最後以外は原作とほとんど同じなのでスルーしても問題なしです・・・・・嘘です。読んで頂けると嬉しいですが。
あと、オリ主たちによる菊岡ディスリがちょっとあります。菊岡ファンのみなさん、すみません。
UA30000達成しました!
それではどうぞ!
翌日
雨が降る中、俺と木綿季は詩乃との約束でダイシーカフェへと来ていた。途中出会った明日奈と共に、俺たちは店の扉を開けた。
「「「こんにちわ~!」」」
「おう!よく来たな」
エギルさんに挨拶してから、俺たちは先に来ていた詩乃と和人に声を掛けた。
「やっほー、しののん!」「悪い、遅くなった」「ゴメンね、遅くなって」
「アスナ!?それに、フォンにユウキも!?」
「こんにちは。それほど待ってなかったから、大丈夫よ」
驚く和人を横に俺達も席に着き、エギルさんに飲み物を頼んだ。俺はダージリンティー、明日奈と木綿季がミルクティーを頼んだところで話は第5回BoBのことになった。
「第5回BoBの件、OKだよ」
「俺達も問題なしだ。コンバートの準備とユウキのGGO装備を整えないといけないが、年末まで時間はあるし、なんとかなると思う」
「・・・アスナたちにも頼んでいたのか?」
「そう。あんただけだと暴走しそうだし、フォンとユウキというイレギュラーなコンビも加われば、更に勝率を上げられると思ってね?」
「・・・僕も第4回本選の録画映像を見たけど、あのサトライザーって人、かなり強かったもんね・・・・くぅぅ!楽しみ!」
「・・・・・マジかよ」
詩乃の徹底したやり方に流石の和人も苦笑するしかなかったようだ。すると、
「ねぇ、キリト君。それとフォン君も・・・あなたたち、痩せたんじゃない?」
「・・・そうか?」
「どうだろうな?あんまり実感はないけど・・・」
「ほら。アスナだってそう思ってるじゃない。ユウキもそう思わない?」
「・・・うん。キリトはあんまり分かんないけど、フォンはちょっと筋肉が落ちた気がする」
「・・・そう、かな」
明日奈だけでなく、木綿季にまでそう言われるということはそうなのだろう。実感のない俺は頭を掻くことしかできなかった。
「例のバイトのせいでしょ?また二人して無茶するんだから・・・」
「・・・・・あぁ」
「「「うん?」」」
仕方ないな、そんな表情で明日奈がスマホを取り出した。その姿に和人がやれやれといった感じで表情を崩したのを見て、俺たちは首を傾げた。
「体に異常は無さそうだけど・・・」
「ア、アスナさん・・・?」
「・・・何見てるの?」
更に疑問譜を浮かべた俺と詩乃が明日奈に尋ねると、明日奈はスマホの画面を見せてくれた。そこには、心臓のマークらしき画像が写ったアプリが表示されていた。
「アスナ・・・なにこれ?」
「・・・あんまりじっと見るなよ」
「えっ・・・もしかして、これ・・・キリトの・・・」
「あた~り!」
木綿季の疑問に恥ずかしがる和人の反応で詩乃が気付いた。
「えっ・・・でも、どんな仕組みで?」
「俺のここんとこに、超小型センサーがインプラントされているのさ。そいつがネットを介して、アスナの端末にほぼリアルタイムで情報を渡してる」
「・・・ええええぇぇぇ!?」
和人の説明に驚愕の悲鳴を上げる詩乃。その隣で木綿季も目を丸くしていた。
「な、なんでそんなことを・・・まさか・・・?」
「キリトの浮気を防止する・・・そのため・・・?」
「ち、違う違う!」「違うよ!?」
詩乃と木綿季の邪推を慌てて否定する二人。これは助け舟を出した方がいいかと思い、俺は口を開いた。
「今回のバイトを始める時に向こうから勧められたんだよ。毎回、胸に電極を張るのも面倒だろうって。だから、俺もそのセンサーを埋め込んでもらったしな」
「えっ!?そうだったの!?」
「そうそう。で、その話をアスナにしたら・・・」
「・・・スマホで監視されるようになってしまったと・・・」
俺の言葉に和人がうなだれるように頷いた。ちなみに、僕聞いてない!という目線を木綿季に向けられているが、なんとかスルーしてる。一方の明日奈は・・・
「やぁ~・・・なんか和むのよね。これ見てると・・・キリト君の心臓が動いてると思うと、こう・・・ちょこっとトリップしちゃう、っていうか」
「・・・アハハ」
危ない発言をする明日奈の横で和人が苦笑していた。それを見て、愛されてるなと思う反面、大変だなと思う俺だった。ちなみにそれを聞いた詩乃と木綿季は、
「うわぁ・・・なんかそれ危ないよ、明日奈」
「うん・・・流石の僕もちょっと・・・そこまではしないかな」
・・・ドン引きしてました。
木綿季が
「僕もそれ欲しい!」
なんて言わなくて良かったと、内心ホッとした俺だったりする。
「と、とにかく!フォンにユウキ、アスナの3人が手伝ってくれるのなら、鬼に金棒・・・トーチカに機関銃とミサイルだわ!」
「全力を尽くすよ」「期待に添えるよう、頑張るね」「うん、絶対に勝とうね!」
詩乃の期待の声に俺達はそう返し、話が終わったかと思った時だった。
「さてと・・・それじゃ聞かせてもらうわよ?」
「「・・・えっ?」」
「あんたたちの怪しいバイトよ。新しいVRMMOのαテストなんでしょうけど?」
「あっ・・・僕も聞きたい!フォン、その話・・・詳しく教えてくれないし・・・!」
「・・・俺だとどうしても説明しきれない部分があるんだよ・・・悪い、キリト。一緒に説明してもらってもいいか?」
「・・・分かったよ」
詩乃と木綿季に問いかけられ、俺と和人はバイトに関して説明を始めた。
「俺たちがテストしてるのは、新しいゲームとかアプリじゃないんだ」
「新型フルダイブシステムのブレインマシンインターフェイスそのものなんだ。開発してるのはラースっていう会社だ」
「・・・聞いたことない会社ね」
「鏡の国のアリスに出てくる空想上の生き物と同じ名前だね」
「そうなの?」
「うん。確か、豚っていう説と亀っていう説があるけど・・・」
「へぇ・・・そこが次世代型のフルダイブ機器を発売するの?」
木綿季と明日奈の会話を聞き、詩乃がそう尋ねてきた。それに対し、和人が答える。
「いや、どうかな。そもそも、現行のフルダイブシステムとは、かなり別物なんだよな」
「別・・・?中の世界はどんな感じなの?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
詩乃にそう聞かれ、俺と和人は一瞬目を合わせた。これを言うべきかどうか迷ったが、素直に答えることにした。
「分からないんだ」
「・・・分からない?」
「ああ・・・正確には知らないんだ・・・俺たち」
「えっ・・・?」
俺達の回答に、木綿季と詩乃が疑問の声を上げた。
「機密保持のためなんだろうけど、そのマシンが作るVRワールド内部の記憶は現実世界には持ち込めないんだ。テスト中にどんなものを見て、何をしたのか・・・今の俺たちは一切合切忘れてる」
「「「・・・ええっ!?」」」
その事実に3人は当然のリアクションをした。まぁ、そういう反応になるよな・・・
「一切合切忘れてる・・・それって、まさか・・・!?」
「・・・オーグマーみたいなものじゃないの!?」
詩乃と木綿季の心配の声に、明日奈も不安げな表情で俺たちを見ていた。誤解を与える言い方だったことに気付き、俺と和人は慌てて弁明した。
「違う、違う。オーグマーみたいに負荷をかけるものじゃない。記憶にロックをかけて、思い出せないようしてるって感じだ」
「・・・記憶のロック?」
「ああ。フラクトライトとの経路を遮断してるから、ただ思い出せないだけなんだ・・・」
「・・・?」「・・・フラクト・・・?」
「・・・大元の所から解説しようか・・・そのマシン・・・・ソウルトランスレーターのテクノロジーについて」
次々と出てくる不可解なワードに木綿季たち3人は混乱していた。そこで和人が本題でもあるフラクトライトに関しての説明を始めた。これに関しては、和人の方がよく理解しているので、俺は補足に徹することにした。
「人間の心って、どこにあると思う?」
「心・・・?」
「・・感情ってことだよね?」
「頭・・・脳でしょう?」
「脳っていうのは・・・つまり脳細胞の塊だよな?じゃ、脳細胞のどこに心は存在するんだろう?」
「「「・・・えっと・・・?」」」
「脳細胞を含めた細胞には、その構造を支える骨格があるだろう?マイクロチューブルっていう名称らしいが・・・」
「「「・・・・・・はぁ・・・?」」」
和人と俺の説明に、なんとか理解しようと頭を回す3人。和人は話を続けた。
「チューブ・・・つまり、中空の管なんだ。その管の中には封じ込められてるものがある」
「何が入っているの・・・?」
「光・・・光子の揺らぎ・・・それこそが人間の心なんだそうだ。ラースによれば・・・」
「その光の集合体が人間のソウル・・・魂だってこと?」
「・・・うん」
「そして、その人間の魂かもしれないもの・・・ラースではこう呼んでいるんだ。
フラクトライト、ってな」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
和人と俺の説明をなんとか整理しようとする3人。先に纏め終わった明日奈が口を開いた。
「フラクトライトを読み取る機械がソウルトランスレーターってことなのね・・・でも、それって、逆もできるじゃないの?」
「「・・・逆?」」
「うん。アミュスフィアは視覚や聴覚の情報を脳に送り込んで、私たちに仮想世界を体感させているでしょ?同じようにソウルトランスレーターも魂に情報を送りこむことができるんじゃ・・・?」
「ああ、その通り・・・ソウルトランスレーター・・・通称STLはフラクトライトに短期的な記憶を書き込むことで、見せたいものや聞かせたいものの情報を与える」
「それをニーモニック・ビジュアルデータっていうらしい」
明日奈の疑問に、STLの仕組みを説明したところで、俺はその体験を話すことにした。
「俺達、ごく初期のテストダイブ中の記憶なら覚えてるんだけど・・・全然違ったよ」
「ああ・・・アミュスフィアが作るVRワールドとは全然違ったんだ」
「・・・どう、違ったの?」
「・・・その世界を見た時・・・俺はその世界が現実世界と瓜二つ・・・仮想世界だとは思えないくらいだったんだ」
「「「・・・!?」」」
俺と和人が告げる真実に驚愕する3人。あの光景は今でも忘れられないぐらいに焼き付いていた。空気や自然・・・全てが現実世界そのものと同じだったのだから・・・
「でも・・・それは本当に安全なものなの?私、怖いよ・・・その話を持ってきたのは、総務省の菊岡さんなんでしょう?」
「・・・確かに。あの男には気の許せないところがある」
「・・・何考えてるか分からないし、色々と怪しいところもあるしな」
明日奈の疑いの声に、和人と俺も同意した。だが、それでも俺たちがこのバイトを受けたのには理由があった。
「でもな・・・俺は知りたいんだ。フルダイブ技術が一体どこに向かっているのか・・・予感がするんだ。STLには何かある・・・まぁ、フラクトライトとかニーモニック・ビジュアルとか難しく聞こえるけど・・・STLが作るのはリアルな夢みたいなものなんだ」
「・・・夢?」
「・・・どういう意味?」
和人の言葉に疑問符を浮かべる明日奈と木綿季に俺がその意味を答えた。
「例えば、寝てる時、長い夢を見ることがあるだろう?目が覚めた時、2、3時間夢を見ていた気分にさ。でも、実際に夢を見ているのはほんの数分だったりするんだ・・・よくレム睡眠とかいうワードを聞くだろうけど、そういう短い時間なんだよ。STLはそれと同じ現象を起こさせるんだ」
「・・・ええっと?」
「つまり、人が数分間で何時間の夢を見ているように、少しのダイブ時間で長時間の仮想空間を体験させることがSTLだと可能なんだ」
「・・・そんなことが?」
「可能なんだよ、木綿季。それがSTL最大の機能・・・フラクトライト・アクセラレーション・・・略してFLAだ」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
壮大すぎる話に3人は感嘆の声を漏らすことしかできなかった。
「・・・ちょっと待って・・・それじゃ、フォンたちがダイブして3日間って・・・もしかしたら、それ以上の時間を過ごしていた可能性もあるってこと・・・?」
「・・・それも分からないんだよな。その時の記憶はフラクトライトがロックされてるからな」
「ああ・・・10日間だったのか、一か月だったのか・・・全然覚えてないからな」
木綿季の言葉に、俺と和人は肩を竦めて答えた。そこら辺の記憶はさっぱりだからだ。
「でも、どうにか一つだけ一つだけ教えてもらったことがあるんだ」
「テストダイブしていた実験用仮想世界のコードネームなんだが・・・」
「へぇ・・・なんていうの?」
「・・・アンダーワールド・・・それがコードネームさ」
「アンダー・・・ワールド?」
「地下の国、って意味かしら?」
「・・・もしかしたら、それもアリスなのかもね」
木綿季と詩乃の言葉を引き取り、続ける明日奈に全員の視線が集まった。
「不思議の国のアリスって、最初の私家版は地下の国のアリスっていう名前だったのよね。原題は『Alice's Adventures under Ground』だったのよね」
「「・・・アリス・・・?」」
明日奈の説明を聞き、俺と和人は引っ掛かりを覚えた。その様子がおかしいことに木綿季たちも気付いたようだった。
「だ、大丈夫、フォン、キリト・・・?」
「あ、ああ・・・ちょっとな」
「そのアリスって言葉で・・・何かを覚え出せそうだったから・・・」
「・・・それって、つまり・・・」
「・・・なんだろう・・・今すぐに何かをしないといけなかったような」
「・・・ああ。何かを・・・・・何をだ?」
和人と俺はそれが何かを思い出そうとしたが・・・やはり思い出せず、無理に思い出すのは止めたほうがいいと木綿季たちが心配したこともあり、その話はそこまでとなったのだった。
「大丈夫、蓮?」
「ああ・・・もう大丈夫だよ」
家に到着し、雨の中、少し濡れてしまった体を拭きながら、俺たちは家の玄関からリビングに移動した。木綿季が心配しているのは先ほどの俺が何かを思い出しそうになった時に、表情が苦しそうだったことだ。もう大丈夫だと告げると木綿季の表情も少し笑顔になった。
「ねぇ、蓮・・・どうしてそのSTLっていう機械のバイトに参加したの?」
「・・・やっぱり気になってたか?」
「うん・・・和人はああ言ってたけど、蓮はどうしてなのかと思って・・・」
ソファーに座りながら、真剣な表情でそう聞いてきた木綿季に、俺は紅茶を淹れながら答えた。
「そうだな・・・俺は和人からこの話を持ち込まれた時に、良い機会だと思ったんだ」
「・・・どういうこと?」
「俺の元いた世界じゃ、VRMMOの技術はこれほど進歩はしてなかった。この世界に来て、VR世界に触れて・・・俺、思ったんだ。俺が進みたい道は何だろうって・・・」
「・・・前に話してた、弁護士になるかどうかって話?」
「ああ。この世界に来るまではそれ一本で考えてたんだ・・・」
紅茶を淹れ、木綿季の分に砂糖を2つ入れてから持って行き、木綿季の横に座った。
「でも、今は違う・・・父さんとも話して、もっと考えようと思ったんだ。和人たちと一緒に冒険して、木綿季と出会えたこの世界を・・・それに関わるのもアリなんじゃないかと思ったんだ」
そう・・・もともとこの話は和人が菊岡さんから受けた話であり、もし良かったら、俺もどうかという形の話だったのだ・・・それを聞いた俺は迷うことなく、テストダイバーを引き受けることにした。
「・・・それで、答えは出たの?」
「・・・・・正直言うと、まだ迷ってる。でも、STLで俺は感じたよ・・・VRMMOの可能性を・・・仮想世界が広げてくれる世界の広さをさ」
「・・・そっか」
「・・・あと、ゴメンな。その・・・説明するのが遅くなって・・・」
「ううん・・・あんなに難しい話だったら、説明しずらいのもしょうがないよ。でも、胸のセンサーだけは教えてほしかったな」
「ゴメン、ゴメン・・・ちょっと言いづらくってな」
「・・・もう!」
そう言って、木綿季の頭を撫でると、くすぐったそうにして、木綿季が頭をこちらに預けてきた。髪も結構長くなってきたなと思い、その頭を撫で続けた。
「・・・そういえば、そのバイトはまだ続けるの?」
「どうだろうな・・・菊岡さんからはそういった話は聞いてないし・・・まだ分からないな」
「・・・菊岡さんか。僕は会ったことないけど、そんなにうさん臭い人なの?」
「・・・・・ああ。腹黒っていう言葉は、ある意味あの人のことを指しているっていっても過言じゃないな」
そう言って、菊岡さんに関して、ALOから戻って来た時のことや今までのことを木綿季に説明する俺だった。
というわけで説明回でした。
最後の会話はキリトたちの会話に似てますが、マザーズ・ロザリオ編から続くお話だったりします。
次回はオリ主がプッツンする回です。
どういうことかは次話をご覧頂ければと思います。
それでは。
次回更新 23日0時予定