このお話の前に第0話も投稿してますので、
お気をつけ下さい。
ここで語るとネタバレしか言えないので、本編をどうぞ!
AM 07:24
キリトの話を聞いた俺達は24層の北部にある大きな樹木が生えた小島へと来ていた。そして、キリトが今、戦っているプレイヤー・・・『絶剣』を見ていた。
「あれが『絶剣』か・・・今まで無敗というだけに凄い実力ですね」
「だろう?リズベットとリーファも挑んだんだが・・・」
「・・・なるほど・・・」
隣のエギルさんからの情報に納得してしまった。リズもリーファも決して、弱いプレイヤーではない・・・むしろ、ALOでは上位の実力者であるが・・・
『絶剣』は格が違った。
『絶剣』・・・話によると、1月1日から現れ始め、今いる小島に毎日午後3時となると現れ、立ち合いを希望しているらしい。ルールは1対1で、地上戦か空中戦のどちらかを挑戦者が選べるらしい。
そして、勝者にはOSSが贈られるらしい。当初は、その姿勢に反感を覚えたプレイヤーたちがこぞって挑戦したらしいが・・・誰もがHPを3割も削ることができなかったらしい。そんなに失敗した人が多いのに、挑戦が絶えないのは・・・
「それにしても、11連撃のOSSか・・・」
「ああ。さすがのフォンでも、そんな連撃のOSSは開発できてないだろう?」
「そうだな・・・」
クラインの言葉にデュエルを見ながら答えた。
確かに、俺もキリトも普通の状態では11連撃のソードスキルの開発はできていない。
確か、今のALOの正式な最多連撃OSSは、サラマンダーのユージーン将軍の両手剣8連撃ソードスキル『ヴォルカニック・ブレイザー』だったな。
そんなことを考えていると・・・
「あっ・・・!」
「おいおい、嘘だろう・・・!?」
「キリトが・・・負けた・・・?」
デュエルの決着が着いた・・・そう、キリトが負けたのだ。その結果にエギルやクラインも呆然となっていた。絶剣のHPは5割を切っており、善戦したようだが・・・
「お兄さん、凄かったよ!今まで戦った人の中で一番強かったよ!」
「そうか・・・ありがとう」
絶剣とキリトは握手をしながら、そんな会話をしていた。そのままキリトはこっちへと戻って来た。
「えーっと・・・それじゃ、次に挑戦したい方、いますかー?」
「・・・はい!」
「うん・・・?それじゃ、そこのお兄さん!どうぞ!」
・・・というわけで、『絶対最強の剣』・・・通称『絶剣』に挑戦するべく、俺は手を挙げた。
俺以外に、挑戦者はいなかったようで、『絶剣』・・・彼女の指名を受けた。
大剣を背負い直し、俺は彼女が待つ広場へと歩みよった。その途中、戻って来たキリトとすれ違った。
「気を付けろよ、フォン・・・」
「・・・うん?」
「彼女は・・・VR世界の申し子だ」
「・・・!・・・分かった」
キリトの言葉に、俺は呼吸を整えてから彼女の前に立った。
「さてと・・・ルールは大丈夫、お兄さん?」
「ああ」
「翅はどうする・・・?」
「なしでいいかな?」
「うん!それじゃ・・・始めようか?」
『絶剣』がウィンドウを操作し、デュエルの申請画面が表示された。
プレイヤーネームは・・・〈Yuuki〉・・・ユウキ・・・?
その名前に、あの世界で偶然出会った妖精のことを思い出した。
(まさかな・・・?)
そんなことを思いながら、俺は《Yes》を選択した・・・のだが・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
『絶剣』・・・ユウキがなぜかこっちを凝視していた。
「・・・お~い、どうかしたか?」
「・・・・・あのさ、お兄さん・・・どこかで会ったことある?」
「・・・いや、多分・・・初対面だと思うけど・・・」
「・・・・・そっか・・・そうだよね・・・ゴメンね、変なこと聞いて」
「・・・いや」
一応、彼女の疑問は解消されたようだ。ユウキは真剣な表情に戻り、片手剣を構えた。
俺も背中から両手剣『カラウ・シェプング』を抜き、片手で持ち、半身を引く・・・いつもの戦闘スタイルを取った。カウントが徐々に減少していく。
・・・3、2、1、0・・・
「「!!!」」
俺とユウキは一斉に飛び出し、剣をぶつけ合った。火花が飛び散り、押し勝とうと互いに剣に力を込める。
「はぁぁ!」
そのまま大剣の巨体を生かし、ユウキを吹き飛ばした。更に追撃をかけるも、流石は『絶剣』・・・あっという間に体勢を立て直し、俺の連撃を捌き切った。
「っ・・・!?」
「ふっ!」
連撃を全て弾かれ、わずかな隙をユウキが見逃してくれるわけもなかった。急ぎ大剣を手元に戻すも、ユウキのカウンターがかすり、HPが少し減少した。
「っ・・・・・強いな」
「フフッ・・・」
(本当に強い・・・・!VR世界の申し子、か・・・)
キリトの言葉を思い出し、俺は思わず笑ってしまっていた。
いつ以来だろうか。強い相手と戦い、楽しいと感じたのは・・・俺も剣士の端くれなんだと思わず笑ってしまった。
(だからこそ、彼女の全力と戦ってみたい・・・!)
「・・・ちょっといいかな?」
「・・・うん?どうしたの・・・?」
ユウキに手を挙げて待ったをかけた。そのまま、俺は左手でウィンドウを操作し、SAOから愛用しているスキル・・・《高速換装》を選択した。
選ぶはもちろん・・・
「・・・・・悪いな。こっからは、こっちも本気でいかせてもらう・・・!」
「・・・っ・・・それって・・・!?」
『蒼炎の烈火 Ver2』・・・SAOで使っていた武器・防具はデータ破損によって、ほとんどが使えない状態になっていた。そこで、新しく作り直したのがこのVer2である。
性能は全盛期に比べれば落ちるが、ディティールはほとんど変わっていないし、使い勝手も良いのだ。防具変更に併せ、片手剣『クロス・サヴァイブ』を左手に装備し、
我流の二刀流を構えた・・・のだが、ユウキはなぜか驚いていた。
「・・・すぅ、はぁぁぁ・・・・・逝くぞ!!!」
右手の大剣を上段に、左手の片手剣は体の前に水平に構え、闘気を全開にした。
俺の雰囲気が変わったことにユウキも構え直した。
「「はぁぁ!!!」」
再度、俺たちは剣をぶつけ合った。そのまま、大剣でユウキの剣を弾く。
「・・・・・!」
先程とは違う剣戟に驚きながらも、ユウキはすぐさま反撃に応じてきた。それを片手剣で受け止める。そのまま速の剣戟をぶつけ合う。
「「・・・!」」
互いの獲物が、大きく火花をぶつけ、ラッシュが続く。互いに決定打が出ない中、ユウキが動いた。
「でやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「・・・うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
片手剣単発ソードスキル〈ホリゾンタル〉・・・それを属性余波まで両手剣で受け流し、俺も片手剣単発ソードスキル〈バーチカル〉を放つも、ユウキに受け流されてしまう。
属性余波の爆風の中、俺たちは数合剣をぶつけ合い、そのまま煙から飛び出した。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」
俺の両手剣がユウキの腕を、片手剣が頬をかすり、HPを削る。だが、ユウキも的確な反撃で俺の肩をえぐる。互いにHPを少しずつ削りながらの高速ラッシュが続いた。
(・・・勝負・・・!)
「・・・・・っ!?!?」
何度目かの鍔迫り合いの時、俺はユウキの体に膝蹴りを叩き込んだ。俺が力を緩めたところに、バランスを崩したユウキも流石に反応できずに動きが一瞬止まった。
(もらった・・・!?)
そのまま、片手剣4連撃ソードスキル〈バーチカル・スクエア〉をユウキに繰り出した・・・が、
(っ・・・!?うそ、だろう!?)
だが、ユウキはその4連撃を完璧に防ぎ切ったのだ・・・まさかの反応速度に俺は驚くしかなかった。硬直に襲われた俺に、ユウキは紫色のオーラをまとった片手剣を構え、突っ込んできた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
斜め5連撃が、俺の体を貫いた。だが・・・
(まだだ・・・!!)
硬直が解け、反撃のために両手剣でソードスキルを発動させた。
両手剣5連撃OSS〈アドバス・バリスタ〉。高速での3連突に斜め十字2連切り上げ、それで、ユウキのソードスキルを相殺する・・・だが、ユウキはまだ最後の一撃を残していた。
(これが・・・噂の11連撃!?・・・・・・・けど!!!)
「っ、えっ・・・!?」
もう動けないはずの俺が、硬直無し・・・硬直を無視し、ソードスキルを両手で交互に放つシステム外スキル《スキルコネクト》・・・それを用いて、左手の片手剣重単発ソードスキル〈ヴォーパル・ストライク〉を放ったことに、今度はユウキが驚く番だった。
「「・・・っ!?」」
互いの一撃がぶつかり、大爆発が起きる。
そのまま、ノックバックにより、互いに吹き飛ぶが・・・俺は、2度目のスキルコネクトで両手剣のソードスキルを発動させ、体を強引に前へと動かす。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「・・・!?!?!?」
・・・幻想剣《両手剣》超重単発最上位ソードスキル〈エンド・オブ・フォーチュン〉・・・オーラによって三つに分かれた剣先が、ユウキを飲み込んだ。そのまま、ユウキは後ろへと吹き飛んだ。
(これで、最後・・・!!!)
微かに残ったユウキのHPを削るため、硬直の解けた俺は一気に飛び込み、上段から両手剣でユウキを斬ろうとした時だった。
(・・・っ・・・!?)
倒れているユウキが、あの時の妖精のユウキとダブって見えたのだ。
(今のは・・・何だ・・・?)
驚きの余り、思わず剣を止めてしまった俺は呆然とユウキを見ることしかできなかった。
「・・・やっぱり、強いね・・・フォン」
「・・・えっ・・・?」
広場の端に、尻もちをついたままのユウキの言葉に思わず、驚きの声が出た。
「えへへ・・・その装備に、さっきのソードスキル・・・あの怖い樹のボスモンスターを倒した時のと一緒のだよね?」
「っ・・・どうして、それを・・・・・!まさか・・・!?」
「・・・そうだよ。ボクは・・・あの洞窟で出会って、一緒に戦った妖精・・・『ユウキ』だよ。やっと、思い出してくれた?・・・フォン」
・・・
・・・・・
・・・・・・・
えっ?ちょっと待って・・・?
絶剣は、SAOの隠しダンジョンで出会った妖精で、
この女の子のユウキ・・・?
「・・・・・ええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!」
「うわぁ、そんなびっくりしないでよ・・・!」
「わ、悪い・・・けど、本当にあのダンジョンで会ったユウキ、なのか!?」
「そうだよ!もう・・・!ボクはフォンの装備を見て、思い出したのに・・・」
「・・・そうか・・・君が・・・」
衝撃の事実に、やっと頭が追い付いた。そうか、それでさっき俺の顔とキャラネームを見た時や、『蒼炎の烈火』を見た時に驚いていたのか・・・
「いてて・・・それにしても、まさかボクのOSSを真正面から破ってくるなんて・・・あの時もそうだけど、本当にフォンって、ある意味、常識外だよね・・・」
「ソードスキルを簡単にいなす、君には言われたくないぞ」
「えぇ~・・・フフフ・・!」
「・・・クス・・・」
「「アハハハハハハ!!!」」
その言葉に、思わず互いに笑ってしまっていた。不思議なものだ、さっき思い出した仲だというのに。
「さて、まだデュエルの途中だったよね・・・って、いってもこの状況はどうみてもボクの負けだね・・・」
「・・・そうでもないさ」
「・・・えっ?」
「・・・・・だって、こうするからな」
驚くユウキに、俺はウィンドウを操作して・・・
「アイ・リザイン」
降伏宣言をした。
「「「「「「「「「「えっ?・・・・・・・・・・・・・
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?!」」」」」」」」」」
俺の行動に、周りの観戦していたプレイヤーが大きな声を上げた。
あまりの大ボリュームに思わず、耳をふさいだ。
「な、なんで・・・!?だって、フォンが勝ってたんだよ!?」
「うーん・・・それなんだけどさ・・・流石にさっきのは卑怯だなって、思って」
「卑怯・・・?」
俺の言葉を、ユウキは不思議そうな表情をしながら呟き返していた。
「ああ・・・俺、途中から戦い方を変えただろう?
ユウキが知らないスキルも使ったし、こんな勝ち方で、ユウキのOSSをもらうわけにはいかないだろう?」
「で、でも・・・」
「それに、俺のことを思い出したりとか、ユウキも途中でペースが乱れたりしただろう?
そういうのも含めて、仕切り直しってことで・・・駄目か?」
「う~~~ん・・・分かった。フォンがそこまで言うのなら・・・でも、約束だからね!」
「ああ」
「・・・さて、それじゃ、みんなにも説明しないとね」
俺の言葉に、一応納得してくれたユウキと再戦の約束をし、その場にいたプレイヤーたちに説明を始めた。俺とユウキの試合はノーカンでまた後日再戦すること、まだまだ挑戦は引き続き、募集するとのことで、周りも納得してくれた。
とりあえず、キリトたちの元に戻ろうとその場を後にしようとした時だった。
ガシッ!
「・・・・・ユ、ユウキ・・・?」
ユウキに腕を掴まれ、思わず立ち止まってしまった。
「決めた・・・!フォン、一緒に来て!」
「ちょ、ちょっと・・・いきなり!?うわっ、とと・・・!?」
翅を広げ、飛び立とうとするユウキに腕を引っ張られたまま、俺も慌てて翅を広げた。
「お、おい!?フォン!!!」
キリトたちが何か言っているが、そんな余裕もなく、俺はユウキに半ば連れ去られる形でその場を後に・・・いや、飛んでいくことしかできなかった。
次回 SAO~夢幻の戦鬼~
「ねぇ、フォン。ボクたちに力を貸してくれないかな?」
「解散する前に、記念になる何かを作ろうって・・・そう決めたんだ・・・!」
「・・・・・理由は分かった」
「ボクたちと一緒に、戦ってほしいんだ!僕たち・・・スリーピングナイツと!」
『眠り続ける騎士達』
・・・目覚めろ、その魂!
【ソードスキル解説】
両手剣5連撃OSS〈アドバス・バリスタ〉
高速3連突きの後、右、左の順で斜め十字2連切り上げを繰り出す。
フォンがスキルコネクトの初撃用に開発したOSS。
幻想剣《両手剣》超重単発最上位ソードスキル〈エンド・オブ・フォーチュン〉
オーラによって伸び、三つに分かれた剣先の両手剣で相手を薙ぎ払う、火・水・風・土の4属性混合ソードスキル。
決め手として、フォンが多用するソードスキルの一つ。
オリ主無双回でした。
ちなみに幻想剣無しだと、オリ主確実に負けます。
スキルコネクトはキリトとの特訓で、オリ主も使えるようになってます。
幻想剣ソードスキルもスキルコネクトで使用できますが、幻想剣ソードスキルを連続で使えば、無理な体制で放つため、体に大きな負担を掛ける設定になってます。
また、幻想剣はスキルの効果・ソードスキルのモーションは変わってませんが、ソードスキルの威力が弱体化・最上位ソードスキル以外が無属性扱いなど弱体化している面もあります。
さらに、フォン独自の両手剣・片手剣二刀流は、本来想定していない武器二本装備に、両手剣を片手で装備することでの体力の消費増加、アンバランスでの体重移動など、フォン自身の能力を最大限に生かすことができる一方で、多大な負担をかけることから、最大でも10分しか戦えないため、幻想剣同様、ここぞという時にしか、
使用しないようにしています。
また、今作から、登場した幻想剣ソードスキル(OSS)の解説をオリ主設定に反映させていきます。そちらも参照して頂けばと思います。
次回更新 26日 0時予定