突然現れた大妖精。そして悲しいストーリーを話す。
以上。
―――そりゃ、つるんで走るっていうぐらいだから、チルノちゃんの横にも何度も乗せてもらってますよ。だから、レビンの特性も大体わかってました。大体、ね。―――――
大「クッ。横と運転じゃまるで、わけが違うけど…。チルノちゃん。待って。お願い!」
チ「大ちゃん。私だって本当は、離れたくないよ。ずっと大ちゃんのそばにいて、一緒に走っていたい。だけどね。人には必ず、地元を離れなきゃいけない日が来る。それがどんな理由だろうと、自分が成長できるならば潔く去らなければならないと私は思うよ。それが今なんだよ。大ちゃん。」
――――――スケートリンク前を過ぎたあたりから、だんだんペースを上げてきました。苦しかったですよ。今すぐにでも泣きたい。この世から去ってしまいたいとさえ思いました。でも、わかったんです。チルノちゃんは本当に最速になりたかったんだって。今までと離れて、最速の名を受けて帰ってくるって。そう信じて、私は中間あたりのストレートでペースを落としたんです。そして、――――
大「・・・。うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
――――思いっきり叫ぶように号泣しました。―――――
チ「ごめんね。大ちゃん。さよなら。(泣)」
―――――次の日。私はここに来たんです。チルノちゃんが最速になるのなら、私もその友にふさわしい走りをしなくちゃって。そう思ったんです。――――――
大「これが、ここに来るまでの経緯です。」
魔・レ・霊「・・・。」
も「そうだったな。大ちゃんは悲しい過去を背負って戦ってるんだったな。」
大「ええ。」
霊「それで。どうしてここに?」
大「それが―――」
皆が息をのむ。
大「GodWingsの方とバトルさせていただきたくて来ました。」
予想外ではないだろうが、みんな驚く。
レ「え!?」
魔「え!?まじかよ!」
大「本当ですよ。たしか、幻想郷にいた住人を確認に回ってるんですよね?」
レ「え、ええ。そうだけど。」
大「だったら、私は幻想郷の住人だから、バトルする権利あるわけですよ。」
レ「はあ・・・うん。そ、そうね。」
大「あ、やっぱり、事前予約しといたほうがよかったですかね?」
レ「そ、そんなことないわよ。で、希望とか、ある?」
大「特にないです。」
レ「じゃあ、ちょっと待ってて。」
大「あ、はい。」
レミリアは1号車からおもむろにトランシーバーを取り出し、それを復路スタート地点にいる咲夜につなぐ。
レ「あ、咲夜聞こえる?」
咲『プーザジャ――プツッ あ、聞こえますよ。どうかなさったんですか?』
レ「ちょっといい?」
レミリアは、咲夜にさっき話された大妖精のことを話し、こう伝える。
レ「で、バトルしてほしいの。大妖精と。」
咲『はい!?』
レ「だってあなた、FC持ってきてるわよね?」
咲『え、あ、はい。そうですが。』
レ「だったら、バトルしない理由なんてないじゃない。」
咲『でもm―――』
レ「魔理沙は体調悪いみたいだし。第一、相手はレビンなのよ?FDでやったら弱い者いじめみたいじゃない。じゃ、よろしく。」
咲『え、ちょプツッ』
レ「と、いうわけだから。大ちゃん。咲夜が相手するわ。」
大「はい。わかりました。」
大妖精が了解すると、レビンに乗り込むと、エンジンをかける。
グオオオォオォン シュン
今まで白だったレビンのボンネットが、いきなりカーボンに代わる。
皆(!!??)
クロ大妖精(以下黒大)「じゃ、行ってくるよ。レミの姉さん。」
レ「え、ええ。」
レビンは一回ターンすると、勢いよく飛び出していった。
魔「な、なんだったんだ!?あの格好、あの色、どう考えても大妖精じゃなかったぞ!?」
も「ああなるんだよ、大ちゃんは。本気になると色を変えてくるんだ。でも、基本的には変わりはしないさ。」
魔「なるほど、フランとはちょっと違うな…。」
――――――八方ヶ原 復路スタート地点 ――――――
雨が止み、曇りの空になった。路面は少々濡れ油断できないような感じを醸し出している。
先ほど連絡を受けた大妖精が向かってきた。その前顔は、怒っているかのようだった。
大妖精がレビンから降りる。しかしそれは、別の何かのようだった。真っ黒の髪。妖精じゃないようなダークな服。しかし、顔ですぐわかった。
咲「あなたが…大妖精…?」
黒大「ああ、そうだよ。あなたと勝負するから…。いわゆる、コスチュームチェンジってやつかな。」
フ「そ、そんな風にはとても見えないよ・・・・。なんか、すっごい存在感。」
黒大「そうかな?」
咲「じゃあ、始めましょう。で、カウントは誰がやる?」
フ「私がやろう。」
咲「それはだめですよ。だって、あなたには同乗してもらわないといけないんですし。」
フ「あ、そっか。」
黒大「誰かカウントしてくれる~?」
黒大妖精が、ギャラリーに呼びかける。ふと、誰かが手を挙げ、こっちに来る。
黒大「あんたがやってくれるのか。じゃあ、よろしくね。」
A「はい。じゃあ、並べてください!」
その合図とともに、レビンはターンし、FCはエンジンがかかる。
A「カウント行きます!」
「5!4!3!2!1!GO!!」
その合図とともに、FCとレビンは勢いよく飛び出す。
咲(私だって…伊達にドライバーやってたわけじゃない。)
―――見せてあげましょう。かつて碓井最速といわれたドライバーのテクニックを―――
黒大「最初は、連続コーナー。プラクティスであんたはセッティングに専念してたみたいだな。セッティング聞くだけでどれだけコースを把握できるか試させてもらう。」
第1セクションの連続コーナー群は、基本的には小回りの利くレビンのほうが有利のはずだが、何かが違った。
大妖精は何度もバトルを積んでるため、車の特性をある程度把握しているつもりだった。だが違う。いつもならほんの少しずつはなれるはずのFCが、逆に射程圏内にいるのだ。ギラギラと光るライト。しかし、焦る様子は全くなかった。
黒大(フン。GodWingsといえど、その程度でプレッシャーをかけたつもりなのか。)
咲「こいつ…あんまりやらないわね。」
フ「え…そうなの?」
咲「そうですよ。かなり勝ち急ぐ焦りが見えるし、しかもラインが踊ってる。これは、なるべく速くバトルを終わらせた方がよさそう。」
(次の第2セクションのS字を過ぎて、急に道幅が広くなるところで仕掛ける。どれだけ耐えられるかしら?)
相変わらず、FCとレビンは密着している。コーナーで離れようもんなら、ストレートで返す。
FCが一向に離れないのに、大妖精はいらだち始めていた。そもそも、このレビンはチルノからもらったものだ。だから。
黒大「何で…離れない?クッ。思ったより速い相手なんてこれまでいくらでも経験してきたじゃない!でも…。いや、だからこそ負けられない。チルノに会って勝つまでは誰にも負けられないんだ!」
問題の場所に入る。FCがペースを思いっきり上げ、仕掛ける。レビンはそれに合わせ、ペースを上げる・・・かと思いきや、譲った。負けを認めたのだ。その少し前。黒大妖精にははっきりとチルノの声が聞こえた。
チ『大ちゃん…?』
黒大「!?チルノちゃん?」
チ『勝ち急いじゃダメ。ゆっくりとマイペースで。でも、ラストにしっかりと上げてくる。そんな大ちゃんが私は――――』
大妖精のレビンが元に戻る。正気を取り戻したのだろうか。
大「ごめんね…チルノちゃん。私…間違ってたよ。」
そうして、バトルの決着があっさりつく結果となったのだ。
次回予告
レビンvsFCはレビンの負けで幕を閉じる。そして新たな時代を歩み始める大妖精だった。
しかし……ここでロードスターに異変が……