ソードアート・オンライン~夢幻の戦鬼~   作:wing//

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えー、前話までギガスシダーを「ギガシスダー」と誤認しておりました・・・
誠に申し訳ありませんでした。
この間違い、万死に値(ry

青薔薇の剣登場回です。
オリ描写は少ないですが、お楽しみ頂ければと思います。

次々話でようやく戦闘回のお話になります。
それが終われば、ユウキも少し出ますので、ユウキファンの皆様は少々お待ちください・・・というか、キリトとフォン以外のキャラが全然出せないな、アリシゼーション前編は、と思ったのは自分だけではないはずです。

それではどうぞ!


第10話 「青薔薇の剣」

・・・鳥の声が聞こえた。窓から入ってきた光に気付き、俺は眠りから覚めた。布団から体を起こして・・・一瞬自分がどこにいるのかが分からなくなり、驚いてしまった。

 

(・・・・・そうだった。俺はキリトと一緒にアンダーワールドに来て、教会に泊めてもらったんだったな)

 

昨日の出来事を思い出し、冷静になった俺。ALOだと寝ることでログアウトしていた習慣があったのと、現実とさほど変わらないアンダーワールドの光景に錯覚してしまったのだ。

 

とりあえずキリトを起こすかと思い、俺がベッドから起きた時、ドアがノックされた。

 

「二人とも起きてる?」

「セルカ?ああ、起きてるよ」

「フォン・・・おはよう。起きてて良かったわ」

 

扉を開けると、セルカが立っていた。どうやら起こしに来てくれたようだ。

挨拶を返すと、俺が起きていたことにセルカもどこかホッとしていた。

 

「ありがとう、起こしに来てくれて。もうお祈りの時間だったか?」

「いいえ。お祈りまでは時間はあるわ。まだ二人で寝てたら、起こすのに時間がかかったらと考えて早めに来たの。フォンは朝早いの大丈夫だったのね?」

「習慣かもな・・・まぁ、キリトはまだ寝てるけどな」

 

セルカの言葉に苦笑いしながら、ベットのキリトへと視線を向けた。

 

「それじゃ、キリトを起こしてもらえるかしら。あと15分ぐらいでお祈りが始まるから、遅れないように礼拝堂に来てね」

「ああ、分かった」

 

そう言って、セルカは他の部屋に向かったようだ。もしかしたら他の子どもたちを起こしに行ったのかもしれない。そんなことを考えながら、俺はキリトを起こそうとベッドの傍に近づいた。

 

「ほら、キリト。そろそろ起きろ」

「うーん・・・もうちょっと」

「それ、起きない奴が言うセリフだからな。ほら、さっさと起きろ」

「・・・ううう。スグ、あと5分・・・・・・」

「(プッツン!)・・・起きろぉぉぉ!!!」

「うわぁぁ?!」

 

全く目覚める気配のない寝言にキレた俺はキリトの被っていた掛布団を剥ぎ取った。いきなりの出来事にキリトはようやく目を覚ました。

 

「フォ、フォン・・・?」

「おう、やっと起きたか?早く起きないと遅刻して、セルカやシスターアゼリアに怒られるぞ?」

 

それから俺たちは支度を整え、礼拝堂へと向かった。

 

 

 

お祈りを済ませ、朝食を頂いた俺たちは今日もユージオの天職を手伝うために、彼と合流し、ギガスシダーに向かった。

 

(さてと・・・央都、とかいう大きな街に向かうには、やっぱりユージオの協力は不可欠だよな?)

(だけど、ユージオにはあのあり得ない天命を持つギガスシダーを何とかしないといけないわけだが・・・どうしたもんかね)

 

キリトと交互にギガスシダーに500回打ち込みを終えた俺たちは休憩がてら、ユージオが打ち込みしているのを見守りながら、今後の方針を確認していた。

 

キリトの言葉にユージオが打ち込んでいるギガスシダーを見上げていた。今のままではユージオを天職から解放するどころか、このまま一生を終えてしまうことは確実だった。

 

なんとかできないかとキリトと共に頭を唸らせてると、打ち込みを終えたらしいユージオがこちらに近づいてきていた。

 

「どうしたの、二人とも。そんな難しい顔をして」

「ちょっと相談をな。大したことじゃないさ」

「そっか。午前の分は終わったから、お昼にしようか?」

 

ユージオの提案に賛同し、俺たちはギガスシダーにもたれかかりあの固いパンを取り出した。ユージオと村で合流してから、パン屋に寄って3人分のパンを買ったので、今日は一人一個ずつパンがあった。

 

「「「いただきます」」」

 

そう言って、俺たちはそれぞれパンを食べ始めた。昨日と変わらない硬さのパンに牛乳が欲しいと思ったのは俺だけではないはずだ。俺とキリトがパンを食べるのに苦戦していると、そんな俺たちを見たユージオが、

 

「二人にもアリスのパイを食べさせてやりたかったな」

「アリスのパイ?・・・そんなに美味しかったのか?」

「ああ!皮がサクサクして具がいっぱい詰まってて、搾りたてのミルクと一緒に世の中にこれ以上美味しいものはないって思えた・・・」

「アリスの天職はパン屋だったのか?」

「フフッ、違うよ。アリスは教会で神聖術の勉強をしていたんだ」

 

俺とキリトの質問に交互に答えるユージオはどこか嬉しそうだった。

 

「村始まって以来の天才と言われてて、10歳の頃からもう色んな術が使えたんだ」

「へぇ~・・・」

「それじゃ、セルカも神聖術の勉強のために教会にいるのか?」

「そうだよ。セルカはアリスの妹でね・・・アリスがいなくなった後、シスターになるために教会に住み込みで勉強してるんだよ」

「・・・なるほどな」

 

その言葉に、ユージオの昨日の態度が余所余所しかったのかが分かった。ユージオなりにセルカに罪悪感を感じてしまっていたのだろう。そんなことを俺が考えていると、キリトが教会の子どもたちについて尋ねていた。

 

ユージオ曰く、彼らは孤児らしい。3年前に村に流行り病が蔓延したらしく、両親を喪った子供たちを教会が引き取ったらしい。だが、話はそれだけでは終わらなかった。

 

「でも、変なことはそれだけじゃなかったんだ。近頃、良くない話を耳にすることがあるんだ」

「良くない話・・・?」

「うん。街道のずっと南にゴブリンの集団が出たらしくて、人を襲ったり誘拐したりするんだって噂が流れてるんだ」

「ゴブリンって・・・」

 

ユージオの話に思わず顔を見合わせる俺たち。アンダーワールドには人型のNPC・・・人口フラクトライトしかいないと思っていたが、どうやらモンスターも存在するらしい。その事実に驚きながらも話を聞き続けることにした。

 

「でも、僕はあくまでも噂は噂だと思ってる。だってそうだろ・・・そんなことが起きてるのなら、秩序を守る整合騎士がとっくに退治してるはずなんだ・・・・・しなきゃならないんだよ。闇の国の土を触れてしまったアリスより、ずっとずっと悪い奴らなんだから・・・」

「・・・ユージオ」

(・・・そう思いたい、まるで自分に言い聞かせてるみたいだな) 

 

ユージオの言葉に俺とキリトは何も返すことができなかった。ユージオにとって、アリスの件は色々と思っていることがあるのだろう。整合騎士に対しても、自分に対しても。

 

「だけど、ここ2、3年で教会の裏に新しいお墓が増えたのも確かなんだ」

「神聖術に人を生き返らせるようなものはないのか?」

「さぁ?少し違うけど、高位の神聖術には天命の減少を止めるようなものがあるって、アリスが言ってたよ」

「天命の減少を止める?傷を塞いだり、失った肉体を蘇らせるとかそんな感じのものか?」

「どうだろ?教会の古い本にはそういう術が存在するだってアリスは驚いていたけど、詳細までは分からなかったみたいだよ。使えるのも公理教会の凄く偉い司祭様だけとも言ってたかな」

「公理教会・・・?」

「央都にいる禁忌目録を作った偉い人たちだよ」

 

どうやら神聖術にもランク分けがあるらしい。高度の術になればなるほど、使用者が限られてくるのはVRMMOらしいと思ったのは余談だ。

 

そんなことを思っていると、神聖術を使用するためのコストは何なのかと気になった。昨日、見たステイシアの窓にはMPらしいパラメーターはなかったので、疑問に思った俺はユージオに尋ねてみることにした。

 

「なぁ、ユージオ。神聖術って、一体何を媒体に発動してるんだ?」

「えっ・・・何を言ってるのさ、フォン。神聖術の源は空中に存在している神聖力だろう?」

「し、神聖力・・・?」

 

またしても聞き慣れないワードが出てきたことにキリトと共にハテナマークを浮かべる。分かっていない俺たちに、もしかしてそれも忘れているのかい?と言葉と共にユージオが説明してくれた。

 

「神聖力っていうのは、ソルス神やテラリア神が空気や大地に満たして下さるものだよ。神聖術を使うにはその神聖力を消費するんだ。だから、大きな術ほど消費する神聖力も莫大なものになっていくんだ。まぁ、空間の神聖力を全て消費するような術を使える人はザッカリアの街にもいないだろうけどね」

「な、なるほどな・・・そういえばそうだったな。忘れてたよ・・・!」

「なら、この樹を切り倒せるような神聖術は俺たちには使えないわけだ」

「アハハハ!それができたら、もっと楽ができるのにね!」

 

ユージオの説明に忘れていたフリをした俺。キリトが話を逸らしてくれたおかげでユージオには疑われずに済んだようだ。

 

(・・・うん、今日、教会に帰ったら勉強しよう)

 

そう心に誓った俺だった。そんな決心を俺がしている横でキリトが、

 

「この竜骨の斧でコツコツやるしか・・・・・・そうだ。なぁ、ユージオ。この村には、この斧よりも強い斧はないのか?」

 

と尋ねていた。それを聞いたユージオは首を横に振っていた。

 

「あるわけないよ。これ以上といったら、それこそ整合騎士が持っているような・・・っ!」

「もしかして・・・何か心当たりがあるのか?」

「・・・・・斧の代わりにはならないけど・・・二人に見てもらいものがあるんだ」

 

そう言って、ユージオは山小屋の方へと走っていた。待っていると、重い足取りでユージオが帰ってきた。その背中に何かを背負っており、それがかなり重いようで歩くのもやっとの様子だった。

 

昨日の俺も大剣を背負って、似たような経験をしていたのでその苦労がよく分かった。

そうこうしている内に辿り着いたユージオは背負っていた荷物を落とすように置き、息を切らしながら膝を着いた。

 

「おい、大丈夫か?」

「はぁ、はぁ・・・う、うん」

「ユージオ、これは?」

 

息も絶え絶えの様子のユージオに尋ねるもどうやらそれどころではないようだ。

ユージオに中身を見てもいいか確認を取ってから、俺たちはその包みを開け始めた。あまりの重さに、俺が包みを持っている間にキリトが包装の紐をほどいていく。中にあったのは、

 

「・・・剣?」

「うん。おとぎ話だと、この剣は『青薔薇の剣』って呼ばれてる」

「おとぎ話?」

 

出てきたのは薄い水色を基調とした剣だった。柄の部分には薔薇の装飾が施された片手剣のようだ。シンプルだが、目を奪われる美しさに俺とキリトは思わず息を呑んだ。剣の名前を説明するユージオの言葉に耳を傾けた。

 

なんでも、『果ての山脈』に冒険に出かけたベルク―リという剣士が白竜の巣で見つけたのが、この青薔薇の剣だと言われているらしい。

 

そして、6年前・・・アリスと共にその果ての山脈に行った際にこの剣をユージオは見つけたらしい・・・おとぎ話は実話だったということだ。

 

「まぁ、白竜は骨になっていたんだけどね・・・そして、その後にアリスはダークテリトリーに入ってしまって・・・」

 

そう語るユージオの表情が昨日と同じように曇った。

 

「アリスが連れていかれる時、僕はただ見ているだけで何もできなかった・・・

助けようとしたんだ・・・でも、手も足も動かなかった」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

ユージオの後悔の言葉に俺たちは何も言う事ができなかった。

そんな重い空気を察したのか、ユージオが話を青薔薇の剣へと戻した。

 

「ゴメン、また変な話をしちゃって・・・その剣。見つけた時は持ち上げることもできなかったんだけど、どうしても気になって一昨年の夏に北の洞窟まで取りに行ったんだ。少しずつ運んだんだけど、重くて3か月もかかっちゃった」

「3か月!?そりゃまた・・・」

「・・・なぁ、ユージオ。そこまでしてどうしてこの剣を運んできたんだ?」

 

驚くキリトの横で俺はある確信を持ってユージオにそう尋ねた。すると、ユージオは

 

「いつかこの剣が振るえるようになれたら・・・もしかしたらと思ってね」

 

そのもしかしたら・・・という言葉に俺はユージオの心情を理解した。

 

ユージオは本当に諦めていないのだ。

アリスが・・・今もどこかで生きていると。

だが、今の自分では探しに行きたくても、どうすることもできない。

完全に諦めることもできない・・・だから、少しでも綴りたい希望が欲しい。

 

それがユージオの真意ではないかと俺は感じ取ってしまった。

ならば・・・俺が、俺たちがすることは一つだ。

 

「なぁ、ユージオ。この剣振ってみてもいいか?」

 

キリトとアインコンタクトを取り、そうユージオに尋ねた。

 

 

 

「お、重いな・・・うぉっと!?」

「大丈夫か、キリト」

「ほ、本当に大丈夫かい!?」

 

ユージオから承諾を得た俺たちは青薔薇の剣の試し切りをしてみることにした。

あまりの重さに剣を抜いたキリトが倒れそうになっていた。俺も鞘を持っているのだが、鞘だけでもかなりの重さがあり、手がプルプルしていた。そんな俺たちを見て、心配してくれるユージオ。

 

「なぁ、フォン・・・この剣の素材ってなんだと思う?」

「鋼・・・じゃないよな。氷が一番近いかもしれないけど、こんな硬度、氷がもつわけがないし・・・」

「銀とも竜の牙とも違うよね」

 

キリトの問いかけにユージオと共に考えるも全く見当がつかなかった。SAOやALOで色々な武器を鑑定したり、結構な数の武具を作ったりしたが、青薔薇の剣の素材は全くといって分からなかった。

 

「もしかしたらだけど、この剣は神器なのかもしれない」

「「・・・神器?」」

「うん。神様の力を借りて形にしたか、あるいは神様が自ら作り出したもの・・・そういうものを神器っていうんだ」

「・・・なるほど」

(・・・いわゆるワンオフ・・・エクスキャリバーやイシスフィテルみたいな伝説級武器やユニークウェポンみたいなものか)

 

ユージオの言葉に納得した俺たちはとりあえず試し切りをしてみることにした。

 

「フォン、今のギガシスダーの天命を見てくれるか?」

「ああ。天命は・・・232315だな」

「ふ、二人とも・・・まさかと思うけど、その剣でギガスシダーを打とう、なんて考えてないよね?」

「フフフ。そのまさかさ、ユージオ」

「禁忌目録にギガスシダーを剣で叩いちゃダメ・・なんて項目があるのなら止めるけど?」

「・・・はぁ。前にもこんなことがあったような気がするよ」

 

諦め顔のユージオから了承(?)を得たキリトは剣を後ろ手に構え、息を吐いた。

俺とユージオは巻き込まれるのを避けるため、少し後ろに下がった。

 

「ふぅぅ・・・!」

 

集中したキリトが構えると、青薔薇の剣にライトエフェクトが発動した。

そして、そのままソードスキルの軌道に合わせ、キリトが剣をギガスシダーに振るった。

 

ガァァァン!!

「っ!?うおぉ?!」

 

だが、剣の重さに体を持っていかれたキリトの一撃は切り込みの上に外れてしまい、衝撃でキリトは吹き飛ばされた。心配でキリトに駆け寄った時だった。

 

「大丈夫かい、キリト?!やっぱり無理が・・・フォン?」

 

何も言わない俺にユージオが声を掛けてきたが、俺は目の前の光景から目が離せずにいた。

俺の視線に釣られ、ユージオが見たのは・・・

 

「・・・嘘だろ?剣が・・・めり込んでる」

 

そう・・ユージオの言う通り、青薔薇の剣はギガスシダーに食い込んでおり、たった一撃で傷のなかった樹の表面に切り込みを入れていたのだ。俺は思わずギガスシダーの天命を調べた。

 

ギガシスダーの天命は232314に減少していた。

 

「えっ!?たったの1しか減ってないのか!?」

「・・・違う、キリト。1も減ってるんだ」

「うん。フォンの言う通りだ。今のは切り込んだ場所が悪かったんだ。もし皮じゃなくって、切り目の中心に当たれば、天命はもっと大きく減ったはずだ」

 

俺の説明をユージオが捕捉してくれた。竜骨の斧では1か月で50しか天命を削れなかった。それが青薔薇の剣ではたったの一撃・・・それもギガスシダーにとってはかすり傷にしかならない一撃で天命が1も減ったのだ。これならば・・・

 

「確かに・・・この剣を使えば、ずっと早く樹を削れるかもしれない」

「・・・問題はこの剣を使いこなせるかどうかってことか。キリトで振るのがやっとの状態なら、俺でも使いこなすのは難しそうだな」

「フォンでも厳しそうか・・・ユージオはどうだ?斧の経験とか活かせそうにないか?」

「言っただろう?僕もうまく振れないって・・・」

「俺たちが剣を振るコツを教えてやるから試してみろよ」

「・・・う~ん・・・そこまで言うのなら、やってみるよ」

 

キリトに押され、挑戦することにしたユージオが青薔薇の剣を引き抜いた。

やはりユージオにも剣は重いらしく、両手でやっと持っている状態だった。

 

「お、重い・・・!」

「斧を使う時よりももっと体の重さを使って、腕の力だけじゃなく、全身で釣り合いを取るんだ」

「重心は少し低く、呼吸を整えて・・・あとは斧と一緒だ。切り込む先を最後まで見続けて切り込め!」

「・・・うん!」

 

キリトと俺のアドバイスを受けたユージオは息を整え、剣を構えた。そして、

 

「はぁぁ!」

 

ガァァァン!!

(・・・惜しい!)

 

途中までは良い軌道だったのだが・・・ユージオの斬撃は当たる直前で外れてしまい、キリトが外した場所と同じ所に当たった。

 

「怪我はないか、ユージオ!?」

「なんとか・・・でも、やっぱり僕には無理だよ」

「う~ん・・・いい案だと思ったんだけどな」

 

反動で吹き飛ばされたユージオに手を貸して起き上がらせる。別方向に飛んだ青薔薇の剣を見ながらキリトが呟くが、扱いきれない剣を使って怪我をしてしまえば、本末転倒だということでこの話は保留となった。

 

 

 

カァン!カァン!

「そうだ。そういえば・・・」

 

切り込みを再開したユージオを見ながら作戦を練り直していると、キリトが何かに気付いたようでステイシアの窓を開いた。

 

「もしかして、そのステイシアの窓は自分の奴か?」

「ああ。自分のステータスも見れるのかと思ってな。このデュラビリティが天命・・・HPってことだよな。うん・・・?なら、このオブジェクトコントロールって何だ?」

「オブジェクトコントロール・・・直訳で『物を操る』ってことだよな」

 

そんなことをキリトと話していると、目の前に指してあった青薔薇の剣が目に入った。

剣のステイシアの窓を開いてみると、キリトのと似たような画面が開いた。

 

「キリト、こっちを見てくれ」

「・・・俺の権限よりも高いな」

「ああ・・・・・俺のオブジェクトコントロールの数字も38だな」

 

青薔薇の剣の数字は45となっていた。この『CRASS』の数字が、剣を扱うのに必要なステータスだとすれば・・・そう思い、俺も自分のステイシアの窓を開いてオブジェクトコントロール・・・オブジェクト操作権限の数字を確かめた。

 

「この数値が剣の数値より下だと使えないってことか・・・」

「おそらくな。もしそうなら、なんとかステータスを上げないと青薔薇の剣は使えないってことだが・・・」

「レベルアップか・・・でも、この世界にはモンスターやクエストみたいに経験値を稼ぐ方法はなさそうだしな」

「早くも八方ふさがりだな」

 

せっかくの案も駄目になり、一から作戦を練り直すことになった俺たちは思わずため息を吐くのだった。

 

 




ここらは原作通りだったかと思います。

次回から物語はビギニング編の後半へと進みます。
お楽しみに。

それではまた。

次回更新 29日0時予定

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