おふらいんシリーズ、マザーズ・ロザリオ編の開幕でございます!
WoUの予告が大反響を頂いていたみたいで、作者的には「はぁ……はああぁぁぁぁっ!?」…と嬉しい声にならない悲鳴を上げておりました(笑)
まぁ、当分の間は息抜きということでカオスと笑いの本シリーズをお楽しみ頂ければと思います!裏話や本編では書き切れなかった懺悔回でございますが、それでもよかったどうぞ!
※注意!!
マザーズ・ロザリオ編はもちろん、続章のオーディナル・スケール、アリシゼーション前半のネタバレを少し含みます。本話から初見でご覧になられる方は本編を先に目を通して頂いておくことを強く推奨致します。
いつもの某スタジオ…
またしても帰ってきた狂気の人気番組!その名は…
『そーどあーと・おふらいん まざーず・ろざりお編』
「タイトル明けまで5、4、3、2…はい、どうぞ!」
「読者のみなさん、こんにちは!そーどあーと・おふらいんの時間です!今回から司会を務めます、闇妖精のユウキです!宜しくお願いします!」
「どうも。本番組の解説を担当します、工匠妖精のフォンです。本日も無事に済めばいいなと思いながら、頑張っていきます。よろしく」
スタッフの合図と共に司会席にいたユウキとフォンがそんな挨拶をすると、拍手の音共に背景の壁に文字が映し出された。
『待ってました』とか『この番組が復活するとか夢みたい』とか『ユウキちゃん、結婚してくれ!』というとんでもない文章を含め、次々と表示されていく。
「うおっ…凄い反応だな」
「今回はネットの方でも同時中継してるから、リアルタイムで視聴者さんの声が届く、本家同様のシステムを採用してるんだって!」
「…というか、ユウキに対しての求婚の声多すぎないか?…スタッフさん、そいつのアドレス特定しておいてくれませんか?後で、ちょっとオハナシしてくるから…!」
「止めて、フォン!?黒いオーラがはみ出てるから!?」
早くもツッコミ役のフォンが暴走し掛け、慌ててユウキが止めに入る。その光景に『バカップル漫才GJ!』、『ヤバい!?夢幻の戦鬼に消される!?』との声がネットから出ていた。
「コホン…失礼しました。本番組は『ソードアート・オンライン 夢幻の戦鬼』のマザーズ・ロザリオ編の名場面の振り返りや本作では語り切れなかった設定や裏話について、語っていくことを目的とした番組です」
「当然ながら、本作を読んでもらっていることを前提で、更にキャラ崩壊・メタ発言も多々飛び出しますので、それらが苦手だという方はお気を付けください。それでは、番組のスタートです!」
フォンとユウキから注意事項が告げられ、ようやく番組がスタートした。そして、番組恒例のゲストの紹介へと話は移った。
「さて、それじゃゲストの紹介だ。マザーズ・ロザリオ編第1回目の記念すべきゲストは、もちろんこのお二人だ。それではどうそ…はぁ…」
「「ゲスト紹介が投げやり過ぎる!?」」
途中から完全にやる気のない紹介にゲスト二人から抗議の声が上がる。そして、転移の光と共に現れたのは、
「どうも、影妖精のキリトです!」
「こんにちは!水妖精のアスナです!」
「はーい…本作ではお馴染みで、原作主人公で、この番組では大体諸悪の根源である、キリト、アスナのお二人だ」
「…って、フォン!?扱いが雑すぎるだろうが?!」
「そうよ、そうよ!?ユ~ウ~キ、フォン君が虐めるよ…!」
「……いや、これまでのこのシリーズのフォンの扱いを見てたら、こうなるのもしょうがないと思うよ、アスナ」
「ユウキが冷たい!?」
フォンの容赦のない扱いに、アスナがユウキへと助けを求めるが、まさかの裏切りに逢い、悲鳴を上げていた。
「まぁ、冗談3割は置いておいて…」
「「7割は本気?!」」
「二人にはプレイバックのコーナーでも色々と話を聞かせてもらうからよろしくな…一応釘は刺しておくが、暴走しないようにな?」
「もう…フォン君ったら酷いな。ユウキが初司会を務めてるのに、ユウキに迷惑を掛けるわけがないでしょう?」
「アスナの言う通りだ。俺がボケるのはフォンがツッコミを入れてくれる時だけだ」
「よし、お前ら。ぶった切るからそこになおりやがれ、このボケカップルが…!」
「ストップストップ!ぶった切るのは番組が終わってからにして、フォン!?」
『ぶった切るのは別にいいのか』というツッコミが背景画面に流れるが、ツッコミ役のフォンが暴走するカオスの中、お構いなしに番組は進行していくのだった。
トピックス:ユウキが初めて成功した料理は肉じゃがだったらしい(失敗回数2回)
「それではプレイバックのコーナーです!」
「今回は第0話~第4話の名場面を振り返っていくぞ。俺とユウキの再会シーンや戦闘回を中心とした話だから適切な解説を頼むぞ…特にゲストの二人」
「「はーい」」
「…信用ならねえ返事だな…とりあえず最初のシーンはこれからだ」
ゲスト二人を全く信用していないフォンが半眼で睨むも、どこか諦めの表情のまま、プレイバックの動画を紹介するのだった。
〈フォン、久々にALOにログインして、キリトとユイに愚痴るシーン〉
「まさかのここからかよ!?」
「…うわぁ…ご両親と和解する前のフォンって、こんなこと言ってたんだ…」
死んだ目でブツブツ呟く彼氏の姿に、隣に立つユウキも流石にドン引きしていた。そんなユウキの姿にフォンは精神的ダメージを受けた!
「これって、私が実家に戻っていた時だよね?」
「そうだな…アスナよりもフォンの方が先にALOに入れなくなったんだよな。その後、すぐにエクスキャリバーの獲得クエストとかあったから…あの時はフォンがいてくれたら、もっと楽に攻略できてたかもしれないんだよな」
「エクスキャリバーって、確かレジェンダリーウェポンだよね?ALOに一つしかない武器ってなんか憧れるよね!」
「そうだな。そういえば、リズも雷鎚ミョルニルを持ってたな。一回見せてもらったことがあるが、あれはあれで反則的な性能を持ってるよな」
当時を振り返るキリトの言葉から、フォン不在時に起きたエクスキャリバー獲得クエストの話から話題は伝説級武器になり、ユウキの言葉に賛同しながら、ミョルニルのことを思い出し、苦笑いするフォン。
「伝説級武器と、プレイヤーメイドで作れる最高ランクの古代級武器ではどうしても性能的に超えられない能力差があるからな」
「その分、入手が難しいんだよね。それにエンシェントウェポンも作られる人は限られてるんだってリズが言ってたね」
「ああ。マスタースミスの中であることが最低条件だからな。というか、今思ったら、アスナの持ってる世界樹の杖も伝説級武器だよな…うちだけで3つも所有してるとか結構ヘイト集めそうだよな?」
「だな…しかもリーファやシノンも伝説級武器が欲しいって最近言ってるんだよな…」
ユウキの言葉に頷きながら、3つも伝説級武器を持っており、これからも増えるかもしれないと思ったフォンとキリトは思わず頭を抱えてしまうのだった。
〈フォン、ユウキと最初のデュエルを行うシーン〉
「ユウキとフォン君が初めて戦ったシーンだね…それにしても、本当にキリト君、全力で闘って負けたんだ…」
「まだ疑ってたのか、アスナ!?」
フォンたちの闘いを見て、未だに手加減疑惑をアスナに持たれていたことにキリトが叫ぶ。ジト目で睨むアスナの姿にフォンとユウキも思わず乾いた笑みを浮かべていた。
「それにしても幻想剣での疑似二刀流か…あれって反則だよね?だって好きな武器二つで闘えるわけだし」
「そうだよね…しかも幻想剣のソードスキルをスキルコネクトで発動できるとか…フォン君ってチートキャラだよね?」
「ア、 アハハ…でもあれはあれで使うのは本当に大変なんだぞ?」
女子二人に抗議の声を上げられるも、フォンは幻想剣二刀流のデメリットを説明していく。
「そもそもキリトの二刀流と違って、俺の我流二刀流はイレギュラーな戦法だからな。キリトの二刀流が片手剣二本での高速連撃を主体とするのなら、俺のは異なる武器での乱撃が主とするものだし」
「…?それってどう違うんだ?」
「異なる武器で交互に攻撃と防御を行うから、相手の意表を突いたり、武器の重量差を生かしたトリッキーな戦法を取れるってことだ。ただ、空中戦ができるALOだからこそできる戦法であって、これをSAOやUWでやるのは多分無理だな。違う武器を同時に使い分けるって、かなり体力を使うしな」
「あー…それは分かるな。俺も二刀流だとかなり集中力を使うからな。フォンの場合は幻想剣のスキルコネクトも使うと更にだろうな」
「しかも、幻想剣のソードスキルでスキルコネクトを使うと、無理矢理な体制での発動になるから、かなりキツイだよな」
「…そう言いながら、平然とやってのけてるフォン君って、やっぱり化け物じゃないのかな?」
「だよね?おかしいと思うのはボクだけじゃないよね?」
キリトとフォンがそんな戦闘談義を交わす中、明らかにフォンの戦闘センスが高すぎることに、アスナとユウキは顔を顰めるのだった。
〈蓮、父親との談笑シーンで気まずい空気になる〉
「フォンのお父さんか…まさか弁護士さんだったとはな」
「ビックリだよね…フォン君も坊ちゃんだったんだね?」
「坊ちゃんはやめてくれ、アスナ。まぁ、俺自身そこら辺の話をしてなかったのがあったからな」
キリトとアスナの言葉に苦笑いするフォン。気まずい表情のまま、フォンは言葉を続ける。
「俺の場合、SAO時代にはこっちの世界にいられるとは思ってなかったからな。それに、自分が平行世界から来たこともあって、そういうことを話すことにどこか抜け目を感じていたんだよな」
「へぇ…というか、フォンって今でも自分のことあんまり話さないよね?それって、何か理由があるの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「えっ…フォン…?」
珍しく視線を逸らしたまま、だんまりとなったフォンにユウキが首を傾げる。キリトとアスナもフォンの方へと視線を向けるが、フォンは黙ったままプラカードを取り出したかと思えば、
『アリシゼーション後半の多大なるネタバレになるので話せません』
「「「…ええっ…」」」
まさかのネタバレということで答えられないという答えに3人から驚きの声が上がるが、フォンは苦笑いすることしかできなかった。
「えーっとな…まずマザーズ・ロザリオ編をやる上で俺の両親の話を絡めたのは、家族がテーマの一つになっていたからだ。それを踏まえて組み込んだんだが…実はこの時からアリシゼーションへのフラグも建ててあったんだよな」
「…そ、そうだったのか。話は戻るけど、フォンも色々あったんだな。なんとなくその気持ちは分かるな…俺もスグや両親との関係に悩んだこともあったからな」
「私たちって意外に家族関係での問題を抱えてるよね」
「…ちょ、ちょっとみんな!?目が笑ってないから!?目の光が消えかかってるから!?戻ってきてーーー!?」
どんどんとハイライトが消えていく一同にユウキの悲鳴が木霊するも、3人の精神が回復するのはもう少しかかりそうだったので、次のVTRへとコーナーは進むのだった。
〈フォン、女子メンバーと絶剣について話し合うシーン〉
「ボクの話をしてる時だね!」
「俺はこの時眠ってたんだが、そんな話をしてたんだな。というか、フォンがアスナたちに交じって会話してるの、ぜんぜん違和感ないな…」
「おい、キリト。それは俺がオカンだとでも言いたいのか…?」
「誤解だぁ!?」
(目が笑っていない)笑みでそう問いかけるフォンにキリトは慌てて否定する。
「今思ったら、フォン君はこの時から私のことを騙してたんだよね?」
「騙してた、っていうのは語弊があるぞ…できるだけ前情報なしでユウキと闘ってほしいと思ってただけだよ」
「でも、フォンって確かに秘密主義だよね?お義父さんにボクのことを相談してたこととかも黙ってたし…」
「あれ…ユウキさん?」
「全く手の内を見せないよな。SAOでも幻想剣のことは聞いてたけど、スキルチェインとか、ヒースクリフとの決戦で初めて見たしな。なんか俺たちのこと信頼してないのかなって思うよな」
「キリトまで!?」
三者三様の反応をされてしまい、フォンが絶叫する。まさかそこまで不信感を疑われているとは思っていなかったフォンは反論しようとするが、
「そもそもだけど、フォン君ってそういうところがあるから、ユウキに浮気を疑われるんじゃない?」
「ザクッ!?」
「フォンって、フォローも気遣いも上手いけど、時々思いっ切り空回りしてることあるよな…」
「グフッ!?」
「その結果がアリシゼーションだもんね。ボクもあの一件はちょっと…いや、かなりご立腹なんだよね。ねぇ、いい加減にしないと嫌いになるよ、フォン?」
「ドムゥゥゥ!?!?」
立て続けに3連撃の口撃を受け、心に致命傷を負ったフォン。特にユウキの放った『嫌い』とい言葉が止めとなり、胸元を抑えてその場に崩れ落ちてしまった。
「…あれ、言い過ぎちゃったかな?」
「なぁ、アスナ。俺たちのよりユウキの言葉が致命傷になってなかったか、あれ?」
「しぃー!そこは分かってても触れちゃいけないところだよ、キリト君!?」
「仕方ないや…フォンが回復するまで最後のプレイバックの映像をご覧ください、どうぞ!」
キリトとアスナがこそこそと話しているのに合わせて『フォン死す…!』というコメントの雨が背景に流れ出していた。だが、そんなことなどお構いなしに一人で番組を進めていくユウキの言葉を皮切りに最後の動画が始まった。
〈強制ログアウトしてしまったアスナを抱え、キリトたちの元へと駆け込むフォン〉
「フォン、大丈夫?」
「だ、だ、大丈夫…嫌いという言葉で心に七支刀を刺されただけだから。だから、嫌いになるとか言わないでください、ゴメンなさいすみませんすみません…!」
「まだダウンしてるじゃないか?!どんだけ致命傷だったんだよ!?」
「しょうがないよ…好きな人に嫌いになるとか言われたら、ああなるよ…多分私もキリト君も…」
完全に精神をやられてしまったフォンにユウキが心配する様子を見ながら、引き攣った笑みを浮かべるゲスト二人。なんとか持ち直したフォンがプレイバックの動画について語り出した。
「あの時はビックリしたよな…糸の切れたみたいにアスナが倒れたからさ。一目散にキリトたちのところに駆け込んだからな」
「ゴメンね、フォン君…」
「強制ログアウトって、あんな感じになるんだね」
「ユイ曰く、場所によったらそのままアバターが置き去りになることもあるんだとよ。ALOでも論理コードがあるといっても、左手でメニューを出させて解除させることができるからな。あの場にフォンがいてくれて本当に助かったよ」
当時のことを振り返りながら苦笑するフォンにお礼を言うアスナ。アスナが倒れるシーンに驚くユウキに対し、フォンがその場にいたことに安堵するキリト。
「それにしても、アスナの家ってそんなに厳しいのか?お嬢様だって話は前に聞いたことはあったが…」
「う~ん…あの時は私もお母さんとすれ違ってたから…本当は優しいところもあるんだよ?今はこうしてALOにログインすることも許してくれてるし…勉強もちゃんとすることが前提だけど…」
「そうだよな…こうして今ゲームしてるけど、俺たち今年受験なんだよな(※アリシゼーション時系列準拠)」
家の話から受験というワードにどんよりムードになってしまう年長二人。そんな二人にユウキが声を掛ける。
「二人とリズはやっぱり大学に進むだよね?」
「ああ。だから、放課後に時々3人で勉強することもあるよな」
「そういえば、本作だと軽い描写だけど、私たち3人って帰還者学校だと同じクラスなのよね」
「いいよな…今だとユウキとシリカも同じクラスなのに、俺一人なんだよな」
「…えっ…キリトってソロプレイヤーだから、そういうの気にしてないと思ってたよ」
「「うんうん」」
「…殴るぞ、お前ら…」
ユウキの驚きの言葉に頷くフォンとアスナ…そんな3人の態度に流石のキリトもムッとしてしまうのだった。こうして、プレイバックのコーナーは終了したのだった。
トピックス:付き合って以降も何度かデュエルをしているらしいが、戦歴はユウキが8割勝っているらしい
「さて、プレイバックの次はこちらのコーナーです!」
「フォンとユウキに聞きたい!裏話のコーナーだ」
そんなタイトルコールと共に、ゲストの席にいたアスナとキリトが司会席に移動しており、司会を担当していた二人がゲストの位置へと移動していた。
「このコーナーからは俺、キリトと…」
「アスナが司会を担当します。このコーナーでは本作では書ききれなかったフォン君とユウキの私生活の話や裏設定などに関する話を解説していくコーナーです」
「…というか、これ文字数大丈夫か?この時点でもう既に6.5千字ぐらいいってるけど…」
「大丈夫よ。作者が書きたいように書いてるんだから…自業自得よ」
「お前ら…メタ発言が酷すぎるぞ」
「そうだよ!作者さんだって、必死に二作品同時に更新してるんだから!?」
「ユウキさん!?お願いだから、もう一つの作品まで出さないで!?もうこれ以上カオスになる前に進行しやがれ、司会陣!?」
ツッコミの手が足りなくなり、捌き切れないと判断したフォンは強引にコーナーを進行させるのだった。ちなみに背景のコメントには『夢幻の戦鬼乙』とか『流石はツッコミマスター!そこに痺れる、けど憧れない!』などの嵐が起きていた。
「それじゃ、まずはフォン君の家についてだけど…どんな感じなの?」
「そうか…今思えば、俺の家に来たことあるメンバーは誰もいないんだったな。俺の家というよりも、親が所有してるマンションに住んでるって感じだな。実家は一戸建てで、今住んでるのが1LDKサイズのマンションだ」
「フォンの実家はマンションからバイクで一時間くらいだよね?」
「ああ。色々な場面で出てくるけど、今まで書かれることなかったからな…キッチンと一体となった居室に寝室の二部屋に分かれてる感じだな」
図面と共に部屋の説明をしていくフォン。実は部屋の画像もスタッフが用意していたのが、プライバシーの観点から全力でフォンに阻止されたのは余談だ。
「そういえば、聞きたいことがあったんだが…フォンとユウキって一緒に寝てるって噂は本当なのか?」
「えっ…?あー、それはだな…」
「そうだよ!」
「ユウキさん!?」「「っ!?」」
キリトの疑問に何と答えようかとフォンが迷っているうちにユウキがあっさりと答えてしまった。まさかの爆弾発言にフォンと司会二人に激震が走る。もちろん背景も『…はぁ…!?』とか『事案発生!?』などのコメントが吹き荒れていた。
「…おい、フォン…まさかユウキに手を出して…!?」
「待て!?本当に誤解だ、キリト!?」
「…へぇ…人にあんだけ言っておいて、自分は主人公としてやることやってるんだ…へぇ~…」
「アスナ!?完全に濡れ切れだ!?」
「「(ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!)」」
只ならぬ憤怒のオーラを発しながらフォンに迫る二人。このままではとてもお茶の間にはお見せできない惨劇が起ころうと…
「えっ…?何かおかしかった?キリトとアスナもALOじゃよく一緒に寝てるよね?」
「「えっ…?」」
ユウキの一言に我に返るキリトとアスナ。
「えっ…えっ…ユウキ、本当にフォン君には何もされてないの?」
「…?現実世界じゃ、そういうのはないよ」
「……フォン君ってヘタレなの?」
「お前、謝罪の前に言う言葉はそれか!?斬るぞ、アスナ!?」
まさかのヘタレ扱いに流石のフォンもキレた。実質そうなのだが、そこは男のプライドとして認めたくないオリ主だった。
「あのキリト君だって、ちょっとは男を見せてるのに!」
「アスナさん!?そこで俺を引き合いに出さないでぇ!?」
「そんな生々しいことをユウキの前で話すな!?」
「…あっ、でも…」
「「「でも…!?」」」
「たまにフォンが先に寝ちゃった後に、寝顔を見つめていることはあるかな」
「「「………ゴメンなさい」」」
「なんで!?」
純粋なユウキの言葉に、自身が穢れ過ぎていることを自覚した3人が膝から崩れ落ちた。無自覚な心のナイフを知らずに振り回してしまったユウキは訳が分からず混乱するのだった。
「そ、それでは…気を取り直して次の質問です。フォン君って学校ではお昼はどうしてるのという質問ですね…これって実際どんな感じなの?」
「ああ、それか…フェアリィ・ダンス編でもちょっと描写があったが、学食と弁当の半々といったところだな」
「そうなのか…あれ?でも、それって変じゃないか?リズたちから、お前とユウキが学食にいる場面をたまに見かけるって話は聞くけど、弁当の話は聞いたことがないぞ?」
「あー…多分それはお弁当の時はボクたち、屋上に行って食べてるからだと思うよ?流石に人前だと恥ずかしいしから」
「お前らみたいに衆人に見せつける度胸はないんでな」
「「ア、アハハ……」」
ユウキとフォンの言葉に、以前にやらかしている二人は苦笑いするしかなかった。
「でも、今は弁当の方が多いな。俺一人じゃなくて、ユウキも時々作ってくれてるからな。そういうのを話し合いながら帰ったりとか」
「買い物も一緒にしたりとか、休みの日にはこういうのを作りたいとか相談もしてるね」
「…完全に新婚そのものじゃないか、こいつら?」
「でも、ちょっと羨ましいかな…キリト君も料理できたら、そういうこと話せるのにな」
「ゴメン、アスナ…でも、俺はやっぱりアスナが作ってくれる料理がいいよ。それならずっと食べられる自信があるからさ」
「…キリト君…!」
「おーい…二人ともそろそろ帰ってこーい」
いつの間にか自分たちの話題から甘々空間へと移ってしまったキリトとアスナに、フォンが呼びかけている横でユウキが苦笑いしているのだった。
「ゴ、ゴホン!それじゃ、最後の質問だな。フォンはバイクの免許をいつ取ったのですか…という質問だな。これって、俺がバイクの免許を取りに行くって話をした時に、一緒に取りに行ったんだよな」
「そうだな。俺も年齢はクリアしてたし、電車だと学校も実家もちょっと距離があったから、バイクがあれば移動も楽だと思ってな。それにしても、電動バイクがこっちの世界じゃ完成しているとは思ってなかったな」
「そっか。フォン君は電動式のバイクを買ったんだよね」
質問を読み上げ、そのまま答えたキリトの言葉に頷くフォン。そんなフォンの言葉にアスナはフォンが乗っているバイクのことを思い出した。
「フォンがいた世界だと電動バイクは珍しかったの?」
「珍しいというよりもあまり普及してないと言った方が正しいか。俺のいた世界じゃハイブリットカーとかがエコカーはまだ主流だったからな。そういう意味じゃこっちの世界はVR技術も含めて進んでるよな」
「他に驚いたってことはあったのか?」
「そうだな…やっぱり学校の教材が一部タブレット式になっているのも驚いたな…それに近年の歴史とかちょっとズレがあったりしたな。後はそこまで差異はなかったと思うぞ?」
「時々フォン君が別の世界から来たんだって設定を忘れちゃうよね…」
「いや、それ忘れられると結構困るんだが…まぁ、本作だとキリトとユウキ以外のメンバーは知らないから無理もないけど…」
ユウキとキリトの問いに答え終わったところで、苦笑しながらそう告げたアスナの言葉に、流石のフォンも笑みが引き攣るのだった。
トピックス:実はユウキと再会する前に、フォンは一度ラブレターをもらったことがあるらしい(だが、断りの手紙を相手の下駄箱に入れたらしい)
「さて、残念ながらお別れのお時間が来てしまいました。ゲストのキリトとアスナ、楽しんでもらえたかな?」
「そうね…フォン君がユウキを良い意味でも悪い意味でも大切にしてくれてるってことが改めてちょっと分かった気がしたから、良かったわ」
「俺も、フォンのツッコミが安定していたから、遠慮なくコメントできて楽しかったよ」
「よし、お前ら…後で控室でちょっとオハナシしようか?」
『黒の剣士と閃光が粛清されるぞ!?』とか『まさか、SAOの伝説が闘うのか…!?』というコメントなど無視し、悪びれる様子のないアスナとキリトに、フォンがこめかみに青筋を立てていた。
「まぁまぁ…この二人がこのシリーズだとこうなるのはお約束でしょう?」
「そうだが…分かったよ。ユウキの言葉に免じて、追及は諦めるわ」
「「(やっぱりユウキには甘いんだ…)」」
「うん…?何か言ったか、二人とも?」
「いや、何も」「何でもないよ」
ユウキに言い収められ、それ以上は何も言うまいと諦めたフォンの姿に、こっそりと話すゲスト二人。幸いなことにフォンには聞こえてはいなかったようだ。
「ユウキもお疲れ。初司会の感想はどうだった?」
「そうだね…見てる感じだと結構大変そうだと思っていたけど、やってみるとかなり楽しかった!フォンがいてくれたから、少しはリラックスしてできたのも大きかったかな」
「そうか…俺はまさか自覚なしで隣からナイフを刺されるとは思ってもみなかったよ」
「…?どういうこと…?」
初司会という大任をしっかりとやり遂げたユウキに対し、敵が身内にもいるとは思わず油断していたフォンは虚ろの目をしていた。心なしか胃が痛いと思っているのは気のせいではないのだろう。
「それじゃ、そろそろお終いの時間になります!次回はエギルさんとクラインさんをゲストに迎えた第2回でお会いしようね!それでは、」
「「「「またね~!!」」」」
『この番組は皆様に安全なゲームライフを保証する、ユーミルの提供でお送りいたしました』
「フォン…さっきのラブレターの件、どういうことか話を聞かせてもらえるよね?」
「えっ!?」
最後の最後で爆弾を投下されたオリ主でした(笑)この後、何もなかったと信じてもらえるまで30分程掛かったようです。
次回のゲストは大人のあの方々を予定しておりますので、少しはフォンの負担も減る(?)かとは思います。
おふらいんのゲストに関するアンケートはあと1時間程で締め切りますので、まだの方は是非清き一票を入れて頂ければと思います。
ちなみに作者的には大変有難い結果となっており、着々と第4回に向けて、準備を進めておりますのでご期待頂ければと思います。
それでは、次回でお会いしましょう!
loupさん、ヴァイアレットエヴァーガルデンさん、dさん、ジェニミさん、山山山田さん
ご評価ありがとうございました!