ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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ちょっとしたエピローグ回です。

ある意味で終わりの一つ・・・
そして、始まりのお話・・・

マザーズ・ロザリオ編最終回です。

それでは、どうぞ。


最終話 「ユウキと創る明日」

(あれ・・・どこだ、ここ?)

 

ふわふわとした感覚で俺は目の前の光景を見ていた。自分がどこにいるのかは分からなかったが、そんなことはどうでも良かった。俺の視線の先には、

 

「蓮・・・遅いよ?」

 

ALOのアバターのように髪を伸ばし、胸元に花を飾った紫のドレスに身を包んだ木綿季が恥ずかしそうに、だが、どこか待ち望んだかのようにほほ笑みながら、俺に声を掛けた。その声に俺は・・・

 

 

 

(・・・・・やっぱり夢だよな)

 

ウトウトしている内に、どうやら眠ってしまっていたようだ。

かなり現実的な夢だったなと思いながら、ウトウトしてしまうぐらいに自身が疲れているのを認識させられてしまったことに苦笑してしまった。

 

(あれから・・・もう一週間か)

 

満開の桜を見ながら、俺はベンチでぼぉーとしていた。この桜もこれから散っていくものだと考えれば、切なくなるのは、日本人の性なのだろうか・・・

 

(あれから、色々とあったものな・・・)

 

この一週間であったことを俺は思い返していた。

 

 

 

まず、スリーピングナイツのことについて・・・

木綿季が退院した翌日・・・驚くべき事象が起きていた。

なんと、スリーピングナイツのメンバー全員の病気が回復に向かいだしたというのだ。シウネーに至っては、先日、退院したとのことで、その報告を聞いた時、俺とユウキ、アスナはもう驚くことしかできなかった。

シウネー以外のメンバーも、退院・・・とまではいかないらしいが、症状が軽くなったり、治療が効をなしてきたりなど・・・奇跡と呼んでもいいことが起きているらしい。

 

 

 

次に俺の両親・・・

ユウキの退院日・・・父さんと母さんが俺と共に木綿季を迎えに行った。父さんに至っては、仕事を休んでまで来たぐらいだ。そのぐらい、木綿季を気に入ってくれているようだ。

俺だけでなく、両親まで迎えに来てくれたことを知った木綿季は涙ぐみながら、満面の笑みを浮かべていた。そのまま、母さんが俺のマンションで手料理を振る舞ってくれ、家族団らんの時間を過ごした・・・両親が木綿季のことばかり構っていたことに、木綿季と両親それぞれにやきもちをちょっと焼いたのは、余談だ。

帰り際には、玉には家に帰ってくることを約束させられた。

 

 

 

そして、今後の木綿季との生活だったが・・・

 

「学校!?僕も行けるの!?」

 

そう・・・春休み明けから木綿季も帰還者学校に通えることになったのだ。菊岡さんに事情を説明すると、二つ返事で手続きを進めてくれたのだ。この前、菊岡さんに会ったのは、その件で資料と荷物・・・制服を受け取りのために会っていたのだ。それを伝えると、木綿季はテンションを爆発させ、喜んだ。

まだ春休みなのに、木綿季用に準備してもらった制服に身を通して、様々なポーズを取っているくらいだ・・・冷静になってから、顔を赤くして・・・

 

「蓮・・・僕を、殺して・・・!」

 

とお願いされた時には、本気で困った。本当にこんなこと言われるとは思ってもみなかった。

ちなみに、このことは和人たちには秘密にしていた。

・・・春休み明けに、木綿季が登校している姿に和人たちが絶叫し、明日奈に問い詰められたのはいい思い出だ。

 

 

 

その他にも、木綿季用のアミュスフィアやALOのソフトを買いに行ったり(流石に両親に金を出して貰う訳にはいかず、エギルさんのお店でバイトした)、学校に備えて、勉強道具を買いに行ったり、デートに行ったり・・・

 

(なんやかんやで濃厚な一週間だったな・・・)

 

そんなことを思い返しながら、春の気持ちいい日差しに眠気を誘われ、再びウトウトしていると、

 

「蓮!買って来たよ!」

「うぁ!?ああ、お帰り・・・木綿季」

 

ここ最近、一番聞き慣れた・・・最愛の人の声に、俺の意識は再び現実へと引き戻された。声の方向へと視線を向けると、木綿季が飲み物を手に戻ってきていた。

 

「もしかして、寝てた?」

「いや・・・色々と思い返してただけだよ」

「色々・・・?」

「木綿季と再会したこととか、一緒に住みだしてからの時間とかかな」

「へぇ~・・・はい、コーラ」

「おう、ありがとう」

 

お礼を言ってから、コーラを受け取る。

木綿季も俺の隣に腰を掛け、オレンジジュースの缶を開ける。

 

「それにしても・・・遅いね、みんな」

「もうすぐ来るさ」

 

木綿季の言葉に、俺は時計を見て、もうすぐ集合時間であることを確認してから、そう答える。そう・・・今日は、木綿季の退院祝いを兼ねて、和人たちとお花見に来たのだった。

 

「・・・・・ありがとね、蓮」

「・・・うん?いや、俺も来たいと思って「そうじゃなくって」・・・?」

 

木綿季に言葉を遮られ、思わず首を傾げてしまう。木綿季は視線を落とし、語り始めた。

 

「蓮と出会わなかったらさ・・・僕、こんな風に生活できるなんて、思ってもみなかったからさ」

「・・・・・」

「あのまま、退院して、自分の気持ちに素直になれずに、蓮や明日奈たちと別れたりしてたら・・・僕、絶対に後悔してた・・・・・だから、ありがとう」

「・・・・・・・ああ」

「・・・僕、今もでも、ふと思うことがあるんだ・・・もしかして、今もまだ夢の世界にいるんじゃないかって・・・僕はまだ病院にいて、これもゲームの世界じゃないか、って・・・」

「・・・・・そうだな、もしそうなら・・・」

 

不安そうな表情を浮かべる木綿季の手を握り、

 

「れ、蓮・・・?」

「・・・俺が、夢じゃないって、教えるよ」

「・・・それじゃ、今、教えてほしいな・・・」

 

そう言われ、木綿季に期待の目で見つめられた。それに応えようと、顔を木綿季に近づけ・・・

 

「こ~ら~!そこの、バカップル!」

「「っ!?!?!?」

 

突然の怒鳴り声に、正気に返る俺達。慌てて、振り返ると、苦笑している和人たちがいた。叫んだのは、どうやら里香のようだ。少し前から、見ていたようだ・・・

 

「・・・みんな来たみたいだな」

「う、うん・・・・そう、だね」

 

顔を赤くしながらも、みんなと合流するため、立ち上がる俺達。

 

「・・・よし!行こう、蓮!」

 

笑顔の木綿季が先に駆けだす。俺はその背中を見つめていた。

 

あの時、SAOのあの洞窟でユウキと出会って、ALOで再会して・・・何度も戦って、告白して・・・恋人として過ごして・・・

 

それはこれからも変わらず・・・いや、これからは一緒にもっと思い出を重ねていくのだろう。

 

そういう未来を想像した俺は、

 

「れ~ん!早~く~!!」

「・・・おう!」

 

木綿季の催促に大きな声で答え、笑顔で走り出すのだった。

 

 

マザーズ・ロザリオ編 完

 

 

 




・・・ここまで書いて、軽く燃え尽きてます。

やりきったな・・・と感じです。



もちろん、物語は続きますが(笑)
次回は、オーディナル・スケール編になります!
フォンとユウキ・・・二人が直面する、ARを舞台とした物語にご期待下さい!

まぁ、その前に、短編やらおふらいんシリーズを投稿しますが・・・ここら辺でストック尽きたので、書き上がり次第、投稿していきたいと思います。
少なくとも、周1で更新はしていきたいと思ってますので、長い目で見て頂ければと思います。

それと・・・おふらいんシリーズでちょっとした発表もできればと考えてます。

というわけで、次回は遡りまして、おふらいんシリーズALO編・GGO編になります。

次回更新 13日 0時予定
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