ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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GWということで、以前アンケートを取った番外編のお話です。

前日譚と銘打ってますが、UWのお話には全然絡んでないので、気楽にお読み頂ければと思います。

・・・久々にバトルシーンをがっつり書きましたが、やっぱり難しいですね(笑)

それではどうぞ!


アリシゼーション前日譚 「バーサス」

5月の中旬

 

俺と和人は六本木にあるオフィスビルへと来ていた。

オフィスの一画へと到着した俺たちはそこに置かれている機械に近づいた。

 

「へぇ~・・・これが第4世代型フルダイブ実験機か」

「ナーブギアやアミュスフィアぐらいのもんかと思ってたが・・・かなり大きいな、これ。ゲームセンターでよく見る箱型の据え置き機体ぐらいか?」

「いやいや、これでも当初の設計段階に比べればかなりコンパクトに仕上がったんッスよ?」

 

そう言って、俺たちをここに呼んだ人は人差し指を立てながら説明を始めてしまった。

 

「いいッスか?フルダイブマシンは、第1世代の大型アミューズメント機に始まり、第2世代のナーブギアや・・・・・・・・・・・・」

(ああ・・・これは長くなるパターンだな)

 

饒舌にフルダイブマシーンの歴史を語り出したこの人を見て、俺は内心止めることを諦めていた。

 

俺と和人をここに呼んだ人物・・・比嘉 健さん

 

新世代VRマシーンの開発主任研究員で、喋り方は軽いがかなり優秀な人らしい。俺は和人ほどVR関連の技術に詳しくはないのだが、その和人から見てもこの人の技術・知識レベルは高いものらしい。

 

さて・・・俺がここに来た理由。それは和人からVR関係のバイトの話を持ち込まれたからだ。和人曰く、怪しげな最新VR機器のテストダイバーを務めることがバイトの内容らしく、かなり報酬もいいとのことだったので、俺も参加しな

と声を掛けてくれたのだ。

 

バイト代はともかく、最新のVR機器と聞くと俺も興味をそそられるところがあったので、二つ返事で了承したのだ。

 

(・・・まぁ、そのバイトの紹介者が例によってあの菊岡さんっていうのが心配だが・・・比嘉さんは良い人そうだし、杞憂だったか?)

 

そんなことを思っている内に、比嘉さんの話も終わりそうかと思ったのだが・・・火が入った比嘉さんは更に熱く語り出そうとしていたので、俺と和人は慌てて比嘉さんを止めに入った。

 

「えーっと・・・つまり、俺と和人はこのテスト機でフルダイブをすればいいってことですよね?」

「そうそう!のどかな草原フィールドでのんびり過ごすも良し!動き回って童心に返っても良し!フルダイブ時のデータを収集するだけの簡単なお仕事ッス!」

「そうですか・・・あの、一応聞いておきますけど。フルダイブするにあたって、何か条件とか危険性はないんですよね?」

「もちろん、もちろん、もちろん!僕の開発したマシーンに危険性なんてこれぽっちくらいしかないですよ!!」

「そうですか!それを聞いて、あんし、ん・・・うん?」

「・・・これぽっちくらいしか?」

 

和人の疑念に勢いよく答えた比嘉さんの言葉に頷きそうになって、和人と俺は最後の言葉で思わず顔を見合わせた。

 

(・・・これっぽちしかない・・・それって)

「まぁ・・・その・・・ちょ、ちょっとね・・・なんというか、ちょっことだけしか・・・不可思議な現象がね(ボソ)」

 

俺たちの疑惑の目線から逃れるように比嘉さんは顔を背けながら言葉を濁した。最後に至っては聞き取れるかどうかぐらいのレベルにまで声量が落ちていた。もちろん、そんな様子を見せられて、俺たちが黙っているわけもなく、

 

「どういう意味ですか、それ?」

「極僅かな不安材料って何なんですか?」

「あー・・・つまり、ぶっちゃけ出るんですよ・・・・・うらめしや~、的なあれが」

「うらめしやって・・・もしかして」

「・・・幽霊、ですか?」

 

比嘉さんの意外な回答に和人と俺は思わず眉を顰めてしまう。フルダイブ技術を始めとした技術革新が進んでいるこの世界で何を言っているのかと失礼ながら思ってしまった。

 

「いや!信じてないかもしれないッスが、マジの話なんですよ!?この実験機はこの世界おいて今ここにある2台のみしか存在してないですよ!ですが、一台しか動かしてない時や同時稼働でも別々のVRワールドにダイブしていたとしても・・・全てのテストダイバーが見たという報告を上げてくるんッスよ。

 

ダイブした先で薄っらとした人影を何度も見た、と」

 

「し、信じられないな。それはバグとかじゃないですか?」

「ノーーー!!!このジーニアス比嘉が組んだプログラムにそんな!ヘボイ!バグがあるわけがないデース!!」

「それじゃ、誰かが悪戯してダイブ中にプログラムやシステムにアクセスしてるとかは・・・」

「そんなちょこざいな侵入を許すほど、私のプロテクトはやわじゃないデースし!このハイギフテッド比嘉がそんなものを見逃すわけがアリマセーン!!ログにも怪しい痕跡は残ってないッスよ~~~?!」

 

和人と俺の問いかけに答える比嘉さんの口調がかなりおかしくなっていた。察するに、そこら辺りの思い付くものは入念に調べたことだけは伺えた。

 

「こうなったら、考えられるのは本当にお化けの仕業なのか・・・あるいは」

「「・・・あるいは?」」

 

どうやら比嘉さんには他にも心当たりがあるらしい。周りに聞かれないように、周囲に誰もいないことを確認してから、比嘉さんは小声で話し始めた。

 

「・・・コホン。これは口外厳禁でお願いしたいですけどね・・・

この実験機の心臓部には量子演算回路が組み込まれているんッス。いわゆる、一つの量子コンピュータッスね」

「量子コンピュータって、SFとかでよく聞くあれか?」

「ああ。それも比嘉さんが作ったんですか?」

「残念ながら・・・基礎理論はかの茅場先輩が残した理論ッスよ。まぁ、それはともかく・・・量子コンピュータっていうのは平行世界に干渉する可能性があるって言われてるッス。昔からSFの世界では・・・」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

自信が無さそうにそう語る比嘉さんの言葉に、俺は何も言う事ができなかった。俺の事情を知っている和人も何と言えばいいのか分からないという顔をしていた。

 

(・・・言えないよな。ここに平行世界から来た人がいますよ、とは・・・)

 

そんなことを思いながらも俺は今回の一件に嫌な予感を覚えていた。

 

(もしも比嘉さんの推測通りだとしたら・・・本当に平行世界から影響を受けているかもしれない、ってことなのか?)

「もしも平行世界からの干渉を受けているのだとしたら、このお化け問題にも説明がつくんッスよ。この実験機が、過去や未来、パラレルワールドに接続して、いるはずのダイバーの影を見せている・・・とすれば」

 

比嘉さんの推測を聞きながら、俺はある確信に近い直感を覚えていた。

俺のアイコンタクトに気付いた和人も覚悟を決めたようだ。

 

「比嘉さん、ともかくダイブしてみますよ。もしその推測が本当なら、ちょっと気になりますしね」

「その真偽、俺と蓮で確かめてきますよ?このベットに寝転がればいいんですよね?」

「流石はSAO生還者!度胸が違いますね!」

 

ジェル状のベットに寝転がり、俺と和人は実験機に身を預けた。そのまま比嘉さんがパネルを操作し、ダイブの準備を始める。

 

「それじゃ、桐ヶ谷君、音弥君。頼んだッスよ!アバターは君たちのセルフイメージから精製されるッスから違和感はないはずッス。では、リンク・スタートの掛け声でダイブを開始するッス」

「「・・・了解。リンク・スタート!」」

 

いつもの掛け声と共に俺の意識はVRワールドへと旅立った。

 

 

 

「草原ステージって言ってたけど、これのどこがのどかななんだよ・・・!」

 

目を開き、入ってきた光景に俺は唖然とするしかなかった。確かにダイブした先には草原が広がっていた・・・が、空は世界の終末のように薄暗く真っ赤に染まっており、所々に黒雲が漂っていた。周囲の建物は崩れているものばかりで、爆発か武器が原因なのか煙の臭いも酷く漂っていた。

 

あまりの光景に思わず首がガクッと落ちたが、意識を切り替え、俺は件の幽霊もどきを見つけるために周囲を見渡した。しかし、それらしき姿は影すら見えない状態だった。

 

(・・・こっちはハズレだったか?もしかしたらキリトの方が本命か。だとしたら、こっちはやることなさそうだな)

 

とりあえずのんびりできそうなところを探そうかと俺が移動しようとした時だった。

 

パリン!

「っ!?空が・・・割れた!?」

 

何かが割れた音がして、思わず見上げると・・・真っ赤に染まっていた空がガラスのように割れていた。いきなりのことに理解が追いついていなかったが、更に驚くことが起きた。

 

「・・・何かが戦ってる?あれは・・・何だ?」

 

空が割れた空間は真っ白であり、そこから衝撃音が聞こえてきた。

目を凝らすと、誰かが戦っているようだった。

 

「あれは仮面ライダーと・・・ガンダム、なのか?

・・・・・どんな組み合わせだよ!?」

 

まさかの組み合わせに思わずツッコミが漏れた。

 

(いや、普通はモビルスーツとか怪人との組み合わせだろう!?なんじゃ、その異種格闘技みたいな組み合わせは!!・・・というか、久々に見たな。

こっちの世界でも、俺がいた世界と同じ文化があったから、時々街でも見かけてたりしてたけど・・・元いた世界でもそういうサブカルチャーとか全然タッチしてこなかったからな。仮面ライダーの方は見たことあるけど、ガンダムの方は初めて見るやつだな・・・俺が知らないだけかもしれないけど)

 

架空のヒーローを見たことで、久々に元いた世界のことを思い出した俺。

仮面ライダーの方は、中央に黄金のボデイ、右が緑、左が黒のカラーに6枚の生物に近い翼を持ち、剣と盾を武器としていた。

 

一方のガンダムは、鮮やかなトリコロールカラーをメインとしているようだが、全身から緑の光を常に放ちながら、ライフルらしき武器からえげつない威力のビームを撃ち出していた。その背中には6枚の翼らしきパーツが装着されており、その部分からも時々ビームらしき刃が飛び出していた。

 

まさかの光景に状況を理解しようとしているのがやっとだったが、ようやく冷静になったことで俺は気付いた。

 

(もしかして・・・これが比嘉さんが言ってた幽霊・・・?

でも、変だな。比嘉さんが言っていたのと全然違うな)

 

幽霊は、薄っらとした人影だと言っていたが、空間で戦う二人は姿がはっきりと見えていた。どういうことかと頭を捻っていると・・・

 

「あぁ!?な、なんだ・・・頭が、割れる!?」

 

いきなり頭に激しい痛みを感じ、俺は立っていることができずに地面に伏した。脳を突き刺すような痛みと燃えるような熱さに襲われているようだった。

 

突然のことに原因も分からず、治す手段も考えることができない痛みに苦しんでいる俺の意識は闇へと落ちて・・・

 

 

 

〈Other View〉

 

「・・・師匠。これはどういうことなんでしょうか?」

「ふむ・・・僕にもさっぱりだ」

 

コロッセオらしき闘技場の空間で二人の人物が話していた。

二人が訝しんでいるのは突如目の前で起きた出来事に関してだった。

 

「突如、画面が割れたと思ったらノイズのようなところから人が落ちてきましたよ」

「・・・まるでどこぞの天空の城みたいなお話だね」

「いやいやいや。冷静すぎですよ、師匠」

「・・・冗談だよ。僕も少し混乱しててね。冷静になる時間がちょっと欲しかっただけだよ」

 

師匠と呼ばれた男は、高校生らしき少年へと苦笑いしながらそう答えた。

 

この二人・・・剣術においての師弟関係にあるのだ。

師匠と呼ばれた男・・・櫻木総司は冷静にコロッセオの闘技場に落ちてきた少年を見つめていた。

 

「これもテストの一環なんでしょうか?」

「・・・・・玲君はここにいてくれ。僕が様子を見てくるよ」

「えっ!?大丈夫でしょうか?彼は剣を持っているんですよ」

「ヤバそうだったら逃げるけど、話もしない内に決めつけるのはどうかと思うしね。それに・・・僕にも武器はあるさ。行ってくるよ」

 

腰に据えた刀を触りながら、玲という少年にそう答えた総司は闘技場へと繋がる階段へと向かい始めた。

 

その頃、闘技場で意識を失っていたフォンが目を覚ましていた。

 

「ここは・・・闘技場、なのか?俺、どうして・・・そうだ。いきなり頭痛がして、意識が・・・それじゃここはまだ実験機のVRの中なのか?」

 

頭痛の名残を振り払うように頭を振り、周囲を見渡すフォン。自分がまだ実験機のVRワールドにいることを認識すると、今度は自分の服装の変化に気付いた。

 

(・・・服が変わってる。しかもこれ・・・SAOで使ってた時の防具じゃないか?しかも、両手剣まで装備してるし・・・これじゃSAOにいた時と同じじゃないか!?・・・っ!そうか。比嘉さんが言っていたセルフイメージによるものか!)

 

自身が装備している武器・防具が愛用していた両手剣『エンプレス・ジェイル』と防具『蒼炎の烈火』に変わった原因に気付き納得していると、気配を感じてフォンは思わず身構え、剣を抜いてしまった。

 

(・・・人なのか。30代?・・・いや、20代くらいの男?)

 

入り口からやってきた男・・・総司の姿を観察しながら、フォンは警戒を続けた。

一方の総司は、フォンが意識を取り戻したことを確認したと同時に、剣を抜いている姿に同じく警戒心を抱いていた。

 

(参ったな・・・いきなり剣を抜かれるとは。それに彼の恰好は現実世界でもそうそう見ることのないものだ。まるで・・・別世界の人物みたいだ)

 

自分なりに観察をしながら、どう出るべきかと考える総司。フォンの装備と両手剣が明らかに異質なものであると判断した総司もいつでも武器を抜けるように構えていた。

 

(和風の恰好に・・・刀。あの人もテストダイバー?

いや、それはあり得ないって比嘉さんも言ってたし、考えられるのは・・・さっきの連中と同じ・・・!

まいったな・・・VRの習慣で思わず剣を抜いちまったし・・・どうするかな)

 

フォンも、自身が剣を抜いてしまったことで硬直状態に陥ってしまったことに後悔しながらもどう動くべきかと困っていた。

 

そんな硬直状態から先に動いたのは総司の方だった。

 

「君!こっちに戦う意志はない!何があったのか、理由を聞かせてくれないか!」

 

フォンに向かってそう声を掛ける。警戒していることを隠し、相手の出方にすぐに対応できるように手を刀へと添わせていた・・・が、

 

(・・・何か言ってる?でも、声が聞こえてこない・・・う~ん。いつでも武器を抜けるようにしてるし・・・さっきのは警告だったのかも。一応、こっちからも声を掛けてみるか)

「すみません、何を言っていますか?俺はフルダイブの実験機でテストダイブしている者です!貴方はどこからダイブしているのですか?」

 

総司の声が聞こえていないフォンは逆に自身から言葉を掛けたが、総司にもフォンの声は届いていなかった。

 

(・・・こっちも向こうの声も届かないか。さて、どうしたものか。一回、玲君に事情を説明しに戻るべきか)

 

置いてきた弟子に現状を説明するべきだと思い、観客席の方を総司が見た時だった。

 

「っ!?」「くっ!?」

 

殺気を感じ、目の前に迫っていた両手剣を咄嗟に刀を鞘ごと抜いて反らす総司。一方のフォンも攻撃を防がれたことに驚愕していた。

 

(相手が動いたから、思わず動いたけど・・・もしかして攻撃の動きじゃなかったのか!?けど、この人の闘気・殺気は今まで感じたことのないものだ・・・俺が今まで戦ってきた誰とも違う!)

(・・・くっ!あの距離を一瞬で詰めたのか!?こんな動き、普通の少年ができるものじゃない!これは・・・戦うしかないのか!)

 

不意打ちが失敗に終わり、一旦距離を取ったフォン。

それに対し、戦うしかないと誤解した総司も刀身が黒一色、反射による光沢が特徴的な刀を抜き抑えていた闘気を放つ。その迫力に驚きながらもフォンも両手剣を構え直す。対し、総司は左足を引いて半身で刀を隠した形で構える。

 

SAOやALOのようなディエルの始まりを告げるカウントは表示されない・・・

これはデュエルではないからだ。

 

しかし、剣士と剣士がこうして武器を抜いて向き合えば、今から起こることは決まっていた。そして、そのことをこの二人は十二分に理解していた。

 

数十秒そのままにらみ合う両者。ただでさえ広いコロッセオに一層沈黙が漂う中・・・遂に火蓋が切られた。

 

「「・・・っ!!!」」

 

どちらが動き出したのか分からない・・・それほどの速さで同時に斬りかかった二人。フォンが繰り出した両手剣の一撃を、総司は鞘と刀で受け止める。そのまま鍔競りになるも仕掛けたのはフォンだった。

 

「くっ!はぁぁ!」

 

両手剣の大きさを活かし、重心をずらしたことで隙を作り出してから蹴りを繰り出した。完全に死角から繰り出したフォンの蹴りを、総司は反応し交差させていた腕で防いだ、と思ったが・・・

 

「ぬぅ!?」「なぁ!?」

 

両者から違った温度での驚きの声が出た。蹴りを防いだと思った総司は、その蹴りの威力に驚き、数メートル吹き飛ばされた。一方のフォンも自身が放った蹴りにライトエフェクトが発生したことに驚いていた。

 

(・・・なんだ、今の蹴りは?一瞬、足が光ったようにも見えた。もしかして、ゲームでいう必殺技みたいなものか?)

(さっきのは、体術スキル〈影畔〉か!?・・・そうか。今の俺はSAOでの『フォン』で、ここはVRの中。ソードスキルも使用可能ってことか!)

 

体勢を立て直した総司が冷静に分析する一方で、フォンもソードスキルが使用可能であることを知り、武器を構え直す。そこからフォンの猛攻が始まる。

 

「はぁ!ふん!でやぁ!」

「くっ・・・!」

 

両手剣のパワーを生かしたフォンの攻撃に、刀単体で受け止めるのは不利だと悟った総司はその攻撃を全て捌き切る。猛攻を加え、相手が防御優先で反撃できない状態に・・・フォンは焦りを覚えていた。

 

(・・・なんでだ。攻撃が・・・当たらない!)

 

フォン自身もSAOから続くVRでの戦闘やリアルでの剣道の経験からかなりの実力を持っている。だが、先程から繰り出す攻撃が総司にかすりもしないのだ。

 

全ての攻撃を躱され、刀で反らされ・・・一撃一撃が全てギリギリで躱されているのだ。そして、総司の完璧な防御はフォンにあることを思い出させた。

 

(この感じ・・・そうか!一緒だ・・・この人、キリトやユウキと同じ反射神経を持っているんだ!)

 

総司の姿が以前戦った時のキリトやユウキのビジョンと被り、驚きながらも剣を振るうフォン。このままでは埒が明かないと思ったフォンは勝負に出た。

 

「・・・これなら、どうだ!」

 

両手剣7連撃ソードスキル〈アストラル・ヘル〉・・・両手剣にワインカラーのライトエフェクトを発動させ、高速の剣戟を繰り出す。SAOから何度も放ってきた技を放つが・・・この男は全く動じていなかった。

 

「疾!!」

「・・・なぁ!?」

 

高速の7連撃全てを捌き切った総司の反応速度に、流石のフォンからも驚きの声が出てしまった。そして、総司の反撃が始まる。

 

「でりゃ!しゃぁぁ!!」

「っ!?っ!?」

 

無駄のない総司の連撃に慌てて両手剣で防御に回るフォン。だが、あまりに鋭すぎる攻撃に次第にダメージを負っていく。しかもやっかいなことに、総司の刀は普通の刀ではなかった。

 

(ぅぅ?!この刀・・・まさか、逆刃刀!?しかも、痛覚が現実世界そのものと一緒かよ!?)

 

刀を受けた部分が痛み、思わず顔を顰めるフォン。なんとか反撃の糸口を掴まなければと思考を巡らせる。しかし、一瞬の隙をつかれ、両手剣を吹き飛ばされてしまい・・・

 

「おおぉぉぉ!!」

「っ!?(ソードスキル!?)・・・がはぁぁ!?」

 

総司の刀にもライトエフェクトが発生したことに驚きながらも両手で直撃を防ぐも、勢いは殺しきれず、フォンは吹き飛ばされ壁へと叩きつけられた。しかし、総司自身は自分が放った技の威力に驚いていた。

 

(今のは・・・さっき彼が使っていた技か。どうやら決まった構えを取れば、使えるみたいだが・・・把握できてない技を使うのは危険だな。さて、思わず吹き飛ばしてしまったけど、彼は大丈夫かな?)

 

そう思い、フォンの方へと視線を向ける総司。壁へと叩きつけられたフォンは、半壊した胸当てを破り捨て立ち上がった・・・その顔には笑みが浮かんでいた。

 

(強い・・・強すぎだろう・・・だけど、だからこそ面白い。

久々だな・・・勝てないと思うような相手を戦うなんて・・・!)

「だからこそ・・・・・勝ちたい!!!」

 

気合いと共に、無意識でSAOの時のように右手で装備画面を呼び出した。

そして、SAO時代から愛用してきたそのスキルを選んだ。

 

そのスキルが使えるという確証はフォンにはなかった。

だが、どこかで使えるという自信があった。そして、今、目の前で戦っている総司に全力をぶつけたくなったフォンに迷いはなかった。

 

ユニークスキル『幻想剣』のバトルスキル〈高速換装〉

 

装備していた半壊状態の防具と落ちていた両手剣が消え、フォンの姿が変わる。

白に蒼と金色のアクセントに竜の紋章が所々に刻まれたコートに、紺色のアンダーアーマー、片手剣と曲刀を装備したフォンの姿に総司の足も止まった。

 

「武装を変えた!?しかも、あの一瞬で・・・!」

「『魂白の願念』・・・SAOだと未完成だったけど、俺の全てをあんたにぶつける!さぁ、こっからが本番だ!!!」

 

その気迫と共にフォンは片手剣を突き出し、技を放つ。まずは・・・

 

「片手剣ソードスキル・・・ヴォーパル・ストライク!」

「くっ!?」

 

一直線に放たれた高速の突進突きに流石の総司も驚く。なんとか刀でガードし、ソードスキルを回避する。だが、フォンの攻撃は終わらなかった。

 

(ここがVRで、俺のセルフイメージが適応されるのなら・・・できるはずだ!イメージしろ・・・技を、繋げろ!!)

 

〈ヴォーパル・ストライク〉の勢いを曲刀を地面に突き刺して無理矢理殺し、フォンは技のビジョンを頭の中で確立させた。そして、曲刀で新たなソードスキルを放った。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

幻想剣《曲刀》9連撃ソードスキル〈ラクティア・シェイド〉・・・スキルコネクトによる硬直無しで放たれた乱撃を防ごうとする総司。だが、斬撃を見抜こうとして、思わず目を疑った。

 

(斬撃が・・・剣が揺らいで?!)

 

剣自体は問題なく見切っていたのだが、それが逆に仇となった。

剣が揺らぎ、斬撃が分身したために反則級の反応速度を持つ総司にとっては全てを目で追ってしまったのだ。なんとか斬撃を防ごうとするも、2撃目と5撃目、7連撃、8撃目が幻に騙されてしまい直撃を受け、腕や横腹に切り傷が生まれた。

 

「いける・・・このまま、押し切る!!」

(これは・・・あんな技まであるとはね)

 

痛みを堪えながら苦笑いして感心する総司。その隙を見逃さず、一気にフォンが畳みかける。

片手剣を投げつけ、一瞬で総司の懐へと飛び込む。そして、総司が片手剣を弾くことを考慮した上で曲刀でソードスキルを放つ。

 

幻想剣《曲刀》7連撃ソードスキル〈リバティス・レディール〉・・・八の字を描きながらどんどん威力と速さが上がっていくソードスキルを総司は完璧に防ぐ。しかし、フォンの本当の狙いはここからだった。

 

技を放ちながら、装備画面を操作するという無茶なことをこなし、再び〈高速換装〉のスキルを発動させる。空いていた右手に片手棍を、背中に両手剣と槍を装備する。そして、スキルコネクトで片手棍のソードスキルを発動させる。

 

(まだだ!まだ・・・いける!!)

「っ!?なんて攻撃だ・・・!」

 

幻想剣《片手棍》超重単発最上位ソードスキル〈アブスターディ・ターミネイター〉・・・回転の勢いを活かし、オーラにより巨大化した棍棒による横スイングでの一撃を後ろに飛んで躱すも、風圧までは殺しきれずに総司はバランスを崩す。

 

そのまま、曲刀を投げ捨てたことにより空いた左手で背中の槍を装備するフォン。歯を食いしばり、ソードスキルを発動させる。

 

「幻想剣ソードスキル!レギオス・ヴォルメント!!!」  

 

赤い稲妻が走るようなライトエフェクトと共に、一本槍が数多に分裂したかのように放たれた突刺の嵐を放つフォン。終わりが見えない攻撃に捌き切れないと判断した総司は、急所への斬撃だけを防ぐことに集中した。

 

どんどんと切り傷が増える総司だが急所だけは確実に避けていた。そして、フォン自身も技の反動で体が悲鳴を上げていた。

 

「ふ、せぎきったか・・・!?」

(レギオス・ヴォルメントの反動が・・・!?だけど・・・あと、少し!!!)

 

押し切れると判断したフォンは槍を捨て、今手元にある最後の武器・・・背中の両手剣を握りしめ、決め技を放った。

 

幻想剣《両手剣》超重単発最上位ソードスキル〈エンド・オブ・フォーチュン〉

 

ライトエフェクトとオーラを刀身に宿し、フォンが剣を振るう。

 

「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

片手で両手剣を叩きつけるように振るわれた一撃を総司は・・・なんと刀でギリギリで反らした!そして、衝撃波やえぐられた地面の破片で傷を負うもお構いなしに総司は突っ込んだ。

 

そう・・・総司はこの瞬間を狙っていたのである。

 

(強力な剣技の連続発動は違った武器でしか出せない!両手剣しかない今・・・反撃のチャンスはここだ!)

 

意識を刈り取ろうと、フォンの顎を狙った総司の一撃を、ソードスキルの硬直で動けないはずのフォンは防御することができない・・・はずだったのだが、

 

ガァン!

(っ・・・まさか!?読み間違った・・・?!)

「両手剣ソードスキル・・・サイクロン!!!」

 

今度はスキルチェインによって、武器単体でのソードスキルを連続発動させるフォン。まさかのカウンターに動揺しながらもギリギリで刀でガードに成功する総司。だが、その体はガードした反動で空中へ浮かされてしまった。

 

そのチャンスを逃すことなく、フォンは最後の切り札を繰り出した。

 

クールタイムが終わった〈高速換装〉のスキルを使い、片手剣を呼び出す。そして、フォンの両手剣と片手剣に蒼色のライトエフェクトを発動し、切り札を放つ。

 

「これが俺の・・・全力だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

幻想剣18連撃OSS〈マージニック・ステラファントム〉

 

ユウキをも破った、幻想剣最強のソードスキルを叫びと共に放つ。

 

・・・勝った・・・

 

そう、フォンは確信した。そして、一方の総司は・・・

 

(まさか、ここまでとはね・・・)

 

そう思う総司の顔には・・・

 

(ここまで、楽しませてくれるとはね・・・!)

 

とても獰猛な笑みが浮かべていた。空中で思うように身動きが取れないはずが・・・フォンが放つ両手剣と片手剣の連撃を全て迎撃し始めたのだ。

 

刀と鞘の二刀流で・・・

 

(っ!?・・・二刀流・・・!)

 

初撃の8連突きを刀と鞘で反らし、二つの剣での切り下げは同じく切り下げで相殺。バク転での交差切りは刀二刀流での水平切りで打ち合う。無事に地面に着地した後も、両手で繰り出された連撃すらも舞うように回避し、最後のオーラを宿した一撃すらも総司は自身の剣技で迎え撃った。

 

(不知火流剣術・・・『風見鶏・双』!)

 

ジャンプと共に右足近くからの切り上げで、フォンの最後の一撃を躱すだけでなく、空中のポジションを取った総司の技はまだ終わらない。

 

「聞こえてないだろうけど・・・言っておこう。

君は本当に強かった・・・・・だからこそ、僕の全力で君を倒す!」

「・・・・・!」

 

今度こそ硬直で動けなくなったフォン。もちろん、総司の声が聞こえていなかったが、なんとなくその意図は伝わっていた。

 

「不知火流剣術『紫電』!」

 

空中から全体重を乗せた高速の一撃がフォンの肩にヒットする。その重さに思わず膝をついてしまう。

 

「『風舞』、『無縁』、『氷鬼』!」

 

体の回転での遠心力を加えた鞘による一撃に、柄頭による突き、鞘と刀の時間差2連撃を次々と繰り出す。あまりの速さに反撃できず、フォンは打たれる一方だった。

 

(ま、まだ、だ・・・・・まだ!!)

 

片手剣は吹き飛ばされ、残った両手剣で反撃するも、剣を受け止めるように見えた総司の姿が消え、フォンは驚愕する。だが、次の瞬間、背後から痛みが走った。

 

「・・・『霞桜』」

(一瞬で、背後に・・・!)

 

技を放った後に静かに呟く総司。ダメージだけでなく、無茶をした疲労による反動で限界を迎えたフォンの体は崩れ落ちた。

 

両手剣を地面に突き刺し膝をついた。もう顔を上げる気力さえも残っていなかった。

 

(・・・これは勝てないか・・・強すぎだろう)

 

なんとか後ろ目で総司の姿を追うフォンは負けを確信していた。だが、その目はまだ死んではいなかった。

 

「(けど・・・あと一発・・・本気のあの人に一発だけでも!!)っ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「まだ、動けるのか!?なら・・・!」

 

両手剣5連撃OSS〈アドバス・バリスタ〉を放つフォン。

それに対し、相手の剣撃に刀を沿わせるようギリギリでずらし、渾身の一撃を加えるカウンター剣術『絶海』で迎撃に出た総司。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

互いの気迫と共に一撃がぶつかろうとしたその瞬間・・・それは起きた。

 

「っ・・・えっ!?」「な、なに・・・!」

 

5連撃全てを反らされ、捨て身での一撃により直撃を受けそうになったフォンに、総司の刀が届くことはなかった。

 

いや、正確には総司の一撃はフォンの体をすり抜けたのだ。

 

まさかの出来事に当事者たちは困惑していた。フォンが自身の体を見渡すと体がドンドンと消え始めていた。そして、それは総司も同じであった。

 

イマイチ状況が呑み込めないフォン。

そんなフォンに総司は刀を鞘に納めながら声を掛けた。

 

『楽しかったよ』

『・・・えっ?』

『・・・久々に本気で戦えて楽しかったよ。また、会える日を楽しみしているよ』

『・・・ありがとうございました』

 

穏やかな笑みを浮かべながらそう言う総司に、思わずお礼を言ってしまったフォン。そのまま、フォンと総司の意識は遠くなり・・・

 

〈Other View End〉

 

 

 

「ねぇ、フォン。大丈夫?」

「・・・!ゴメン、ユウキ。えーっと・・・何の話だっけ?」

「むぅぅ!シノンからの依頼の話だよ!今度、GGOにコンバートするから、アイテムとか向こうの装備をどうするか相談するんだったんでしょう!」

 

頬を膨らませながらそう言うユウキで現実へと意識を戻した俺。そういえば、今はALOでその相談をしていたんだったな。話題を思い出し、ユウキへと謝りながら俺はこの前のテストダイブで起きた不思議な出来事を思い出していた。

 

あの闘技場で戦った和服装束の剣士。

 

あの人と戦った後、意識が戻った俺は再び草原ステージにいた。もっとも、最初にダイブした時みたいな終末世界みたいな雰囲気ではなく、本当にのんびりした空気に青空が広がっている普通のステージだったので、一瞬さっきまで夢でも見ていたのか思ったほどだ。

 

その後、一度ログアウトしてから再度ダイブしてみたが、あの剣士と出会うことはもう二度となかった。

 

俺はこの話を、キリトや比嘉さんには言わないでおくことにした。

 

キリトは信じてくれそうだが、比嘉さんにはどう説明すればいいのか分からないし、2回目以降のダイブでは何の問題も起きなかったため、余計なことは言わない方がいいと思ったからだ。

あの後、実験機で幽霊を見るという現象も起きなくなったそうなので、尚更黙っておこうと思ったのだ。

 

俺がそんなことを考えていると、考え事をしていることを不思議に思ったのか、ユウキが顔を覗き込んできた。

 

「ねぇ、フォン。本当に何かあった?」

「・・・実はこの前、滅茶苦茶強い人と戦ったことがあってね。全然かなわなくて、ボロ負けしそうになったんだよ」

「ええっ!?フォンが・・・!?」

「それを思い出しててな。あの人は本当に強かったな・・・もしかしたらユウキでも勝てないかもな」

「・・・それは聞き捨てならないな~!それにしても、フォンがそこまで言う人か・・・ねぇねぇ!どこの誰さんなの?」

「・・・・・それが分からなくてな。それに・・・多分だけど、もう会うこともないと思うんだ」

「・・・???」

 

俺の言葉についていけないユウキが頭の上に疑問符を浮かべていた。

そんなユウキを見ながら、俺は思わず笑ってしまった。

 

「フフフ、アハハハハ!」

「ちょ!?なに笑ってんのさ、フォン!?」

 

怒り出したユウキを宥めながら、俺は話を本題へと戻し、今度のGGOでの助っ人依頼に関して話を進めていくことにした。

 

(そういえば・・・あの時、相手の名前が表示されてたんだっけ・・・

〈SOUZI SAKURAGI〉・・・サクラギソウジ。フルネームをアバター名にしてるなんて、変わってるよな)

 

 

 

〈Other View〉

「今日は悪かったね、付き合ってもらって」

「いえ。こちらもいい経験になりましたから」

 

オフィスビルから出て、背伸びを終えた総司は玲にお礼を言っていた。玲自身もお礼を言い返していた。

 

「量子コンピュータを用いた仮想空間における体感シミュレーションなんてなかなか経験できるものではありませんし・・・でも、本当に仮想世界に行けるなんて、少し前までは考えられなかったですよね」

「そうだね。僕が玲君の年齢の時なんか、本当に夢物語に近かったからね」

「・・・それにしても、師匠の人脈って広すぎませんか?旅館の跡取りや弁護士、記者とか・・・もう国家組織とかと知り合いでも驚かない気がします」

「アハハ・・・まさか(・・・言えない。政府直属の非公開組織と付き合いがあるなんて・・・)」

 

玲の指摘に乾いた笑いを浮かべながら、内心冷や汗を流す総司だったりする。

 

「今日は後輩の弁護士が、知り合いの方から相談を受けて紹介された形だったからね」

「そうだったんですね・・・それにしても、あの剣士は一体何者だったんでしょうか?」

「『Phone』・・・フォンって名前だったかな。彼は本当に強かったよ」

「師匠がそこまで言うなんて・・・俺もちょっと戦ってみたかったですよ」

「まぁまぁ。それに・・・かなりの修羅場をくぐってきた感じもあったね。あれは・・・いや、これ以上は止めておこうか」

 

ふと戦った時に感じたことを言おうと思ったが、これ以上は推測を出ない部分でもあったので総司は話すのを止めた。

 

「あっ!そろそろ行かないと、電車がヤバいですね。すみません、ここで失礼します!」

「ああ。ライカちゃんにもよろしく言っておいてくれ」

「はい!今日はありがとうございました!」

 

そう言って、玲がその場を後にしたのを見送った総司は、バイクを停めた駐輪場へと歩き始めた。

 

(・・・あんなに武器を持ち変える剣士と戦ったのは初めてだったな。

それに彼は・・・人を殺した経験があるように感じた・・・気のせいだといいが、どこか危ない感じだったな)

 

どこか自分と似ている雰囲気を持つ件の剣士にそんな感想を抱きながら、総司はバイクのエンジンを噴かせた。

 

(・・・でも、本当に強かったな。あの年で、あそこまで様々な武器を使いこなすなんてね)

 

ヘルメットのバイザーを降ろし、総司はバイクを走らせ夕日が差し込む町へと消えていったのだった。

 

 




【ソードスキル解説】
体術スキル〈影畔〉
片足から繰り出す体術スキル。ノーモーションで繰り出せ、スキル硬直の時間も短いので使い勝手はいい・・・のだが、発動時間が短いのでスキルコネクトで使うには扱いづらく、与えられるダメージも小さいことから不意打ちや距離を取りたい時に使うことが多い。
いわゆるヤクザキック。

幻想剣《曲刀》9連撃ソードスキル〈ラクティア・シェイド〉
曲刀で幻と実剣の斬撃を放つソードスキル。刀身が分身し、斬撃が3つ放たれるように見えるのが特徴。
モンスター相手には効果はないが、対人戦においては絶大な効果を発揮する。規格外の反射神経を持つキリト・ユウキ・総司にとっては全ての斬撃を目で追ってしまうため、かなり厄介なソードスキル。

幻想剣《曲刀》7連撃ソードスキル〈リバティス・レディール〉
八の字を描きながらどんどん斬撃の威力とスピードが上がっていくソードスキル。技を使えば使う程、スタックが溜まっていき、威力とスピ―ドが上がっていく(但し、戦闘が終わるたびにスタックはリセットされる)。ボクシングでいうデンプシロールみたいな攻撃モーションが特徴。

幻想剣《片手棍》超重単発最上位ソードスキル〈アブスターディ・ターミネイター〉
ソードスキルのライトエフェクトとオーラにより疑似的に巨大化した武器で前方を薙ぎ払う。
単純かつ大振りでのソードスキルのため当たりにくくにいが、ダメージに自身の防具のパラメータを攻撃力に変換・相手の防御力を無視・攻撃した相手のパラメータを1分間30%低下させる、といったえげつないバフ・デバフを併せ持つ。 
名前の由来は英語の「absurdity」と「terminator」で、直訳で『理不尽を終わらせる者』

幻想剣《槍》多重変質最上位ソードスキル〈レギオス・ヴォルメント〉
超高速での槍の乱撃を放つソードスキル。幻想剣の槍ソードスキルでもかなり特殊なスキルであり、槍の種類によって効果が大きく異なる。
 ランスのような重槍だと超強力な突きを放った後、味方全体の状態異常・デバフを解除し、3秒間ダメージを無効化させる(ノックバックは発生する)。但し、盾を装着していなければ発動できない(基本、SAOでは槍は両手装備での扱いだったため、実質発動不可の状態だった。二刀流との併用が前提だったのではないかとフォンは推測している)
 一方、薙刀やショートランスであれば、プレイヤーのAGI・STRに比例し、超高速の乱撃突きを繰り出す。ほとんど見切れないスピードでの連続突きに、武器自体にライトエフェクトによるダメージが付加されているため、かすっただけで直撃と変わりないダメージを受ける。但し、あくまでも連撃数・攻撃スピードはプレイヤーのステータスに則ったものなので、プレイヤーの肉体を考慮していないことから発動後の反動がとてつもなく大きい。SAO・ALOでは腕に違和感を覚える程度だが、ペイン・アブソーバーが適用されないVRでは全身に激痛が走るほどのレベルである。

不知火流剣術『風見鶏・双』
体で刀を隠し、足元から高速の切り上げを放つ型。
不意打ちだけでなく、空中からの連撃に繋ぐなど応用性が高い。『紫電』とはとても相性が良く、同時に開発された兄弟の型とされている。鞘との二刀流で放つ時には型名に『双』という文字がつく。

不知火流剣術『紫電』
空中から全体重をかけた急降下による一撃を放つ型。
斬撃を放つ様が雷撃が落ちるように見えることが型名の由来。
壁を使って高度を稼いだり、骨折覚悟で高い場所から飛び降りながら放つ、技を放つ際に回転を加えるなどなど、様々な方法で威力を増加させることができる。
『風見鶏』とは兄弟の型になり、『紫電』は弟の型にあたる。  

不知火流剣術『風舞』
鞘による回転抜刀撃の型。緊急時における防御や刀と鞘の二刀流における繋ぎの技としての使用、他の型を使う際のフェイントなど汎用性に長ける。

不知火流剣術『無縁』
柄頭による突きの型。カウンターや奇襲として納刀状態や自身の体勢が大きく崩れた時などに放つことが多い。

不知火流剣術『氷鬼』
鞘と刀の二段攻撃の型。刀身を体で隠し、放つ直前で鞘と刀を持ち変え、相手に攻撃を誤認させる。
鞘による頭部への攻撃が囮で、刀による体を狙った本命の一撃を時間差で喰らわせる。

不知火流剣術『霞桜』
カウンター剣撃の型。鞘で敵の攻撃を受け止めるように見せかけ、受け止める直前で力を抜き、体勢が崩れた相手の背後に刀による本命の一撃を与える。

不知火流剣術『絶海』
カウンター剣撃の型。相手の剣撃に刀を沿わせるように当てることでギリギリで剣撃をずらし、渾身の一撃を加える。

【オリジナルキャラ解説】
○櫻木総司
 本話のメインキャラ。35歳だが、見た目があまりにも若く見えることから20代後半と誤解されやすい。本話でフォンをボコボコにしたことから分かるように、その実力は反則級。
 本来は、次世代型の仮想体験の実験に参加していたところ、実験機(STL)の混線に遭遇し、フォンと奇跡の邂逅を果たした。

 元検察官で、私立探偵兼とある組の若き組頭・・・といっても、前組頭の意向を継ぎ、健全な仕事(警備会社や法律コンサルタント)しかしていないため、組というよりもちょっとした有限会社と化している。一方で、秘密裏に検察から法務省に籍を移しているおり(表向きには検察官を退職)、裏側で法曹界に大きく関わる仕事もしている。 
 『不知火流剣術』という対人型暗殺剣術と逆刃刀『黒暁』による対人戦を得意とするも、あくまでも正当防衛でしか反撃しないなど平和主義である(・・・といっても、反撃する時にはまったくといって容赦はしない。本人曰く「かかってきた火の粉を正しく払っただけ」とのこと)
 ロジカルシンキングを得意とし、検察時代にはその秀才っぷりから『法曹界の麒麟児』とも呼ばれていた(本人非公認)。自身の功績よりも、真実を追求するスタンスを重視しているため、身内からも敵を作ることが多かったが、本人は全く気にしていなかった。
 キリト・ユウキを超える反射神経(現実世界で、拳銃の弾丸を刀で弾き飛ばすレベル)や何事もそつなくこなしてしまう多彩な才能(プロを驚かせるバイオリンの演奏レベル・神がかったバイクの操縦技術・専業主婦かと思わせるほどの料理スキルなどなどetc・・・)を持つが・・・アルコールの類が全く飲めず、ビール1杯で酔いつぶれるといった弱点を持つ。
 コンセプトは「僕が考えた最強の主人公」だったのだが、
・マルチリンガルな抜刀術に優れた妻 
・5階から飛び降りても無傷、門や鎖などを素手のみで破壊できる人間兵器。それと、同級生で影すらも掴ませない天才ハッカーの記者姉妹コンビ 
・直感型のピアニストでもある後輩弁護士 
・腹黒・美人・策略の3拍揃った元上司の検察長。
・業界では知らない人はいない覆面デザイナーでトラブルメイカーの悪友
・非公開政府組織に所属する高校生の兄妹
などなど、規格外の人脈を持つ(どうしてこうなった・・・) 

 ちなみに総司自身も事件やトラブルに愛される不幸体質であり、某子供にされた高校生探偵や某名探偵の孫並みの確率で事件に遭遇する(知り合いからは「死神が背中に張り付いているのでは?」「疫病神に愛されている」と揶揄されている)。

○霧屋玲 
 櫻木総司の弟子。『不知火流剣術』から派生させた『鳳桜流剣術』を使う。
出番はすくないがちょっとだけ台詞がある。
生まれ故郷の田舎町に伝わる霊刀『雷の焔』の使い手に選ばれた少年。一般人とは異なる闘気『覇気:鬼神』を持ち、霊感・直感にも優れる。 
 幼少期の苦い経験から、あまり他者に本心を晒さず、自身の身を後回しにする等危険すぎる戦い方をするなど希有な才能を持つ一方で孤高すぎるその生き方は危ういとされていた(実際、師である総司は覇気に対して危険を感じており、それもあって弟子とした経緯がある)。 
 だが、霊刀と呪いに関わる事件・最愛の人との出会い・旧友との再会と呪いとの決着を経て、自身の覇気・闇と向かい合い、大きく成長した。
 今は恋人と共に、都心に大学に通うために上京していたが、大学の休日に総司に誘われて実験に参加したところ、今回の一件に巻き込まれた。 

○アイグレアスガンダム 
 フォンが見た『見たことがないガンダム』 ゲスト出演その1。
『Gリーダー』と呼ばれる小型データ物体化システムマシーンを使用する成瀬昴が変身した最強形態。コンセプトは「『光の翼』の欠点を克服し、フルサイコフレームとサイコミュの技術が取り入れられたV2ガンダム」。名前の由来は『If Progress』(もしもの進化過程)から取った造語。メイン武装として、ビームマグナムとライフルを自在に使い分けられる専用ライフルと、背中に装備された6基のシンクロファンネル(フィン・ファンネルの類似系武装)。
 本作では、覚醒したフルサイコフレームの緑の光が『光の翼』を強化したものとして全身を覆う攻防一体のエネルギーの鎧『光の翼衣』を纏った姿で仮面ライダーダブルと戦っていた。
 以前、作者が構想だけ書いた『ガンダムのデータを装甲として現実世界で纏うバトルストーリー』での主人公。

○仮面ライダーダブル サイクロンジョーカーエクストリームゴールド 
 フォンが見た『見たことある仮面ライダー』 ゲスト主演その2。 
言わずもがな、平成11番目の仮面ライダーで、二人で一人の探偵その人。詳細はウィキペディアやグーグルで検索してください。 
 本作では、劇場版では使用していなかった専用武器『プリズムビッカー』を装備した状態でアイグレアスガンダムと激闘を繰り広げていた。
 ちなみに、両者がゲスト出演したのは、アンケートの全員出演にちょっとだけ答えようとした作者の悪あがき。

 さて、オリジナルかつSAOに全く関係ないキャラクターだらけのお話でしたが、お楽しみ頂けましたでしょうか?
 本来はアリシゼーション編でフォンが使う武器の元となるキャラを絡ませるお話だった筈ですが、どうしてこんなガッツリしたバトルもののお話になったのやら・・・めちゃめちゃ疲れました(苦笑) 

 まぁ、お楽しみ頂ければ幸いですが・・・明日の本編の更新もお楽しみに!
・・・うわぁ・・・後書きが4000字越えとるがな・・・

活動報告にも記載しておりますが、100話記念のアンケートも行っておりますので是非ご参加頂ければと思います。

それと、遅くなりましたが、海だんなさん、
そして、ドラゴニアさん。コメント付きのご評価をつけて頂き誠にありがとうございます!
これからも頑張ります(^.^)
 

アリシゼーション編で、フォンに使ってほしい武器はどれでしょうか?(両手剣、片手剣はデフォルトです)

  • 両手斧
  • 片手棍
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