ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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新エリア突入です!
…といっても、導入ということもあって短めですが…(あとのお話的に、キリを考えると短くなってしまったもので…あと、マジで時間が最近なさすぎたもので…)

それでは、どうぞ!


第13話 「シーケイブへの踏み入れ」

「「…おー」」

 

潮の香りに誘われ、少し歩いていると…見下ろす先に青い光景が入ってきた。

 

光を反射する光で濃厚が変わる大海原、南国を連想させるヤシの木に波が満ち引きする白い砂浜と岩石帯…ここが『グレスリーフの入り江』エリアの入り口であることは間違いなさそうだった。

 

海を目にしたことで、浮遊遺跡とは異なる感動を覚えた俺とフィリアは揃って感嘆の声を上げていた。(飛竜ボスを倒し、障壁の封印を解くことができたことで新しく行けるようになった)前エリア『浮遊遺跡エリア』の一部である『海岸へ降り立つ巨人の階段』という、短い距離で高低差のある浮遊大陸がいくつも隣接するエリアを介し、ここへとやってきた。

 

エリア名とマップから想像はできていたが、こうして目にするとやはり思うところはあるわけで…

 

「うわぁ…綺麗な砂浜だね!海も澄んでてよく見える!」

 

「樹海や浮遊遺跡とはまた異なる感じだな。解放感があるというか…まるで南国の地に来たみたいだな」

 

「南国か…そう言われて思いつくのは沖縄とかハワイかな?」

 

「そういえばそうだな…修学旅行の定番の一つだし。俺は北海道希望だったけどな」

 

背伸びをしながら眼下の海浜に目を輝かせるフィリア。そんな彼女の気持ちが分かることもあって、俺も少し笑みを浮かべて応える。そんな中、修学旅行いうとワードが出て、そんなことを思い出していた。

 

(こうしてSAOの世界に来ることがなければ、行ってたんだよな……まぁ、ただの旅行として楽しんだだけだろうけど…)

 

子供ではそう簡単に行くことができない土地に行ける貴重な機会…俺にとって修学旅行とはそんな認識でいた。学生としての本分を果たさなければならない行事だと…

 

「…フォン、どうかした?」

 

「っ…!いや、なんでもないよ。海が舞台ってことなら、やっぱり魚系統や両生類のモンスターがメインだろう。油断せずに行こう」

 

考え事をし過ぎていたせいか、フィリアに声を掛けられたことで現実へと意識を戻された。元の世界のことを思い出したせいか、ちょっと感慨深くなっていたようだ。

 

そんなことを挟みつつ、浮遊大陸から連なる大地を下りていく中、フィリアが何かに気づいたようで…

 

「あっ、見て見て!あんなところに怪しげな洞窟があるよ」

 

「怪しげな洞窟って…洞窟に怪しいもないもあるのか?」

 

「むぅ~…そう思ったのよ。なんかこう、ビビッときたっていうか…」

 

「へぇ…直感って奴か。そういうのを聞くと根っからのトレジャーハンターだなって思うよ…一応確認しとくけど、お宝の匂いに引き寄せられてるとかじゃないよな?」

 

「失礼な…!私だって真面目な時と自分の趣味を優先するかのバランスは……考えて取ってるよ」

 

「おい、なんだ今の間は…」

 

フィリアが指さす先…視線を向けると、海水が流れ込む洞窟が見えた。別の小エリアがあるとは思うが、怪しいかと言われると…

 

そんな思ったままのことを口にしたら、フィリアが少し拗ねたように頬を膨らませていた。別にそういう意味ではなかったのだが、フォローしようとしてトレジャーハンタ―らしいと告げようとしてまた余計なことを言ってしまい…

 

と思ったら、フィリアの返答に意味深な間が込められていたことに俺は思わずツッコミを入れていたのだった。

 

 

 

「よっと!」

 

砂浜に降り立ち、フィリアが気になるという洞窟を目指す中、ポップしたモンスターに止めの一撃を振るうべく、俺は騎士槍を腹の部分へと突き刺した!

 

スカイフィッシュ型…空飛ぶ魚という種族名だが、マンタに近いモンスターの身体がポリゴンとなったところで、俺はショートランスを腰へと戻した。

 

「お疲れ…というか、槍まで使えたとは…」

 

ひと段落したことで自身の短剣をしまったフィリアが労いの言葉を掛けてくれた。それと同時に、両手剣から換装した軽槍『マガツマ・ジュネス』へと目を向けながら、呆れつつもどこか慣れた様子でそんな評価をもらった。

 

「色々な武器を扱えるようにしてるって言ったろ?基本的にエクストラも含めて、今は全ての武器の熟練度をマスターしてるからな」

 

「…うん、なんかそう答えるだろうなって思ってた自分がいるよ。フォンらしいよね、うん…」

 

「なんか納得いかない納得のされ方なんだが…」

 

幻想剣スキルを手に入れて以降、スキルの習熟度が急激に上がったこともありコンプリートしたのだ。

 

キリトからもあまり満遍なくスキルを上げるのは良くないと止められたことがあったのだが、幻想剣のスキル習熟度アップによって時間を削れるようになったことでできる荒業だからな…フィリアが呆れるのも分からないことはないが、納得のされ方にちょっと思うところがあった。

 

(…あれ、俺もキリトに染められてきてたのか?)

 

もしやフィリアの感じ方が普通であって、俺の感覚がバグっているのではという不安が頭を過った。もう少し行動に気を付けるべきかと思いつつ、目前に見えてきた洞窟へと歩みを再開する。

 

そして、洞窟の前へとやってきたのだが…

 

「…洞窟の中に海水が入り混んでいるせいか、かなり水位があるな」

 

「そうだね…これは中で戦うのは苦労しそうかも」

 

「そこに加えて相手は水槽系モンスターで地の利を得られる感じか…無理はせずに様子見のつもりで探索していこう」

 

遠くから見たとおり、海水が流れ込んでいるせいか、入り口の地点から足首の少し上まで水位があり、機動性が削がれることは間違いなかった。

 

俺はともかく、メインウェポンが短剣であるフィリアにとってはかなり厳しいだろう。ここは俺が前衛を務める方がいいだろう。

 

モンスターの方が有利であることも加え、いっそう警戒を強めて探索していこうと頷き合ったところで、俺たちは洞窟…『必ず救い出すと叫んだ通路』へと足を踏み入れた。

 

中は迷路と言っても差し支えないレベルで複雑に入り乱れていた。その上、フィッシュフライ系だけでなく、防御力がそれなりに高い甲殻系モンスター(いわゆる人の半身ぐらいサイズの蟹)もポップしており、海水に足を捉われる中での戦闘が続き、多少神経を削られる。

 

これは無理をせず、様子見に徹するべきだと判断したところで行き止まりに辿り着いた時だった。

 

『…高位プレイヤーの存在を確認。ホロウ・ミッションが起動されました』

 

「「…!?」」

 

まさかのシステムアナウンスが耳に飛び込んできて、俺とフィリアは思わず上を見上げてしまった…特に何も表示されていないので、驚きでついやってしまった無駄な行動だったのが…

 

だが、驚くのも無理はない話だった。これまでエリアボスでしか聞くことがなく、沈黙を保っていた筈のホロウ・ミッションが起動したのだから驚くのは当然だろう。

 

すると、俺たちの眼前にシステムウィンドウが表示され、

 

「『水の王者…ヒュドラの王によってエリア全体の水かさが増し水没する道ができてしまっている。道を元に戻すためにもヒュドラの王を撃破せよ!』…うわぁ、普通のクエストっぽい…」

 

「いや、普通のクエストってこんな感じだから」

 

「…だよな。悪い、今までのホロウ・クエストって全然中身が表示されることがなかったから」

 

「……そういえばそうだったね。全部ボス戦の時だけだったから、逆にこうやってやることを明示されるのもちょっと変な感じだよね」

 

これでもかといわんばかりに普通のクエスト感がある内容に素の反応をして、フィリアに突っ込まれた…もっともその理由を告げると、同意は得られたが。

 

「ヒュドラか…首が沢山ある竜だよな。って、また竜と戦うのか…」

 

「ヒュドラと聞くと毒のイメージもあるよね…解毒アイテム、あんまり持ってきてないけど、どうする?」

 

「…今日は場所を突き止めるまでにしておこう。ヒュドラの外見を確認して対策を考えたいしな」

 

浮遊大陸で散々相手取ることになった竜とここでも事を構えることになるとは…うんざりという感情を隠すことなく溜息を吐くと、苦笑いしつつフィリアが方針を訪ねてきた。

 

それに対し、先程まで考えていた無理をしない方針で行くことを決め、俺たちはヒュドラの居場所を探すためにもときた道を引き返し始めた。

 

(そういえば……あのバグったアナウンスはなかった)

 

突然の出来事ですぐには気が付かなったが、バグったアナウンスが今回はなかったなと思いつつ、海水を足で踏み分けながら、先行するフィリアを追った。

 

そのまま一日、海水洞窟の捜索に時間を割き、地続きの『深きに揺らぐ海流水門』、そして、そこから更に続く『水棲竜のねぐら』まで踏破したわけだが…

 

その最奥にて三つ首のヒュドラを発見したのだった。

 




次回はヒュドラ戦をやろうかなと…ガッツリ書けたらないいなぁ…

頑張ります(苦笑)(今週は多少落ち着いている予定…の筈…!)
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