おふらいんしりーず、アリシゼーション編の開幕です!
以前のものと比べて、カオス度は控えめ(?)かと作者は感じております…まぁ、本編も真面目なお話が多いのもありますが…まぁ、まだ序盤ですから(黒笑)
後半では、『映現世の剣』が出来上がるまでのお話をフォンたちに語ってもらいますので、お楽しみに。
それでは、どうぞ!
いつもの某スタジオ…
三度帰って…「そのフレーズどこまで引っ張るつもりだぁ!?」…ちっ、オリ主がやかましいので、タイトルコール入りまーす(棒)
『そーどあーと・おふらいん むげんのせんき ありしぜーしょん』
「えーっと…お茶の間の皆様から読者の方々まで…その、こんにちは…」
「キリト、ガチガチに緊張し過ぎだろう。いつものノリはどこにいったんだよ?」
「し、仕方ないだろう…前やってた時はアスナとかが進行してくれたし…こういうのガラじゃないんだよ」
「ったく…みなさん、こんにちは!そーどあーと・おふらいんのお時間です。解説のフォンです…ほら、キリト」
「あ、ああ…司会のキリトです。宜しく」
台本とカメラを何度も見比べながら、たどたどしい進行をしているキリトを見かねて、進行を買って出たフォンによってようやく番組が始まりを告げた。
「本番組は『ソードアート・オンライン 夢幻の戦鬼』のアリシゼーション、そして後半にあたるWoU編の名場面の振り返り、本編では語り切れなかった設定や裏話について語っていくことを目的とした番組です…って、いっつもいっつもこのくだりやってるから、その辺はもうみんな分かってるよな」
言葉通り、いっつものフレーズにどこか呆れた様子のフォンが番組の趣旨を説明していく。いつもの流れであればゲストの紹介に続くわけだが、今日はそうではなかった。
「そして、今回は司会のキリトに、解説の俺、それと補助という形で彼にも司会役に携わって頂くことになっております。それでは、どうぞ!」
「…えっと…100回記念ではお世話になりました。今回、司会補助という形で携わることになりました、ユージオです。宜しくお願いします」
紹介という形で呼ばれ、転移の光によってキリトとフォンの間の司会席に現れたのはユージオだった。控えめながらも、礼儀正しく笑みを浮かべて自己紹介をするユージオを、キリトとフォンは拍手で出迎えていた。
「でも、僕がこのポジションにいていいのかい?本来であれば、メインヒロインのユウキがここにいるべきじゃ…」
「いや~、アリシゼーションの話の都合上、ユウキが司会席に立つのってかなり無理があるんだよな。話のほとんどはアンダーワールドが主軸だし、後半のWoU編なんかに至っては俺とキリトは最後の方まで話に絡まないからさ…そうなると、ユージオ…どうしてもお前じゃないと、今回のおふらいんは司会が務まらないんだよ…っていうか、話の構成が面倒くさいという作者の都合なんだけどな」
「…フォン。さっきからメタ発言が凄いよ?」
「ユージオ、このぐらい、この番組では当然だから早く慣れた方がいいぞ?」
出迎えられた直後、当然の疑問がユージオから零れるも、淀みなくスラスラと裏事情を述べていくフォンに、ちょっと引くユージオだった。
「というわけで、アリシゼーションのおふらいんは俺たち三人を司会に進行してきますので宜しく」
「…キリト、どうしたの?さっきから静かだけど…」
「いや…なんかフォンに任せてたら全部やってくれそうだなって…というか、やることないなと思ってさ」
「そんなことをしてるから、フォンがこの番組だと荒れたり、闇落ちしかかったりするんでしょう?…これ、もしかしてとんでもない話を引き受けちゃったっぽいなぁ…」
スムーズにフォンが話しを進めていく中、おとなしいキリトにユージオが疑問をぶつけるも、やることないと乾いた笑いを浮かべる彼を見て、大変なことになりそうだとユージオが肩を落とす中、番組がスタートするのだった。
トピックス:ユージオにとって剣の師匠はキリトとフォンの二人だが、料理などといった趣味に関するものはフォンがメインとなって教えていた。
「さて、プレイバックのコーナーに入る前に…今回のゲストを紹介しようか。それでは登場してもらいましょうか、どうぞ!」
「ユウキです!宜しくね!」
「こんにちは、アスナです」
「…ということで、本作メインヒロインと原作メインヒロインのお二方に来て頂きました!」
「思ったよりも早かったね…それにしても二人のその恰好は一体…?」
引き続き進行を務めるフォンの紹介で、第一回のゲストとして招かれたユウキとアスナが転移の光が消えるのと同時に現れた。
もう少し後の回で来るかと思っていた反面、ゲスト二人の恰好にユージオが首を傾げていたが、無理もない話だった。
「二人の今の恰好は第3話で描かれたGGOアバターのものだよ。ガンゲイル・オンライン…通称GGOっていう、銃と荒廃した近未来の世界をモチーフにしたVRMMOだよ」
「へぇ~…そんなVRワールドもあるんだね」
「ちなみに俺たちの今の恰好はルーリッド村にいた時に来ていた村人の服です!」
「フォン、今のは誰に向けての説明なの?!」
GGO未経験のユージオに簡単な説明をし、ユウキとアスナの恰好がどういったものかを語る。が、納得していたところに、説明口調で自分たちの恰好を説明するフォンに、ユージオもツッコざるを得なかった。
「さてと…ゲストの紹介が終わったところで、まずはプレイバックのコーナーへといくとしようか。今回は第1話から第14話…アンダーワールドに来てから序盤の話を振り返っていくぞ」
「フォンたちがアンダーワールドにダイブした直後の話だよね」
「私たちは聞いてるだけだったから、二人がどんな風にユージオと再会したのか…とっても気になるわね」
「そう言ってもらえると見てもらうこっちとしては気楽になれるよ。それでは、まずは第一話・第二話からこちらの場面をどうぞ!」
(…キリト、ようやく話したね)
プレイバックのコーナーへと話が移り、話に携わる機会がほとんどなかったユウキとアスナが興味を持つ中、20文ぶりにやっと口を開いたキリトへと、内心ツッコミを入れていたユージオだった。
〈ギガスシダーの根元で、昼食を取り合うフォンやキリト、ユージオ、アリス〉
「…懐かしいな。というか、この時の俺とキリトは現実世界の記憶がロックされている状態だったんだよな」
「ああ…テストダイブとはいえ、純粋なままにフラクトライトたちと接してほしいっていう菊岡たちラースの考えがあったからな」
当時のことを振り返り、当事者二人が懐かしむ横で、同じ当事者のユージオも色々と複雑な感情が入り混じった表情で映像を見ていた。もっとも、
(…子供時代のフォン、かわいい…!)
(…小さなキリト君…かわいすぎない!?)
同じく映像に目を取られていた女性陣はそんな感想を抱いていたわけだが。
「あの時は小さな時から一緒に過ごしてきたとばかり思っていたから…思い返してみれば、途中からしか一緒にいた記憶がないんだよね」
「まぁ、俺たちは外から来てたわけだし…いずれは去ることも決まってたから、ラースの面々が記憶処理を施したんだろうな。けど、あとに再会することになるのが決まってたのなら、決して悪いことばかりじゃなかったとも思うけどな」
「…確かに。アリスのこともそうだけど…ユージオが辛い思いをしている時に傍からいなくなっちまったもんな。恨み言の一つや二つを言われてもしょうがなかったよな」
「ぼ、僕はそんなことは二人に言う気は…!?」
「分かってるさ…けど、そう言われても仕方ないって話ってことだ」
どこか皮肉じみたフォンの言い方に同意するキリトを見て、慌ててユージオが否定する。もちろん親友がそんなことを考えているわけない分かっているので、苦笑いしながらフォンが応えた。
すると、映像に見惚れていた女性陣がようやく現実へと戻ってきた。
「でも、あんなに純粋に笑うフォン…初めて見たかも」
「ユウキ、その言い方だと俺が普段から影を抱えているように聞こえるんだけど…後のことからして、確かにそうかもしれないけど…」
「フォン君って、普段から落ち着いているから尚更そう見えるんじゃない?それに対して、キリト君はあんまり変わってないというか…」
「あの頃のキリトはアリスと一緒になって、僕たちを振り回していたからね…フォンはフォンで、ストッパーになったりする時もあったら、二人の言動に乗ったりしたり……本当に大変だったよ」
「アハハ…面目ない」
((…ユージオはユージオで苦労してたのね))
(…なんかゴメン、ユージオ)
ユウキの言葉にたじろぐフォン…強く否定できないために珍しく弱弱しい口調だった。それに続き、キリトは小さくてもキリトなのだと、アスナとユージオがため息を吐き、当の本人は乾いた笑いを浮かべることしかできなかった。
新たな苦労人がここにいたのだという同情するユウキとアスナとは別に、心の中で謝罪するフォンの姿がそこにはあった。
〈アリスとの別れ〉
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
禁忌目録を破ったことで、整合騎士に連行されるアリスのシーン…それを見終えたユージオは自身の感情を抑えるかのように目を瞑っていた。
ユウキとアスナもユージオがどういった感情を抱いているのかを察し、言葉を掛けるかどうか迷っていた。そんな空気を少しでも変えようとフォンが話を切り出した。
「…禁忌目録はアンダーワールドにおいて絶対に破ってはならないルールみたいなものだ。法律こそが絶対、それ以外は全てが間違っているという考えだといっても差し支えない」
「…それが悪いことだって、誰も気づかなかったの?」
「そこがアドミニストレータの利口なところだよ。自身の力を周囲に認めさせ、自身の存在を絶対視させてから禁忌目録を作り布教したんだ…もちろん、ラースがそれを知りながら放置したこと、裏切り者の協力だってあったのも大きいと思うけど、法律の概念がそもそもなかったアンダーワールドで、違和感を持てというのは難しい話だったんだろうな」
「…ルールさえ守れば全てが保証される…聞こえはいいかもしれないが、それは人から考える力や機会を失うことにも繋がるからな。例え、それができたとして…菊岡たちが望む『A.L.I.C.E.』の片鱗を見せたフラクトライトが現れても、すぐに手を打たれていたわけだ」
「アドミニストレータのためだけのユートピア…なんかそんな感じがするね」
ユウキの疑問に答えたフォンに続き、見解を述べたキリトにアスナも複雑な思いで頷いていた。
「…もう大丈夫か、ユージオ?」
「……うん。ゴメンね、分かってはいるんだけど、やっぱりまだちょっとね…」
「気にすんな…あの時、一緒にいた俺たちも何もできなかったんだ。お前だけが悪いんじゃない」
「…ありがとう。フォン、キリト」
「さてと…ユージオが落ち着いたところで、次のシーンに行くとするか。それでは、第三話からこちらをどうぞ!」
そろそろいいかとフォンが声を掛けると、気持ちの整理ができたユージオは目を開きながら応えた。
気を遣ってくれた礼を言うも、気にするなと告げたキリトがそのまま次のシーンへと話を移した。
〈シノンの依頼により、GGOへと赴いたフォンたち一同〉
「はい、キリト…反省しろ」
「見終わった直後にいきなりすぎないか!?」
開口一番に呆れた口調で放ったフォンの言葉に、思わずキリトが叫んだ。
「お前がユウキの前で光剣を使って弾丸をぶった斬ったりするから、真似したんだろうが!?反省案件だろうこれは!」
「…キリト、君って奴は…」
「…うぅ…だって、できるからって真似するとは思わないだろう。俺だって、ユウキが光剣をメインウェポンにしたいって聞いた時はお試しにっていうぐらいの軽い気持ちだったさ。そしたら、アスナまでも使いたいって言って…」
「君たちってあれだね…誰かしら何かをやらかさないと気が済まないのかい?」
反省の理由を告げられた上に、ユージオまでもがジト目を向けてきたことで苦々しい表情に変わるキリト…その言い訳に、深いため息と共にユージオは他の三人にもやれやれといった感じで目線を向けていた。
「というか、キリトもユウキもそうだけど…アスナはまた凄いね。突きで弾丸を斬るって…あれって、かなりの速さで放たれるものなんだろう?」
「普通ならまず無理だな…認識している敵からの攻撃がバレットライン…システムによって表示されるGGOだからできる戦法だ。それでも、マシンガンの雨を斬り抜けるのはこの三人だからこそできる妙技だよ」
「アハハハ…何と言うか、どこに飛んでくるのか分かっているのなら、斬れるかなって…予測線を予想して斬るみたいな感じ」
「旦那が旦那なら、奥さんも同じこと言ってんぞ、おい…」
銃に関しては聞いているだけ程度の知識に留まるユージオに、GGOのシステムを交えて『弾丸を斬り躱す』という方法がどれだけとんでもないかを語るフォン。
呆れのこもった説明をされ、流石のアスナも苦笑いするしかなく、以前どっかで聞いたようなことをフォンに言ってしまっていた。もちろん、それを聞いた当の本人は目を逸らしていたわけだが…
「…そういえば、どうしてフォンは光剣をメインにしないの?フォンだって練習すればできるんじゃないの?」
「……確かにできないってわけじゃないかもしれないけど…そもそもの話、お前たちに比べたら精度は劣るわけだし、アスナみたいにAGIが高いビルドでもないからな。ユニークスキル『幻影の盾』があるのも大きいけど、前後の味方を守れる立ち位置が一番やりやすいっていうのが一番の理由だな。
まぁ、GGOを初めて…死銃事件で闘っていた時にはほぼソロプレイだったけど、今回は未知のパーティが相手の集団戦だったからな…どっかの誰かさんたちが突出するから、バランスを考えてというのも理由としては大きいな…相手がすぐに撤退したからその心配は杞憂に終わったんだけどな」
逆にどうして光剣をそこまで使わないのかとユウキから尋ねられ、ちょっと真面目な雰囲気で答えるフォン。シノンからの依頼という大事な理由もあっただけでなく、GGO未経験組が参戦していることもあって安全策を取ったわけだ。
「今、思ったら…あの時にキリトやユージオが闘った敵とすれ違いながらに邂逅していたとは…本当に世界って狭いよな」
「PoHの奴もいたんだから尚更だよな…知らない人とでも、共に闘ったり、もしくは対決することになったり…変なところでVRMMOの醍醐味が出たよな」
この後、アンダーワールドの存亡を賭け、フォンとキリト、そして、ユージオが闘うであろう奴らとすれ違っていたとは流石に想像していなかったこともあり、言葉にし難い感情を持ったフォンとキリトは言葉を零していた。
「GGOか…ちょっと興味があるな。ALOに慣れてきたら、アリスと一緒に行ってみようかな」
「その時はしののんが喜んで案内してくれると思うよ。女の子のプレイヤーがGGOは特に少ないから、歓迎してくれるんじゃないかな?」
「大体話し終わったし、そろそろ次のシーンにいこうか。第五話・第六話を纏めて、こちらのシーンです」
大まかなことを話し終えたと判断したフォンにより、次なるシーンへと移ることになった。が、その前に…
「それはそうと…キリト、あの恰好は一体どうしたんだい?」
「…聞かないでくれ!?少なくとも、俺の意志じゃないんだ!?」
キリトのGGOアバターに対し、ユージオの純粋な疑問が炸裂していた。
〈蓮と菊岡…相容れられない主張と考え〉
「この話か……菊岡さんには悪いことしたよな…ちょっとだけ」
「…ちょっとなのかよ」
意識不明のキリトをオーシャン・タートルに連れていこうとした菊岡の考えを見抜き、それについていった結果、アリシゼーション計画のほとんどを知ることとなったフォン。
当時の自分の行動を鑑みて、顔を隠すように右手で抑えるフォン…確かに反省しているように見えるが、言葉がそうでなかったため、思わずキリトがツッコミを入れていた。
「俺の態度が子供だったってことだよ。そういう考え方があるのも分かっていながらも、心のどっかで反発してたから、あんな敵対心を隠さないように振る舞ってたら…流石に子供過ぎたと思うよ
ただ…この後、ユウキが叩いたことを考えると…この時に衝動のままに一発殴っておいても良かったのかもと思ったのもまた事実だ…いや、キリトがあんな状態になって、そこにアリシゼーション計画の話を聞いて…俺も余裕がなかったんだと思う」
当時の自分を振り返って、だからこそ気付いたこともあって、今のものを含めて心情を吐露する。そんなしんみりとした空気の筈だったが、
「いや、殴って良かったと思うよ、フォン…むしろ殴ってほしかったかも」
「ユウキ、どんだけ菊岡さんを嫌いというか、敵視し過ぎだろう。確かにひと癖ふた癖…いや、10や20の何かは腹に詰め込んでるんだろうけど…」
「フォン君、微妙にフォローになってない気が…」
「受け入れられないのはいいとしても、全部を否定するのはダメだ。どこぞの支配欲に則られた独裁女王とか、一人の男に執着し過ぎてる快楽殺人鬼とかならまだしも、菊岡さんは一応まだまともな人だからな」
「う、うん……努力するよ…」
嫌悪感を隠しもしないユウキを嗜めるフォン…だが、その例として挙げたのがまたどっかで聞いた人物像で、前者はユージオが、後者はキリトとアスナが苦笑いするものだった。
((…フォンの奴、どんだけあの二人が嫌いなんだ…))
隣に立っていたキリトとユージオは、腹黒い気配を感じて内心そう思っていた。穏やかに窘めている筈なのに、何故か不穏な空気も入り混じっていた。そんなフォンの黒い態度に、思わずユウキも頷くことしかできなかったのだった。
「と、ともかく…菊岡さんから話を聞いて、フォン君もキリト君を追ってアンダーワールドに行くことになったんだよね?」
「そういうことだな…菊岡さんとのやりとりもあって、キリト一人を行かせるわけにはいけないと思って…それでアンダーワールドに降り立ったわけだ」
「フォンと合流して…それで俺たちは再び出会ったんだよな」
「ということで、ギガスシダーの麓にて僕と再会した第7話・第八話よりこちらのシーンをご覧ください」
フォン、キリトに続く形でユージオの紹介によって、次のプレイバック映像が映った。
〈ユージオとの再会…そして、ルーリッドへ〉
「この時って、ユージオとキリト君たちは互いのことを覚えてなかったのよね?」
「それどころか、いる場所がアンダーワールドかどうかも半信半疑の状態だったから、ユージオのこともNPCかテストプレイヤーじゃないかと思っていたからな」
「事情を知ってる俺もすんなりとそれを告げないようにって消極的になってたからな…ユージオのことを忘れていたから尚更だよな…」
「僕の方もルーリッドに住んでいる人じゃないとは思ってたから…でも、なんとなく懐かしいって感じはしてたんだ…間違ってはなかったんだね」
アスナの質問に始まり、その時のことを思い出して苦笑いが零れるキリト、フォン、ユージオの三名。映像が斧の試し切りへと移り、
「フォンって本当に器用っていうか…慣れ過ぎて、なんとなくできるんだろうなって予想がついてたんだけど…」
「アハハ…なんというか、両手斧を扱っていた要領でやってみたらできちゃったというか」
「お前が飛行機とか船を動かせるとか言っても、多分驚かない気がするよ」
「キリト、それは流石に無理だぞ…!シミュレーションとかそういうのもやってないどころか、知識だってないんだから…勘で動かすレベルだぞ、きっと」
(…私も同じイメージだったとは言わないでおこう)
慣れっこだといわんばかりのユウキの評価に、両人差し指の先端をくっつけながら弁明(になってないが)するフォン。いつものことだと、同じく慣れてるキリトから無茶ぶりが飛んできて、流石に否定する…もっとも嫁の方も同じことを思っていたらしいが。
「驚いたといえば、ソードスキルがあったことにも驚いたよな」
「ソードスキルが存在したから、自分たちがいるのがVRMMOだって識別できたんだよな」
「確かに馴染み深いものがあると落ち着くよね」
「僕としては秘奥義を使える二人の方に驚いていたんだけどね…ジンクだって使えなかったから、当時の僕が驚くには十二分だったよ」
次に秘奥義…ソードスキルの存在を知ったルーリッドの村へと辿り着いた時の話に移り、それぞれがホリゾンタル、スラントを放ったキリトとフォンを見て、納得するユウキを横に、
それを目の当たりにしていたユージオが苦笑していた。
「そういうわけで、ルーリッドへと辿り着いて、セルカとも再会したわけで…でも、俺たちはまだアンダーワールドの実態をきちんと理解できてなかったんだよな」
「ああ…それがセルカを探しに向かった果ての山脈…ゴブリンたちと遭遇したアンダーワールドでの初戦闘で嫌というほど味あわされることになったんだ」
重たい口を開いたキリトに続き、フォンの言葉によって第12話へとプレイバックは場面を移すことになった。
〈ゴブリンロード ウガチとの戦闘〉
「ペインアブソーバー…痛覚緩和機能がオフになってるなんて…」
「アンダーワールドは普通のVRMMOと違い、フラクトライト育成を目的としたリアルに寄せたものだ。だからこそ、痛覚を始めとした感覚をゼロに、もしくは緩和させるのはマズいと思ったんだろうな。
しかも、俺たちがダイブに使用していたSTLはフラクトライトに直接働きかけるものだから尚更だよな。そのせいで、リアルと変わらない痛覚を受けると、恐怖心までもが増大しやすいっていうリスクがあったわけなんだよな」
「SAOでも死への恐怖はあっても、痛覚までは緩和されていた状態だったからな。俺も須郷に蹂躙された時にやられたことがあったけど…あれでも、少しは緩和されたもので、アンダーワールドをどこか舐めていたっていうのを実感させられたよ」
「…ボクも後から追い掛けていった時には凄く痛感したよ…しかも、リアルじゃまずない痛みだって存在するんだから…尚更だよね」
アスナの言葉を補足するよう、フォン、キリトが当時のことを語るが…やはりその口調は渋いものだった。ユウキも、リッパーと対峙した時のダメージを思い出したのか、顔を顰めていた。
「それに…なんとか勝ったとはいえ…ユージオが目の前で瀕死になっている時は本当に肝が冷えたぜ」
「あの時はセルカがいてくれたから良かったけど…神聖術をほとんど知らかった俺たちだと手の施しようがなかったからな。あの一件があったから、神聖術を学ぼうと修剣学院じゃしっかり勉強したんだよな」
「…キリト君も、フォン君くらいの熱心さがあったら学院でもいい成績が取れたんじゃない?」
「うっ…フォンにフォンの、俺には俺の得意分野を伸ばすべきかなって思ったんだよ。絶対にその方がいいだろう?」
((…逃げたな))((…逃げたね))
戦闘後も、ユージオが死の淵に瀕しているのを目の当たりにしたこともあり、キリトとフォンの表情は晴れていなかった。それを察したアスナが話題を変えたことで少しだけ空気が和らいだ…キリトのメンタルに少しダメージが入ったが…
〈明日奈と木綿季、オーシャン・タートルへと辿り着く〉
「はい、フォン…反省」
「ううぅ……その節は本当にゴメン」
さっきとは逆に、今度はフォンがユウキへと反省を促されていた。もっとも、フォンは流石に非を感じていたので素直に謝っていた。
「いや、一応父さんと母さんに木綿季のことを頼むとは伝えて……大変申し訳ありませんでした!」
「…せめて、ボクだけには伝えてほしかったな」
「あの時は時間がなかったし、まだ疑いを持っていただけだったから…確証を掴めるまでは無理に話を広げるべきじゃないと思っていたんだ。まさか、そこからオーシャン・タートルに連れていかれるとは予想外だったけどな」
ユウキのジト目のプレッシャーに耐えられず、たじたじとなるフォン。秘密主義の悪いところを突かれまくりで、そんなやりとりを他の三人は苦笑いで見守っていた。
「は、話は変わるけど…ユイちゃんがハッキングできるって話、カーディナルの世話をお願いした時に知ったんだけど…あの技術は一体どこで学んだ?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「…おい、娘の親二人。なんで、そこで目を逸らして閉口してんだよ」
このままでは旗色が悪いと思い、ユイへと話題を逸らしたフォン…だが、その質問を受けた二人は揃って顔を逸らしていた。
「…いや、最初は俺が色々と教えてたんだが…いつの間にかあんなことを覚えてきてたんよな。子供の成長って早いよな…」
「なに良い話風にすり替えてんだ…!まだユイちゃんが良い子だから、非常時以外にはしないだろうけどさ!?」
「…これ、カナデがその技術を学んだらとんでもないことになりそうだよね」
引き攣った笑みを浮かべるキリトの説明に、青筋を浮かべながら反応するフォンに、同じ立ち位置にいるカナデのことを危惧するユウキがげんなりとしていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい、ユージオ…まさかとは思うけど、もしかしたら自分やアリスもできるじゃないかと考えてないだろうな…?」
「えっ?!……か、考えてないに決まってるだろう…アハハ!」
「…頼むからお前らは普通でいてくれ…頼むからさ…!」
真剣に考え込む姿から、釘を刺したフォンに慌てた姿で応えるユージオだが…誰から見てもその指摘は正しかったことを証明していた。
『ぐえぇ』とも言える表情のフォンが懇願するところで、プレイパックのコーナーは終わりを迎えたのだった。
トピックス:ルーリッドにてユージオに剣術を教えていた時、特訓によってほうきを壊した(正確にはユージオに斬らせてしまった)フォンは、教会の掃除の手伝いを三日間させられたらしい。
「お次のコーナーはこちら!『教えて!フォンの質問のコーナー』だ」
「…なぁ、本家に則りたいのは分かるが、もうちょっとなんとかならなかったのか、コーナーの名前」
次のコーナー名を告げたキリトに対し…というよりも、ストレートすぎるコーナー名にフォンから苦情が飛ぶも…その程度のものでへこたれないのが、この番組のスタッフの強み(?)なわけで…
「前半にあたる今回は本章でも色々と話題というか物議というか…初登場した『映現世の剣』の解説を裏話を交えながら語っていこうと思う」
司会席とゲストの立ち位置から見て、丁度真ん中の場所に立ったフォンが先程の小休止の間に準備した映現世の剣を構えながら説明を述べる。
「結局、本編だと曖昧な部分しか明らかになってなかったよね。とんでもなくヤバいというか…凄い力を持っている武器だってことはよく分かったけど…」
「うん…特にWoU編の終盤ではそれまでの鬱憤を晴らすかのようにフォン君が暴れまくったせいで、尚更その脅威を知らしめていたわよね」
「まぁ、その節は申し訳なかったと…その時の話はWoU編のおふらいんにてまた語るとして…この剣に関して語ろうとすると、滅茶苦茶長くなるから、今回は作者から借りてきた『プロット段階における設定書』を元に、映現世の剣が出来上がるまでの過程をみんなと一緒に見ていきたいと思う」
「聞いてる話だと、一転二転どころか何度も設定やら形やらを試行錯誤してたんだよね…どんな話が出てくるか、楽しみなような怖いような…」
「ま、まぁ…こうしていてもしょうがないし、とりあえず設定書を見ていこうか?」
空中のディスプレイに『映現世の剣ができるまで』という、少し幼稚なフォントにデフォルトされたタイトルが浮かび、司会席にいるユージオの操作によってページがめくられるように画面が変わった。
『初期案 片手剣①』
「…シンプルな剣だな」
凡庸な剣が画面に移り、思わずフォンからそんな感想が漏れたが、その場にいた全員が同じことを思っていた。補足説明をするべきかと、説明書を片手にキリトが口を開いた。
「『映鏡(うつしかがみ)の剣)』…見た目は普通、だが、普遍的に存在する剣とは完全に一致するものはなく、必ず細部のどこかがズレているという変わった剣…それが装飾の特徴だって書かれているな」
「初期段階だと…初のフォン専用となる武器として考えていた中、フォンがオールラウンダーであることから、様々な能力を使える武器がいいのではと考えた結果、性能が度々変わる武器はどうかと考えたのが始まりだって。
武装完全支配術は…そのまま使っては何もなしって…発動してから30秒以内に対象の神器に直接接触した場合、その武器の特性を強化した形でコピーすることができる、だって」
キリトに続き、説明書を横から覗き込んでいたユージオが続いて説明し、初期の段階でとんでもない能力が出たなと、一同が呆れた表情をしていた。
「ただコピーするだけでなく、強化した上で反映って…初見殺しにもほどがあるだろうが…」
「整合騎士の方からすればたまったものじゃないわね…自分の神器の力が強化されて返ってくるなんて…」
「僕やキリトからすれば、青薔薇の剣と夜空の剣の力を倍にして返されるわけだよね。味方として一緒に放てば心強いけど、敵には一番したくないね」
もしかすれば、その武器を使っていたかもと思ったフォンがやれやれといった様子で感想を述べるのに加え、アスナも相手にしたくないと引いていた。一度敵対していたこともあったユージオも、その時に使われていたらと想像したのか苦笑いしていた。
「でも、これだけでも十分強そうというか…かなり個性的な気がするけど、どうして採用されなかったのかな?」
「それも理由が書かれてるね…えっと、『地味過ぎたから』、って…」
「「「「…えぇぇ……」」」」
ユウキの疑問にユージオが答えようとしたが、途中でその声に気迫がなくなった。その理由に、ユージオに続いて他の面々も思わず唸ってしまった。
「『序盤はいいとしても途中で完全に通じなくなる可能性が高いこと、最終局面であるソード・ゴーレム&アドミニストレータ戦では確実に役に立たなくなる=ユージオ死亡ルートへとしか繋がらないためボツに』……だって」
「あー…確かにな。ベルクーリなんて特にそうだよな。時穿剣の力ってコピーしても、逆に自身の能力を熟知してそうな彼には通用し辛そうだし、アドミニストレータ戦だと何にもできないに等しいか…30本の神器が合成したソード・ゴーレムは多分コピーできないだろうし」
「プロット段階だとユージオまでもが死ぬルートだったから、それを避けることも考えてボツになったってことなんだ…というか、もしこの剣のままだったら、WoU編はどうなってたのかな?」
「この剣の設定的に俺が絡んでいるとも捉えにくいから、普通にアリスと一緒に闘っていたんだろうな。あとはほとんど原作寄りの話になっていたんじゃないか?」
ユージオとユウキの言葉にそれぞれ答えるフォン…そうなっていたらと思うと少しばかりゾッとしていた。ユージオだけでなく、キリトに全てを背負わせていたことになっていただろうことは想像に難くなかったからだ。
「ということで、初期案である『神器を模倣する』という剣はダメになって…次のコンセプトとして、夢幻の戦鬼の象徴ともいえる『あらゆる状況に応じる』というオールマイティさを重視した剣を考えたみたいだな…それがこれだ」
キリトの言葉に従い、ディスプレイが次の画像へと移った。そこに映った二つ目の武器…一つ目と同じく片手剣ではあるが、そのデザインは前とは大きく異なっていた。
パッチワークとも言うべきか…様々な金属パーツで組み立てられた非シンメトリーな形状の片手剣。例えるなら、FF7ACのクラウドが所持している『合体剣』とも呼ぶべき代物だろうか。
「これはまた…意外な武器が、っていうか凄い形状の武器が出てきたな。ジャックパーツで構成されたといっても違和感ないな。結構好みかも…」
「二人の夜空の剣・青薔薇の剣と比較すると、その異形さが際立つね。この剣の能力は一体どんなものなの、キリト君?」
性能云々よりもデザインが気に入ったフォンが感嘆の言葉を零していると、フォンたち三人が揃い踏みしたところを想像したのか、そんなことを言いつつも、気になった能力についてキリトへと尋ねていた。
「えっとだな…『基本状態で剣を分割・組み合わせることで、片手剣だけでなくありとあらゆる武器へと変化する』…うわぁ、性能までフォンが好きそうな武器だな」
「こら、キリト。人の戦闘スタイルを気持ち悪そうに言うんじゃねぇよ」
「武装完全支配術ではその武器種による強力な秘奥義を、記憶開放術ではそこに属性を付与した超強力な技を放つもの、だって…確かにフォンが使ったらとんでもなく強そうだね」
配慮など全くないキリトの言い方に抗議するフォンだが、続けて解説するユージオも確かにフォンにはお似合いの武器だと思ってしまい困ったように笑っていた。
「…というか、まんま仮面ライダー●―ストのガンガン●イバーだよな。でも、戦闘中、その状況に合わせて武器を組み直すことでスタイルを変えられるのは便利だよな」
「そういう意味だと映現世の剣の下位互換になるのかな?あっちはフォンの意志でほぼ一瞬で武器を換えられるもんね」
「あれはあれで反則というか…他の武器とは一線を画しているとは思うけど、確かにコンセプトとしては似通っている部分もあるわね」
片手剣の形状から、大剣・薙刀・弓・二刀流・ハンマーなどなど…様々な合体例へと画像が移り変わっていくのを眺めている中、ふとフォンが思ったことをメタ発言込みで零していた。
対するユウキとアスナは、映現世の剣と比較した部分で意見を述べていた。その手で直接組み立てるのと瞬間換装では、その性能に差がありすぎるのは指摘通り明確だった。
「ちなみに、ボツになった理由は『やっぱり地味』なのと、『武器の見た目のせいか、どうしてもソード・ゴーレム戦でぶっ壊されるイメージしか湧かなかった』、あと、『それぞれの専用ソードスキルを考えるのが流石に手間が掛かると思ったから』の三点だそうだ」
「一つ目のよりも理由が多いし、最後の作者の都合だろうが!?」
「…まぁ、作者さんも大変だったってことで…」
ジト目と共にキリトの口から語れたボツ理由に、容赦ないフォンのツッコミが炸裂する!フォローするようにユウキが諫めるも、その笑みは少しばかり引き攣っていたのは気のせいではないのだろう。
「ということで、一つ目二つ目とボつになって…それで第三の武器案へと移るわけだが…ここで作者はこう思ったそうだ…『別にキリトやユージオに合わせて片手剣である必要はないのでは?』と」
「散々片手剣で考えておいて、今更そんなことを思ったのかよ」
「ということで、改めて両手剣で構成し直した結果考えたのがこちら!」
どこか困ったように笑いながら説明するキリトに対し、フォンははっきりと呆れた表情を浮かべていた。そんな二人の相中に位置する感情を顔に浮かべてユージオの紹介で画像が変わる。
三つ目の武器として映し出されたのは、大きなトパーズらしき碑石が鍔に埋め込まれ、刀身と柄とを繋げるようにナックルガードがほとんどないトゥーハンドソードだった…某人気ゲームの風の勇者が後半使っていた退魔の剣(未覚醒)を想像してもらえれば、大体合っているだろう。
「でも、両手剣をメインに使っている方がフォン君らしいといえば、らしいよね。それで、この武器のコンセプトは何なの?」
「この剣は、俺を追ってアンダーワールドに向かうフォンに対し、ラースが何かがあった時に備えてという形で与えた剣(比嘉さんが2時間で作成)とのことだ。
そのため、本来であればフラクトライトでの記憶ロックされることが前提だったため、そんな状態でも扱いやすいようにとのことで、ALOまでのフォンのアバターデータを基に構成された剣…と設定書には書かれてるな」
「ALOまでのデータって…まさかこの剣の持ってる力って…」
いつもの戦闘スタイルが両手剣が多いことから、納得したアスナの疑問にキリトが解説書片手に答えていく。そんな説明の中で聞こえてきたワードに嫌な感じがしたユウキが恐る恐る尋ねると、
「この第三の武器にはユニークスキル『幻想剣』の力が込められているって…幻想剣って、フォンがALOで使ってるスキルで…フォン専用のものだっけ?」
「専用っていう言葉が適切かは微妙ところだけど…ワンオフスキルではあるな。ユージオも見て…というか、一発喰らわせたこともあるけど、他武器の能力・ソードスキルを拡張させるユニークスキル…それが『幻想剣』だよ」
本編ではまだ目にする機会がないユージオの問いに、苦笑いを交えてフォンが補足を交えて応える…いくら洗脳(シンセサイズ)されていて、武器の力ですぐに回復させていたとはいえ、親友に容赦なく幻想剣ソードスキルをぶち込んだことに、罪悪感が湧きまくっていた。
「ようするに、この剣で武装完全支配術を使うと、各幻想剣ソードスキルを発動することができる、って設定を考えていたらしい。剣の形状は変わらず、軌道や能力をそのまま真似るといった形だったみたいだな。
それで、記憶開放術では、フォンの決め技でもある幻想剣《両手剣》ソードスキル〈エンド・オブ・フォーチュン〉を放つんだけど、本来のものと異なって、それまでに武装完全支配術を使っていたかで威力が上乗せされるようになっていたらしい」
「へぇ~…なんか、記憶開放術の力って天日剣の性能に似てるな。その名残だったわけか」
「武装完全支配術も、WoU編の最終決戦でフォンが使ってた刀の武器とほとんど同じ能力だから、この剣から流用したのかな?」
実際に使ってみたという画像と共に述べてくれたキリトの解説に、フォンとユウキがそれぞれ思ったことを口に出していた。確かに似ている能力を持っている武器が本編に出ていたので、それは当然の感想だったに違いない。
「…ということで、プロット段階で剣の設定を決め、さぁ、アリシゼーションを書いていこう…となっている矢先、ふと作者はこう思ったらしい…『ユージオ生存ルートでも別にいいじゃない?』…と」
「なんか一歩間違ってたら、原作同様の展開になっていたかもしれない立場からすると、聞いててとてつもなく決まずいんだけど…」
「そう思い当たった作者は『どうすればユージオを死なせずに済むか』と考え、そうなるとイレギュラーであるフォンの武器をどうにかすればいいじゃないかと考え始め…考え着いたのが『フォンの過去に関する話をして、転生する原因となった話へと繋げられないだろうか?』という、本作の最も根幹たる話に触れることだったらしい」
「そのせいで、本来25話前後で終わる予定だった話が倍近くにまで伸びてるんだからな…見切り発車も勘弁してほしいものだぜ」
乾いた笑いを浮かべるのと同時に目を逸らすユージオ、淡々と解説していくキリトに対し、当事者であるフォンはやれやれといった表情をしていた…そんな三人を見て、女性陣も苦笑いするしかなかったのだが。
「そういうことで、フォンの武器が一から見直されることになったんだよね?そして、四つ目として想定されたのがこちら」
四回目となる武器案…それは刀に近いフォルムをした片手剣だった。
「これはまたシンプルだな…装飾も別に凝っているわけじゃないみたいだし」
「逆に初心に返ったって感じだよね?」
「キリト、この剣はどんな力を持たせようとしてたの?」
パッと見てではそこまで奇抜でもなく、凄みを実感しにくいせいか、フォンとアスナが首を傾げながら武器の映像を見ているのを横に、気になったユウキが話を先へと進めようとしていた。
「…『神降ろし』って…ここには書いてある」
「「「…はっ?」」」
同じく解説書を読んでいるユージオはともかく、キリトの放った単語に思わず変な声が出た三人。どういうことかと目線で訴えていると、キリトはその意味を説明し出した。
「正確にはマルチバース単位での並行世界・異世界にいる人物たちの能力や姿を模倣し、変身する能力を武装完全支配術で発動可能、記憶開放術ではそれらの力を更に発揮できる専用フィールドを展開する、って書かれてる」
「あー…なるほどな。つまりは、映現世の翼衣を更に力を模写した世界へと近づけたものってことか…まさしくその人物らに変身するといってもいいぐらいのレベルってことだな」
どういうことかを説明を聞いて理解したフォンが更に噛み砕いて述べると、困惑していたユウキとアスナ、そして、よく意味が分かっていなかったユージオも含めてやっと理解し、次の瞬間またしても驚いていた。
「またとんでもない武器を…じゃ、あれか?武器だけでなく、姿形までも様変わりするってことなんだろうな…どこぞの超次元サッカーに出てきたミキシ●ックスじゃねぇか」
「…しかも、模倣した対象の性格から口癖までコピーしちまうとは…『オラオラ系』とか、『ぴゅ』みたいな口癖とか、バトルジャンキーみたいな口調のフォンとか…全然想像つかねぇ…」
「…キリト。それは俺自身が一番思ってるよ。ついでに、本編でそんなことにならなくてよかったともな(確実に黒歴史コース一直線じゃねぇか…)」
自分で言っておいて更にツッコむというフォンに、想像し辛いと頭を振りながら同意するキリト。もっとも、フォン自身、内心安堵していたのは余談だ。
「…なんか映現世の剣以上に凄そうだけど、何がボツ理由になるわけ?」
「『流石に色々とアウト』…だそうだ」
「まぁ、そうだよね…色々と各所とか読者の方々からお怒りの声が飛んできそうだよね…」
「『覚醒したら、どれだけの主要キャラの出番を奪うことになるか(被害の)想像がつかない』、『あまりに凄すぎて話の展開が思い付かない』、『そもそも性格とか口調が変わる副作用が、ほぼシリアスになるアリシゼーション後半以降にあまりにもそぐわない感が強かったから』…って、これまでで一番長く、とんでもないボツ理由らがあったみたい」
「それでグレードを下げたのが映現世の剣ってことか…映現世の翼衣はその設定の名残りってわけか」
ユウキの疑問にキリトが答えたところで、アスナがどこか納得していた。それに付け加えるように全てのボツ理由をユージオが挙げたところで、その武器から映現世の剣関連の設定が出来上がったのだと、フォンも納得するように頷いていた。
「ということで、流石にやりすぎた第4案の武器をスケールダウンし、ようやく本編で大活躍した映現世の剣が出来上がった、ってことだったんだな」
「ちなみにだけど、WoU編終盤でフォンが復活し、映現世の剣と完全同調したことで得た能力…左目を通してVRワールドの全域へと視界を飛ばせる能力『世界を見通す者』は、WoU編開始直後に追加したもので、実は当初はなかったんだって」
「…そんな気はしてたよ。あれはあれでちょっとやりすぎな…」
「本当は視界を集中しなくても、リアルタイムでVRワールド全ての情報をキャッチできる、文字通りダイブしているVRMMOと繋がるというとんでも能力にしようという案もあったって…」
「前言撤回!?自重した結果があれだったかのよ、作者?!」
「『あと、左目の能力の正式名称はこちらで本邦初公開…連載時、能力名を解説するのを忘れてたので、よろしく 作者』…って、いうメッセージが届いていたよ」
「作者ぁぁ!?!?」
ついでといわんばかりにキリトとユージオから、映現世の剣に関しても補足説明がされ、あのトンデモ索敵能力の真実を知ったフォンが思わず叫んだ…いや、本当に申し訳ない(焦)
「…そして、映現世の剣が出来上がったことで作者の中で『あれ?これだったら、カーディナル生存ルートもいけるんじゃね?』という考えが浮かんだわけで…」
「その辺りはWoU編のおふらいんでじっくりと聞くことになってるから…覚悟しておいてね、フォン?」
「…あい……と、ということで、映現世の剣の解説、前半にあたる今回の『映現世の剣がどうやって出来上がったのか』はここらで終わりにするか…(キリトめ、余計なことを言いやがって?!)」
余計な情報を言われ、このあとのどこかで尋問&お説教コースが待っていると思い、げんなりしたフォンは、内心戦友へと悪態を吐いていた…申し訳ないが、半分は自業自得である。
…そんな焦燥感に漂わせたフォンの言葉で、コーナーは終了することになった。
トピックス:現実世界にやってきて以降、自分たちのやってきたことが普通のカップルらと比較してどれだけイチャついていたのかを知ったユージオとアリスは、赤面しまくったらしい。
「さてと、久しぶりではあったが、早くも第一回も終わりの時間を迎えました」
「最初はどうなるかと思ったが…いつの間にかすんなりと司会進行できるようになったな、キリト」
「うんうん…僕も結構慣れてたし、この番組の雰囲気が掴めて良かったよ」
「…もう俺とユージオで次回から司会進行するのでいいじゃないかな。ユージオはキリトと違って、ボケないしふざけないし、俺の頭も胃もダメージを受けることなそうだし…」
「ちょ、フォン?!」
三者三様の感想を述べる司会陣…そんな中、最初からあまり緊張することなく喋れていたユージオを見て、もう自分と二人でやって、キリトはいない方がいいのではという発言をするフォン…流石にキリトから批難の声が出るも、それを無視してゲストの女性陣へと感想を尋ねることに。
「ユウキとアスナもどうだった?二人には知らない部分も多かった回だったかと思うが…」
「ボクとしては、フォンやキリトはどこにいっても二人なんだと思ったのと、あんなに良い意味でも悪い意味でも真面目だったユージオが、どうして会った時にはイメージが変わっていたのかと納得もできたかな」
「うんうん…絶対にキリト君たちの影響だよね?なんかゴメンね、ユージオ…この後も二人が迷惑とか色々掛けると思うけど…頑張って!」
「頑張ってって…いや、確かに色々とヒヤッとすることや、気疲れすることもあったけど…もう終わったことだからな…」
「「…ユージオ?!」」
フォンに感想を尋ねられたところで、ユウキとアスナから遠慮のない辛辣な感想が飛び出し、ユージオまでも全くフォローのない言葉が出たことで、思わずフォンとキリトが絶句していた。
「…ま、まぁ…これにて『そーどあーと・おふらいん むげんのせんき ありしぜーしょん』第一回は終わりだ。次回第二回は3名のゲストをお迎えして、修剣学院でのエピソードを中心にお送りする予定ですので、是非ともご期待下さい。それでは…」
「「「「「またね~!」」」」」
『この番組は、海洋研究開発機構…を表向きに、人工知能『A.L.I.C.E.』の誕生を目的に日々研究し続ける新生『ラース』の提供でお送りしました』
…やっぱり5人も人物いると、書き分けるのが大変…
次回のゲストだ誰かというのは皆さんも想像できているのではないでしょうか?
そんなわけで、次回からが更にカオスになりそうです…特にフォン絡みで(黒笑)
映現世の剣の解説も、本編では出せなかった武器を交えて更に解説していきますので、お楽しみに!
それでは、また!
psypsypsyさん、ご評価ありがとうございます。
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