形になってもいいだろう。どちらかといえば、スキルとかソードスキルの熟練度を上げる方を重視しながらの平行作業でといった形だろうな…そこら辺はリズとも相談しないといけない部分だし…」
「俺たちの装備をほとんど面倒みてくれてるからな…それも忘れない様にしとかないと」
やることは山ほど、したいことも数え切れないほど…それに対して時間は有限、こっちだけじゃなく、あっち…現実世界でもしないといけないことが沢山だ。ともかく、やれることをやっていくだけ…いつもと変わらないことだ。
リズの負担も考えれば。カーディナルとユージオ、アリスの武具の作成・メンテナンスは俺が受け持つ方がいいだろう。一般に向けても開放している形で店を構えているリズに対し、俺の方はそれなりに余裕があるから尚更だろう。
「時間の多くが使いやすい夏休み中にできる限りのことはしときたいな。秋に入ったら、俺もそう多くはダイブできなくなるだろうし…」
今後の方針が見えた以上、あとはどうしていくかという点だが、それを話そうとした時だった。
…コンコン…!
来客を知らせるドアを叩くノック音が響き、俺とキリトは玄関へと視線を向ける。ユウキたちが戻ってきたのだとしたら、ノックなどする必要はないわけで…すると、それ以外の知り合いか、赤の他人のどちらかということなのだが…
「はーい…誰かと思ったら、リーファか。どうしたんだ?」
「あれ、フォンさん?…こっちにお兄ちゃん、来てたりしますか?」
「いるぞー」
玄関を開けると、そこにいたのはリーファだった。一瞬、俺を見て何故か驚いていたが、どうやらキリトを探しに来たらしく、家の中を見せると、会話が聞こえていたようでキリトの声が返ってきた。
「ホームに戻る前にお兄ちゃん家に寄って行こうって思ったんですけど、誰もいなかったもので。もしかしたら、こっちに遊びに来てるんじゃないかって思って」
「ご名答だ。今、ユウキと一緒に三人で買い物に行ってんだよ。よかったら、リーファもゆっくりしていったらどうだ?今、飲み物を持ってくるよ。何かリクエストはあるか?」
「…それじゃあ、ジュースか何かでお願いします!」
「了解」
どうやら言葉に甘えることにしたらしい…一礼してから家に入り、キリトが座っている隣へと腰を掛けたリーファに飲み物を用意すべく、キッチンへと向かう。
「でも、フォンさんがいるとは思ってもみなかったです」
「…?どういう意味だ。なんか、俺もいなかったみたいな言葉だな」
「えっと…てっきりお二人ともいないのかと思ってて…やっぱりあれは見間違いだったのかな…?」
「…リーファ、何かあったのか?」
いまいち言っていることの要領が掴めず、思わず眉を顰めてしまう。飲み物を持ってきて対峙する形で再び椅子に座ったところで、キリトがリーファにどういうことかと尋ねていた。
「そのね…カーディナルさんをスイルベーンのはずれで見かけたの。だから、てっきりフォンさんか、ユウキさんのどちらかが一緒にいるんだと思ってたんだけど…」
「…うん?それのどこが変なんだ?スイルベーンって、確か風妖精族の首都だったよな」
「ああ。俺がリーファに最初に連れていってもらった街だ。あそこ周辺のモンスターはそこまでレベルも高くなかったはずだろう?」
「確かにスイルベーンの近くはそこまでモンスターのレベルは高くないよ…でも、あたしがカーディナルさんを見かけた場所は違うの、お兄ちゃん」
行ったことはないが、話には聞いたことがあったので、キリトに確かめてみると同じような反応が返ってきたのだが、どうにもリーファが言っているのはそうではないらしい。
「スイルベーンのはずれにある『畏符の深森』っていうエリアのすぐ近くで、あそこは熟練プレイヤーでも滅多に近づかない場所なんです!そのエリアをクリアできるのは、上位プレイヤーの中でも一握りくらいだって言われてるくらいで…」
「そのエリアのすぐ近くにカーディナルがいて、フォンかユウキも一緒にいるじゃないって思っていたってことか…」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
キリトの言う通りだと頷くリーファの姿…そのやりとりに思考を巡らせる。聞いたことはある…新生アインクラッドは導入される前のALOには、高難易度エリアと称される場所がいくつか存在すると。
モンスターのレベルがバカ高い癖に、経験値は最低級に等しいために挑むのは腕試ししたいプレイヤーだけだという代物だという噂だが…そんなところにカーディナルがいるというのは確かにリーファの言う通り、おかしな話だ。
一人ではなく、誰かと一緒であれば問題はないかもしれないが…もしそうでないというのなら…
「…キリト。悪いんだが、留守番を頼めるか?」
「あ、ああ…行くのか?」
「単なる心配のし過ぎだけだったらいいんだけどな…リーファ、そこまでの道案内を頼めるか?」
「任せて下さい!すぐに出られますか?」
キリトに家のことを任せ、リーファの問い掛けに、左手でメニューを開き、高速換装スキルによって、両手剣『エンプレス・ジェイル』と防具『蒼炎の烈火』へと装備を手早く変えてから応える。
「もちろんさ。すぐに行こう」
「…ここが『畏符の深森』か」
リーファが一緒にいたことで転移石により風妖精族の首都スイルベーンへと直接移動できた後、彼女の案内にしたがって10分ほど飛行して降り立った場所…『畏符の深森』と呼ばれる高難度エリアへと辿り着いた。
スイルベーン周辺は森が多いのが特徴だが、ここは何かが違う感じがしていた。昼間だというのに、遠方が見渡せないぐらいの白霧が漂い、なんとなく温度も少し低い様に感じる。そのせいか、木々もどこか暗いようなに深い色を宿していた。
「はい…カナデさんを見かけたのはこの入り口でした」
「…リーファ。このダンジョンはどれくらいで踏破できるんだ?」
「そうですね…パーティを組んでいたら、30分も掛からないかと。あたしは、レコンと二人で挑んだ時には1時間くらい掛かりましたけど…」
「レコンって、リーファのリアルの友達だっけ?二人で一時間…もしカナデがここに挑んでいたら、まだ中にいる可能性が高いってことか」
高難度エリアと聞くも、俺自身はALOではそういった系統のダンジョンにはあまり挑んだことがなく、判断基準がどうしてもSAOや新生アインクラッドになってしまうのだが…ともかく今は進んでみるしかないかと思い、俺たちはダンジョンへと入ろうと…
「…あっ。このダンジョンに出てくるモンスターなんですけど…」
「…っ!?」
リーファが思い出したかのように口を開いた寸前、殺気を感じてすぐさまその場にしゃがみこむ!すると、その直後に俺の頭上を何かが薙ぎ倒す勢いで通り過ぎた。
「ほとんどの奴が隠蔽を得意としてて、奇襲からの拘束攻撃を仕掛けてくる植物系が多いです…って言おうとしたんですけど…!」
「今、さっきこの身で体感したところだよ…」
体勢を立て直し、すぐさま背中の両手剣を抜刀して身構える。それに併せ、隣で愛刀を構えたリーファの謝罪にそう返して、俺は前方にいきなり現れたモンスター『ミッドハイド・ペネント』を警戒する。
「索敵スキルが全く反応しなかった…そういうタイプのモンスターなのか?」
「あいつは魔法でハイドを高めることができるんです…魔法によるものだから、スキルだと対応できなくて、こっちも使い魔とか隠蔽破りの魔法を使わないといけないんです」
「それは…ある意味、ALOらしいやっかいなモンスターだな」
さっきの奇襲はとっさに身体が動いたから避けられたが、これはまた面倒くさいモンスターがここにはいるらしい。リーファのその言葉を受け、俺は更に警戒を強める。
「リーファ、援護を頼む…一気に突破する!」
「分かりました!」
ここで地団太を踏んでいる場合ではないのだ…フォローをリーファに頼み、『ミッドハイド・ペネント』が繰り出してくる7つの蔓の乱舞を掻い潜るように斬り掛かった!
「…っ…これは失敗したかのう……」
疲労が蓄積した体を木にもたれかけ、そう言葉を零したのはカナデだった。その動きは鈍く、疲弊していることは一目瞭然だった。その身も傷と汚れが目立ち、ここまで来るのにどれだけ苦労してきたのかも見てとれた。
なんとかダンジョンの中間は超えることはできたが、最奥まではもう少し距離があり、これまでのダメージを考えれば、カナデ一人で進むのはこの辺が限界だった。
旧ALOと違い、結晶系アイテムが追加された今なら転移結晶での途中離脱という手段も取れただろうが、そもそも結晶系アイテムは高価であり、まだ初めてから間もないカナデにとっては手を出せるものではない。
つまり、カナデがここから街に戻るには、来た道をなんとかふんばって戻るか、モンスターにわざとやられて死に戻りをするか…
(…死ぬことが手段とは…本当にあっちとは異なるのじゃな)
フォンとユウキからデスペナのことを教えてもらっていたが、アンダーワールドのとの違いに思わず笑みが零れるカナデ。それはどこか自虐を感じさせるものが入り混じった苦々しいものだった。
「…死に戻るにも、どの道、進むしか方法はない、か……こうなれば、行けるところまで行ってみるしかないようじゃな」
多少は回復した体をなんとか起こし、カナデは前へと視線を移す。モンスターの傾向は情報屋から聞いていたこともあり、対策を心得ていた。呪文を唱え、隠蔽破りの魔法を発動させると…
「…っ…反応…ぐぅ…?!」
発動させた途端、魔法が何かに反応したと思った時には遅かった。
杖を持つ右手に違和感を感じると、身体が痺れたような感じに襲われたカナデの身体が地面に倒れる。自身に麻痺毒が掛けられたと確信したのは、ステータスに映る状態異常のアイコンを見た時で、
(…!?蜂、じゃと……こんなモンスターまでが出るのか…!)
遅れて効力を発揮した魔法により、姿を現したモンスターを前にカナデは出せない言葉を、内心で呟いていた。
視線の先にいるモンスター…無数の小型の蜂を従えた、蜂を半擬人化したようなモンスター『ザ・ロード・フォッグビーネス』が立ちはだかっていた。
カナデは情報屋から植物系のモンスターばかりが出ると聞いていたのだが、このモンスターの存在は把握できていなかった。カナデが…いや、情報屋が知らないのも無理はない。
この『ザ・ロード・フォッグビーネス』はネームドモンスター…『畏符の深森』に超低確率で出現するエクストラモンスターなのだ。遭遇率も低いこともそうだが、遭遇したプレイヤーのほとんどが突然の奇襲による状態異常でやられてしまうことがほとんどであり…
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
女王蜂の如く、周辺に群がる蜂たちに強化バフを掛ける『ザ・ロード・フォッグビーネス』。小型蜂の一体一体の攻撃力は大したことはない…しかし、強化された彼らの攻撃力は熟練プレイヤーすらも圧倒する。
ましてや、まだビルドし切っていないカナデのHPなど瞬殺できる程なわけで…雄たけびなど上げることもなく、女王蜂の指示に従った小型蜂はカナデに群がり掛かろうと、迫っていた。
(…もう終わりじゃな)
来る衝撃に思わず目を瞑ったカナデ…しかし、目を瞑ったことで敏感になった感覚が、背後から飛び込んできたその風を感じた瞬間、
「…はああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
飛び込んだ勢いをも加えた剣圧を起こしたフォンの一撃…幻想剣≪両手剣≫単発ソードスキル〈フォール・ルイン〉による薙ぎ払いが、カナデに迫っていた小型蜂を一掃した!
(…なん、で…?)
「無事だな、カナデ!?」
どうして彼がここにいるのかが分からず、心の中でそう呟くカナデに対し、身構えたまま安否を尋ねたフォンの目線が彼女と合った。
(『The_Lode_FogBeeNess』…直訳して『霧中の蜂の主』…女王蜂系のネームドモンスターがいるなんて…!?)
リーファの援護もあって、かなりのスピードでダンジョンを駆け抜けて来れたのだがダンジョンも真ん中に差し掛かったところで、前方で何かが闘っているのが見え、まさかと駆けつけたわけだが…
杖を手放し、地面に伏せているカナデを後ろ目で見ながら、ともかく間に合ったことにホッとしつつも、何かしらの状態異常を喰らったようで、カナデは動けないようだ。
「カナデさん?!大丈夫ですか…!」
「リーファ、あのモンスターに見覚えはあるか?」
「…いえ…少なくとも、あたしが前に攻略した時には遭遇しなかったです」
蜂系のモンスター…推測になるが、カナデが受けた状態異常はおそらく麻痺毒の可能性が高い。確かめるようにリーファに尋ねるも、どうやら彼女もこのモンスターは初見らしい。
ネームドモンスター…レア敵といったところなのだろうか。少なくとも、誰一人経験がないこの状態だ。リーファにはカナデの治療と解毒を任せ、俺がこの女王蜂と対峙するのが最善手なのだろう。
「カナデの治療を頼む。その間、こいつの足止めはするから」
「わ、分かりました!」
手短にリーファへ指示を出し、俺は意識を女王蜂とその配下へと傾ける。先程、ソードスキルで殲滅した蜂たちは既にその数を元通りに増えていた…ほぼ無限増殖と考えるべきなのだろう。
カナデのやられた姿からして、状態異常を主体とした群体戦法がこのモンスターの攻撃パターンなのだろう。配下たちにバフを掛けてくるという点でも厄介だが、その分、女王蜂本体の体力はゲージ2本と、ネームド持ちにしては比較的少ない。
短期決戦で勝負を挑むのが得策だと判断し、俺は両手剣を右手一本で持ち直し、左手でメニューを開き、『高速換装』スキルを発動させる。
直接針に刺されることを避けつつ、攻撃・防御重視とした『第8騎士団の鎧』に、両手剣を一旦背中の鞘に納めるのと同時に、左手に出現した弓『風月の灯』を両手で持ち換える。
俺が仕掛けてくると判断したのか、女王蜂が右手に持つ杖を振るうのに合わせ、蜂たちが一斉に俺へと群がろうと…
「悪いが、律義にお前たちのやり方に付き合ってやる気はないんでな…一掃させてもらう!」
腰を落とすような構えでソードスキルを発動させた俺は、その言葉と共に迫りつつあった蜂たちへと矢を放つ!
イエロー混じりの白いライトエフェクトを宿した矢を、MPのある限り連射していく…幻想剣≪弓≫魔法兼用連射ソードスキル〈ヘクセレイ・アンフィニ〉…着弾と同時に、爆発する魔法の矢が、次々と蜂の群体をポリゴンへと変えていく。
そして、爆煙により俺と女王蜂との視界が阻まれるも、硬直が解けた瞬間に俺はその煙を掻き切るように突っ込んだ。煙を抜け切る直前に、再びソードスキルを発動させる…抜けた先には、立ち尽くしていた女王蜂の姿があって…
「これでも喰らっとけぇ!」
プレイヤーと違い、モンスターは見てから反応するという独自の挙動が存在する。特に人型に近いモンスターであればあるほどそれは顕著で、逆にこちらからすれば、モンスターの視線などで、どのような攻撃をしてくるか、どの方向からかを予想・誘導できるという、テクニックが存在する。
アインクラッド時代にキリトから教わったことを幾度となくやってきたのだ…視界が閉ざされた今、すぐには動けないだろうと予想していた俺は、反応しきれていない女王蜂へとソードスキルを繰り出す!
幻想剣≪弓≫超重単発ソードスキル〈グリューエン・インパルス〉…新生アインクラッドの迷宮主さえもダウンさせる程の一撃が、女王蜂の胴体に突き刺さった!
『Cyuuuuuuuuuuuu…?!』
「ぐううぅぅぅ…?!」
虚を突かれた上に、予想外のダメージが入ったこともあってか、初めて女王蜂の悲鳴が聞こえた…といっても、俺も反動の爆発でダメージを負いながら後ろへと吹き飛んでいるのだけど…
前とは異なり、鎧系の防具だったのでダメージも一割ほどで済んだ。それに対し、女王蜂のHPは一本目のゲージの8割を削る形で、レッドゾーンに入っていた。
「ダメ押しだ、これも喰らっとけ!」
〈グリューエン・インパルス〉の利点は、強制的に後方へと吹っ飛ぶ反動のせいで、ソードスキル特有の硬直が存在しないことだ。なので、(体勢的にはかなり無理矢理だが)吹き飛びながらも、別のソードスキルが使えるわけで…
落下して地面を滑りながらも、なんとか女王蜂へと弓を向けた俺は、更なるソードスキルで追撃を放つ…僅かに回復したMPを再びゼロにして、その魔法矢が放たれた。
しかし、女王蜂もただではやられまいと、早々にダウン状態から復帰し、自身に迫るその矢を杖で弾こうと…
『…?!』
…したのだが、直前で二つに分かれた矢に再び虚を突かれることになり、その動きが止まってしまった。そして、矢がそんな隙だらけの瞬間を待ってくれるわけがなく、曲円を描くかのように女王蜂の横から狭撃した二つの白紫の矢により、残っていた一段目のHPを削り、二段目のHPを少し減少させた。
幻想剣≪弓≫分割ソードスキル〈メタモルドナ〉…一定距離で矢が分裂して、曲円の軌道でサイドから挟み撃ちで攻撃する不意打ちに特化したソードスキルだ。対人戦では、考えなしに使っても避けられてしまいやすいが、攻防の中で織り交ぜて放たれると厄介この上ない技と化する。
『Boooooooooooou!?』
一方的に攻め立てられてか、怒りを表すかのような鳴き声を上げる女王蜂。HPが二段目を切ったので、ネームドモンスターならば何かしらパターンが変化する危険性がある…その懸念のもと、最大限注意を払っていると、
「お待たせしました、フォンさん!」
背後からリーファの声が聞こえ、彼女に続く形で回復が完了したカナデが、背後に位置してきた。一応、ここまで苦戦はしていないのだが、パターンが変わる直前もあり、二人が戦線に復帰してくれるのは大変有難いことだったが、
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
(…なんだ?今、モンスターが二人を見たような…?)
ルビーを思わせるような大きな大小四つの複眼がリーファとカナデを捉えたような気がした次の瞬間、杖からいくつかの赤い光が漏れ、女王蜂の体を包んだかと思えば、その姿が消えたのだ!
「…っ?!消えた…!」
「そんな…透明化の魔法なんて…?!」
消えたことに動揺し、攻撃の手を緩めてしまった…消えるのをみすみす見逃してしまったのは痛かった。このエリアのモンスターが隠蔽に特化しているのは理解していたが、目の前でああもあっさりと消えるのは予想外だった。
リーファも、モンスターがそんな魔法を使ってくるとは思ってなかったようで、驚きながらも周囲を警戒していた。
「カナデ、リーファ…隠蔽破りの魔法を頼む。詠唱中の邪魔はさせないようにするから」
「う、うむ」「…はい」
隠蔽破りの魔法のレベルは三段階あり、以前、スリーピングナイツとの第27層ボス戦直前にアスナが使ったのが一番低いもの…あれならば、数秒あれば詠唱は完了できる。
しかし、ネームドモンスターにこのエリアの特性を考えると、最上級のものでなければ、女王蜂の透明魔法は破れない可能性が高い。そして、最上級の魔法となれば、詠唱に時間が掛かるわけで…
(隠蔽破りの最上級詠唱は、確か10秒前後だったか…その絶好の隙をあいつが逃す筈がない)
左手でメニューを開き、装備欄を高速で操作していく…残念ながら、高速換装スキルはまだクールタイムが終わっていないので、手動操作での装備換装を行う。武器を弓から、刀『真影』と片手剣『クロス・サヴァイブ』に換え、見渡す形で周囲を警戒する。
(…完全に消えてやがる。霧で視界がよくないのも影響しているな…こうなったら…)
目で捉えることはできない…そう思った俺は、敢えて目を閉じ、視界を封じる。頭を空っぽにして、聞こえてくる音にだけ集中する。
これもまたキリトに教わったテクの一つ…現実世界と違い、VRMMOでは音やノイズがくっきりと分離される…耳で聞くのではなく、「音」という情報が直接脳に届けられているからだ。
二人の詠唱以外…自分の呼吸音、風の流れる静音、木々がゆっくりと揺れる響き…そんな音の中で、僅かに乱れた風の音を捉えた時、
「っ…!そこだぁ!?」
すぐさま音の発生源…二人の上空に位置するところから姿を現した女王蜂に、俺は抜いた刀でソードスキルをぶつける!
奴も杖に…いや、仕込み杖らしく、先端から針を思わせるような刃を出現させ、二人を襲おうとしていたらしく、俺と奴のソードスキルがぶつかり合い、互いに相殺によるノックバックで後ろへと下がることになる!
だが、攻撃が失敗に終わった途端、奴の姿がまた霧散するかのように消えて…
「お待たせしました、フォンさん!いきます!」
先に詠唱を終えたらしく、リーファの言葉に従い出現した隠蔽破りの魔法…風のピクシーを思わせるかのような光たちが、俺をすり抜けてその背後に集まったかと思えば、
「…そこか!」
透明化の魔法が無効化され、姿を現した女王蜂の姿が露わになっていた。すぐさま攻撃を加えようとするも、またしても赤い光が奴を包み、振るった刀が捉える前にまたしても逃げられてしまった。
今度はどこに消えたのかと警戒しながら、周囲の気配を探っていると、
「フォン!後ろ斜め上じゃ!」
カナデの言葉にすぐさま振り返る…遅れながら、詠唱が完了したカナデの魔法が発動し、猫を模した隠蔽破りの魔法が、彼女の言葉通りの位置に向かっているのが見え、
「…当たれぇ!」
一か八か…魔法が向かっている方向から推測した空間に、投擲スキルによって刀を思いっきり投げつけた!本来であれば、通り過ぎる筈だが、刀はいきなり空中で止まり…!
『Kyuuuuuuuuuuuu…?!』
ダメージを受け、更には隠蔽破りの魔法で再び姿を露わにした女王蜂が苦しんでいた。勝機だと、硬直が解けた瞬間、最後の一撃を喰らわせようと片手剣を抜きながら迫るも、
『Boooooooooooo!!』
(…!マズい、奴の方が早い…!?)
体勢を立て直した女王蜂が細剣と化した杖針を構えているのが見えていた…俺の方は既にソードスキルを発動させてしまっており、回避行動を取ることができない…!?
このままでは、こちらの剣技を同時に放ったとしても、向こうの突き技で吹き飛ばされてしまうと思いながら、一秒でも早く剣を振るおうと最後の足掻きをしていたのだが、
『Booo…(グオォン!)Kyuuuuu?!!?』
勝ちを確信したかのような叫びの最中、その背中に小さな火炎玉が被弾し、女王蜂がよろける。視界の端…そこに映っていたのは、咄嗟に初級魔法『ファイア・ボール』を繰り出したカナデと、フォローに回ろうと飛び出したが横切った炎の玉に驚いたリーファの姿で…
まさかの援護に一瞬零れた笑みから、最後の大技を放つのに合わせた気合の声が腹の底から飛び出た。
「…ううおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
幻想剣≪片手剣≫7連撃最上位ソードスキル〈ファントム・スイープ〉風属性を中心に、残り6割を均等した火・水・雷・土・光・闇をごく僅かに宿した蒼色の刃が輝く!
袈裟斬り・逆袈裟で杖針を砕き、兜割りで頭部から体を斬り裂く…その斬撃をなぞるように三連突きを放ち、地面に叩き付けるようにオーラで刀身が拡大した縦回転斬りを繰り出す!
まともに幻想剣ソードスキルの直撃を喰らい、地面に引っ張られるように墜ちていく女王蜂の複眼が俺の姿を映していた…どこか恨めしそうに見えるのは気のせいか。ポリゴンへと変わったその姿を見届け、俺も重力に従う形で地に降り立った。
「…ふぅ。討伐完了、っと」
女王蜂に投げ刺していた刀も、対象がいなくなったことで先に落ちていた。それを拾い、片手剣と併せて鞘に納める。そして、ようやく落ち着いたところで、俺は彼女へと視線を向けた。
「…フォン…その…」
「とりあえず無事で良かったよ…でも、どうしてここに来たんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
傍に歩み寄るも、視線を向けられたカナデはどこか気まずそうだった…別に怒るつもりとかはないのだが。ともかくまずは話を聞かなければと、ここに来た理由を尋ねたのだが、カナデは目線を逸らしたまま沈黙していた。
「リーファがお前を見かけたって教えてくれてさ…ここはかなりレベルが高いダンジョンってことだったから、気になって追いかけてきたんだ…まさかネームドモンスターがいるとは思ってもみなかったけどな」
「……そうじゃったのか…」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
俺からここに来た経緯を伝えるも、カナデの反応は芳しくない…あまり追及し過ぎるのもどうかと思うのだが、しかし、話が続かないとこっちも困ったもので…
「カナデさん、ここのことはどうやって知ったんですか?」
「…あっ……情報屋という者から聞いたのじゃ。それで………そう、腕試しに挑んでみたのじゃ。まさかここまでのものとは思っておらぬかったのでな…慢心というのは怖いものじゃな」
「…そう、か」
俺たちを気遣って助け舟を出してくれたのはリーファだった…彼女も、どうやってカナデがこの場所を知ったのかが気になっていたのだろう。カナデ曰く、情報屋から仕入れたという。
それにしても腕試しとは…向上心が高いといえば、それでいいのかもしれないが。その時のカナデの表情が引っ掛かった。
…それは、セントラル・カセドラルの決戦後に見た表情に少し似ていて…けど、それが何を意味しているかを聞く言葉が見つからず、俺は短くそう返すことしかできなかった。
「…ともかく!無事に強敵も倒せたことですし、まずはこのダンジョンをクリアしませんか?三人なら余裕でクリアできる筈ですから」
「…そうだな。カナデも当初はここの踏破が目的だったわけだし…このまま三人で行くか。それでいいか、カナデ?」
「…うむ。正直に言うと、一人ではこれ以上先に進むのは厳しいと思っておったのじゃ。こっちからお願いしたくらいじゃ…頼めるか?」
「…おう、任せとけ」「はい、任せて下さい!」
リーファの提案で、いつまでもここにいてもしょうがないので、ここからは3人パーティで進んでいくことになった。再び先に進もうとしたところで、俺は言わなければならないことを忘れていたのを思い出し、
「カナデ、さっきはアシストしてくれてありがとう。本当に助かったよ」
「…えっ…う、うむ。咄嗟のことではあったが、お主の力になれたのなら…悪い気はせぬな」
決定打を喰らわすことができた隙を作ってくれたカナデにお礼を伝えていなかったのだ…あのファイア・ボールがなければ、決定打は不発に終わり、更なる長期戦に突入していたことだろう。
まさか言われるとは思ってなかったのか、驚きながらも、どこか嬉しそうに猫耳を揺らすカナデを見ながら、先を行くリーファを追いかけ、カナデがそれに続いた。
「…ここが最深部…」
そこから先は何も苦戦することなく、奇襲を仕掛けてくるモンスターたちをカナデとリーファの魔法で炙り出し、俺が仕留めるという連携でガンガン進んでいき、15分も経たずに最深部に辿り着くことができた。
最深部は拓けた場所となっており、草が風に揺らされる崖となっている場所だった…ようやく辿り着けたことで、カナデから感嘆が籠った声が漏れていた。
「…ここが最奥か。特に何かがあるわけじゃないんだな」
「そうですね…あくまでも、このダンジョンの意図は魔法に索敵と奇襲に対応する適応力を育てることをコンセプトにしてるじゃないかって言われてますからね。さっきの蜂のモンスターは予想外でしたから」
「…他のモンスターのドロップとかはイマイチだったのに、あの女王蜂はかなり良い素材を落としてくれまくったからな。あれ目的で来るのはありかも…って、魔法での索敵ができる奴がいないと厳しいのか…」
ドロップだけでなく、種族値の上昇もかなりのものがあったため、女王蜂狙いのレベルアップ目的で通うのもありかと思ったが、そもそも魔法が得意な者がいないと成立しない話だと思い断念した
…まぁ、ネームドモンスターだから遭遇率云々よりも、ポップ率もそう高くはないだろうから尚更だろう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(…カナデ…?)
時たまには来るぐらいがちょうどいいのかと思っていたところ、ここに来てから沈黙を保っていたカナデのことが気になり、視線を向けたのだが…カナデは何かを呆然と見つめているようだった。
何もない空間を見ているというのか、この場所を見定めているようだというべきなのか…その表情はとても一言では言い表せないものだった。
「…(ボソボソ)…」
「…カナデ、どうかしたのか?」
「…!…いや、なんでもない。つき合わせてしまって悪かったのう…戻るとしようか」
「…分かった」
何かを呟いたようだが聞き取れず、どうしたのかと尋ねたのだが…何もなかったかのように振る舞ったカナデは、来た道を戻ろうとしていた。無理に尋ねることでもないかと思い、俺はカナデに続いて戻ろうかと、
「あの、フォンさん…ちょっといいですか?」
リーファに呼び止められ、俺は足を止めた。何かを言い辛そうにしている彼女は、少し離れた場所で待っているカナデを一瞥してから、告げたのは…
「…そっか。そんなことがあったんだ」
帰りも何事も問題なく終わり、ダンジョンの入り口まで戻ってきたところで解散となったのだが、22層のログハウスに戻ると既にユウキが帰って来ていた。
この後、キリトたちの家で一緒に夕飯を食べないかと誘われていた…のだが、その前に、さっきのことを話しておこうと、ユウキに説明し終えたところでそんな言葉が返ってきた。
「ああ…それでリーファがさぁ、こう言ったんだ…
『…お節介かもしれませんが…カナデさんのこと、よく見ててあげて下さい。何ていうか…昔のあたしみたいっていうか…誰にも相談できないことを抱えているっていうか……無理してるみたいに見えるんです…あたしの気のせいかもしれないんですけど…』
…って。現実世界だと、そういうところが見れなかったし、ここ最近はこっちでもあんまり一緒にいることがなかったから、知らない内に何かがあったのかと思ってさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あの後、リーファから告げられた言葉がどうしても気になってしまっていた。ただでさえ、カナデには突然のことばかりで手一杯かもしれないのに、その苦労を察してやれなかったのではと思えてならないのだ。
同居人であり、同じ女性のユウキならもっとカナデのことを気遣えるのではと、相談も兼ねてそのことを伝えたのだが…
「…ユウキ?どうした…?」
その話を聞いてから、ユウキは何かを考え込んでしまっていた。いきなりのことに、思わず尋ねるも、俺の問い掛けに応えることなく、何かを決心したユウキは…
「…よし!」
「えっ‥ちょ、ユウキ…本当にどうしたんだ…?」
「ゴメン、フォン!ボク、今日外泊してくるね!」
「…はい!?」
「夕飯も外で済ませてくるから!…あっ、アスナたちには今日行けそうにないって伝えてもらっていい?それじゃ、行ってきます!」
「お、おい!ユウキ……行っちゃったよ。はぁ~……まずは、アスナたちのとこに謝りに行かないとな」
まさに嵐のように家を飛び出していったユウキに、置いてけぼり感を覚えつつ、今日はキリトたちの元で夕飯を預かることになりそうだなと思い、家を出るために戸締りの準備を始めた。
…だから、俺の知らないところで意外なことが起きているとは知る由もなかった…
「…いきなり会いたいとメッセージが来たと思えば…これはどういうことじゃ…?」
「エヘヘ…ねぇ、カナデ。今日、カナデが借りている部屋に泊めてくれないかな?」
央都アルンの宿屋に滞在していたカナデのもとに、ユウキがそんなことをしに行っているとは露にも思っていなかった。
幻想剣≪弓≫分割ソードスキル〈メタモルドナ〉
白緑のライトエフェクトを宿した矢を放つソードスキル。
一定距離に達したところで矢が二つに分かれ、曲円を描くように左右から挟み撃つように攻撃するソードスキル。一見便利そうに見えるが、矢が分かれる距離は決まっており、更には攻撃する距離も一定…つまり、軌道そのものが決まっているために、ただ単発に放つと読まれやすいという弱点がある。また、威力は別れた矢それぞれに半分づつに分けることになるため、減衰しやすいという面も…
一方で、どの体勢からも放つことができるため、乱れ撃ちの中に紛れ込ませて撃つことで混乱・不意打ちを狙うことができるという強みも存在する。
まさかのユウキがカーディナルの元へと突撃…!ユウキの思惑は一体…?
次回からそろそろ最終盤へと入っていく形になります!
ご期待下さい!
それでは!
カグラさん、ご評価ありがとうございました!
…200…?
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