…そして、あいつが…
それでは、どうぞ!
「…うっ……こ、こは…」
大きな音が聞こえた気がして、それに起こされる形で私は目を開いた。何かにもたれかかっているようだが…閉じていた目を開くと視界に入ってきたのは曇った空…重く、そして、違和感を覚える頭が働かず、何をしていたのか思い出そうとして…
(…そうだ…!竜のボスと戦ってて、動けなくなったフォンを庇って……フォンは!?)
竜のブレスをまともに喰らい、その衝撃で気を失ったことを思い出した…そして、自分と一緒にいた筈のフォンの姿が近くにないことに、全身が一気に冷え切るほどの嫌な予感を覚えた。
「っ…フォン…!」
もしかしたら一人でボスと戦っているのでは…フォンならやりかねないと思い、未だに違和感が残る身体をなんとか動かし、屋上広場へと続く階段を出せる速さで駆け上がっていく!
「…っ!…そん、な……」
広場近くにまで登ったところで、場の光景が見えた…そして、私は息を呑むことになった。
広場を囲っていたアーチはほとんどが崩れ落ち、それぞれの瓦礫が舞い落ちたことで広場には砂煙が蔓延していたからだ。そして、その広場を見下すようにボスは空を舞っていた。
「…フォ、ン……?」
砂煙が薄いところではアーチの柱がところどころ見え隠れしており、もしもさっきまでフォンが広場にいたとしたらただで済むわけがないと容易に想像できてしまった。広場には何も動く気配はなく、そして、ボスも何かあったのか身動きを取らずにいた。
私がいなかったせいで…フォン一人を戦わせたせいで、彼を見捨てたしまったのではという考えが頭をよぎり、それによって心が折れた…立っていられることができず、現実を直視することができず俯こうと…
「…ううおおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!」
「…!?」
その咆哮と共に砂煙が大きく動いた!広場に走った一筋の剣閃…何度か見たあの大技に間違いなかった。
そして、その咆哮の声を…私は知っている!
揺れる砂煙の中、どこかへと駆けていくフォンの姿を私は捉えた。
生きていた…無事でいてくれた!その安堵と共に駆けていく彼の姿を目で追っていた。そんな彼は私に気づかず、なんと…
「ぐうう!?…おおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!」
崩れたアーチを利用してシーソーの要領でそのまま空へと跳んだのだ!
これまで何度も見てきたとんでもないことの中でも、ある意味群を抜くその行動に、私は見ていることしかできず…
(フォン、武器が…!どうするつもりなの…?!)
だが、空へと飛び上がったフォンは何の武器も装備していなかった。さっき使った両手剣は限界だったのだろうか…そのままどうするつもりなのかと私が驚いていると…
「遅い!!」
なんと、右手でメニューを操作し、そのまま槍と手甲らしき武器を同時に……ちょっと待って。今のはどういうことだ…本来であれば、ありえない仕様のそれに私は自分が見ているものを疑った。
SAOにおいて武器の装備スロットは基本的に一つだ。これは絶対的な原則であり、例えオブジェクト化して二刀流として両手に片手仕様の武器二つを持ってもシステムエラーとなる筈だ。だから、装備換装ではまず一つしか武器をオブジェクト化できないようになっているし、例えアイテム欄から同時オブジェクトしても、交換や譲渡目的以外でやるプレイヤーはいない筈だ。
だが、上空にてボスと対峙するフォンはそのありえないことをしていた。そして、手甲の
方は腰のホルダーに携え、槍を大きく振りかぶっていた。投擲スキルだろうか…だが、その結果は全く違うものだった。
ボスの右目に突き刺さった槍が爆発したのだ。
槍が爆発する…そんなアイテムなんて聞いたことはないし、そもそも投擲スキルでも槍スキルでも聞いたことがない…!もしもあるとすれば…
「これで…最後だあァァァァァァァァァァァァ!!!」
驚きのあまり呆ける私を置き去りに、手甲を装備したフォンが叫びと共に流星のように加速したと思った次の瞬間、ドラゴンのボディに強力な一撃を叩き込み…そして、また私の知らないソードスキルでボスへと止めを刺していた。
あまりのことが次々と起こり、動くことさえも忘れていた私は…ただただフォンを見ていることしかできずにいた。ポリゴンと変わったボスがいた場所で、限界を迎えたようにフォンが倒れる光景を目にしながら…
「…今の……何なの…?」
見ているものが理解できず、自然とそんな言葉が出ていた。
確かにフォンはとんでもないスキルを所有していると言っていた…本人は言葉を濁していたが、あれはエクストラスキルの更に上の性能を持つ『ユニークスキル』の可能性が高いのだろう。
だが、それは両手剣のみのものだとフォンは告げていた。だが、今さっき見た槍と手甲のスキルは…少なくとも、私が知る普通のソードスキルではなかった。
「……すぅ………………」
「フォン……あなたは、なんなの…?」
出会ってまで数日とはいえ、多少は分かり合えていたと思っていただけに…私は眼下で意識を失くしているフォンへと見ていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(…まだ起きない。あれからずっと一人で戦ってたんだよね…)
ストレージに収納してあったマントを畳んで枕にし、そこにフォンを寝かせてもう10分くらいになるだろうか。
戸惑いはあったが、そのままジッとしていても仕方なく、レッドに突入し一割を切っていたフォンのHPを結晶アイテムで回復させ、目覚める間に瓦礫が残る広場を散策していた。
フォンがよく使う両手剣(確か『エンプレス・ジェイル』っていう銘だったかな?)や見たことない曲刀や樹海エリアボスの時にも使っていた両手斧が瓦礫に混じって落ちていた。どれも刃こぼれするほどに消耗しており、両手斧に限っては持った瞬間、刃が崩れてしまった。
そして、やることがなくなり、私は眠るフォンの横でその姿を見ながら考え事をしている…今に至るわけだ。
(聞いたら…教えてくれるのかな)
気になるのはやはり先程見た未知なるソードスキルのこと…フォンの性格からして、聞いたら教えてくれそうな気もするけど…逆に言えば、言わないってことは何か理由があってのことだと考えてしまうわけで…
(…それに……隠し事をしてるのは私もだから…)
気が引ける…彼に真実を伝えていない私に、彼が抱えている隠し事を探る資格があるのだろうかと考えてしまう。
(フォンなら…フォンになら打ち明けてもいいのかもしれない)
彼はとてもいい人だ。
何度か目を疑うようなことをしてきたが…それでも、その性格は善人だと思った。正義感が強くて、誠実で…私が自分を卑下するような言動をしても反論し受け入れようとしてくれて…遂には『相棒』だと呼んでくれるくらいに信頼してくれている。
短い付き合いだとはいえ、フォンになら私が抱えているものを告げれば力になってくれるかもしれない、とどこかで期待できるほどに彼のことを信頼している自分がいるのもまた事実だった。
「…うっ……こ、こは……?」
「あっ…目が覚めた?」
もう少し…あと少し覚悟を決める時間があれば、相談してみよう…そんなことを思っていると、呻き声と共に眠っていたフォンの眼がゆっくりと開いた。
なので、思考を中断して確かめるように問い掛けたんだけど…
「……ふ、ぃりあ…?」
「うん、私だよ。大丈「フィリア!?」ひやぁぁ!?」
どこか呆けた様子のフォンに応えようとして…その途中でいきなりフォンが私の両肩を掴んできたため、思わず変な声が出た!?
「もう大丈夫なのか!どこか痛いところは!?」
「だ、だ、大丈夫だから?!フォンが助けてくれたんでしょ…私はもう大丈夫、だから…その……離れてくれると嬉しい…」
「…はっ!わ、悪い!?」
いきなり近づけられた顔に驚きつつも、なんとか平静に答える!フォンって、綺麗な目をしてるな…なんてことを思いつつ、熱が頬に集まるのを感じながら離してくれと頼むと、冷静になったフォンもこの体勢は色々とマズいと気づいたらしく、すぐさま離れてくれた!
…本当にビックリした…
「その、本当にゴメン!?俺を庇ったせいで意識を失ってたから…つい心配になって…軽率なことをした、本当にゴメン」
「い、いいよ…いきなりのことで私もビックリしただけだし…気が付いて、広場に戻ってきた時にはもうボスは倒し終わっていたみたいだし…」
「っ……そ、そうか。フィリアが戻ってきた時には、もう倒し終わっていた後だったってことなんだな」
(…やっぱり、フォン的には知られたくないことなのかな)
必死に謝罪する姿から、本当にワザとではなかったと分かったので、私もそれ以上追及する気はなかった…ま、まぁ、事故みたいものだったし…異性にあんなに近づかれたのは初めてだったからドギマギしたけど…
一方で、私がボス戦のあとに戻ってきたと聞いて、フォンはどこか安堵していた。やはりフォン的には、あのスキルは私に知られたくないことのようだ。
少し思うところはあるものの、ここで言及することはなく、座り込んだフォンに目線を合わせるように座り込み、そのまま会話を続けていく。
「これ…瓦礫に混じって落ちてたのを拾っておいたから」
「…ありがとう。途中で回収することを諦めてたから…どれも酷いな。おまけに『ラーバ・ソリッド』は半壊状態か…これは修復しないと使えないな。防具の方は…ほぼ全壊状態か、これは当面使用不可だな…トホホ」
「ご、ご愁傷様…」
テキパキと鑑定スキルで武具の状態を見ていき、どんどんとフォンのテンションが下がっていく。特に防具の方はかなりのダメージを受けていたらしく、物凄い勢いで落ち込んでいた。
そんな珍しいフォンの落胆する姿に、私は苦笑いでその一言を掛けることしかできなかった。
「…そうだ。首飾りはどうだ?」
「うん、ちゃんと光が灯ってるよ…これでこのエリアもクリアできたみたいだね」
状況整理が終わったところで本題である首飾りのことを尋ねられ、胸元から取り出して光が灯っているのをフォンへと見せる。それを確認したことで、ようやくフォンも肩の荷を下ろせたような様子を見せていた。
「そうだな…でも、次のエリアに行く前に武器のメンテナンスだな。これは…今、倉庫にある素材でなんとかなるか?最悪現地調達になるかも…」
「…良かったら、私も手伝おうか?」
「うーん……いや、大丈夫だよ、足りないといっても些細な量だし…ひとまずは管理区に戻って素材の確認をしてからだな」
フォンの方も十分に休めたようで、ボロボロでもう防具の形すらも保ってていない(普段身に着けている『蒼炎の烈火』…だったかな?…をより豪華にしたような)鎧を外すべく、メニューを操作し、代わりにいつもの防具へと換装していた。
このまま長居しても意味がないので、すぐに管理区に戻ることになり…立ち上がったフォンについていこうとして…
「…ねぇ、フォン」
「うん?…どうかしたか、フィリア」
「…………ううん、なんでもない」
「そうか…?なら、管理区に戻ろうか。そうだ…ボス撃破祝いってことで、ちょっとリッチなご飯でも作るか。なんかリクエストはあるか?」
「リクエスト……………ステーキ、とか…?」
「けっこう王道なやつをいったな。それっぽい肉は……ああ、ちょっと等級は低いけど、A4級の奴が倉庫ストレージにあったっけ…」
「(…本当はさっきのスキルのことを聞こうと思ったんだけど…もう少しタイミングを見計らおう。私の方もちゃんと準備をしたいし…)…期待してるからね、コックさん」
樹海エリアの時は帰りにレッドプレイヤーと遭遇したこともあって、そんな空気じゃなかったけど…祝勝祝いって聞いて、そういえば、最近はあまり食べてないなと思ったことをそのまま口にしてしまうと、フォンの中ではステーキでメニューは決まってしまったらしい。
そんな、さっきは鬼のような闘気を放ってボスに止めを刺していたというのに…メニューを考案する今の姿からはそれを全く感じさせないフォンの姿に、心の中にある疑問をそのまま仕舞い込み、フォンの横に並び、もと来た道を戻り始めた。
「それじゃ、俺は鍛冶場の方に行ってくるよ」
「…本当に一人で大丈夫?」
塔の最上階エリアに設置されていた転移石を使い、浮遊遺跡エリアから管理区へと私たちは戻ってきた。
夕飯の前に、武具の修繕もしたいとフォンから要望があったので、倉庫ストレージから鍛冶に必要なものを入れ替えた彼は、鍛冶場がある『遺棄された武具実験場』へと向かおうとしていた。
素材も量は大丈夫だったようなので、やはりフォン一人で行くことにしたようだ。ついでに、調理もあっちでするつもりらしく、食材も持っていくようだ…まぁ、いちいち火を起こすくらいなら、炉の火を流用した方が早いし…煙の行く先が全く読めないここ管理区で調理するのはちょっと勘弁してほしい…作ってもらう側なのに我儘だとは重々承知してるつもりだけど…
「フィリアも疲れてるだろう?俺が戻ってくるまで休んでてくれよ」
「…いや、フォンの方が疲れてる筈でしょ。ほぼ一人でボスを倒したようなものなのに…そっちこそもっと休むべきだと思うんだけど」
「…え、えっと…それじゃあ、行ってくる!」
フォンは結構ワーカーホリックだ…鍛冶や調理などスキルの関係で仕方ないとはいえ、それでも多くを一人でやろうとするタイプだと、なんか分かってきた気がした。
心配というのもあるが、ちょっと呆れたのもあって、注意を交えてそのことを口にしたら、苦笑いと共に逃げるようにフォンは転移していった…一回、無理矢理休ませることも考慮すべきなのかもしれない。
「……一人、か…」
フォンがいなくなった管理区はやけに静かに思えた。
システムエフェクトらしきSEは聞こえるけど…基本的にフォンと一緒にいることが最近は多かったせいか、今では物足りない。
「寂しい、のかな…」
前まではこうして一人で…ソロで活動しているのが当たり前だった。
だから、別に一人になったところで気にしないつもりだった。
彼と出会った当初もそうだ…別行動を取っていた時も、むしろやりやすいと思っていた程に意識することなどなかった。
でも、今はそうではなかった…寂しいと思うのは、フォンと一緒にいることこそが私にとって当たり前になってきて…私がフォンにある程度心を許していることを指していた。
「相棒、か……フフッ」
彼が自分をそう呼んでくれたことがどこか嬉しかった。このままフォンと協力して、ホロウ・エリアを突破して、あっちに戻れれば…
(…私は…戻れるのかな…)
そうだ…一番重要なことを忘れていた。
フォンのことを考えていたせいで、私は私がしでかしてしまったあのことを忘れてしまっていた。
このままホロウ・エリアの攻略を続けていって…そして、もしアインクラッドの方へと戻れるようになったとして…私はあっちへ戻ることはできるのだろうか。
いや…そもそも、私はあっちの人間で本当に合っているのだろうか。
フォンに未だに伝えられていないあのことが頭を過り、そして、次に考えたのがフォンがアインクラッドに帰れるようになった時のことだった。
(フォンは…帰れるようになったら、きっとアインクラッドに戻っちゃうよね。そしたら、私は……また一人になっちゃうのかな)
フォンにだって心配している仲間がいるのだろう。現にもともとパーティを組んでいた別の相棒の話を何度かしていたのがその証拠だ。
フォンならば、戻れるようになっても私が戻れない限り一緒に残ってくれるような気もするが…彼の都合というものもある。ずっと一緒にいてくれるというわけにはいかないだろう。
そうなると、私は一人になってしまうのでは…そんな不安が胸中に宿り、思わず胸を抑えた。
そんな時だった。転移門が光り、遅れて転移のシステムエフェクトが発生したのが見えた。
「あれ、早すぎない?何か忘れ物でも………っ!?」
忘れ物でもあったのかと…フォンが帰ってきたとばかりに思っていた私はそう言い掛けて、そして、思わず鞘から獲物を抜いていた!刃先を向けるその先には…
「おっとと…物騒だなぁ、そんな危ねぇもんを突きつけるなよ」
「お前は…フォンが言ってた殺人ギルト『笑う棺桶』のリーダー…!」
濁ったカーキ色の皮ポンチョ…被ったフードの隙間から見れる顔の右側に彫られた青い入墨…フォンとは全く異なる様相の…あのレッドプレイヤーたちを仕切っていたリーダー、PoHとフォンが呼んでいたプレイヤーが、そこにいたのだ!?
警戒すると共にいつでも剣を触れるよう身構える私に、あいつは戦う気はないとばかりに、両手を広げてその場から動かないでいた。それをどこまで鵜呑みにできるか分からず、私も動けず睨み合うことになるが、
「まさか、こんな場所があるなんてな…お前たちをつけてきて正解だったぜぇ」
「っ…私たちを尾行してここに……(しまった…ボス戦の直後で油断してた…)」
尾行されていたことに気づけなかったことを悔やみつつ、どうやってこいつがここに来たのかを察した私は更に警戒度を上げる。
転移石の仕組みもこいつは分かったということなのだろう…せめてもの救いは、フォンだけが起動させられることを知られていないことか。アクティベートしても、見た目は変わらないため、起動するところを見られない限りはそう簡単にバレないだろう。
それと同時に、宝物庫に至る道で部下とのやりとりを盗み聞きしていた際に、こちらの存在がバレていたことも理解した。今、対峙している男は本当に油断できないようだ。
「それにしても、俺らのことを知っている奴がいるとは…こっちの世界ではまだまだと思っていたが、徐々に有名になってきたようだな」
「私たちを殺しに来たの?それとも、フォンがいなくなるタイミングを狙ってきたの?悪いけど、そう簡単にやられると思ったら…!」
「おーいおいおい…まぁ、落ち着けよ。見ての通り、こっちに戦う気はないし、お前ぇを殺しに来たわけでもねぇよ」
「PKを愉しんでるレッドプレイヤーが…それが目的じゃないっていうのなら、何の用でわざわざこっちの拠点にまで来たの」
男の意図が読めず、警戒心と緊張が入り混じった声色で目的を尋ねるも、奴は余裕そうな姿で…いや、まるで親し気な様子で言葉を発してきた。
「そんな怖ぇ顔するなよ…同じオレンジ同士、仲良くしようじゃねぇか?」
「あなたたちと一緒にしないで!?PKを愉しむなんて狂った考えは私にはないわ!…私はあなたたちとは…」
「知ってるぜ…俺はお前が何をしたのか」
「っ…!?!?」
その言葉が…こちらを見透かしたかのようなその一言が聞こえた瞬間は、私は思わず持っていた短剣を落としそうになった。
私がしたことを知っている…動揺が隠し切れず、鼓動が早まっていくのが嫌でも分かった。
「な、何を……私の何を知っているっていうのよ!」
「(ニヤリ)…おおぉ、怖い顔だぁ。オレンジになったのにそれ相応に理由がある。別に言ってもいいが、お前さんは本当にそれでいいのか?あの正義の味方気取りの奴にも言えてないのに、そんな重大なことを俺に知られているんだぜ?」
「(っ…!?こいつ、本当に私がしたことを知ってる…!)正義の味方…それって、フォンのこと?フォンに何かするのなら…!?」
「おうおう、怖い顔が更に怖くなったぜぇ。安心しろよぉ、別に何もしねぇさ………今は、な」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
これからは何かをするつもり…そう暗に仄めかした奴の言葉に、私は静かに息を呑んだ。私よりも、フォンに危害を加えようとする男の言動に…全くの躊躇いを見せず、それすらも愉しんでいるかのような姿に、恐怖を覚えたからだ。
「まぁ、今日のところはここで退散させてもらうぜぇ。今の話は他言無用をオススメするぜ…なんせ数少ないオレンジ同士。俺たちはきっと話が合うと思うぜ?……あんな善人ぶったヒーロー気取りの可哀そうな奴よりはな」
「…用がないなら消えろ…!」
本当に戦う気はないらしく、おとなしく退散すると告げた男の言葉に安堵した直後、私は思わず殺気を放ち、それを言葉に乗せてしまった。
フォンを侮辱するような言葉が許せず、つい感情が出てしまったのだ。
「これ以上怒らせると本当に殺されかねねぇな…分かった、分かった。言う通りに消えるよ。だが、オレンジのよしみで忠告しておいてやるよ。
お前ぇ……あいつと一緒にいたら死ぬぜぇ…?」
「っ…ちょっと、それどういう意味!?」
聞き逃すことができないその忠告…何かを見透かしたかのようなその発言は私の心を揺さぶるには十分過ぎた。
「そいつはぁ……お前さんがその目で見て一番知ってる筈だろう?」
「っ……!」
「じゃあな、また会おう」
「あっ…待って!?……私が死ぬ……フォンと一緒にいると…?」
言いたいことだけ言って、男はそのまま転移門を使って姿を消してしまった。
残された私は茫然と言われたことを繰り返し呟く。
その時、私の脳裏にあったのは、フォンが浮遊遺跡のボス相手に使用していた謎のスキルのことだった。
「…っていうことが、俺がいない間にあったらしいんだよな」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
浮遊遺跡での激闘…そして、後にフィリアがある選択をすることとなった出来事をも話し終えたところで、俺は大きく息を吐いた。
浮遊遺跡エリアでの時間はそう長くはないが、その内容は時間に見合わない程に濃かった…レッドプレイヤー集団との間接的接触、どこか奇妙な態度のプレイヤーとの遭遇、そして、天空を舞う竜との戦い、そして…幻想剣の真実を垣間見てしまったフィリアが不信感を抱いてしまったこと…それらを一気に話し終えたことで疲れを覚えたのが息を吐いた理由の半分だった。
では、もう残りの半分は何かというと…
「らしいと言うと、お主がそのフィリアというおなごから後に聞いたということか?」
「まぁな…またこの後にちゃんと話すけど、結局幻想剣のことはちゃんとフィリアに説明したんだが、その時、フィリアから奴と何を話したのかを聞いたんだ……なぁ、カナデ。もうそろそろいいじゃないか?」
「何を言う…あと、2分ほど時間は残っておるぞ?」
「(ジー…)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「それ、眼前で物凄い表情をしてるユウキを見てから言ってくれるかな!?というか、分かってて言ってるだろう、お前!?」
普通に話を進めようとしたカナデへと視線を下げながら答え、それと同時に先程からこっちへと向けられる視線に遂に耐えることができなくなり、俺はそろそろ勘弁してくれと告げた。
だが、無情にも…いや、どこか愉悦を含んだ笑みを浮かべたカナデはそれを拒否し…まるで見せつけかのように座り方を変えた。で、それを見たユウキの表情は…表情は変わってないが、発する圧が一段と増した。
さて、どういうことかと思うだろうが、話は簡単だ…俺の膝の上にカナデが座っているのが事の真相だ。
浮遊遺跡エリアの話をしていく中で、『飛竜の王玉』を手に入れた経緯を話した際、フィリアが俺に抱き着いたことも正直に話してしまったわけで…いや、だって、誤魔化したとして、バレたらバレたらでとんでもないことになりそうだったのだ。
そういうことで、正直に話したわけだが…まぁ、二人からすれば大変気分のいいものではないわけで…
「「これは何かお願い事を聞いてもらおう」」
みたいなとんでもないことを言い出したわけだ…目が笑ってない笑みと共に告げられたので、言い訳も説得する暇もなく頷くしかなかった。
というわけで、じゃんけんの結果、見事に一手目で勝負を決めたカナデが先にということで、俺の膝上へとお邪魔することになったわけだ。ユウキが勢いよく出したグーに、カナデが冷静にパーを出した構図はなんというか互いの性格がよく表れていたというか…
あと、ユウキさん…自分で言い出したことなんだから、もうちょっと我慢しなさいよ。今、人にはとても見せられない目になってるぞ。
…ちなみに、カナデを膝の上に乗せているが、そういう方面の欲とかは湧いてこない。いや、ユウキがスキンシップ激しいのもあって、こういうのには慣れているのだ。というか、そのぐらいの耐性ないと現実世界で同居とかもままならないわけで…
「(強いて言うなら、カナデ軽すぎないか?…ただでさえ、身体がこれなのに…もう少しカロリーあるもの食べさせた方がいいか?)…いった?!なにすんだよ…」
「お主の視線から邪なものを感じたからのう…良からぬことを考えておったのではないか?」
「…何のことやら。ほら、2分経ったぞ。ユウキと交代だ」
左太ももに走った痛みに思わず悲鳴が出た。どうやら視線で考えを読まれたらしく、抓った本人からのジト目が飛んできていた…それを無視し、暗にカナデへ膝上から下りるように告げると、流石に時間は守るべきだと判断したらしく、素直に下りてくれた。次はユウキの番かと声を掛けようと…
「ほら、ユウキ。おい「わーい!!」ぐえぇ…?!」
言い終わる前に勢いよく座ってきたユウキを受け止め…ようとして失敗した俺から悲鳴が上がる。文字通り思ってた以上に勢いがあったのだ、他意はない。
「ゆ、ユウキ…頼むからもう少しおとなしくきてくれると助かる…」
「だ、だって、待ちきれなかっただもん…!」
「さいですか…」
ユウキの言動に可愛いなと思いつつ、最近遠慮のブレーキが壊れ気味なような気がしてならない…いや、原因は確実に俺だし、そうなることを覚悟した上で今の関係を受け入れたのだ。
(…だからこそ、この先のことを話すのが怖いのだが…)
当時はいっぱいいっぱいだったし…そもそも、SAOの世界に転移しているとは思ってもみなかったので気づかなかったのも大きいが…この過去譚の結末を知っているからこそ、先を話すことを恐怖しているわけで…しかし、話し始めたからには途中で止めるわけにはいかないだろうし。
この先のことを話すことへの嫌な予感…というか、訪れるであろう結果に恐怖していると、二人は話を本題へと戻していた。
「でも、そのPoHって人…フォンとフィリアのことに気づいて、フィリアの方に接触してきたって話だったけど…フィリアがフォンに隠していたことも知ってたの?なんか、そんな感じの内容だったけど」
「いや、後にフィリアから聞いた感じだとどうやらそうじゃなかったみたいだ。フィリアのカーソルがオレンジであるのを利用して、まるで分かっている風な態度を装っていたんだろうな」
「…そんなことができるものなのか?ハッタリをかますにしても、些か策に欠けるような気がするのじゃが…」
「この場合、フィリアの心理的動揺を誘うのが目的だったんだろうな。現に、今の会話の中で、一言も確信を突いた話やら単語は出てきてなかっただろう?フィリアに見られた幻想剣やらユニークスキルの名称すら奴は出してないのがいい証拠だよ…フィリアのカーソルがオレンジだから、それに該当する行為なんて限られるから的を絞るのも難しくないだろうしな。
バーナム効果って言って、言われていることは大抵誰にでも当て嵌まることなのに、自分だけに言われたかのような印象を与える言い方があるんだよ。今回の場合はその一例だな」
フィリアと奴との会話の中で、気になったことを上げるユウキとカナデに、俺は冷静に解説を述べる。今、思えば、そのためにフィリアに接触してきたのだろう…俺では看破される危険があると察していたのかもしれないな。
「まぁ、でも…SAOでもフォンは規格外だったんだね。飛んでる敵に空中戦挑むとか、普通は思いつかないと思うんだけど…」
「お主、映現世の剣だけが特別だとは言い訳できぬぞ、これは…そういうことをやってのけてしまいそうだと納得してしまう自分がおるわい…」
「…いや、なんというか…あの時は無我夢中だったもので。改めてこうして話すと、確かにとんでもないことをやってたなという自覚はあるよ」
「フォンの場合はあれだね…混ぜたら危険って奴なんじゃないかな。幻想剣も映現世の剣も…フォン自身も結構オーバースペックなところあるし」
そして、話も纏め終わろうとする中、やはり話題は剣竜とのボス戦になるわけで…呆れた表情を視線としてぶつけられ、流石に今回ばかりは否定できずに素直に認めた。うん、流石にこれはやりすぎだろう。
あと、ユウキ…人をとんでもない扱いしているが、銃弾を(予測線があるからとはいえ)視て切るキリト以上の反射神経持っている君も人外だと思うぞ。
「…まぁ、浮遊遺跡での話はこんなところだ。それで、次のエリアへと向かうことになったんだが…その前にもちょっとしたことがあってな」
包み隠さず話すことにしていたので…避けては通れない道、というか話だと覚悟を決め、俺は次のエリアのことを話す前に、あの出来事のことを話すことにした。
話す前に内容を纏めるべく記憶を掘り返す…うん、一応は大丈夫な筈だ。二人を不機嫌にさせることはない筈……というか、そう願いたい。
そんな逃避にも近い願望を胸に、俺は話を再開したのだった。
武器・スキル解説
『魂白の願念』
幻想剣専用といっても過言ではない、幻想剣の使用を前提に作られたSAO時代のフォンの最強防具…となる予定だったもの。
幻想剣のバトルスキル『高速換装』を取得したことで、いちいちメニューを開かずに持ち換えるだけで装備換装ができる(システムエラーが一部緩和されている)ようになったことで、2~3つの装備を擬似的に同時運用することを目的にした防具であり、背中だけでなく左右の腰に武器をセットできるアタッチメントが存在する。
デザイン的には基本装備『蒼炎の烈火』と似ているが、防具名のように銀を主色とした少しくすんだ白色がメインカラーで、あちらと比べて装甲などが減少(理由は後述。胸部や武器を持つ腕といった最低限守らなければならない箇所に装甲を絞った結果)しており、よりスマートなデザインとなっており、もしも兜を被っていれば竜人のように見える形になっている。
コンセプトである『数多くの武器を短時間で使い分けていく高速戦闘』を可能とすべく、フォンのマルチタスク処理からなるあらゆる状況に対する即時対応力と『高速換装』スキルでの武器使い分けをメインとするため、フォン以外ではこの装備の真価を発揮することはまずできない。
メリットとして、やはりユニークスキル『幻想剣』の使用を前提とした作りとなっているため、機動力・可動域が抜群によく、フォンの技量も重なり様々な武器を即座に使い分けられることから、夢幻の名の如く予測不可能な高速攻撃を繰り出すことができることである。
特に対人戦においては様々な武器を次々と変えては幻想剣ソードスキルという大技を繰り出されてくるというのは悪夢に等しく、その上、フォンはただ武器を放り捨て、一度スキルを使うだけで最大三つまで装備を補充して、また攻撃を仕掛けることができるため…やられる側からすれば堪ったものではない。また、放り投げた武器も、装備制限が緩和されているフォンは拾うだけで換装できる=再利用も容易いため、戦場に使える手札をどんどん増やしていくことに近いため、なおさら性質が悪いと言えるだろう(相手も拾った武器を使えばいいじゃないかと思いそうだが、SAOのシステム上、メニューを開かないと装備の持ち換えができない仕様であるため、特段リスクにはならない…強いて言うなら、両手に武器を持つことが許される『二刀流』スキル持ちのキリトならできるが、習熟しているスキル系統の武器でないと逆に不利になるため、やはりフォンにとってはリスクは低い)
一方で明確な弱点も存在し、まず防御力がそこまで高くない。複数の武器を同時装備する仕様である以上、重量増加は避けられない問題であり、3つの武器を装備して戦おうとなると、『蒼炎の烈火』よりも大きく装甲を落とさざるをえなくなり、重要部分以外の装甲が薄くなっている(主に肩や太ももといった機動力さえあれば回避することで直撃を避けられる箇所)。一方で、素材がかなり希少なものを利用しているのもあって、防具単体での防御力は他の防具以上のレベルとなっている。
また、幻想剣の力をフルで発揮できるのだが、逆に使用者であるフォンへの負担を全く考慮していないこと、更には武器を使い捨て(正確には放り捨て)に近い戦法を取ることから、長期戦に全く向いていない。高速換装スキルを武器の換装だけに使うため、回収することがまずないのと、(浮遊遺跡エリアボスがいい例だが)フォンが持てる全能力を使ってようやく真価を発揮するため、一度戦い終わるとその反動が疲労となってくるため、すぐさま次の戦いに挑めないなど、一戦に全てを出し尽くすかのような戦闘を想定した防具となっているため、戦いの内容としては多様性に富んでいるのに、使用できる戦いが酷く限定されているという、ちょっとした矛盾を孕む防具となっている。
まぁ、それもその筈…この防具、本来の目的は確実に訪れる未来の話…75層での出来事を見据えた『ヒースクリフ打倒』を掲げたものであり、まさしく最終決戦仕様だったのだから。フォンにとっては勝たなければならない勝負だったので、万全を期したかったことだろう。しかし、完成度8割の段階で浮遊遺跡エリアボスとの激闘で使用し大破…そのまま、素材がなかったことでホロウ・エリア内での修理は断念し、アインクラッド帰還後も続けざまに74層での出来事などが起こり、結局修理することなく=未完のままSAOは攻略されることになったわけである(…まぁ、あのラストからしてこの防具で挑めていたとしても、多分同じように負けていたと思うが)。
ALO以降はこの防具は作られていないが、武器の同時装備というノウハウは他の防具に活かされる形で受け継がれている(SAOよりもALOの方が装備関連のシステムが緩いのも大きい)
モチーフは『死に装束』と銀リオレウス…アリシゼーションで登場した『映現世の翼衣』に対し、こちらは鎧タイプでの最終決戦を想定した装備と少し似ている部分がある。
細剣『メルクネイル』
細剣カテゴリーの武器の一つで、フォン作のプレイヤーメイド。
濃紫色の刀身が先になるほど細くなっている構造で、持ち手を覆うかのような大きめのナックルガードが特徴的。
細剣を使う時でも、重たい一撃や攻撃力に重きを置きたい時に使っていた武器であるため、STR・AGIを重視したステータスとなっている。
浮遊遺跡エリアボスとの戦闘で幻想剣ソードスキルの代償で破損…一応、再制作されたが、強化値もリセットされたため、当分出番はなそうである。
名前の由来は爪を連想させるような武器であるため『ネイル』となんとなくでつけた『メルク』をくっつけたもの。
曲刀『砂漠鳥の快刀』
番外編でも登場した、曲刀のカテゴリーに属する武器の一つ。フォン作のプレイヤーメイド。SAO終盤で曲刀といえばこれをフォンが愛用していた一品の一つ。
両手槍『鬼電』
アインクラッド編第10話に登場。活躍はそちらを参照…再登場してすぐに壊されるとは。
戦爪『陽陰虎』
手甲のカテゴリーに属する武器の一つ。フォン作のプレイヤーメイド。
手甲系統の武器では最前線でも使用できるほどのレアリティと性能を持つ。右の手甲は太く短い三本爪でアインクラッドにおける太陽を表す記号が刻まれている。対する左爪は細い五本爪で月の記号がある。AGI特化仕様。
幻想剣≪曲刀≫3連撃ソードスキル〈カースト・キリング〉
紫色のライトエフェクトが特徴の幻想剣ソードスキル。
レベル差・体格差・ステータス差などなど…あらゆる差によって威力が増減する特性を持つ。この差は上下というよりも、使用者と比較してどれだけ乖離があるかによって増減するという変わった換算方法を取っている(例えばフォンよりもレベルが100上の相手であっても、レベルが100下であっても、フォンからすると同じ100レベルの差があることになるので、ダメージ上昇量は同じになる。逆にフォンと全く同じレベル・ステータス・体格etc…クローンのような全く違いがない相手では減少しまくってダメージがゼロに等しくなると認識してもらえれば問題ない)
基本的にモンスター相手となると威力が減衰しにくいため、武器固有効果も合わさって対モンスター用に使われることが多い。
技名の由来はカースト制度とジャイアント・キリング。上下層共に効果があることから、卑下を込めての命名(対象によってはまさしく弱い者いじめになりかねないので)
幻想剣≪両手斧≫重単発ソードスキル〈エアルバイトゥ〉
黒色のライトエフェクトが特徴の幻想剣ソードスキル。
その場で跳躍してから真下へと斧を振り下ろすシンプルなソードスキルだが、幻想剣ソードスキル特有の特殊効果はもちろんあり、対象が浮いている場合(判断としては地面と接していないこと。壁に張り付いている場合も有効)に与えるダメージ値を1.5倍にし、更に使用者がいる高さに応じて更に威力が上昇するようになっている。
対空能力に優れているため、蜂系や鳥系相手にも少ない打数が有効打を与えられる…ように思えるが、両手斧自体がそこまで小回りがよくないため、本当に両手斧だけで戦う人にとってはというレベルに留まっている。
では、飛行が主流であるALOなら活躍できる…と思われたが、流石に飛行環境において後者の『高さによる威力上昇』は環境を一変させかねないとシステムに判断されたのか、SAOとの環境差ゆえにか、飛行中(正確には翅を出している時)には後者の効果が適用されなくなっている(翅をしまえば効果は適用される…ある意味落下速度を合わせた重い一撃を放てるが、空振れば大きな隙となりかねないリスキー技と化す)。
技名の由来は大気を意味する英語『エアリアル』と、食い込む・齧り付くなどの意味を持つ英語『bite into』を組み合わせたもの。対空技ということで、なんとなく響きを求めてのもので特に考えはなかったり…決してどこぞの魔女が駆るMSに引っ張られたわけではないです(他の技名考えていた時に、メルクワンとかメリクリウスとかも候補にありましたけど)
幻想剣≪両手斧≫高速6連撃ソードスキル〈アインズ・ストラップ〉
灰色のライトエフェクトが特徴の幻想剣ソードスキル。
背中に着く直前にまで両手斧を振りかぶり、そこから縦回転しながら前方に移動するソードスキル…と幻想剣の中ではとてつもなく珍しい特殊効果がないソードスキル。なのだが、技の形状自体が既に特殊で、攻撃中に少しでも触れれば6連撃がヒットする仕様となっている(システム的にそう認証されている)ため、防御や受け止めようとするのは完全な悪手であり、武器で弾こうとすれば逆に獲物を弾かれ直撃を見舞うことになるという結構凶悪なスキルでもあったりする。
一方で分かりやすい弱点も存在し、あくまで縦方向に高速回転したまま前方に突っ込むだけの技なので、ガラ空きとなる側面からの攻撃には滅法弱い。
名前の由来はモチーフとなった元ネタ、Vガンダムで知られるSFS『アインラッド』から。あっちは側面への攻撃への対処も完璧でしたが。
幻想剣≪細剣≫超重単発変動ソードスキル〈バックル・ウォートン〉
薄白青のライトエフェクトが発動時には宿る幻想剣ソードスキル。
かなり特殊なソードスキルであり、ソードスキルを発動させ構えている時間によって威力と効果が増減するという特性がある。
構えてから0~1.99秒ではリニアー以下の威力(ライトエフェクト:薄白青)、2~4.99秒で中級ソードスキル級の威力にクリティカルダメージを2倍(ライトエフェクト:水色)、5秒~9.99秒では最上位ソードスキルと同等&対象に確定ノックバックを発生させる&確定クリティカル&クリティカルダメージ1.5倍(ライトエフェクト:青色)、そして、最大となる10秒以上だと…5秒以上の能力に加え、同条件でこのソードスキル当てる度にダメージが乗倍化していくというとんでもない威力上昇効果が加わる。(ライトエフェクト:黒に近い程に濃い青色。一回目で2倍、二回目だと4倍、三回目で8倍…といった感じ。但し、相手が変わった場合カウントはリセットされる)
上記だけを見れば、溜め時間は仕方ないとしても十分強力なスキルのように思えるが、連発や常時使用ができないデメリットが二つ存在する。まず、発動してから構えて溜めている最中に身動きが取れない上に一度発動すると中断することができないこと。そして、それに続く形で、相手にヒットしようと外れようと、ソードスキル発動後に装備している細剣の耐久値がゼロとなり破壊されるというもの。そのため、発動後は手ぶらとなりほぼ無防備と化す(フォンには高速換装スキルなどがあるため、一応フォローはできるが継続戦闘ができないことはやはり不便なことが多すぎる)その代わりにこのソードスキルには硬直は存在しない。
技名の由来は背水の陣の英単語『Backwater formation』を捩ったもの。
幻想剣≪槍≫重単発投擲ソードスキル〈二クスプロード〉
黄緑色のライトエフェクトが特徴の幻想剣ソードスキル。
投げた槍が爆発する…というシンプルなソードスキルである。まぁ、幻想剣ソードスキルらしい非常識な能力だが。この爆発する槍は防御力を無視するため、装甲が厚いモンスターに大ダメージを与えたりタンク重視の装備すらも一発で大破させる高威力技なのだが、爆発する関係上、投げた槍は破損するのは当然であり、しかも投擲距離も5メートルとそこまで長くないのが弱点(逆に距離が近いと、自身が爆発に巻き込まれるという弱点もある)
余談だが、投擲するためか、(SAOでは)両手で扱うことが前提の槍を片手で投げるモーションとなっている。
技名の由来は爆破するの英単語『explode』とニトロをかけあわせたもの…爆発と思いついて連想したものを組み合わせただけのシンプルな理由。
本当に余計なことしかしないですね、こいつは…
まぁ、何か暗躍している人の話はまた後の機会にするとして…
ちなみに、この時のCVはゲーム同様藤原さんボイスをイメージしております(理由に関してはちゃんと補足しますので)
物凄くヒロインっぽい描写が多いフィリア…おかしい、当初はここでそうなる予定ではなかったのに…恐ろしや(苦笑)
そして、後半…章終わりということでユウキとカナデも登場でした。
とりあえず、罰(になってないと思いますが)としてお仕置きされるフォン…もう色々と枯れてると表現してもいいのでは(苦笑)鉄の精神力みたいなスキルでも持っているのか、こいつは…
二人から見ても剣竜戦のフォンはやっぱり人外レベルだったみたいですね…まぁ、それぐらいの方が面白いかなと(黒笑)それがフォンのいいところですし(他人事)
あとイチャイチャさせたかったのは、次章に移ると当面二人の出番が先になるのもあってです。次章が長いんですよ、話の都合で仕方ないのですが…
そういうわけで、疑惑編(サブタイを敢えてつけるならこうかと)である浮遊遺跡編はこれにて終幕です。次回はフィリアとのヒロインエピソードということで、一旦樹海エリアでのお話となります。
…ちょこっと言うなら、作者的にはちょっとギルティ判定のお話になるのかなと…お楽しみに!
それでは!