ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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短編第2話です

タイトルから、ほのぼの系かと思いきや、まさかの真面目なお話です。
おかしいな・・・書いてたら、シリアスになっちゃった。

それでは、どうぞ!


第2話 「もっと出番が欲しい!」

「はぁぁ・・・・・」「う~ん・・・・・」

「・・・どうしたんだ、お前ら」

 

クエストを終え、キリトのログハウスに来た俺は、ソファーで深刻な表情をしたリズとシリカに声を掛けた。ちなみに、ユウキはアスナとスリーピングナイツの皆とクエストに行っている。家主のキリトとユイちゃんの姿が見えないことから、二人でどこかに行っているようだ。俺の声に二人は反応し、

 

「・・・ああ、フォン」「・・・ああ、フォンさん」

「お、おう・・・めちゃくちゃ暗いな。何があったんだ・・・?」

 

二人のテンションの低さにドン引きしながらも、事情を尋ねてみると、

 

「・・・最近ね、私の影、薄いのかなと思ってさ・・・?」

「・・・はい・・・?」

 

リズの予想外の言葉に、俺は思わず聞き返していた。

 

「私も・・・なんか最近、キリトさんに忘れられてるじゃないかと思って」

『・・・キュルル・・・』

「・・・シ、シリカまで・・・!?」

 

・・・いきなりの展開すぎて、付いていけない俺は、自分の顔が引きつっているのを感じた。

 

「・・・ねぇ、フォン。私、存在感ない?」「・・・あのフォンさん。私って、存在感ないですか?」

「・・・・・た、頼むから、もう少し明るく相談してくれないか・・・それで、目からハイライトが消えたら、大変なことになるから」

 

二人の反応から、重傷だと判断した俺はとりあえず二人の話を聞くことにした。

 

「そもそも・・・どうしてそんなことを思ったんだ?」

「「・・・・・・・・」」

 

俺の言葉に、二人はアイコンタクトを取った。そして、

 

「・・・最近ね・・・私、あまり目立ったことしてないんじゃないかって、思ってさ」

「・・・どういう意味だ?」

 

まず、リズから話し始めることにしたようだ。俺は話の先を促した。

 

「このALOに来てからね・・・私って、本当にみんなの役に立ってるのかな、って思ってさ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「SAOの時はさ・・・あの世界には剣しかなかったから、鍛冶の需要も高かったでしょ?でも、この世界じゃ、剣だけでなく、魔法もある・・・そんな中で、鍛冶しか取り柄のない私って、本当に役に立ててるのかなって、シリカの話を聞いてたら・・・ふと、考えちゃったのよ」

「・・・シリカの話?」

 

リズの言葉からすると、事の発端はシリカのようだ。視線を彼女に向けると、今度はシリカが話し始めた。

 

「・・・さっき、キリトさんとユイちゃんがいたんですけど・・・二人を見てると、本当に親子みたいに見えたんです・・・それに比べて、私は何も変われてないじゃないかって思って・・・」

「・・・・・変われてない?」

「はい・・・SAOで、ピナを死なせてしまった時・・・キリトさんとフォンさんが助けてくれましたよね?」

「・・・ああ」

「・・・あの時から、いつか二人に恩返ししたいと思って、頑張ってきました・・・でも、私、大事な時には、お二人の力になれてませんし・・・私だけがあの世界から、何も変われてないじゃないかって、感じてしまったんです」

「・・・・・なるほどな」

 

GGOの事件の影響か・・・二人も俺とキリトがデス・ガンたちと戦う映像を見ていたらしいからな・・・落ち着いたところで、それが今になって、表面化してきたって、ことか・・・

 

「・・・俺が言えたことじゃないかもしれないが、そんなことないんじゃないか?」

 

少し考えてから、俺は言葉を繋ぎ出した。二人は、俺の目を真剣に見ていた。

 

「リズ・・・SAOでキリトに剣を作ったんだろう?」

「えっ・・・う、うん」

「その時の話はキリトから聞いた。その後のことなんだが・・・キリトに剣のメンテナンスをしようかと、聞いた時があったんだ。その時にキリトは言ったんだ

『俺の剣は、リズに見てもらうよ。あいつは・・・剣としっかり向き合える、凄い奴だ。あいつになら・・・俺の命は預けられるんだ』・・・って、な」

 

・・・フォンの腕を信用してないわけじゃないんだぜ、とフォローを入れられたのは余談だが・・・その時、『ダークリパルサー』を見ながらキリトの目からリズを信頼していることは俺にも読み取れた。そのこととアスナの話を聞いて、俺はリズに素材の相談に行ったのだ。

 

「キリトが、そんなことを・・・?」

「それは今でも、変わってないと思うぞ?少なくとも、ALOに来てからも、俺はキリトからメンテナンスの依頼を受けたことはない」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「俺もリズのことは凄いと思う。俺と違って、鍛冶一本でその腕を磨き続けるって、言うのは・・・女性に言うことじゃないとは思うが・・・かっこいいと思うぞ」

「・・・フォン」

 

俺の言葉に、リズは驚いていた。

 

「シリカもだ・・・あの時のことから、そう言ってくれるのは嬉しい。だけど、俺もキリトもそういうことを求めて、助けたわけじゃないことは分かってだろう?」

「・・・はい」

「・・・それに、シリカが役に立ってないなんて、俺もキリトも・・・アスナたちだって、思ってないさ。むしろ、逆だ・・・シリカがいてくれるから、あいつだって、戦えるだと思うぞ・・・?」

「・・・・・えっ?」

「・・・一生懸命頑張ろうとしている姿に、あいつも思わず、手助けしたくなるんじゃないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺の言葉に、シリカは考えるように下を向いた。

 

「エクスキャリバーの時だって、そうだろう?シリカがいなかったら、大変なことになってたかもしれないだろう?もしかすれば、ALO崩壊の危機だった・・・キリトだって、本当に信頼できる仲間がいたから、クリアできたんじゃないのか?」

「・・・・・仲間・・・」

「それは、ピナもそうだからな?」

『・・・キュルル?』

 

俺の言葉に、不思議そうに鳴き声を上げるピナ。

 

「・・・まぁ、そんなに心配なら、本人に聞いてみたらどうだ?」

「「・・・えっ?」」

 

俺のワザとらしい大きな声に、二人は驚きの声を上げた。俺が扉の方を見ると・・・

 

「あ~・・・アハハ」「す、すみません・・・」

 

苦笑いしながら、玄関から入ってきたキリトとユイちゃんがいた。

 

「さ、さっきの話、聞いてたの!?」

「・・・俺が話し始めた時ぐらいからいたな・・・盗み聞きとは趣味が悪いな?」

「人が秘密にしておいてくれ、といったことを言う奴に言われたくないぞ」

 

リズの質問に答えながら、俺はキリトをジト目で見つめた。盗み聞きしていたのが、本人なのだから、別にいいだろう、と俺は思うのだった。

 

「あ~、その・・・リズ、シリカ・・・俺は二人がいてくれないと困る。リズしか、俺の自分の大事な武器を預けられる鍛冶師はいないし、シリカのおかげで、自分も頑張ろうと思えることだって、たくさんある・・・だから、そんな寂しいことを言わないでくれよ」

「キリト・・・」「キリトさん・・・」

 

キリトの本心に、リズもシリカも目を潤ませていた。

 

(・・・一件落着、か・・・)

 

俺もホッと一息をついた時だった。

 

「キリト!」「キリトさん!」

「うぉぉぉぉぉ!?」「パ、パパ!?」

 

感極まった二人が、キリトに抱き着いたのだ。まぁ、好意を抱いている人物から、あんな言葉を言われれば、しょうがない話だが・・・だが、いきなりのことに、キリトも対応できず、その場に倒れ込んだ。ユイちゃんがびっくりし、俺が助けようと立ち上がった時だった。

 

そう・・・事件はまだ終わっていなかったのだ・・・

 

「ただいま、キリトくん、ユイちゃん!」

 

・・・そう・・・正妻が帰ってきてしまったのだ。夫が、別の女性に抱き着かれ、倒れているという、最悪の場面にだ・・・アスナの隣にいたユウキも当然の出来事に驚いていた。

 

(あっ・・・・・終わった)

 

俺はアスナの笑顔が、冷たい色に変わるのを見てしまった。顔は笑っているが、目が笑っていない・・・

 

「キリトくん・・・それに、リズとシリカちゃん・・・・・どういうことかな?」

 

絶対零度の声に、キリトたちが怯えだした。その時、

 

「フォ、フォンさん、どうして目隠しをするんですか!?」

「・・・・・ユイちゃんには見せられない光景だからかな」

「ね、ねぇ、フォン・・・アスナが怖いんだけど・・・何があったの?」

 

ユイちゃんへの教育のためにその目とを塞ぎながら、いつもと違う様子のアスナに怯えるユウキになんと答えるべきかと、苦笑いしながら・・・

 

「ちょっとぐらいいいでしょ!」

「良くないわよ!」

「シ、シリカ・・・強く抱きしめすぎないか!?」

「だ、駄目ですか・・・?」

 

アスナと言い争うリズ、ちゃっかりキリトを抱きしめ続けるシリカの・・・普段の二人に戻った姿を見ながら、俺も思わず笑みを浮かべるのだった。

 




SAOガールズ二人にスポットを当てた回でした。

短編は、基本息抜きに書いたりしてる感じですので、ほのぼの系だったり、シリアス系だったりしますが、日常のワンシーンを切り取ったものや作者が書きたいと思ったものを書いたりしてます。

次回更新 18日0時予定
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