ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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というわけで、おふらいんシリーズGGO編です。

半分くらい、GGOと関係ないお話です。すみません。

後半部分は本作品に関わる重大発表が待っています。

それでは、どうぞ!


そーどあーと・おふらいん むげんのせんき GGO編 

某スタジオ

 

「みなさん、こんにちは!そーどあーと・おふらいんのお時間です。司会のアスナです」

 

水妖精のアバター姿のアスナがお決まりとなったあいさつを述べる。その横には、

 

「こんにちは。解説のフォンです・・・というか、ALO編と連撮りなんて、スタッフもなんてスケジュール組んでんだよ」

 

GGOのアバター姿(某種系ガンダム主人公に似てる)のフォンが、連続での撮影にげんなりとした表情をしていた。

 

「さて、今回はGGO編のプレイバックを行っていきたいと思います。ちなみに今回は、プレイバックコーナーのみになります」

「えっ?そうなのか・・・?それはありがた・・・いや、そう思わせておいて、実はドッキリで何かを仕掛けてくる作戦か・・・どうせ、この番組のことだから(ブツブツ)」

「えーと・・・フォン君が疑心暗鬼に陥っていてますので、ゲストの紹介に移りましょうか?今回のゲストはこの方々です、どうぞ」

 

番組不信に陥っているフォンを放置し、アスナに呼ばれ、ゲストが登場した。

 

「どうも、初めまして。キリ子です」

バン!

「うおぉぉぉ!?」

 

GGO姿のキリト・・・もといキリ子が女の子喋りで登場した瞬間、キリ子目掛けて、銃撃が起きた。それを慌てて、避けたキリ子。

 

「な、なにすんだよ、フォ、フォン!?」

「・・・ちっ」

「舌打ち!?」

 

発砲主であるフォンに抗議するが、逆に辛辣な態度を取られたことに驚くキリト。

 

「フォ、フォン君!?いきなり発砲はやりすぎじゃない?」

「・・・そうだな。いやな、俺が憧れた友があんな趣味を持ってた、っていう悪夢から解き放たれたかったもんでな」

「そ、そこまでやるほどか!?」

「なんなら、盾で殴ってもいいんだぞ?今、GGOアバターだから、『幻影の盾』の効果も使えるしな・・・」

「・・・・・すみません、自重します」

 

フォンの目が本気だということを悟ったキリトは女口調を止めるのだった。

 

「は、話が脱線しましたが、もう一人のゲストの方にも登場してもらいましょう。どうぞ!」

「・・・はぁ。シノンです。スナイパーです。フォン・・・あんた、本当に大変そうね」

「分かるか、シノン?分かってくれるよな!?」

「え、ええ・・・!」

 

アスナの紹介と共に、現れたシノンがフォンに慰めの言葉を掛けた・・・が、ハイライトが消えかけたフォンの言葉に、同情したことを後悔し始めていた。

 

「それでは、プレイバックのコーナーに参りましょうか。しののんも遠慮なくコメントしてくれいいからね?」

「えっ!?この状態のフォンを放置して、話進めるの!?この番組、いつもこんな感じなの!?」

「それでは、まずはこのシーンからです」

「無視!?」

 

シノンの悲鳴に近い言葉を無視して、アスナは容赦なく番組を進行していくのだった。

 

〈蓮、銀座の高級喫茶店で菊岡と会うシーン〉

 

「ああ、あのお店のことね。あそこのケーキ、本当に美味しかったわね」

「そうだな。値段でびっくりしたかもしれないが、それ以上のクオリティだったな」

 

シノンとフォンが、ケーキの感想で盛り上がる一方で、

 

「菊岡か・・・あの人、どこか考えが読めない、っていうか、ちょっと苦手なんだよな」

「・・・私も苦手なんだよね、あの人。いつも飄々としているというか、底が見えないというか」

「あー、分かるな、その考え。あの人、胡散臭いというか、本音を見せないようにしているというか・・・そう、信用力ゼロなんだよな」

「・・・は、はっきり言うのね、フォン」

 

キリトとアスナの感想に、菊岡への低評価をはっきりと口にするフォンに、苦笑いするシノンだった。

 

「あの人が持ってくる話って、大体トラブルもののような気がするしな・・・」

「まぁまぁ・・・フォン君もキリト君も。一応、菊岡さんにはお世話になってるでしょう?」

「「・・・そうだけど」」

「・・・はいはい。そこまでにしときましょう?もしこの番組を見てたら、本人泣くわよ?」

 

ヒートアップする菊岡トークにシノンが手を叩き、話を中断させた。それが本人の為を思ってのことなのかは彼女のみが知ることだ。そして、次のVTRが始まった。

 

〈フォン、菊岡の協力者から武器を受け取り、試し撃ちをするシーン〉

 

「GGOって、色々な銃があるよな?この時、見せてもらったのだけでも、結構あったし・・・」

「俺もシノンの案内でショップを見たけど・・・剣の世界で生きてきた俺達には、かなり新鮮な光景だったよな?」

「そうなの?」

「ああ。SAOやALOでも武器屋はあったが、強い武器を求めるなら、モンスターからドロップするレアウェポンや鍛冶屋に素材を持ち込んでのプレイヤーメイドとかが多かったからな」

「・・・そういえば、ALOじゃ、売ってる武器って、GGOに比べれば少ないわね。まぁ、私の持ってるヘカートもレアドロップアイテムだから、強い武器を手に入れようとする手段は変わらないのね」

「GGOか・・・そう言われるとちょっと興味出てきたかも!」

「本当!その時は、案内するわね!」

「うん、よろしくね、しののん!」

「(そうなったら、ユウキも行きたいって、言いそうだな。GGOのソフト、買いに行かないとな)・・・それじゃ、次のVTRだな、どうぞ」

 

ガールズトークを聞きながら、そんなことを考えながら、フォンが次のVTRを紹介するのだった。

 

〈フォン、BoB予選決勝で盾を投げ、勝利を掴んだシーン〉

 

「「「・・・あー」」」

「あー・・・じゃないだろう!なんだ、そのリアクション!」

 

VTRを見た全員がフォンのことを、またこいつはやったのか、という目で見ていた。

まさかの非難の目に、流石のフォンも叫んだ。

 

「いやな・・・流石に持ってる盾を投げつけるのはどうなんだ?」

「しかも、空中に飛び上がってからの投擲で、相手の顔面狙ってるよね?」

「それがクリーンヒットした上で、マシンガンとハンドガンの乱射・・・決勝の相手からすれば、あんな戦い方をされたら、たまったもんじゃないわね」

「・・・解せぬ」

 

決勝の闘い方を事細かく解説されながら、非難されたフォンはいじけてしまった。

 

「というか、盾で弾丸を弾くという戦闘自体、ありえないから」

「・・・がはぁ!?」

 

ところが、シノンの容赦のない言葉の弾丸がフォンにクリーンヒットした。フォンは地面に這いつくばった。

 

「ハハハ・・・どんまい、フォン」

「あんたもよ、キリト。普通、光剣で弾丸を切り裂くとか・・・そんなバカな考え誰もしないから」

「・・・ぐはぁ!?」

「・・・えーと、フォン君とキリト君が当分立ち直れそうなにないので次のVTRにいきましょうか?」

「そうね。次は・・・このシーンね」

 

キリトもシノンに言葉に地面へと倒れたところで、これ以上、話を広げるのは危険だと察したアスナの言葉に、シノンが続きを引き取った。

 

〈フォン、デス・ガン・・・赤眼のザザと遭遇するシーン〉

 

「死銃、か・・・」

「・・・あんなことをする人間がいるなんてね」

「ああ。けど、あいつらがしたことは決して許しちゃいけないものだ。それが、ゲーム感覚で命を奪うなんて・・・絶対にあっちゃいけないんだ・・・!」

「・・・フォン君」

 

キリトとシノンの言葉に頷きながら、フォンは珍しく怒りを見せていた。フォン自身の経験や父親の仕事柄、そういったことにフォンは敏感だった。アスナもその変貌に驚いていた。

 

「・・・悪い、取り乱した。あいつを追って、俺とキリトはGGOに来たんだよな」

「ああ。だけど、死銃は奴だけじゃなかったんだ・・・」

「それが次のシーンだな・・・BoB本選で、俺がキリトたちと別行動を取った時の話だな」

 

キリトとフォンの会話に次のVTRがスタートするのだった。

 

〈フォン、もう一人のデス・ガンに奇襲を受けるシーン〉

 

「あの奇襲は訳が分からなかったな。見えないところからの正確無比な攻撃は、流石に俺も焦ったな」

「あんな攻撃してくるのは反則だよな。SAOとかALOだと、無人偵察機とか考えつかないよな」

「うんうん。私たちって基本、相手が目の前にいることでの戦闘が多かったもんね」

「・・・でも、ドローンを使ったスキルなんて、GGOでも聞いたことないわよ。それこそ、透明マントや宇宙船の外壁とか、完全に最高レベルのアイテムよ?」

「・・・それほどに、俺に対するキバオウの恨みは深かった、ってことなのかもな」

 

その恨みの重さを、直接対峙したフォンは、更に重く受け止めていた。

 

「グレネードランチャーと言えば、このBoBの後、凄腕のグレネードランチャー使いが現れたって、GGOで噂になったのよね」

「へぇ~・・・BoBの大会の影響なのかな?」

「そこまでは分からないけど・・・確か、チーム戦闘の大会・・・『スクワッド・ジャム』っていう大会に出場してたらしいのよね?それに、『ピンクの悪魔』っていう、凄腕のプレイヤーと組んで出場したらしいのよ」

「へぇ・・・それは是非戦ってみたいものだな」

「キリト・・・お前なぁ・・・」

 

シノンから凄腕プレイヤーの話を聞いたキリトはワクワクしていたが、光剣で弾丸を切られるのは相手にとってはたまったものじゃないと、相手に同情するフォンであった。

 

「それでは、次のシーンにいきましょう」

 

アスナの言葉でVTRが次のシーンへと移るのだった。

 

〈キリト、砂漠の洞窟でシノンを抱きしめるシーン〉

 

「はうぅ!?」「ちょ、ちょっと!?」

 

まさかのシーンに、キリトとシノンの顔色が一気に変わった。そして、

 

「キ~リ~ト~く~ん?」

「い、いや!これには深いわけがあってな!?決して、やましい気持ちがあったわけじゃなく、シノンが泣いているから、それをなんとかしようと!?」

「・・・問答無用!」

ズバァ!

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

必死な言い訳も通用せず、アスナの制裁がキリトに加わった。その横で、

 

「フォン!分かってんでしょうね!さっきのこと!?」

ガチャ!

「い、言わない!言わないから!?誰にも言いふらさないから、ヘカートを降ろしてくれ!?」

「・・・・・・・・・・・分かったわよ」

 

フォンが、シノンから脅迫という名の口止めをされていた。キリトの二の舞はゴメンだと、必死に謝るフォンにシノンもヘカートを降ろした。

 

「まぁ、この番組もそうだが、あの中継を見てる時点で、知り合いにはもう伝わってるから、手遅れな気がするが・・・」

「・・・・・そういうことはさっさと言いなさいよ!!!」

ズガァン!!!

「ごはぁ!?し、しまった・・・口が滑った・・・!」

 

油断したフォンはヘカートによって、吹っ飛ばされるのであった。

 

「はいはい!アスナもその辺にしときなさい!さっさと次のVTRにいくわよ!」

 

未だに制裁を続けるアスナに声を掛け、シノンはVTRの続きを再生させるのだった。

 

〈フォン、光剣による止めの一撃をキバオウに喰らわせるシーン〉

 

「ああ。このシーンか・・・」

「フォン君・・・さっき、上半身と下半身が分裂してなかった?」

「細かいことは気にするな。ご都合主義って奴だ。あの時は、必死だったからな・・・最後の最後に頼れるのは、剣しかないと思ったんだよな」

「・・・あのフォンがあそこまで苦しめられるなんてね。終わって、合流してみたら、全身煤だらけで、所々黒焦げてからね」

 

実際にフォンを見たシノンがそんな感想を述べていた。

 

「というか、今のVTRを見てて思ったんだが、フォンって、武器をいくつ盾に仕込んでるんだ?」

「あっ、そういえば、予選だとワイヤーも使ってたよね?」

「そのことか。俺が装備してた盾には、オプション武装が一つだけ装備することができるんだ。予選だと、拘束兼移動用鉄製ワイヤー、本選では、隠し玉として、光剣を装備してたんだよ。GGO編を見返してもらえば分かるが、本選だとワイヤーを使用してないのは、そういう理由だ」

「・・・・・あっ、本当ね。確かに使ってないわね」

 

キリトとアスナの問いかけに、フォンが盾のギミックを説明する。その説明を受けたシノンが本編を見返しながら、その事実を確認していた。

 

「ちなみに、セット可能なオプションとして、トリモチランチャー、小型ガトリングガン、ダミーバルーン、パイルバンカー、ミサイルランチャーとかもあったな」

「さ、流石GGO・・・オプションも豊富だな」

 

フォンの追加説明に、キリトは苦笑いしながら答えるのであった。

 

 

 

「さて、プレイバックのコーナーは以上となります」

「・・・これで終わり?思った以上に短いのね?」

「普段なら、もう一つコーナーがあるだけどな?大体俺にだけ、打ち明けられずに不意打ちでされたりするんだけどな・・・」

「・・・でも、俺達も何も聞いてないからな。本当にこれで終わりなんじゃないのか?」

 

アスナの終了を告げる声に、シノンが疑問を声を上げた。番組に対して、一切の信用がないフォンが疑いのまなざしで周囲を見渡すが、いつもは仕掛ける側のキリトも何も聞いていないらしく、首を横に振った。すると・・・

 

「「うわぁ!?」」「「きゃぁ!?」」

 

いきなりスタジオの証明が消え、4人が驚きの声を上げた。すると、スタジオの背景に何かがスクリーンで写し出された。

 

 

『ソードアート・オンライン 夢幻の戦鬼 

オリジナル長編エピソード 製作決定!!!』

 

 

の文字と共に、映像には、ボロボロ姿のフォンの背中が映っていた。その周辺には、片手剣やら両手剣、刀・・・様々な武器が転がっており、フォンが向かいあう先には、数千はいるであろう敵の姿と、一つの塔のビジュアルがあった。それを見た4人は・・・

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・えええええええええぇぇぇ!?!?!?」」」」

 

驚きの声を上げた。すると、スタッフがアスナの元へと一枚の紙を手渡した。

 

「えっ!?これを読んで?え、ええっと・・・今、入ってきた情報です!本編のオリジナル長編ストーリーの作成が決定したそうです!今、映った映像はキービジュアルで・・・・時系列はアリシゼーション編の後となるとのことです」

「「「お、おお!?」」」

「詳しい物語はまだ製作中とのことですが・・・ほとんどのキャラクターが総出演予定となっているとのことです!詳しい情報は後日発表とのことです!」

 

アスナの声に出演者だけでなく、SNSの声も盛り上がりを見せていた。

 

「そして、こちらの情報も解禁となります!どうぞ」

 

アスナがそう言うと、再び画面が変わり、

 

『ホロウ・フラグメント編  ロスト・ソング編 製作決定!』

 

「えっ!?ゲーム版のストーリーもやるのか!?えっ・・・今度は俺?」

 

驚くフォンに、スタッフが原稿を手渡した。

 

「ええっと・・・オリジナル長編エピソードを作成するにあたって、この二つの話を挿入することが決まったそうです。ホロウ・フラグメント編(以下HF)はアリシゼーション編の前後、ロスト・ソング編(以下LS)はアリシゼーション編の後を時系列にしたお話となっているそうです。そのため、現在執筆中のオーディナル・スケール編、アリシゼーション編後に、HR編、LS編、そして、オリジナルエピソードを作成予定・・・だそうです」

「詳しい情報は、決まり次第、追記していくそうなので、今後の更新を温かく見守って頂ければと思いますが・・・フォン君、今の気持ちを教えてくれますか?」

 

アスナに感想を尋ねられたフォンは恥ずかしそうに髪を掻きながら、答えた。

 

「そうだな。俺自身よく分かってないところが多すぎて、何を言えばいいのか、ちょっと困ってるけど・・・皆さんの期待に応えられるような活躍をしたいと思います!」

「はい!フォン君の意気込みを頂いたところで、重大発表のコーナーを終了したいと思います!」

 

 

 

「と、いうわけで、最後に重大発表等ありましたが・・・ゲストのシノンさん、いかがでしたか?」

「そうね・・・・最後の発表で色々と持って行かれたけど、最終的には色々楽しかったから、良かったわ」

「そうだな。今回は良い意味でのサプライズだったからな。いつもはこんな感じで終わってくれればいいだけどな」

 

シノンの感想にフォンが嬉しそうに頷いた。苦労人のオリ主の言葉にサッと目を逸らすキリトとアスナであった。

 

「それでは、皆さん。次回はマザーズ・ロザリオ編でお会いしましょう!」

「・・・はぁ。この後、また収録、とか言うんだろうな・・・」

 

アスナの言葉に、憂欝の表情になったフォンだったが・・・

 

「ああ、そうだ。言い忘れてたけど、マザーズ・ロザリオ編のおふらいんシリーズはアリシゼーション編の超ネタバレになるから、途中まで投稿しないんだって」

「・・・マジで!?やっ(ブツ!)」

『この番組は、BoBで刺激的なバトルをお届けする、SBCグロッケン総督府の提供でお送り致しました』

 

アスナの言葉に、喜びの声を上げたフォンの言葉は、提供のナレーションで遮られたのだった。

 




というわけで・・・

HF編、LS編プロット制作開始しました。
オーディナル・スケール編が思った以上に早く完成しましたので、近いうち投稿しながら、アリシゼーション編を書いていくつもりです!

詳しいことは後日、お知らせできればと思います。
次回は、今度こそ第5章『オーディナル・スケール』編になります。
もう9割方は完成してますので、誤字脱字等確認すれば、投稿開始します。
それまで、お待ち頂ければと思います。

それでは、また。

次回更新 17日0時予定

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