ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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連続更新三話目!
そんな感じで、カナデ編も最終話…エピローグというか、めちゃくそ甘い話になりますので、砂糖を吐く準備は大丈夫でしょうか?(苦笑)

それと、どうしてこんな連続更新をすることになったのか…その解説もまた後書きにてお伝えしますので…

それでは、まず本編をどうぞ!


カナデ編③ 「まさかの形での恩返し」

どうにか試練の番人(黒い楕円人形とカーディナルの偽物)を打破したものの、俺たちは酷い倦怠感に襲われていた。

 

どうやら、先日、偶発的に起こったレゾナンス状態を、カーディナルとも発動させてしまっていたらしく、その反動が闘いを終えて集中力が途切れた今になってきたようなのだ。

 

また、反動はそれだけではなく、俺が刀の幻想剣ソードスキルを使ったデメリットが、なんとカーディナルの方にも発生していたのだ。

 

まだ検証前だったこともあり、レゾナンスの意外なデメリットが発覚したことに驚く。デバフが共有化されるということは、ダメージやバフなども共有化される可能性があるということだ。

これはまたどっかで時間を作ってじっくりと検証すべきだろう…発動の仕方が大体分かっていても、任意にオンオフできるようにしておかないと、発動した途端に事故に繋がりかねないスキルな気がする。

 

…まぁ、気になることは置いておいて…動けないというほどではないため、祭壇の上部に移動してしまっていた俺は、カーディナルが登ってくるのを待っていた。

 

「お疲れ様じゃ、フォン…それにしても、さっきのがお主とユウキが経験したレゾナンスというものなのか?」

 

「多分な…感覚的には、前に味わったものと一緒だったし…今、感じている疲労感もそうだからな」

 

「なんというか…確かに出鱈目なスキルじゃのう。じゃが…お主とある意味で一つになったという感覚は悪くないのう…他の者じゃとそうは思わんじゃろうが」

 

(それはユウキも言ってたな…一体感というのか、アイコンタクトだけでの連携とはまた違う信頼感を感じられるもんな)

 

完全に互いの思考をラグなく共有し行動できる…それがレゾナンスの強みでもある一方で、カーディナルやユウキの捉え方もあるのかと納得できた。

 

…まぁ、言われる側からすると、とても恥ずかしいのは内緒だが…

 

「これで試練は完全制覇ということでいいんだよな?」

 

「そうじゃな…二つの試練のように通知が来ぬが、他に敵がポップする様子もないようじゃから…あとはあの最上段に行ってみるか」

 

俺たちがいる祭壇は四つの段で構成されていて、真ん中にある階段で登っていくような構造になっている…ピラミッドに大雑把な4つの区段を作り、階段を設置したものと思ってもらえれば想像しやすいだろうか。

 

そして、偽物が立っていた…俺たちが今いる場所が三段目だ。残すは、何かが安置されているらしき最上段ということで、ひとまずそこに向かうことにした。

 

階段で一段上の最上段に登ると、何かの巻物が置かれているのが目に入ってきた。あれが、報酬のスクロールなのだろうか…そんなことを考えていると、

 

『よくぞ…我らの試練を乗り越えたな、妖精たちよ』

 

「「っ…?!」」

 

最上段に足を踏み入れた直後、そんな声が聞こえて身構える俺たちだったが、すぐに警戒を解くことになった。光がスクロールの前に集結して人の形になったかと思えば、槍を持った左目に眼帯をした男が現れたからだ。

 

『我が名は戦と死を司る主神オーディンである!』

 

(オーディンって…!?北欧神話でも、一、二で有名な神じゃないか…っていうことは、持っている槍はグングニルか!?)

 

白髭に合わないがっしりとした細身の肉体、電光が時折走る紫色の肌は剛腕・脚と共によく目立ち、神らしい少し露出の多い服装からして、納得してしまうその正体に、俺は口を開けたまま驚いた。

隣にいたカーディナルも同じようで、俺の方へと何度も視線を向けてくるが、それに顔を見合わせることしかできずにいた。

 

左の眼帯は隻眼を隠すためのものだろう…そして、やはり鍛冶師としても剣士としても目が引かれるのが、聖剣エクスキャリバーや雷槌ニョルニル、魔剣グラムに並ぶ伝説級武器の神槍グングニルだ。

 

未だに入手方法が明確に分かっていないことでも知られる伝説級武器の一つ…まさか、こんな形でお目に掛かることになるとは思ってもみなかった。

 

『お主らは我が魔術の深淵に関わる試練を見事に突破してみせた。ここに、褒美を授けることにしよう』

 

…と、感動していたのだが…俺は気づいてしまった。どうやら、このオーディン…本物ではないらしい。どうやら試練を全てクリアした者に対する褒美の言葉を掛ける、再生映像…魔法による過去の再生映像らしい。

 

現に、驚いている俺たちを前に、全く気にすることなく映像のオーディンは話を進めていく。

 

『この試練では、魔術の知識ではない分野を試練としてお前らに課した。その真意が分かるか?』

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

『魔術は日に日に精査し、辛い時を耐え忍び磨かれるものだ。しかし、それは魔術を使えるようになるまでの話…実際に戦の場で使おうとすると話がまた異なってくる。

目の前の状況に囚われず真意を見きわめる目、広く世界を見渡し答えを探し出す頭、そして…魔術だけにこだわらず、他者の手を借りることをよしとする心…それらを試す試練だったのだ。

試練を乗り越えたお前たちにそれが備わったかどうかを確認する術はないが…少なくとも、その目や頭と心を持ち、あの悪しき邪神たちの使徒とならぬことを願うとしよう』

 

言いたいことを言って、そのまま映像のオーディンはまた光となって霧散してしまった。滅茶苦茶気になることを言っていたが…

 

(確か…去年の夏にキリトたちが海の邪神クラーケンと海神ポセイドンに遭遇したって言ってたな。その時にも似たようなことをポセイドンに言われたって…やっぱりいつかこのALOにも北欧神話で起こったラグナロクが起こる可能があるってことなのか…)

 

他にも、エクスキャリバー獲得の際、ウルズの湖の女王にも忠告を受けたとも聞いたことがあった。この試練自体、ラグナロクに備えてのプレイヤー強化イベントのようなものだったのかもしれない。

 

そう考えると、唯一の攻略者であるモーティマーが情報を統制したのも納得がいく。もちろん、全プレイヤーが魔法を容易に使えるようになる事態を避けたかったのもあると思うが、少しでもラグナロクのようなイベントが起こるかもしれないとプレイヤーたちが知れば、一部は過激なPKに走る可能性も出てくる。

今は領土争いも穏やかになり、新生アインクラッドへの攻略が注視されている中、無駄な火種を作り出したくなかったのだろう。

まぁ、ラグナロクのイベントがもし起こったら、真っ先に火妖精族のみに攻略法を伝え、スクロールを習得させようという魂胆もあるのだろうが…この試練をクリアした感じとして、よほどの実力を持つ剣士と魔法プレイヤーがそれぞれ一人ずつは必要となるので、難しいことも承知してそうだが…

 

「…考え事は終わったか?」

 

「っ…悪い、もしかして声に出てたか?」

 

「いいや…しかし、お主は考え込むときに右手を口にやって、視線を斜め下にやる癖があるからのう。見てると、あー、何か考えとる…と丸わかりなのじゃよ」

 

「…マジか。全然意識してなかった…」

 

俺の様子を見計らってカーディナルが声を掛けてくれたが、同時に癖があると指摘されてしまい、少なくないショックを受けていた。考え込んでしまう癖があるのは自覚していたが、まさかポーズを取ってしまう癖まであるとは…気恥ずかしくて、目が泳いでしまう。

 

「そ、そんなことよりも…まさかオーディンが作った試練だったとはな。これは、本当に驚いたよ」

 

「オーディン…確か有名な神様じゃったか?」

 

「そうでもあるし、彼が持つ武器もかなり有名だ。ある意味、北欧神話と聞いて出てくる神の名前で多いのが彼だしな。まぁ、魔術にまで精通しているとは知らなかったが…」

 

カーディナルも多少は聞いた覚えがあるらしく、北欧神話に関わる事件にまたしても遭遇したなと思っていた俺も肩を竦めながら答える。

 

「…ということは、あれが報酬のスクロールと見ていいんだろうな」

 

想定外な出来事はあったが、創造主に(過去映像とはいえ)合格だと言ってもらえたのだ。これでこの『超魔の試練』は攻略したということなのだろう。

 

助っ人としてのお役を無事に達成できたことに安堵しつつ、再び台の上に置かれている巻物…スクロールへと目を向けた。傍に近づき、カーディナルが手に取る。その横からのぞき込む形で、鑑定スキルを使って見ると…

 

『スクロール~超魔~…使用すると、取得できる魔法の制限を撤廃できる ※但し、『超魔の試練』のエリア外に持ち出した場合、即座に消滅する』

 

(…なるほど。他のプレイヤーが転用できないようには対策がされているわけか。これは、クリア済みのプレイヤーが再挑戦しても、意味はないな)

 

さっきの番人もリザルトで得られた報酬は何もなかったため、このスクロール自体が持ち出し不可能となれば、再挑戦しようというプレイヤーは激減するだろう。

 

むしろ、ちょっとホッとしたぐらいだ…もしクリアしたことがバレたら、そんな依頼が殺到する可能性をこの仕様で潰せるからな。

 

「…うん?どうした、カーディナル」

 

「えっ…う、うむ。のう、フォン…本当にわしが使ってよいのか?」

 

スクロールを手に持ったまま、考え込んでいるカーディナルへと声を掛けると、返ってきたのはそんな戸惑いの声だった。それに対し、俺は…

 

「カーディナルが使ってくれ。俺にはそれはもったいないよ」

 

即座に使ってほしいと答えた。そもそも、そのつもりで助っ人を引き受けたのだ。魔法の熟練度が総じて低い俺が使っても仕方ない。

 

…まぁ、それでカーディナルの踏ん切りがつくとも思えなかったので、更に言葉を足していく。

 

「そもそもの話、全部の魔法を使えるようになっても、そっちの熟練度上げまでしてたら、ちょっと体が足りなくなる。そういうのは、とことん突き詰めないと気が済まない性質だしな」

 

これは事実だ…幻想剣の共通スキルによる『熟練度上昇倍加』の恩恵で、追加武器やスキルなどがアップデートで実装された時にも、すぐに最大値にまで上げられるは上げられるが…それを魔法にまで手を出してしまうと、もうちょっとお腹いっぱいなわけで…

 

「…それは確かにそうじゃが…」

 

それで納得してほしかったのだが、どうやら1割の建前では駄目だったらしい。これは伏せておきたかったのだが、仕方ないと諦めて卑怯な本音を使う。

 

「なら、ここまで助っ人として頑張ってきた俺へのご褒美だと思って使ってくれ。カーディナルが魔法で支えてくれるのは、俺としては凄い助かるんだ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それに…なんというか、俺の私見だが、やっぱりお前にはそういう派手な魔法を使ってほしいんだ」

 

「えっ…?」

 

「あのアンダーワールド大戦で…俺が矢を撃たれて倒れた時、四元素の最上級神聖術を即座に行使してみせただろう、お前。あの時、微かに見えたその姿が……綺麗だと思ったんだよ。あんな大規模な神聖術を複数も容易く使いこなすその姿がな…」

 

「……フォン」

 

ある意味、俺の中でカーディナルに対する印象を決定づけた光景がそれだった…あの時の彼女の神聖術は綺麗で…そして、到底俺には真似できないその様は今でも忘れることなどできない。

 

だから…カーディナルには様々な魔法を使えるようになってほしい。もちろん、魔法ディーラーやバッファーとしての活躍を期待してというのもあるが…それ以前に、魔法を加齢に繰り出す彼女の姿を見たいという俺の願望が優っていた。

 

だから、ここまで頑張ってきたのだ…卑怯だが、俺のお願いを聞いてくれという形で、スクロールの使用を促そうと…

 

「………ん?ちょっと待つのじゃ……お主、あの時は記憶を封印しておったじゃろう……お、お主!あの時のことを覚えておったのか!?」

 

「あー…やっぱりバレたか…」

 

そう…この話をして、賢い彼女が気づかないわけがない…だから、この卑怯な本音は使いたくなかったのだ。

 

ユウキにはアンダーワールドで記憶を封じていた経緯については全部話したが、カーディナルにはその理由と結果しか話していなかったのだ…いや、話す機会がなかったという方が正しいか?あの時は、告白やら異世界からの転入者だというカミングアウトに近い説明もあったし…

 

それで、実は記憶を封じていた時の記憶が残ってました、なんていう暴露をすれば…まぁ、眼前にまで接近されて、もの凄い剣幕で睨まれることだろう…今の俺とカーディナルのように。

 

「ど、どこまでじゃ…!?どこまで、あの時のことを覚えておるのじゃ?!」

 

「え、えっと…覚えているって言っても、意識があるところだけの範囲でだぞ?矢に撃たれた後、意識が戻ったのも一瞬のことだったし…!?」

 

「な、ならば!?その後のことは何も覚えておらぬということじゃ!?わしが何をしたのかも見ておらぬということじゃな!?」

 

「ちょっと待て…お前が逆に何をしたんだ?!」

 

いつもの冷静さを放り捨て、腰元の装飾を掴みながら問いただしてくるカーディナル。その意味深な言葉と慌てた様子に、逆に俺の方が不安を感じてきた!

 

「そ、それは……秘密じゃ」

 

「…えぇぇ…」

 

顔を真っ赤にして目線を逸らすその姿に、俺はやるせなさを覚えつつ、これ以上追及するのは難しいと思い、諦めた。

 

(言えるわけないじゃろう…気絶したお主に膝枕をしながら、その時に初めてお主への好意を自覚したなど……言えるわけがなかろうに)

 

まさか、カーディナルがそんなことを心の中で秘めていたとは露とも知らずに…

 

「コホン…では、遠慮なく使わせてもらうぞ?」

 

「おう、やってくれ」

 

スクロールに書かれている呪文が読み上げられると、カーディナルの周囲に不思議な光が漂い…そして、吸収されるようにして光が収まると…

 

「…どうだ?」

 

「うむ………っ!ちゃんと開放されておる!習得できるようになっておるわ!」

 

見た目の変化がない以上、ステータスのスキル欄を確認するしかないのだが、俺の問いかけにカーディナルはステータスを見て、無事にスクロールの効果が発揮されていると答えた。

 

可視化したステータスも見せてくれて、習得不可である真っ黒なロック状態ではなく、灰色の未収得状態に、上級魔法の欄が変わっていた。

 

「そうか…良かったな」

 

「…ありがとう、フォン。本当に…助かったのじゃ」

 

「気にすんなって。それに、あくまでも習得できるようになっただけで、これから熟練度を上げないといけないのは変わらないしな」

 

「その通り、まずはそこからじゃな」

 

試練は終わったが、ある意味ここからがスタートとも言える。熟練度上げをして上級魔法を習得して、そして、それらの熟練度も上げて…やることは増えたが、できることが増えるということでもあり、嬉しいのだろう。

 

苦労が待っていると分かりつつも、カーディナルのその表情は明るかった。

 

スクロールを使ったことで、広場の中央に脱出用のポータルが出現したので、俺たちはそれに乗って、ダンジョン内から転移して脱出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

…と、ここで話が終われば良かったのだが…実はこの話にはまだ続きがある。

 

…ピチョン…

 

水滴が静かに落ちる音が響く中、顔を真っ赤にした俺は家のある一室で頭を抱えたくなる事態に陥っていた。

 

(…どうしてこうなった…!?)

 

そんな悲鳴にも近い本音を心の中で叫びつつ、背後にある気配をなるべく意識しないようにしながら…俺は少し前のことを思い出していた。

 

 

「…あれ?ユウキがいない…」

 

ダンジョンを脱出し、ホームへと戻ってきた俺たちだったが、もう一人の住人であるユウキの姿が見えず、首を傾げていた。出掛けるという予定は聞いていなかったのだが…そんなことを思っていると、机の上にメモがあり…

 

『今日はスリーピングナイツのとこに泊まるね!』

 

ユウキの字で書かれたメモで事態を把握し、納得した。メッセージで送ってこなかったのは、ダンジョン攻略がいつになるか分からず、ホームに帰ってきた時に目につくメモを選んだというところだろうか。

 

「だってさ。今日はハンバーグにでもしようと思っていたんだが…」

 

「まぁ、仕方あるまい。ユウキにはユウキの都合があるじゃろう」

 

「それもそうだな。さて…なら、さっさと作って食べて、今日は休むとしようか」

 

体の疲労度(レゾナンスによる反動)はもうほとんどないし、身体を動かしたのもボスとの一戦ぐらいなので肉体的疲労はそこまでではないが、やはり頭を使い過ぎたせいか、そっちの疲労を感じていた。

 

最近はカーディナルに現実世界にある、アンダーワールドにはなかった料理を食べてもらいたい(もちろん、ユウキも同じ意見でだ)ということで、和食7割、中華2割、その他1割みたいな感じで料理をしていた背景があり…今日は和風ハンバーグを考えていたのだが、一人当たりの量が多くなりそうだと思った。

 

そんな計算をしながら、早速夕飯を作っていこうとしたのだが、

 

「…フォンよ。夕飯を作るのもよいが、先に汗を流してきてはどうか?ダンジョンを攻略してすぐに調理しては疲れが更に溜まるじゃろう」

 

「えっ…それはありがたい提案だが…お前を待たせることになるが、いいかのか?」

 

「別に構わんよ。こっちは作ってもらう側であるわけじゃし、少しぐらいの空腹も耐えれる。それに、わしが入浴しとる間に夕飯も作りあげられるじゃろう?」

 

「…それもそうだな。なら、お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」

 

気遣いからか、そんな提案がカーディナルから飛んできて、納得した俺はキッチンに向かおうとしていた足を、風呂場へと変えた。

 

…この時、何かを決意したようなカーディナルの表情に気が付いていれば、もうちょっと準備ができただろうにと、俺は後悔することになる。

 

 

 

「…こういう広い風呂を独占できるのは、やっぱりいいな」

 

風呂を沸かし、柑橘系(モドキ)の入浴剤(プレイヤーメイドで、それなり良いお値段がする)を湯に放り込んだ後、装備どころかアンダーシャツなども解除した俺は、掛け湯をして湯に身を沈めてそんなことを独り呟いていた。

 

ログハウスを増築して、リビングが広くなったり、キッチンの設備が少し拡張されたり、部屋数が増えたりなどしたが、それは風呂場にも適用されており…ファミリータイプのような足を延ばせるようなバスタブだったのが、真円形の少し大きいバスタブに変化したのだ。

 

浴室自体も少し拡張されたが、女性陣…何より、ユウキが一番喜んでいた。まぁ、現実世界の家よりも、大きなお風呂に入れるというのは、女性からすればやっぱり嬉しいものなのだろう。

 

…何回か、一緒に入浴しようみたいな誘いを受けたこともあった俺からすると、その誘惑が更に多くなりそうだという懸念も増えたわけだが…

 

「でも、風呂が広いと開放感があるよな~…これは風呂好きじゃなくても、ハマりそうだな…」

 

4、5人ぐらいは入れそうなバスタブに、顎の下あたりまで湯に身をつけながら、そんな感想が口から洩れる。外見はお披露目したが、中はまだほとんど見せてない新居…キリトもリビングを見ただけなので、これを見せたら羨ましがられそうな気がしてきた…主にアスナに。

 

そんなことを思いつつ、リラックスしたまま湯船に完全に身を委ねてしまおうなどと考えていると、

 

「…フォン、ちょっとよいか?」

 

「…カーディナル?どうしたんだ、いきなり…」

 

浴槽の外から、くぐもってはいるが控えめな声が聞こえてきて、リラックスしていた脳が少しばかりまったりへと引き戻される。

 

ここまで声を掛けに来たということは何か急ぎの案件がきたということなのだろうが…も少しのんびりさせてほしいという欲もあって、ぼんやりした思考で応えていた。

 

「う、うむ…そのな……お主はダンジョンで礼はいらんと言っておったが…やはり、わし個人としては気が済まないわけでな…何かできることはないかと考えてな…」

 

「別にいいってぇ…でも、気が済むっていうのなら、なんでもいいぞ~…」

 

まったり思考のせいで、ちょっと受け答えが適当になってしまっていた…だから、カーディナルがやけに早口になっていることにも気づかず、そして、ヤバいワードである『なんでもいい』という言葉を言ってしまい…

 

…ガチャリ…

 

「…えっ…ちょ?!~~~~~~~~~~!?」

 

何かが開く音がして、思考が一気に現実へと引き戻される!まさかと思い、右斜め後ろに位置する扉の方へと振り返りそうになるも、最悪の可能性が頭を過ぎり、視界を少しでも狭めようと、無理矢理身体を湯船に沈めた!

 

一瞬にして滅茶苦茶動きをしたせいで、身体が立ててはいけない音を発し、もの凄い痛みを味わうも…最悪の一歩手前で俺は自身の行動を制せれたのだが…

 

「お、お邪魔するぞ…」

 

「なぁ…なんで入ってきてんだぁぁぁぁぁぁ!?」

 

普通は逆なのだろうが、バスタブで視線を隠した俺は、風呂場に入ってきたであろうカーディナルに向けて、悲鳴に等しい糾弾の声を上げていた。

 

残念なことに、今のこの浴室に湯気なんてほとんどないので、ちょっとでも視線を上げれば…想像している光景が目に入ってしまうわけで、俺はバスタブより上に顔を上げることができないでいた。

 

「そ、そ、その…!こっちの世界では、恩返しの方法として、背中を流すという作法があると聞いてのう…せ、折角の機会だから、是非と…思ってのう…!」

 

「どこで調べてきたんだぁ!?クラインか、絶対にクラインだろう?!」

 

声からして、カーディナルも色々とパニックっているのが分かるほどに恥ずかしがっているのが伝わるが、俺はまた別の意味でパニックっていた。

 

いや、確かにある意味では間違ってないかもしれないが…俺とカーディナルの関係だと、色々マズいわけで…というか、心の準備ができてないのが一番マズい!?

 

「…というか、なんでこっちを見んのじゃ」

 

「見れるか!?お前の……その、裸をこんな形で見るわけには…いかないだろうが…」

 

なんか不満げな声が今度は飛んできたが、至極正論で…返そうとして、途中で恥ずかしさが優って、声が小さくなっていってしまった。

 

「…ふぅ…フォン。そこは問題ないから、ひとまず頭をあげてくれぬか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「…フォン」

 

「…分かったよ」

 

その頼みだけは固辞しようとしたが、二度目の催促…名を呼ばれた声色的に、このまま平行線でいるのは無駄だと悟り、俺は覚悟を決めて顔をバスタブから覗かせ…

 

「………はぁ…?」

 

それは安堵から漏れたものか、それとも、色々と覚悟してきた思いが無駄になったことへの感情か…いや、きっと両方のものが混じったのだろう。そんな声を出して、俺は彼女の姿を目にして…

 

「…み、水着…?」

 

「あ、当たり前じゃろう!?流石にお主を本気で困らせるような格好は……まだせぬわい。これなら、お主が心配していることも大丈夫じゃろう」

 

「いや、問題はそこじゃねぇから。それと、この行動自体が俺を困らせてるからな…!」

 

何故か正論のような言葉が飛んでくるが、大前提としての風呂場への乱入という行為自体がおかしい、と指摘できる程には頭が冷静になっていた。

 

カーディナルは水着姿で風呂場に入ってきていたのだ…さっき裸を見るのはマズいと無理矢理視線を隠したのが、逆に仇に…いや、あの行動は今考えても正しく、間違ってはいなかった筈だ、うん!

 

「コホン…この前、海に行った時に着ていた水着か」

 

「あれっきりにしてしまうのも勿体なかろう?それに、こういう湯船でも水着は使うとネットにはあったからのう」

 

「…お前のネットサーフィンをちょっと規制すべきかと思い始めたんだが…それでも、入浴中に突撃してくるのは…」

 

「お主が、わしの気が済むまで、好きにしてよいと言ったじゃろうが…」

 

「うぐぅ……!」

 

それを持ち出されると、こっちはもう反論できないわけで…言ったことを撤回するというような情けないことを惚れさせた女の子にできるわけもなく…

 

「…ちょっとだけ目を瞑ってくれ。タオルを身に着けるから」

 

できるのは、もう好きにしてくれと、全面降伏の白旗をあげることだけだった。

 

 

(…どうしてこうなった…!?)

 

頭を抱えたくなりつつも、俺は心の中で絶叫していた。

 

腰にタオルを巻き、椅子に腰かけた俺の背後には、水着姿のカーディナルがいるわけで…なんかもう、見られたら終わりだという状態に、違う意味で寒気を覚えていた。

 

「そ、それじゃ…背中を洗っていくぞ?」

 

「お、おう…頼む」

 

うわずった声が俺とカーディナルから出て、そんなやりとりが行われる。ここまで露出が多い状態で、女性と密室で二人っきりなど…意識するなという方が無理であって…

 

(…いや、耐えろ!耐えろ、俺!?これまでもこんな事態、いくつも耐え抜いてきただろう!?それをここで発揮しないでどうする!?)

 

そうだ…現実世界でユウキと同棲し出してから、似たような事例はいくつもあった筈だ!そんなよく分からん理論が頭の中を過ぎりがらも、俺は息を整える。

 

(そう…カーディナルはあくまでも恩返しでこうしてくれているだけだ!俺がやましいことを考えてどうする!欲望を忘れろ!?ただただ彼女の行動に感謝だけを感じろ!?)

 

まだその領域にまでカーディナルとは至っていないのだ!こんななり行きな形でいいわけがない!…いかん、なんか変な思考に陥ているような気がする…

 

「…ありがとうなのじゃ、フォン」

 

「…えっ?」

 

そんな謎の葛藤と忍耐を心の中で繰り広げている中、背中をスポンジで擦るカーディナルからそんな言葉が飛んできた。今日何度目かになるか分からないお礼の言葉に、振り返りそうになった。

 

…いや、水着だと分かっていても、やっぱり女性の露出している肌を見るのはちょっと抵抗があるわけで…

 

「なんだよ、いきなり…今日のことか?」

 

「…今日のことも含めてじゃよ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「アンダーワールドでも、こっちの世界に来てからも、そして、今日も…わしはお主と出会えたことに感謝しておる。お主がいなければ…わしはあの時、アドミニストレータに殺されておったじゃろう…お主の言葉がなければ、きっと折れておったじゃろう…お主がいてくれたから、今のわしは幸せになれておる」

 

「…そう改まって言われると、気恥ずかしいが…そうか」

 

いつの間にか、背中を擦る手が止まっていた。顔は見えなくても、そこ声色でカーディナルがどんな気持ちで話しているのかは理解できた。

 

「じゃから…その分、わしはお主のことが心配じゃ」

 

「心配…?…うおぉ……!」

 

どういうことかと尋ねようとした最中、頭からお湯をぶっかけらた。視界が湯でふさがれ、水を吸った髪から水滴が垂れ堕ちる中、背後の気配が移動し…カーディナルが先に湯船に戻っていた。

 

話の続きはそっちでということらしく、ここきたらという諦めと、話の続きが気になったのもあって、俺も続けて湯船に戻る…マナー違反と言われようが、腰のタオルはそのままにだ!

 

「…いい湯じゃな」

 

「広いからそう感じるだけだと思うぞ。温泉とかだと、もっとそう感じられると思うぞ」

 

「温泉…確か、アンダーワールドにもあったのう。もっとも、あれは人が簡単には辿り着けない奥地に存在するものじゃったが…」

 

「そういや、ALOにもあるのかねぇ…聞いたことはないが、SAOにあったんだから、新生アインクラッドの攻略が進めば、行けるようになるか」

 

「それは…また楽しみが増えたのう」

 

一緒に湯につかりながら、そんな感想を述べる俺たち…ちなみに、俺が湯につかった瞬間、カーディナルは俺の体にその背中を預けるように傍にきた…もう抵抗するのは諦めた。

 

「それで…何が心配なんだ?」

 

「お主は良い奴じゃ…優しく、賢く、勇敢…時折、箍を外してしまうのがキズじゃが…誰かのために動ける人間じゃ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「だからこそ、お主は自分のことを二の次にしてしまう…その欠点はお主も分かっておるじゃろう?」

 

「…ああ」

 

「お主はあまり欲を出さぬ…今回の一件で、最後の時にお主からあんな願いを言われた時、わしは驚き、嬉しかったのと同時に、心配になった…お主は自身の願いを制し過ぎておるのではないかと」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その指摘はある意味当たっていたと思う。

 

別に欲深いが良いと肯定するつもりはないが、謙虚すぎるのもどうかというのはあまりよくないことだろう。

 

俺の行動基準の多くは他者に依存しているものが多い。ユウキやカーディナルのこと然り、どうしても自分の後回しにしてしまうことが多い。

 

そんな俺を見ていたカーディナルからすれば、確かに今日の一件のことは驚くことだったのだろう。

 

「…まぁ、確かにそうだな。そればっかりは直せれない気がしてきてるよ」

 

「じゃろうな…じゃが、わしはお主がいなくなった世界なんぞ、想像できぬぞ」

 

「…っ!?」

 

「どうせお主のことじゃ。自分の身を削ってでも、何かを為そうとするじゃろう…本当はそんなことをする機会が訪れぬことを祈るが…お主は恐ろしいレベルのトラブルと遭遇する体質でもあるようじゃしな」

 

「…反論の仕様もありません」

 

既に異世界からの転入者だというのに、そこに並行世界に関わる力を持つデータをも携えているのだ…カーディナルの言う通りでしかなかった。

 

「だからこそ…わしがお主を止めてやる」

 

「…えっ?」

 

だからこそ、カーディナルから出た提案に、俺は驚く。琥珀色の双眼が振り向いて、俺の顔を捉えていた。

 

「お主がいなくなるよう繋ぎ止める、お主がここにいてもよいとわしも受け止める…だから、これだけは約束してほしいのじゃ。勝手に……黙って、わたしやユウキの前から消えることだけはしないでって…約束して」

 

カーディナルは俺の秘密を知っている。

 

だからこそ、ユウキと同じ不安を抱えていたのかもしれない…それは同時に、彼女の中で俺の存在がどれだけ大きくなっているかを表わしているものでもあって…嬉しいと思うと同時に、少し悲しくなった。

 

「…絶対に…とは正直約束できない」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「…けど」

 

「…っ///!?」

 

そう言って、俺はカーディナルを片腕で優しく背後から抱きしめた。これぐらいは許してほしいものだ…今から言う言葉と併せて。

 

「俺がいたい居場所はここだから…お前やユウキと一緒にいられるこの世界だから…何があったとしても、必ず帰ってくるよ…それだけは約束する」

 

「…ならば、良しとしようかのう」

 

不安は消せれただろうか…確証はない。だが、俺の答えに対するカーディナルの声色は明るいものだった。

 

「それにしても…お主は幸せ者じゃのう。わしやユウキにこれだけ想われておるとは」

 

「それ、自分で言うことか…まぁ、確かにそうだけどさ」

 

「そうでなければ、ユウキが秘密であんなことは…あっ!」

 

「うん…?ユウキがどうしたって…?」

 

「え、えっと…!?あ、あれじゃ!フォンに色々してあげたいと、この前言っておったからのう!料理とかも、お主がユウキに教えたのじゃろう!」

 

「…まぁ、そうだけど……怪しいな、何をかくし、ぶべぇ!?」

 

明らかに口を滑らしたカーディナルに追撃の言葉を放つも、水を顔にぶっかけられるという物理攻撃で止められしまう…なんか、カーディナルにそんなことをされる回数が多い気がするのだが…

 

「細かいことを聞く男は嫌われるらしいぞ?この前、どっかのネット記事で読んだわい」

 

「さいですか…そういう知識をネットで拾ってくるのはいいが、疲れないのか?」

 

「大したことではない、アンダーワールドにいた頃は、一日に複数の場所からきておった情報の報告を精査しておったのじゃぞ?それに、繋がりが切れた今、本に記憶を保管しておった弊害で、わしのフラクトライトの記憶容量もリセットされたようなものじゃからな…知らぬ世界を知っていくのにはちょうど良いぐらいじゃよ」

 

「…いやいやいや、ちょっと待て。今、とんでもないことを言わなかったか?細かい記憶を思い出せなくなったっていうのは聞いてたが、後半に関して初耳だぞ!?」

 

「…言ってなかったかのう?」

 

「言ってない、言ってない…!」

 

とんでもない暴露をされて、慌てて問い質すも…悪戯が成功したかのように微笑むカーディナルにとぼけられる。

 

そのまま混浴をしていることすら忘れ、俺たちは色々なことを話し続けた…が…!

 

「…きゅうぅぅ~……」

 

「…長風呂も考え物だな」

 

話に夢中になりすぎたせいで、あんまり体力のないカーディナルが逆上せてしまったのだ。湯船から慌てて救い出し…団扇で彼女を仰ぎ看病しながら、俺はそんなことを苦笑いと共に呟いていた。

 

 




スキル・武器解説
幻想剣≪曲刀≫3連撃ソードスキル〈ラック・アクローチ〉
 琥珀色のライトエフェクトを放つソードスキル。
逆三角形を描くように逆さになった底辺から時計回りに三連撃を繰り出す。モーション時間が短い以外に、確定でデバフを付与する追加効果があり、プレイヤーに対しては一秒ごと0.5%ずつHPかMPが減少するデバフを、モンスターには攻撃力・防御力・スピード・抵抗値・回復力のどれかを20%低下させる。
 確定デバフを与えられる強みがある分、(特に対モンスター)ランダム性が強い部分も否めず、与えるデバフは選べず重複する可能性も大いに考えられるため、そう意味では確実性に欠けるともいえる。(同じデバフが付与された場合、効果時間が延長される)

盾スキル『イノセンス・プロテクト』
 盾スキルの中でも高位に位置する防御スキル。
装備している防具の物理・魔法の抵抗値が高い方で、その防御力の150%を加算した障壁を盾の前方に発動する。この障壁はあらゆる攻撃を左右に分散する特性があるため、後方の味方を守ることに特化している
 但し、発動後に一分間使用者の攻撃力が半減するデメリットが存在する。クールタイム2分。

曲刀『ゴジ・サーペンティア』
 曲刀に属する古代級武器。フォンの自作武器の一つ。
薄い緑の刃を持つ少し刀身が長めの曲刀で、ナックルガードに青の宝石が象られた蛇の装飾がある。AGIに重きを置いた汎用装備。

重盾『パラギアス』
 盾に属する古代級武器。フォンの自作防具の一つ。
鏡を思わせるような光沢を持ち、真円形の白銀に金の円装飾が施された盾。重装備ではあるが、物理・魔法に対して高い防御力を持ち、殴打・投擲武器としても使えるよう、耐久値が高めになっている。

装飾『ヴァリアブル・イルモバ』
 両肩に装着する形のオプション装備。フォンの自作防具の一つ。
 エメラルドカラーの宝石を中心とした楕円形の追加装甲。魔法に対する抵抗値を一つにつき2%(両肩に装着するため4%)上昇させる。また、魔力によって走行時の空気抵抗を減らす効果がある。
 初登場はユウキ編だったが、こちらにて解説。

試作防具04
 フォンが現在試作中の新しい防具シリーズの一つ。防御に特化した性能が『04』、後日談で登場した赤い防具が重攻撃特化仕様の『01』となっている。本格的登場はもう少し先のようだ。

…はい、まさかのオーディン(映像)登場でした!

便利ですね、北欧神話の設定…まぁ、ちょっと絡めるのも面白いのかなと思ってのサプライズでした。

まぁ、カーディナルの魔法強化回でもあったキャラエピソード…WoU編でモーティマーを登場させた際に、このお話は考えていた形でして…猫妖精族にするにしても、上級魔法をどう使わせようかと思って、このお話をすることになったわけです。

…それと、まぁいちゃつかせたいなという考えもあったわけですが…(黒笑)どうしても、ユウキだけでなく、後から出てくるヒロインたちの出番を確保しないといけなくなるとこうなるわけで…この後に出てくる二人のことを書く時も大変そうだなと思ってます(苦笑)

…というわけで、次回は謎の???編。
さぁ、布石はキリト編から既に振っております!一体誰の話になるんでしょうね…というよりも、このカナデ編の最終話の展開的に、続けて投降しないとネタバレしやすいお話ですのんで…そういうわけで、連続投稿することとなったわけです!(あと、思った以上に筆が進んでカナデ編を一気に書き上げられたというのもあったわけですが…)

そういうわけで、本日お昼更新予定ですので、お楽しみに!

キャラエピソード第2弾 どのキャラのお話が見たいでしょうか?

  • 某トレジャーハンターF
  • リーファ
  • シノン
  • シリカ
  • リズベット
  • ユイ
  • クライン
  • エギル
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