「ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
「じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「……いつまで見てんだ、お前ら……」
帰還者学校に通い始めて、少し経ち……
俺は今、仲間たちと昼食を取っていたのだが、
リズベットとシリカ……もとい、篠崎里香と綾野珪子は窓から外を……いや、カフェテラスから見えるベランダでいちゃついてるバカップルを凝視していたのだ。が……流石に見苦しいと思い、蕎麦を食べ終わったところで、俺はようやく口を出すことにした。
「そうだけど……!ああ、これなら停戦協定なんてするんじゃなかったわ!」
「もう、リズ……里香さんが言い出したことでしょ!」
「そうだけどさ……ああも見せつけられるとね……」
「諦めろ……というか、SAOで結婚する前から、あいつらあんな感じだったぞ」
紙パックを悔しそうに握る里香に、珪子がジト目で責めるように言った。俺はその光景に呆れることしか出来なかった。
「…………くそぉ……」
「いいなぁ、明日奈さん」
「…………お前ら」
どうしようもないなと思い、俺も思わず外にいるバカップル……和人と明日奈を見た。
良く見ると、手を繋ぎながら、イチャイチャしていた。
前言撤回……あれはイライラするわ……
この後、絶対〆る……そう思い、俺はトレイを返却口へ返しに行くのであった。
「では、今日はこれまで!課題をアップロードしておきますので、各自ダウンロードの上、提出を忘れないように」
教師の言葉を最後に、やっと今日の授業が終わった。俺は背伸びをしながら、課題を端末にダウンロードした。
「お疲れ、蓮」
「ああ、お疲れ、里香」
「それじゃ、行きますか?」
里香に声をかけられ、明日奈とはまた後で、と話してから、俺たちは珪子と合流し、先に学校を出た。
向かうのは、エギルさんのお店『Dicey Cafe』であり、SAOのオフ会の会場だった。
「こんにちわ、エギルさん」「お邪魔するわよ、エギル」「遅くなりました、エギルさん」
「おう、よく来たな、お前たち」
俺たちの挨拶に、忙しそうに動きながら、エギルさんが応えてくれた。これはすぐに手伝いに入った方が良さそうだ。
「すぐに手伝いますね」
「悪いな」
……というわけで、俺は制服を脱ぎ、腕まくりして、手を洗ってから、エギルさんの手伝いを始めた。
俺は料理の手伝い担当であり、里香たちは飾りつけである。準備も整い、後は主役を待つだけということで、俺たちは待機をしていると……
ガチャ…………バタン
中を一瞥してから、ドアを閉められた。慌てて、里香が迎えに行き、和人たちを中に引き込んだ。そのまま台座に立たされた和人のスピーチからようやくパーティが始まった。
……とまぁ、始まったのはいいのだが……
「つ、疲れた……」
「ハハハ……お疲れだな」
俺は避難するようにエギルさんのいるカウンターへと座った。苦労を察してから、ねぎらいの言葉がエギルさんから掛けられた。
「みんな、俺やキリトに話を聞きに来すぎじゃないですか?」
「それだけお前さんたちの活躍が聞きたいんだろう……有名税ってやつさ。何か飲むか?」
「ジンジャーエールで」
「あいよ」
すると、エギルさんは慣れた手つきで飲み物を出してくれた。すると、和人もこちらにやってきた。
「ロックで……」
(何言ってんだ、こいつ?)
おもいっきりカッコつけて頼むも、エギルさんが手早く出したグラスをおっかなく飲む和人。そこでノンアルコールを出されたことに気が付いたらしく、ホッとしていた。その様子に俺が苦笑していると、クラインもこちらに来て、本物の酒を頼んでいた。
「おう、フォン!楽しんでるか?」
「それなりにはな。クラインも楽しそうだな」
「まぁな……まぁ、これで彼女がいれば、最高なんだけどな……」
その言葉に俺はから笑いするしかなかった。すると……
「やぁ、フォン君」
「ああ、ディアベル」
声をかけられ、反対側を向くと、さわやかな青年……ディアベルこと、檜山四郎に声をかけられた。
どうやら和人の方には、解放団のリーダー、シンカーと入籍したばかりのユリエールさんが話しかけていた。
それから俺たちは近況を報告しあった。今もディアベルはシンカーさんたちとともにMMOトゥデイで活動しているらしい。
すると、話は『ザ・シード』の話題となった。
……和人から聞いた話だが、なんでも世界樹で俺と別れた後、データの存在となった茅場に託されたものらしい(生きていそうとは思ったが……)
これにより、衰退の一歩を辿っていたVRMMOは見事に復活した。そして、ALOには……
「フォン……フォン!」
「うん?ああ、悪い。なんだ?」
「今、この後の予定を確認してたんだけど……大丈夫だよな?」
「もちろんさ」
和人の問い掛けに俺は大丈夫だと伝えた。
パーティはお開きとなり、俺たちはそれぞれ帰路についた。
俺も自身のマンションに着き、早速準備を始めた。
ナーブギアの後継機……アミュスフィア。
それを手に取り、頭部に装着し、ベッドに寝る。
「さて、それじゃ行きますか」
俺は深呼吸してから、仮想世界へと旅立つために、あの言葉を言った。
「リンク・スタート!」
景色が変わり、俺は最後に泊まった宿屋のベッドで目覚めた。
鏡を見ると、そこには工匠妖精の自分の姿が映っていた。
そのまま、宿屋をあとにし、町を飛び出し、空を飛んだ。ようやくマスターした随意飛行で夜空を駆けていくと、集合場所にすぐに到着した。
仲間たちももう既に集結しており、姿の見えないキリトとリーファがどこにいるのか尋ねようとした時だった。
ゴーン!ゴーン!ゴーン!ゴーン!
「来たか……」
懐かしい鐘の音が聞こえ、それは姿を現した。
鉄の城……ある男がどこかにあると夢見た空飛ぶ城:アインクラッド……
どうやら、キリトとリーファもすぐ近くにいたらしく、姿が確認できた。城に向かってゆく仲間たちと共に、俺はキリトに声をかけた。
「キリト!早く行かないと、おいしいとこ全部持っていくぞ!!!」
その言葉にキリトはリーファの手を引張り、こちらについてきた。
さぁ……新たな冒険の始まりだ!
フェアリィ・ダンス編 完
ちなみにオリ主はステータスリセットをしておらず、
須郷の改造のおかげで、ユニークスキルの『幻想剣』がALOでも使用可能となっております。
次回から、GGO編に突入します!
Extra Edition編は・・・気が向いたら、書きます。
※追記・修正に伴い、ディアベルのリアルネームを
勝手に決めました。まぁ、中の人ネタですが(笑)
次回更新 11日0時