仮面ライダージオウ Nexus Future   作:あかLemon

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EP02 2020:ヘイセイ・コンティニュー!

クジゴジ堂のテーブルには、色とりどりのスイーツが並んでいた。

まず一つしっとりとしたチョコケーキを口にして、ゲイツが口を開いた。

「奴らはゲンムの他にエグゼイドのライドウォッチも狙っているといったな。」

「確か、ゲンムには時の概念を歪ませる力が、エグゼイドにはそれを引き出す力があるって。」

そういいつつソウゴが視線を向けてきたので、一度溜め息をついてから、ウォズは逢魔降臨暦をパラっとめくって説明を始めた。

「どうやら、本来のエグゼイドの歴史では、2020年にゲンムはゴッドマキシマムゲーマー、なる形態にパワーアップするらしい。その力は全宇宙の力。時の概念が歪む宇宙の力の効果で、あらゆる時間操作の影響を受けないらしい」

「神様みたいだな...」

「お前が言うことか?」

ゲイツのツッコミに、ソウゴは頬を赤らめつつ、ニコっと笑って見せた。

「...で、それには宝生永夢と同じ天才ゲーマーMの力が必要だったとのことだ。」

「つまり、その天才ゲーマーMの力が宿ったエグゼイドのウォッチを奪って、ゲンムの力をフル稼働させる、ってこと?」

「ツクヨミ君の考えで間違いないだろう」

逢魔降臨暦をパタッと閉じ、マカロンを2本の指でつまんで口に運んだ。

「よし。」

机を上から抑え込むようにして、ソウゴが立ち上がり、玄関の方へ体を向けた。

「ソウゴ、どこへ行くつもり?」

「門矢士のとこだよ」

「奴は当てにならんだろ。」

「ゲイツ君の言うとおりだと思うね」

2人の制止に対して、ソウゴは少し口角を上げた。

「でも、協力してくれるかもしれないんだったらさ、行ってみる価値はあると思う」

そう言って踵を返し、ソウゴはドアの向こうへ消えた。3人はそれ以上は、何も言わなかった。

 

白を基調に、黒やグレーの差し色が高級感と清潔感を程よく醸し出すモダンな住居。窓は締めきられ、カーテンが外界とモダンの世界を遮蔽した、閉塞の空間で、檀黎斗は虚無の時を過ごしていた。

2010年、アナザーオーズとしてソウゴに撃破され、自身の夢を幻にされてからは、彼の人生はさらに空虚なものとなった。

ゲーム会社の社長の息子として期待を寄せられながら、彼はその才能を開花させることができなかった。

社長である父の行き過ぎたスパルタは彼に憎悪と失望、不安のみを増幅させた。

会社の利益を最優先とし、黎斗をその駒としかみなさない父。その駒が期待通りに働かないと見るや、必要以上に叱りつけ、妻の言葉などには耳も傾けなかった。

現在に至るまでの9年、黎斗は世間的には順調に出世していた。しかしそこには彼の求める刺激や報酬はなかった。

あるのは...いや。虚無だ。何もない。何もないのである。

そんな彼の前に、ジャンパーの茶髪男が現れた。

「檀黎斗だね?」

「誰だお前は...」

「タイムレインのセキエイだ」

「タイムレイン...?」

警戒し、一歩退く黎斗。セキエイは嗤いながら、距離を詰めていく。

「君を導いてあげる。...問答無用でね?」

そういって手をかざす。パンッ!という破裂音を脳で感じたのを最後に、黎斗は意識を失った。

 

澄み渡る空、閑静な住宅街。豊かな緑。そのすべてを見渡せる展望台で、士は見かけの平穏をカメラにおさめていた。

足音を感じ取り、ゆっくりと体を向けた。

「...やはり来たか。」

「ねぇ、頼みがある」

ソウゴが口を開くやいなや、右手を向けて払った。

「言いたいことは、大体分かっている。まずはお前の見た事の詳細を説明しろ。話はそれからだ」

 

────クジゴジ堂────

士を連れて戻ってきたソウゴは、3人を呼んで、再びテーブルを囲んだ。

「お前たちの目的はそのタイムレインとやらの計画を阻止し、令和を守ること、だったな」

士はさらに続けた。

「パラレルワールド、って知ってるか」

「平行世界...この世界に似た別の世界よね」

「端的に言えばそうだ。実際のところ、パラレルワールドってのは無数にある。例えばお前たちがライダーの力を継承しなかった場合の世界、常磐ソウゴが魔王になろうとしなかった世界、魔王が救世主に敗れた世界、ってな具合に、IFの世界ってやつも含まれる」

ソウゴとゲイツは一度顔を見合わせ、ウォズに視線を向けた。

「そこのウォズだって例外じゃない。現にお前たちはもう一人のウォズの存在を知っているはずだ」

ソウゴではなくゲイツに忠誠を誓う白ウォズも、いわば[ソウゴがゲイツに倒された世界のウォズ]であり、それはこの世界から見ればIF、すなわちパラレルの存在というわけだ。

「IF、というのは過去と未来の分岐から生まれる。つまり、その分岐点においてパラレルワールドは引き合うことができるというわけだ」

「...つまり、奴らはエグゼイドとゲンムのウォッチを利用して、今を分岐点に、令和という時代に突入しなかったパラレルワールドを実現しようとしているということか」

「まずはエグゼイドのウォッチを死守しろ。万が一にもとられるようなことがあれば...」

「あれば、なんだ?」

「最悪の場合、この世界を破壊する」

 

「EM君、連れてきたよ。騎士(しもべ)。」

「よくやったセキエイ。ではこれより...ゲームを始めよう。」

セキエイに連れられた黎斗の目が、光を失っていく。

「タイムレインの名に懸けて」

抑揚のない声で言いながら、黎斗は右のこぶしを胸に当て、EMを見上げた。

「すべてはEMの召すままに」

タイムレインメンバー一同は、右手を太陽にかざしながら宣言した。

そして、シンゲツが、紫のウォッチを起動し、黎斗に押し付けた。

「う、うがぁ、ぐッ...!ぐわぁぁアアアア!」

[ゲンム!]

[MIGHTY JUMP! MIGHTY KICK! マイティアクション X!]

黎斗は仮面ライダーゲンム アクションゲーマーレベル2に強制変身した。

「ゆけ!我が騎士(しもべ)よ!」

「EMの召すままに...」

ゲンムはガシャコンバグヴァイザーから大量のバグスターと、ゾンビゲーマーを召喚し、街に解き放った。

 

[ドドドドドド....]

凄まじい物音が徐々に近づいてくる。かなり近くで聞こえた時、クジゴジ堂の扉がギシギシと軋んだ。

「え?なになに、どうしたの?泥棒!?」

順一郎は咄嗟に布団たたきを持ち、ガクガク震えながら玄関の方に忍び寄った。

パカンっ!という破裂音と共にドアがこじ開けられ、招かれざる客がゾロゾロと入店してきた。

「...!ば!バケモノォ!く、来るなー!」

順一郎は思わず腰を抜かしたが、しかしなんとか修理中の時計だけは壊させまいと、必死でカウンターの時計を隠した。

「おじさん!どうしたの!」

奥の部屋から、ソウゴ達が玄関に駆け込んできた。3体のゾンビを視界に捉える。ゲイツとウォズは生身でそれぞれゾンビの進軍を抑えた。ソウゴは攻撃をかわしながら、反射的にジオウライドウォッチを取り出した。しかし順一郎がそこにいることが、それの起動を躊躇させた。

「...くそっ!」

束の間の躊躇の後、ソウゴはゾンビを生身で抑え込み、玄関の外に投げられたタイミングでジクウドライバーにジオウIIライドウォッチを装填した。

「変身!」

[ライダータイム!仮面ライダー!ライダー!ジオウジオウジオーウ!II!]

ジオウIIに変身したソウゴはこじ開けられたドアの向こうから、順一郎に近づいていくゾンビに飛びついてそれを引き剥がした。

順一郎を庇うように背中を彼に向け、ゾンビを徐々に外に追いやっていく。

「...ソウゴ君!?」

順一郎の方に振り向きかけ、直ぐに敵に照準を合わせる。

「ジオウ...」

「我が魔王...!」

「こんなとこにいちゃ危険だ、上へ逃げろ」

後ろで様子を見ていた士が、順一郎の手を掴み、ゆっくりと立たせた。

順一郎は戸惑いを隠せなかったが、少し間があってから深く頷き、2階へ駆け上がった。

「予知夢だったんだ...あれは...」

ソウゴが呟く。

「お前が王として君臨すれば、どの道知ることになったんだ、今は気にしてる場合じゃない」

士の言葉に頷いてから、ジオウIIは拳に力を込め、ゾンビに殴りかかる。ゲイツ達も残りのゾンビを追い出し、変身して追撃した。

「ソウゴ...」

ソウゴのその背中が、ツクヨミにはどこか儚さを感じた。

 

街ゆく人が襲われ、怪物に感染する。感染した怪物が人を襲い、感染の連鎖は瞬く間にゾンビの王国を築いた。その魔の手のターゲットは、赤ん坊とて例外ではない。

街の至る所に銃痕が残り、火の海と化した空間に乳飲み子の悲痛な叫びが響く。遠くに、ゲンムの姿が見えた。

「ツクヨミ、逃げ遅れた人たちを」

ソウゴに言われ、ツクヨミはまだ感染していない人々を避難させた。

ソウゴはジオウライドウォッチとグランドジオウウォッチを起動する。ゲイツたちもベルトを腰に装着した。

「変身!」

4人の掛け声がこだました。

[祝え!仮面ライダー!グランド・ジオ――ウ!」

[スピードタイム!リバイリバイリバーイ!リバイリバイリバーイ!リバ・イ・ブ 疾風!]

[ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!ウォズ・ギンガファイナリー!ファイナリーッ!]

[カメンライド!ディケイド!]

4人はそれぞれグランドジオウ、ゲイツリバイブ、ウォズギンガ、ディケイドに変身し、群がるゲンム軍団に突撃した。

[オーズ!]

ジオウはオーズのレリーフをタッチし、オーズ タジャドルコンボを召喚した。空中を飛び回り、マグナブレイズで数体のゾンビゲーマーを消し去った。

ゲイツリバイブは、高速移動しながら次々とジカンジャックローで敵を斬りつけていく。

「スピードなら俺もあるぜ」

ディケイドはマゼンタの変身ベルト、ネオディケイドライバーのバックルを展開し、カードを装填した。

[カメンライド!ファイズ!フォームライド!ファイズ!アクセルフォーム!]

ディケイドファイズアクセルフォームにフォームライドし、10秒のカウントダウンが始まる。

ディケイドは通常の1000倍の速さで戦場をかき乱す。

リバイブ疾風とディケイドファイズの高速コンビネーションは、華麗にゲンム軍団を捌いていった。

ウォズも、ギンガワクセイ、ギンガタイヨウへのフォームチェンジを使いこなし、後方から範囲攻撃を繰り出していく。

[フィニッシュタイム!オールトゥエンティ!タイムブレーク!]

[百烈!タイムバースト!]

[水金地火木土天海エクスプロージョン!]

[ファイナルアタックライド!ファファファ・ファーイズ!]

リバイブ疾風が高速キックを繰り出し、ディケイドファイズは必殺キッククリムゾンスマッシュを連発する。

ウォズギンガは空中から大量のエネルギー弾を彗星のごとく降らせた。グランドジオウの急降下キックがゾンビゲーマーに命中し、派手な爆発が起こった。煙が消え去った時、ゲンム軍団は跡形もなく消滅していた。

ジオウはそれを確認して、ゲンムの待つ方へ進んだ。ゲイツたちもそれに続く。

「君たちの相手はこっちだよ」

「タイムレイン...」

シンゲツ、タイヨウ、セキエイが立ちふさがり、ゲイツたちは拳を構えた。

「ホーウ、こいつらがタイムレインって連中か。大歓迎だ。刺激がなくて退屈してたからな」

「我が魔王は先に行きたまえ」

ウォズに促され、ソウゴは一度うなづくとゲンムの方へ駆けていった。

シンゲツ達はライドウォッチを取り出し、ジクウドライバーに装填する。

「変身!」

[仮面ライダー!ディアボロ―ス!]

[仮面ライダー!ターボクース!]

[仮面ライダー!キュリスー!]

ディアボロス、ターボクス、キュリスに変身したタイムレイン達は、そのままゲイツたちに攻撃を仕掛けた。

 

ディアボロスは、キルバスライドウォッチを起動し、狙いを定めて蜘蛛の糸のようなトラップを射出した。

スピードで撹乱していたゲイツリバイブが、そのトラップにハマった。

「ぐっ、罠か!」

身動きが取れないゲイツに対し、ディアボロスはさらにエボルライドウォッチを起動し、巨大なエネルギー弾を発射する。

しかし、

[パワードタイム!リ・バ・イ・ブ・剛烈――!]

咄嗟の判断でゲイツリバイブ剛烈にモードチェンジし、ゲイツは安全にエネルギー弾をうけとめた。

ジャックローでトラップを切り裂き、ディアボロスに反撃する。

ターボクスはコーカサスライドウォッチを使い、超高速移動でウォズにダメ―ジを与える。だがウォズは動じない。

「相手を間違えたね。宇宙の力、ギンガの力に、その力は通用しない」

流星群を降らせ、ターボクスの高速移動を足止めした。が、ベルデライドウォッチの力で透明化したキュリスが背後を取り、ウォズはバランスを崩した。

「確か対の存在となるのライダーは力が相殺されるんだったな」

エグゼイドはゲンムとクロノス、龍騎はリュウガ、カブトはダークカブト、ビルドはエボルのライドウォッチとそれぞれが打ち消しあう特効が付与されている。使えるライダーの力は限られているということだ。

「なら、こんなのはどうだ」

そういって、ディケイドはカードをドライバーに装填する。

[カメンライド!W!サイクロン!ジョーカー!]

ディケイドは二色のライダー、Wへとカメンライドした。

[ファイナルアタックライド!ダダダ・ダブル!]

腕がゴムのように伸び、キュリスとターボクスをまとめて跳ね飛ばした。

[カメンライド!ウィザード!]

魔法使いの戦士ウィザードにカメンライドしたディケイドは、ウォズギンガの降らせる流星群と合わせて突風を巻き起こし、流星群を加速させた。

 

ゲンムのもとへたどり着いたソウゴを、白服の男が拍手で迎えた。

そして男はゲンムの変身を強制解除させ、黎斗が抜け殻のように倒れた。

「よくぞ俺の作戦通りノコノコ出てきてくれた。歓迎するよ」

「宝生EM...!」

「最後の忠告だ。俺に素直にエグゼイドウォッチを渡せ。さすれば今すぐ軍勢を撤退させ、二度とお前たちを襲撃しない」

ソウゴは拳に力を込めて言い放った。

「このウォッチは渡さない。絶対に」

「...そうか。残念だ。...死ね。」

呆れた顔でダイアクスウォッチを取り出し、起動した。

「変身。」

[仮面ライダーダイアクース!]

ダイアクスはタイムブレーカーを構えると、容赦なくジオウにむけて振り下ろした。

タイムブレーカーを片手で受け止め、フォーゼのレリーフをタッチした。

「宇宙の力ならこれだ!」

フォーゼ コズミックステイツを召喚し、サイキョーギレードを構え、コンビネーションアタックを繰り出す。

一瞬ダイアクスがのけぞったが、すぐに体勢をととのえ、パラドクスライドウォッチを起動した。

空中に現れたパズルを並べ替え、エナジーアイテムを取り込む。

[マッスル化!マッスル化!ジャンプ強化!]

ダイアクスの体が二度膨張し、パワーと跳躍力が飛躍的に上昇した。

大きく飛び上がり、ジオウの胸元にタイムブレーカーを突き付けた。

「ぐはっ!」

よろけながら、ジオウもアギトのレリーフをタッチし、武器のストームハルバードとフレイムセイバーを召喚し、構えた。

二刀流の連続攻撃で確実にダメージを与えていくが、ダイアクスはよろけない。

「悪あがきは以上か」

ハルバードとセイバーをそれぞれの手で受け止め、突き放す。そしてジクウドライバーを回し、右脚にパワーを溜めた。

[タイムストラーイク!]

「うぐわぁぁアアアア!」

グランドジオウはキックを胸に受けて数メートル吹き飛ばされ、変身を解かれた。

 

[一撃タイムバースト!]

[ファイナルアタックライド、ディディディ・ディケーイド!]

[超ギンガエクスプロージョン!]

ゲイツたちは飛び上がり、三人一斉に必殺キックを繰り出す。

[ガードベント!]

キュリスはタイムドラグバイザーを使って巨大な盾を召喚し、ゲイツのキックを間一髪防いだ。

爆発のやんだとき、3人の視界からタイムレインは消えていた。

3人はジオウが進んだ方へと急いだ。

 

ダイアクスの後方にある石板には、エボル、リュウガ、ダークカブト、ゲンム、そしてダイアクスの持つすべてのライドウォッチがはめ込まれていた。

「我が魔王!」

「ジオウ!どうした!」

「ソウゴ!」

変身を解除されたまま立ち上がれないソウゴのもとに、EMはゆっくりと寄ってきた。

そこには、エグゼイドライドウォッチが転がっていた。

「さあ、ウォッチはもらおうか」

EMが手を伸ばした刹那、

「させるか!」

士が手をかざし、オーロラカーテンを呼び出そうとした。しかし、

「ループベントで、その行動はすでに知ってたさ!」

石板の傍らにいたセキエイがいう。

[エボル!]

シンゲツが、石板にあったエボルウォッチを起動し、士のもとへワープした。そして生身の士を蹴り飛ばし、再びワープしてウォッチを戻した。

EMは、足を抑え込むソウゴを振り払い、ついにエグゼイドウォッチを手に取り、石板の方へ寄って行った。

「やめろ.... やめろー!」

必死のソウゴの声も無意味だった。

「これをもって令和は終わりだ...平成31年が再び始まり、俺が最高神ダイアクスシンとして君臨する!」

「なんだと!」

「最高神って...どういうこと?...!ゲイツっ!」

ゲイツが飛び出したが、彼がEMを捕まえるより先に、エグゼイドウォッチが石板の真ん中にはめられた。

石板にあるライドウォッチが共鳴を起こし、禍々しいオーラを放つ。

その闇が蔓延し、空中に大きな穴が開いた。

「EMの召すままにいいいいいい!」

タイムレイン一同は腕を広げ、天へ叫んだ。

「宝生EMの覚醒の時。最高神ダイアクスシン、降臨の時だぁああアアアア!」

セキエイの祝福の叫びがこだまする。

「みたまえ!令和生まれの醜いものたちが、令和にまつわるすべてのものが?闇に葬られてゆく!美しいだろう、美しいだろう!」

タイヨウが高笑いをしながら言った。

ゲイツとツクヨミはこの惨状にただ唖然としていた。

ウォズは、そのやり場のない怒りに自分が飲み込まれてしまいそうで、拳を握るしかなかった。

ソウゴは震えた拳で何度も地面をたたいた。血だらけになっても、何度も叩き続けた。

 

───駅前、イベント会場───

ゼロワンはカバン型の剣アタッシュカリバーを使い、トリロマギアを次々と切り倒していった。

残ったのはグロッソマギア。

「お前を倒せるのはただ一人、俺だ!」

プログライズキーをスキャンし、必殺技発動待機状態に入った。

[テラライズ!ライジングインパクト!]

バッタの跳躍力を利用し高く飛び上がったゼロワンは、そのまま急降下キックの体勢に入った。

脚を突き出し、グロッソマギアのボディを貫通する。マギアの体はボロボロに破壊され、一件落着と思われた。

その瞬間、ゼロワンドライバーが粒子となって、突如空に現れたタイムホールに吸い込まれていった。

ゼロワンの姿から強制的に或人へともどる。

「なんだあの穴!どうなってんだ、うわぁっ!」

プログライズキー、マギアの破片、ついには或人本人やイズさえもがホールに吸い寄せられ、闇へと消えていった。

令和の象徴、仮面ライダーゼロワンの歴史が、令和の存在そのものとともに、抹消されたのだ。

 

「時代を抹消できるなんて、すごいお宝だね。まさに世界の崩壊じゃないか...こんな素晴らしいお宝、独り占めにはさせないよ、士。」

海東大樹は、少し士たちとは離れた場所から、新世界の幕開けの瞬間を目に焼き付けていた。

「創造は、破壊からしか生まれない。よく言ったものだね」

海東はしばらく令和の破壊される様を眺め、その場を去った。

 

「こうなった以上、結論は出ている。..."この世界"を破壊する。」

士はオーロラカーテンを出して、一同をクジゴジ堂に退散させた。

 

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